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マリンビューワーせと~古仁屋を発着する水中観光船

2013-06-14 | 船舶[日本国内]

MAKIKYUが4月に鹿児島県の奄美大島へ足を運び、瀬戸内町の古仁屋まで足を伸ばした際には、大島海峡を挟んだ対岸の加計呂麻島へ向かうフェリーの他に、古仁屋港周辺を遊覧する水中観光船にも乗車したものでした。


この水中観光船が「マリンビューワーせと」で、MAKIKYUが乗船したピンク色の「ニューせと」と、似た様な風貌ながらも水色の装いで、大きさも一回り小さい「せと2」の2艘が活躍しており、一風変わった風貌は観光船としての存在感を存分にPRするのに役立っていると感じますが、公式HPでは「クジラの形をした船」と称しています。


○Aマークや「A"LINE」と記された船体は、運営会社のカケロマリゾートが奄美大島への航路を担うマルエーフェリー・奄美海運をはじめとするマルエーグループの一員である事を認識させられ、マルエーグループのフェリー船内でも、この遊覧船の宣伝告知が見受けられる程です。

遊覧コースも2コースが存在する様で、どの船でどのコースへ向かうかはその時次第、公式HPでは遊覧時間60~70分と案内されています。

公式HPで告知されている遊覧船の出航時刻次第では、古仁屋から加計呂麻島へのフェリーに乗船したい場合や、名瀬へのバス時刻が迫っている場合などは、下船後に乗り換えるのはギリギリか間に合わないかも…という便もあります。

そのためMAKIKYUが古仁屋に足を運んだ際には、マリンビューワーせとに乗船しようか否か迷っており、この運航時間が最も気がかりだったのですが、窓口で係員に尋ねると「大丈夫」との事、公式HPの案内では実際の遊覧時間より多少余裕を持って案内している様で、時間的に微妙な状況の時には、下船後の乗り継ぎ交通機関出発時刻を伝えた上で、係員と相談すれば何とかなるケースもあるかと思います。
(こればかりはその日の乗船人数や海況、遊覧コースなどによっても左右されるかと思いますので、確実に大丈夫とは言えないのですが…)

そしてMAKIKYUが乗船券を買い求めると、もう乗船時刻が迫っている事もあり、乗船後程なく出航、古仁屋港を出ると大島海峡を南へ10分強航行、そして多数の珊瑚が見られる海域を15分程度遊覧してから、また来た道を戻る形で古仁屋港へ帰着、実際の乗船時間は50分程度といった所でした。
(遊覧コースによっては、珊瑚ではなく熱帯魚観賞がメインになる様で、もし気になる方は乗船前に係員の方に尋ねられると良いかと思います)


このマリンビューワーせとは、船底がガラス張りの「半潜水式」となっており、多数の珊瑚が見られる海域で船底のフロアに降りると、ダイビングなどで自身が労して海底へ潜らなくても、海底の様子を手頃に見る事が出来るのが大きな売りですが、この船底のフロアにずっと居ると、地下道の中を歩き回った後に地上へ出る時の如く、方向感覚が…という状況に陥ります。


おまけに高速航行(普通の船の速度ですので、せいぜい時速40km弱ですが…)で港~多数の珊瑚が見られる海域の間を移動する際には、ガラス越しに見える光景は泡だらけですので、多数の珊瑚が見られる海域を漂い遊覧する時以外は、上のフロアに居た方が…と感じたものです。


ただ多数の珊瑚が見られる海域では、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUが普段目にする事が…という南国の海ならではの様々な珊瑚をはじめ、時折派手な色をした熱帯魚の姿も見る事ができるなど、はるばる遠く奄美まで足を運んだら、一度はこの光景を…という世界を堪能できたものでした。

ちなみに「マリンビューワーせと」の乗船料金は、通常大人一人2500円と決して安くないのですが、当日有効となる道の島交通の路線バスフリーパスを提示すると1割引(団体料金適用)になります。

奄美・沖縄旅行から帰還後、この方面に詳しく、何度も足を運んでいる人物に写真を見せたら、ダイビングで奄美・沖縄など南の海へ幾度も足を運んでいる事もあり、「こんな船には乗船しない」という声も出たもので、ダイビングなどで自身が海に潜るのに比べれば…と捉える向きもある様です。

とはいえ自身が海に潜る事は考えておらず、手頃に南の海の姿を…と考えているのであれば、古仁屋まで足を運んだら一度乗船する価値はあり、変わった船に乗船できるという点でも、注目の存在と感じたものでした。


加計呂麻島へのメインアクセス・フェリーかけろま

2013-06-04 | 船舶[日本国内]

4月にMAKIKYUが奄美大島を訪問し、道の島交通のフリーパスを利用して2日間島内を廻った際には、同社路線バスを利用し、南西部の瀬戸内町へも足を伸ばしたものでした。
(名瀬からは所要約80分・運賃は片道1500円を越えますので、この様なバスに乗車すると、奄美大島が離島の中ではかなり大きい島である事と、フリーパスの威力を実感させられます)

瀬戸内町の中心・古仁屋(Koniya)は、名瀬に比べると小規模な街ながらも、鹿児島発着の奄美海運(喜界航路)も寄港し、コンビニやファミレスもあるなど、本土から遠く離れた離島の街にしては、結構栄えている印象を受けたものです。

島内最大の街・名瀬に比べると、はるかに小規模な街ながらも、離島で中核都市以外にもこれだけの街が存在する辺りは、奄美大島が様々な意味で規模の大きな島である事を意味すると言っても過言ではない気もします。
(離島の街と言うと、本土との航路が発着する島で一番繁栄している街でも、コンビニやファミレスなどは存在しない街も多くありますで…)

この古仁屋の街からは、鹿児島発着の航路以外にも、周辺の島々へ向かう航路が幾つか発着しており、その一つが大島海峡を挟んで向かい合う加計呂麻島への航路です。

古仁屋~加計呂麻島間の航路は、定期船(町営フェリー)が大島海峡に面し、島の中央付近に位置する瀬相へ4往復、同じく大島海峡に面するものの、島の南側に位置する生間(Ikenma)へ3往復の計7往復が就航しています。


就航船は基本的に「フェリーかけろま」1艘だけですので、古仁屋からは瀬相行きと生間行きが交互に発着する運航形態となっています。

古仁屋からの距離が近い生間の方が、所要時間や運賃の面では優位ですが、加計呂麻島は古仁屋から肉眼で見渡せる程近い所ですので、古仁屋~瀬相間を乗船しても運賃は350円、所要時間も片道30分以内で収まります。

運航本数が限られ、名瀬方面との道の島交通路線バスとの接続も、必ずしも良好とは言い難いのが難点ですが、古仁屋へ足を運ぶ機会があれば、上手く時間が合えば、ついでに加計呂麻島へ足を運ぶ事も比較的容易と感じます。


ちなみにこの町営フェリーは、乗船時間も比較的短い事もあり、船内客室はモケットではなくビニール張りの座席が並び、比較的簡素な印象を受けたものです。


とはいえ他に甲板にもベンチなどが設置されており、穏やかな陽気の日はこちらで大島海峡を吹き抜ける潮風に当たりながらの航海も悪くないかもしれません。

また加計呂麻島へのアクセスは、町営フェリーが最もメジャーな方法で、MAKIKYUは加計呂麻島へのアクセスは往復フェリー利用でしたが、他に古仁屋から水上バスや海上タクシーの運航もあります。

こちらは一応ダイヤに基づいて定期運航されている船もあるものの、小型船ですので当然車両航走はできず、定員も少ない船ですので、定員に達して乗船できない可能性もあります。

しかしながらフェリー出航時刻まで時間が空いており、すぐに出航する船がある時などは、水上バスの利用も便利かと思いますし、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も加計呂麻島へ足を運ぶ機会がありましたら、一応状況次第では町営フェリー以外の足もある事を知っていると便利かと思います。


奄美海運「フェリーきかい」~喜界島の生活航路

2013-05-14 | 船舶[日本国内]

先月MAKIKYUが奄美・沖縄を初訪問し、晴れて国内47都道府県訪問達成となりましたが、その際には鹿児島からフェリーで奄美大島へ向かい、その後更に沖縄へ向かったものでした。

1日1便運航している鹿児島~沖縄航路(概ねマルエーフェリー・マリックスラインの交互運航)の2等利用であれば、途中下船制度を活用し、鹿児島~沖縄間通しの乗船券を購入する方法もあるのですが、これだと奄美大島→沖縄間の移動が昼間時間帯となり、限られた時間の有効活用という点では、余り芳しいものではありません。

そのため乗船券は鹿児島→奄美大島(名瀬)と奄美大島→沖縄(那覇)の2行程をバラバラに購入する事で、運賃面では割高になる事を承知の上で、双方共に夜行移動可能な旅程を組んだものでした。

その内前者は、鹿児島~沖縄航路を利用するのが一般的ですが、他に「裏航路」「喜界航路」などと呼ばれる航路も存在しています。

この航路はマルエーフェリーの子会社・奄美海運が、鹿児島~喜界島(湾)~奄美大島(名瀬)~奄美大島(古仁屋)~徳之島(平土野)~沖永良部島(知名)間を、「フェリーあまみ」「フェリーきかい」の2艘で運航しています。
(知名までは一部運航日のみ運航、日によっては平土野折り返しです)

就航中の2艘は共に3000t弱、離島航路にしてはそこそこの船かと思いますが、8000tクラスの船舶を用いている沖縄航路に比べると、船の大きさは小さくなります。

喜界島に寄港する事もあり、喜界航路で鹿児島~奄美大島(名瀬)間を移動するとなれば、所要時間は沖縄航路よりも長くなり、利用者の大半は喜界島発着(鹿児島~喜界島or喜界島~奄美大島)の旅客と言う状況です。

あとは沖縄航路の立ち寄らない古仁屋(Koniya)・平土野(Hetono)・知名などへ向かう旅客で、比較的需要の多い鹿児島~奄美大島(名瀬)間で喜界航路を利用する乗客は、物好きを除くと余り…という状況の様です。

ただ運賃面では、喜界島経由で遠回り・所要時間が増大するとは言っても、鹿児島~名瀬間の2等運賃は沖縄航路と同一に設定されています。
(鹿児島~沖縄航路で徳之島以遠まで向かう場合の奄美大島途中下船では、原則として奄美海運利用は不可ですので要注意です)

鹿児島~名瀬間をフェリーで往復する場合、往復共に同じ航路の船では…という方などは、片道奄美海運利用とすれば、往復で異なる航路・船に乗船できるというメリットもあります。

MAKIKYUが敢えて鹿児島~名瀬間で奄美海運を利用した理由としては、帰路に沖縄航路利用予定があった事に加え、先述の通り奄美大島でバラして乗船券を購入していますので、途中下船制度の対象外となり、沖縄航路利用の必然性がない事に加え、乗船日の沖縄航路就航船に2等洋室(2段ベッド:要差額)が設けられておらず、奄美海運の方には設定がある事も大きな理由です。

また喜界島寄港で所要時間が増大する事で、早過ぎる名瀬到着(沖縄航路では5時頃)を避け、船内でゆっくりできる事や、鹿児島の発着港が桜島桟橋に近く、比較的至便な北埠頭となっているのも、喜界航路のメリットと言えます。
(余談ながら鹿児島の発着港は、沖縄航路が発着する鹿児島新港よりも、裏航路と呼ばれる喜界航路の北埠頭の方が便利なだけでなく、ターミナルも綺麗です)

先日の記事で取り上げた「ドルフィン150」で鹿児島中央駅からドルフィンポートへ向かい、その後徒歩(5分程度)で北埠頭へ向かうと、出航予定は17時30分ながらも、乗船開始は17時10分と比較的遅く、観光クルーズ的要素が薄い航路ならではと感じます。

北埠頭では一応小規模な売店があり、船内でも若干の物販はありますが、埠頭周辺で買出しなどに適した店などは余り…という印象でしたので、鹿児島中央駅からドルフィン150などの路線バスでアクセスする場合、食料などはバス乗車前に購入しておいた方が…と思います。

そして乗船時刻になって乗船しますが、出航時刻の17時30分を過ぎてもまだ出航する様子がなく、船内では「出航時刻を過ぎておりますが、本日荷役作業遅れのため、終了次第の出航となります」というアナウンスが流れ、結局出航したのは18時過ぎと言う状況でした。


船内乗客の会話では、「何日か船が運航しない日があった後だから、いつもより積む荷物が多い」と言った話も聞こえ、ドック入りの関係で通常より運航便数が減少→1便で運ぶ貨物量が多くなるのも災いしているかと思いますが、出航時刻を過ぎても船尾では(恐らく生活物資などが入った)コンテナをフォークリフトで次々と運び入れている様子を見ると、離島航路と言うのは旅客輸送だけでなく、島への生活物資などを運ぶ貨物輸送の役割も大きいと言う事を、改めて実感させられます。

ちなみに喜界航路就航船は通常2艘が就航していますが、「フェリーあまみ」がドッグ入りしていましたので、「フェリーきかい」の方でした。


フェリーきかいは現在のマルエーフェリー系貨客船では最も古い上に、足が遅くダイヤもフェリーあまみとは別立てになっており、普段は足の遅さも災いし、平土野折り返し便のみの充当となっています。


しかしフェリーあまみドッグ入りの影響で、珍しくフェリーきかいが知名まで運航する日でしたので、ただでさえ足が遅いのに出航が遅れたら、その後の遅延もどれだけ…と感じたものですが、こんな船でもきちんと知名の行先表示があるのは、少々意外に感じたものでした。

そして30分ほど遅れて出航すると、本来なら出航時刻が30分遅く、併走する事はないはずの沖縄航路就航船「クイーンコーラル8」とほぼ併走状態になり、しばらくすると外は暗くなって外の景色も…、そして翌日目が覚めて外が明るくなった頃には、未知の世界が拡がる事になります。


船内では物販以外に、小規模ながらも食堂も設けられており、一応食料を調達して乗船したMAKIKYUも、マルエーフェリー・奄美海運ではHPなどでメニューが公開されておらず、内容が気になりましたので、足を運んでみました。
(沖縄航路の共同運航を行っているマリックスラインでは、HPでもレストランのメニューを写真入りで公開しています)


食堂は営業時間も限られ、外が暗くなる頃には…という状況でしたので、営業終了間際の19時前に足を運んだのですが、メニューはカレーライスやトンカツなど食堂の定番メニューと言った品が数品、試しにから揚げ定食(840円)を注文してみましたが、内容的にはまあまあといった所、残念ながら特に薩摩・奄美の地域性を感じさせるメニューなどはありません。
(マリックスラインでは奄美名物・鶏飯などのご当地メニューもあります)


マルエーフェリーの他船でも見かけたのですが、「米は、国産米 を 使 用」と記した案内を大々的に出しており、一応この事をウリにしている様ですが、メニュー数も少なく、HPでの宣伝有無と共に、沖縄航路を共同運航しているマリックスラインに比べると、食堂関連は見劣りが否めない気がします。
(それでもマルエーフェリーでも食堂自体を設けていないカジュアルフェリーが就航している事や、「車内販売はありません」と堂々と放送案内している一部のJR寝台特急などに比べれば、併食設備があるだけでも大きなサービスかと思いますが…)


食事を終えた後は船室(2等洋室)に戻りますが、一応カーテンでベッドを仕切る事ができる2段ベッドが並ぶ大部屋は、通路が狭く少々窮屈な印象があるものの、フェリーでは定番と言えるカーペットの大部屋(2等)+2000円の寝台料金Bで利用できる事を考えれば、設備的にはまずまずです。


夜を越すのであれば、大部屋(写真)とは快適さも雲泥の差かと思いますし、この程度の差額で寝台を利用する事に慣れてしまえば、JRのB寝台開放室などはとても…と感じてしまう事になりそうです。
(この事も瀬戸内海を航行するフェリーとも競合する関西~九州方面寝台列車が、首都圏~九州方面寝台列車以上に振るわず、次々と廃止に追い込まれた一因という気もします)

一旦自室に戻った後も、外は暗いものの、まだ寝るには早い時間と言う事もあり、シャワー利用に出向く、その後ロビーに出て他の乗船客と談笑したりして暫くの時間を過ごします。

HPでは「フェリーきかい」には浴室設置の旨が記されていますが、実態は大浴場の浴槽にはお湯を入れず、洗い場部分をシャワーブースとして使用していると言っても過言ではない状況で、これなら浴室よりもシャワー室設置にした方が良いのでは…と感じる状況でしたが、比較的古参の船故に致し方ない部分かもしれません。

ロビーでは喜界島民の方々の座談会状態となっており、特にスケジュールを合わせて乗船した訳でなくても、たまたま乗船したら知り合いが…という事も珍しくない様ですし、船内でも「喜界島住宅地図」を発売している旨の掲示を見かける程で、「奄美海運」ならぬ「喜界海運」とでも言いたくなる位です。


そして寝台で一晩を過ごし、夜明け頃には喜界島・湾港に到着、ここで鹿児島から乗船した乗客の大半が下船し、また喜界島から奄美大島などへ向かう乗客が乗船、貨物コンテナの積み下ろしも行われます。

喜界島停泊中に夜が明け、程なく出航となりますが、湾港を出るとすぐに外海ですので、海況次第では結構揺れる事も懸念していたのですが、天候こそ決して良いとは言えないものの、海は割合穏やかな事もあり、快適な航海が続きます。

喜界島と奄美大島は距離的にはさほど離れておらず、天気の良い日は対岸が見える様ですので、生憎の天候でも湾港出航から1時間もせずに奄美大島が左側に見え、あとはずっと島沿いを航行しながら名瀬を目指します。

喜界島・湾港出航から2時間程で奄美大島・名瀬新港入港、奄美大島は日本国内の離島では屈指の大きさと人口を誇るだけあり、名瀬港入港が近づくと本土とは遠く離れた離島とは思えない市街地が拡がる姿が目に入ります。

そして名瀬新港に到着すると、鹿児島から乗船した「フェリーきかい」の船旅は終わり、島内を駆け回った後は唯一の未踏県だった沖縄を
目指す事になります。

「フェリーきかい」は喜界島訪問目的を除くと、乗船の必然性に乏しい船ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、乗船された事がある方は少ないかと思います。

比較的古参の船で足も遅く、設備的にもやや見劣りが否めませんので、何時まで現状のまま運航を続けるのか…という気もしますが、存在を知っていれば喜界島へのアクセスとしてだけでなく、奄美大島などへ足を運ぶ際の選択肢にもなり、旅行スタイル次第では利用価値もあるのでは…と感じます。

鹿児島~沖縄航路での途中下船制度適用外となり、奄美大島などを道草して沖縄へ…という旅には使い難く、この喜界航路と名瀬~沖縄(那覇新港)間航路(東京発と大阪・神戸発)の組み合わせでも、鹿児島~沖縄航路の通し運賃と同程度か、少々割増程度の金額(寝台などの差額は当然別途ですが…)で乗船できる乗船券などがあれば…と感じたものでした。


両備フェリー「おりんぴあどりーむ」~デザイナーの特色が随所に…

2013-05-03 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」では、高松~土庄(小豆島)間を結ぶ四国フェリー「第7しょうどしま丸」に関して取り上げましたが、その後小豆島を離島する際には、土庄から今度は岡山(新岡山港)行きのフェリーを利用したものでした。

土庄~岡山間のフェリーは3艘が就航していますが、その内1艘は四国フェリーによる運航となっており、この船は第7しょうどしま丸などと同じ装いになっていますので、見た目は高松航路と大差ない印象を受けます。

岡山航路に就航する他の2艘は、両備グループの両備フェリーが運航しており、四国フェリー運航便とは運行時刻が分かれていますが、両者は共同運航を行っています。

運賃が同一であるだけでなく、乗車券類なども共通利用可能になっており、運行時刻も両者が競合する事なく、合わせて13往復が就航しています。

その中でも両備フェリー運航便は、「おりんぴあどりーむ」「にゅーおりんぴあ」の2艘が就航しており、基本的には1日毎に両者の運航ダイヤが入れ替わる形態となっています。

2艘の内新しい「おりんぴあどりーむ」の方は、某有名デザイナーのデザインを多数起用している両備グループらしく、内外共に非常に特色ある船となっており、初めて両備フェリーを利用するなら是非こちらを…と思い、HPで公表されている運航スケジュールに予定を合わせ、この船を狙って乗船したものでした。


外観は白を基調とした装いや、大きく取られたガラスなどのお陰で、明るく開放感のある船と言う印象を受け、英文字やロゴなどが散りばめられている姿は、某デザイナーが関与した船ならでは…と感じます。


そして船に乗り込むと、JR九州の新型一般型車両座席(MAKIKYUの知人の中には、この座席を大絶賛している者も居るのですが…)を連想させる、反り返った形状の背もたれが特徴的な木製ベンチなどが多数見受けられる様も、某デザイナーが関与した船ならでは…と感じます。


乗船時には使用休止(冬季はお休みの様です)となっていましたが、甲板には足湯区画が設けられているのも、他のフェリーでは余り見られない大きな特徴です。


船内客室は白を基調としたシンプルながらも明るい印象の天井や、木材を多用した座席、様々な柄を用いた座席モケットなどは、非常に特徴的です。


売店コーナーやトイレの入口などには、これまた最近の某デザイナーが関与した鉄道車両ではお馴染みの存在になっているロゴ入りのれんが見受けられます。


壁面にも数々のイラストが掲げられているなど、船内は某デザイナーのデザイン展状態と言っても過言ではない雰囲気を受ける状況です。

そのため日頃土庄~岡山航路を利用し慣れた地元利用者などには余り新鮮味はないかと思いますが、遠方から観光などで小豆島を訪れる旅行者にとっては、船内は独特の非日常的空間が拡がっていると感じるものです。

船内客室の色使いや数々の特色を見ると、船の大きさや設備・形状などは大きく異なりますが、この独特なデザイン空間に身を置きながら海面をクルージングしていると、同じデザイナーが関与しているJR九州高速船「BEETLE」に乗船しているかの如く錯覚させられる面も…と感じます。

また一般のフェリーとは大きく異なる独特なデザイン空間故に、船内を散策していると1時間程度の乗船時間はあっという間、近年JR九州で流行している「観光列車」の船舶版と言っても過言ではない印象も受けたものです。


ただ乗船時間がさほど長くない事もあってか、座席など設備面でのグレードは決して高いとは言い難く、鉄道車両のリクライニングシートを連想させる形状の、窓際に設置されている向かい合わせ配置のハイバック型座席でもリクライニング機能はありません。

ゆったりとしたソファーやリクライニングシートが設けられ、乗船時間の割には高級な設備と感じた、四国フェリーの高松~土庄航路で用いている「第7しょうどしま丸」に比べると、小豆島発着航路を使い慣れた利用者が乗船し、船内でゆったりと過ごすという観点では、見劣りが否めない部分も感じたものです。

とはいえ岡山発着航路だけあり、発着する新岡山港の交通利便性は芳しくなく、同港周辺の公共交通機関は、フェリーに接続する両備グループの路線バス(近年両備バス→岡山電気軌道に移管)が運行されている程度という難点もありますが、新幹線などで各地から岡山へ向かい、その後小豆島へ向かうには便利なルートで、バスとセットで割引された「かもめバスきっぷ」の設定もあります。

某デザイナーならではの独特なデザインは、好みが大きく分かれる所かと思いますが、小豆島へ足を運ぶ機会があれば、高松~土庄航路など他航路も多数ありますので、往復で異なる経路を用いる周遊ルートを構成しながら、様相の異なるフェリーを乗り比べるのも面白いと感じたものです。

小豆島発着航路は、「おりんぴあどりーむ」が就航している新岡山~土庄航路以外にも、本州方・四国方共に両備グループが運航している航路が存在しています。

両備グループは鉄軌道や路線バスでも、JR九州グループと並び、某デザイナーならではの独特なデザインを内外に施した車両を多数運行していますので、他の両備グループが運航する小豆島発着航路でも、今後船舶入れ替えやリニューアルなどで、今後「おりんぴあどりーむ」に続くデザインフェリーが出てこないかも気になる所ですが、興味のある方は是非一度「おりんぴあどりーむ」に乗船してみては如何でしょうか?


四国フェリー「第7しょうどしま丸」~小豆島へのメインルートで活躍するバリアフリー船

2013-04-30 | 船舶[日本国内]

今月MAKIKYUは日本の離島を語るとなれば、存在感が際立って大きい沖縄本島(離島と見做さない向きもありますが…)や、その道中の
離島(これも面積や人口などで、離島の中ではかなり規模の大きい島があるのですが…)などを訪問し、晴れて47都道府県訪問を達成していますが、それ以外にも2月初めには香川県の離島・小豆島を初訪問しています。

国内の離島は沖縄本島のゆいレール(モノレール)を除くと、現在基本的に旅客営業を行う鉄軌道が存在しておらず、また足を運び難い地域が大半を占めるため、今までなかなか足を運ぶ機会がなかったのですが、離島内を運行する路線バスや、離島へ至る航路などは興味深いものが幾つもあります。

MAKIKYUは昨年辺りからボチボチと離島訪問が始まり、まだ未訪問の島々が多数存在しますので、今後も比較的足を運び易く、島内でそこそこの規模の路線バス運行がある島を中心に、機会があれば各地を訪問する事になりそうです。

その中でも2月初めに初訪問、もうまもなく訪問から3ヶ月になる小豆島は、本州・四国双方共に架橋こそないものの、どちらからもさほど距離が離れていない上に、離島にしては面積・人口共にそこそこの規模を誇りますので、中心都市・土庄(Tonosho)を発着する航路を中心に、多数の航路が存在しています。

この小豆島を発着する多数の航路の中でも、最も運航本数が多いメインルートは、県都・高松と島の中心都市・土庄を結ぶ四国フェリーの航路で、この航路のフェリーだけでも昼間概ね1時間毎程度と、結構な高頻度で運航しています。

所要時間は片道約1時間、運賃も片道670円と比較的手頃で、ことでんなどで発売・通用するICカード「Iruca」での乗船券購入が可能になっている辺りは、香川県内航路ならでは…と感じます。
(余談ながらIrucaは高松方の電車・バスだけでなく、小豆島の島内を運行する路線バスでも利用可能です)

高松~土庄間はこのフェリーの他にも、所要時間は短いものの、運賃は割高(片道4桁)な小型高速艇(車両航走不可)も運航、時間帯によってはフェリー乗船中に高速艇に追い抜かれる事もあり、MAKIKYUが乗船した際にも、この追い抜き劇を目撃する事ができました。

ちなみに高松~土庄間の四国フェリーでは、運航本数が比較的多い事もあり、幾つもの船が稼動していますが、MAKIKYUが乗船した際にはバリアフリー対応船の第7しょうどしま丸に当たりました。


高松~土庄間航路では、他にも同じくバリアフリー対応となっており、四国フェリーHPでも取り上げられている第2しょうどしま丸などが稼動しており、どの船も外観は比較的類似した印象を受けますが、船体に「Olive Line」と記されている辺りは、オリーブで有名な島へ向かう航路らしいと感じます。


乗船した第7しょうどしま丸は、内外共にデザイン面での派手さはなく、機能重視で比較的シンプルな印象を受けますが、船内客室はゆったりとしたソファーなどが並んでいます。


客室前部に設置されたリクライニングシートは展望性も抜群、MAKIKYUおススメの座席ですが、この座席は結構な角度で倒す事ができ、グレード的にはJR新幹線・特急普通車以上(グリーン車平均レベルよりはやや劣る印象)と感じたものです。

また乗船時間は1時間程度ながらも、船内には売店の設備もあるなど、短距離航路にしては上等な印象を受けたものですが、晴れていれば美しい島並みの数々などが堪能できたであろう景観も、生憎の天気では…と感じたのは、少々心残りでした。

第7しょうどしま丸で小豆島に到着した後は、島内を周遊してから今度は岡山行きのフェリーに乗船して離島していますが、小豆島は様々な航路が発着し、その気になれば往復で異なる船を楽しめるのも魅力で、土庄~岡山間航路に関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。


鞆の浦~仙酔島を結ぶ市営渡船「平成いろは丸」

2013-03-31 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」では、福山市内を走る鞆鉄道の路線バスに関して取り上げましたが、そのメイン路線となっている福山駅~鞆港間路線の終点・鞆の浦周辺からは、幾つかの航路も出ています。

その中で最もメジャーな存在と言えるのが、すぐそばに見える無人島・仙酔島へ向かう福山市営渡船です。

この航路は所要時間片道5分・往復240円で乗船でき、昼間時間帯は概ね20分間隔で運航しているなど、行先が無人島の割には、随分至便な航路と言えます。


現在就航している船は、幕末に坂本龍馬率いる海援隊が乗り込んだ蒸気船「いろは丸」を模した黒い小型船「平成いろは丸」で、瀬戸内海の小型船では非常に良く見かける「19t」の船です。
(20tを越えると船の運航資格が変わる事も影響しているかと思いますが、小型船とは言えども船長20m超、路線バス1台分以上の収容力があります)


この船は外観だけでなく、船内も木目をふんだんに使ったレトロ調となっており、ダミーの舵まである様は、同じ広島県内で全線電化区間にも関わらず、敢えて気動車を改造したJRの観光列車(船をイメージし、海沿いを走らせている列車ですので、当然といえばそれまでですが…)を連想させられ、乗船時間が非常に短い船にしては、意外と凝っている印象を受けたものです。

MAKIKYUがこの「平成いろは丸」に乗船して仙酔島に到着した際には、同程度の大きさながらも「平成いろは丸」の様な飾り気はない「第二べんてん」という船が係留されていました。


福山市営渡船HPでも予備船として名前が挙がっており、時折「平成いろは丸」の代わりにこちらが運航される事もある様です。

MAKIKYUが仙酔島へ足を運んだ際には、スケジュールの関係もあり、滞在時間も限られたものでしたが、無人島ながらも宿泊施設などもあります。


また船で渡る仙酔島だけでなく、鞆の浦も古くからの街並みが残る所で、こちらも駆け足で視察した程度でしたが、機会があれば再び鞆の浦周辺に足を運ぶのも…と感じたものでした。


因島-上島町を結ぶ越県フェリー~対岸が肉眼で目視できる程近いのですが…

2013-02-20 | 船舶[日本国内]

先月MAKIKYUは広島県・因島へ足ぶ機会があり、その際には因島から生口島へ向かう予定を立てていました。


因島で土生港の長崎桟橋に立ち寄った際には、生名(立石港)行きの上島町営フェリーが停泊している姿を目撃したもので、立石港は長崎桟橋からも直接肉眼で姿を捉える事が出来る程の至近距離にあります。
(写真は立石港から望む因島:中央付近に見えるやや大きめの建物が土生港フェリーターミナルです)

長崎桟橋~立石港間は所要時間も片道5分程度、運賃も片道70円と割安で、運航本数も毎時3本あるなど、因島からは比較的容易に足を運ぶ事ができます。

生名島が気になりましたので、当初足を運ぶ予定はなかったものの、急遽予定を変更して生名島へも足を運んだものでした。


乗船したフェリーは、瀬戸内海の短距離離島航路では良く見かけるタイプともいえる1階部分が空洞状態の船で、この部分が車両積載スペースとなっており、対岸では乗船時と逆の方向から乗降する事で、自家用車はバックする事無く乗下船できます。


客室は車両積載スペース脇に僅かに設けられた程度、短距離航路だけあって必要最小限といった雰囲気ですが、乗船時間の短さに加え、片道乗船では100円でお釣りが出るほどの安さを考えれば、これでも充分な気がしたものです。

ちなみに因島と生名島は、川か水路と言っても過言ではない程度の海峡を隔てただけながらも、生名島は愛媛県上島町ですので、至近距離を運航する短距離航路ながらも、県境を跨ぐ越境航路となります。

広島県と愛媛県と言うと、一応海上に県境が存在し、しまなみ海道架橋によって実質的に陸続きになっているとは言えども、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、お隣同士という印象ではありませんので、こうもあっさりと両県境を跨ぐというのは…という気もします。

とはいえ上島町は愛媛県とは言えども、本土とは直接陸続きになっていない離島で、生活圏的には広島県方への依存度も高い様です。


上島町は現在生名島・佐島・弓削島の3島が架橋によって実質的に地続きとなっており、これに岩城島などを加えた地域で構成された自治体で、MAKIKYUが上島町を訪問した際には、上島町内を路線バスで移動した後、弓削島の上弓削港から家老渡フェリーを利用して因島へ戻ったものでした。


家老渡フェリーは長崎桟橋~立石港間の町営フェリーと似た様な船が就航しており、こちらも運賃は片道100円と割安ですが、町営フェリーに比べると本数も少なく、因島方の発着港(家老渡)も土生港などの中心部から少々離れているなど、上島町へのアクセスとしては、やや裏道的な雰囲気です。

家老渡フェリーの因島方乗り場近くを走る路線バスも、因の島運輸の島内路線が毎時1~2本程度と、公共交通を利用して移動する身としては、やや不便な印象が否めないのですが、上島町訪問で往復で異なるルートを利用できるという点では、利用価値があると感じたものです。


この上島町へのアクセスは、因島からの県境跨ぎとなる短距離両航路以外にも、三原や今治などからの高速船運航などもあります。

本土からの距離もさほど遠くないだけあって、上島町は非架橋離島にしては比較的至便に感じたものですが、再び訪問する機会があるならば、今回利用したフェリー以外の航路を使うのも…と感じたものでした。


生口島を発着する旅客航路

2013-02-13 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」では、広島県・生口島内などを走る本四バス開発の路線バスに関して取り上げましたが、生口島はしまなみ海道の架橋によって本土と陸続きになっているものの、しまなみ海道開通後も多数の航路が存在しています。

その一つで、MAKIKYUが因島→生口島間を移動する際に利用したのが、因島(金山)~生口島(赤崎)間を結ぶ三光汽船のフェリーで、同航路は正午前後の時間帯を除き、概ね20分間隔で運航していますので、利便性は比較的高いものです。


対岸が見えるほど近く、乗船時間が短い事もあり、客室設備などは簡素で最小限という雰囲気でしたが、旅客運賃は65円(大人片道)と激安なのも特徴で、日本国内の公共交通機関で、正規運賃に10円以下の端数が生じるというのも異色です。

フェリーですので自家用車などの車両積載にも対応しており、むしろ車での乗船客向けに運航していると言った雰囲気がありますが、高頻度で利用する旅客向けに回数券を設定し、「橋(道路通行料)より安い」事を盛んにPRしており、旅客(人)のみでの移動でも路線バスとフェリーを組み合わせると、因島(土生港)~生口島(瀬戸田)間を直通の路線バスで移動するのに比べ、運賃面や本数で優位に立つなど、結構健闘している印象があります。


ただ平日は結構な高頻度で運航しているものの、フェリー以外に架橋ルート(橋を通る路線バスや自家用車利用)が可能な事もあってか、休日は全面運休となり、観光などで因島や生口島を訪問し、対岸へ向かう場合には、日によっては利用できないのは惜しい限りで要注意です。


そしてMAKIKYUが生口島へ立ち寄った後は、瀬戸田港から三原へ向かう航路を利用したのですが、瀬戸田港は小規模でフェリーなどが発着できる設備ではない事もあり、同港発着航路は小型高速船となっています。


瀬戸田から本州方面は、一応フェリーの運航もあり、こちらの方が運賃面では優位なのですが、瀬戸田の発着港が瀬戸田港から少々離れた沢港(徒歩15~20分程度)となる上に、本州側も三原市内ながらも中心部から離れた須波港となります。

自家用車での移動であればこちらを利用する事になるのですが、公共交通機関での移動となると三原側の便も決して良いとは言い難く、割安なフェリー運賃も三原側の移動費を合わせると…という状況です。

また瀬戸田~三原間の小型高速船は、複数事業者による運航となっており、6時台~20時頃まで概ね毎時1~2便の運航がありますので、土地柄の割には至便な印象があります。

乗船時刻によって事前に乗船券を購入するか、船内で直接運賃を支払うかが分かれているのも特徴で、少々紛らわしく、どちらかで一本化するか、船内収受の船でも事前購入の乗船券が通用すれば…と感じます。


ちなみにMAKIKYUが乗船する時刻の便は、事前に自動販売機で乗船券を購入する方で、乗船した「シーホーク」は定員70名、大型バスよりやや大きめながらも、鉄道車両1両よりは…という水上バスといった雰囲気の船でした。


係員に乗船券を渡して乗船すると程なく出航、ダイヤ上は沢港を経由して三原港へ向かう便でしたが、沢港での乗船客が居ない事もあり、一旦沢港へ近づき停船したものの、着岸せずに一路三原港へ、実質的にノンストップと言っても過言ではない状況でした。

小回りが利く小型船で、ジェットフォイルの様な超高速ではないものの、40km/h以上は出る様で、途中では沢~須波間を航行するフェリーを追い抜くなど、高速船を名乗るだけあると感じ、三原港までの30分弱の航海はあっという間に感じたものでした。


MAKIKYUが乗船した瀬戸田~三原間高速船は800円、そしてしまなみ海道を通る路線バスも運行している瀬戸田~尾道間も、高速船は800円で乗船でき、尾道航路は運航本数が限られるものの、運賃面では路線バスより割安なのも大きなウリです。

晴れた日の昼間などは、瀬戸内海に浮かぶ数々の小島を眺めながらの景観も絶景で、生口島へのアクセスには、しまなみ海道によって本土と陸続きになった今日でも、ルートや時間帯次第では航路の利用価値も大きく、路線バスとの乗り比べも面白いのでは…と感じたものでした。


ターボジェットで活躍する高速船群~ジェットフォイル以外にも様々な船が…

2012-11-29 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」では、香港~澳門間で高速船を運行しているTurboJETのジェットフォイルに関して取り上げましたが、同社では他にも様々な種類の高速船を就航させています。

香港~澳門間では、香港島の中環にあるターミナルを発着する便だけでも、昼間15分毎程度とかなりの高頻度で高速船が就航しており、
ジェットフォイルの夜間航行も行っています。


九龍側や空港発着となる便なども合わせると、TurboJETだけでも相当な便数が就航しており、他に中国大陸本土~澳門間を就航する高速船なども存在しますので、発着時刻や船種が表示された就航案内を見るだけでも圧巻です。


現在TurboJETで就航している高速船は、船内にあった船内誌の「船隊資料(vessel information)」に出ているだけでも5種類(同種船で客室設備が異なるプレミア・ジェットフォイルを含めると6種類)が存在しています。


澳門で香港へ向かう乗船券を購入する際には、澳門到着時に港に係留されていたジェットフォイルとは異なるタイプの船体(Foilcat)を撮影しており、この写真を見せて時刻を聞きだしてから乗船券を購入し、香港への帰路には敢えてジェットフォイルとは異なる船に乗船したものでした。


実際に乗船したのは、FoilcatではなくTricatで、澳門側窓口の係員が別タイプの船体と混同していた様です。

MAKIKYUは澳門からの帰路で、ジェットフォイル以外の高速船に乗船し、船内設備や乗り心地の違いを対比する事が目的で、Tricatも日本ではなかなか乗れない船かと思いますので、これでも目的は充分達成できて満足でしたが、どうしてもこの種類の船に…といった場合は、英語or中国語(漢字)で直接船名を書いた紙を係員に手渡し、目的船種の運行時刻を尋ねた方が良いかと思います。


ちなみに乗船したTricatは、水中翼を用いて浮上し、翼走航行を行うタイプの高速船ではなく、2艘の船をつないだ形状の双胴船で、TurboJETではTricat以外にも、幾種もの双胴高速船を所有していますが、船の前面から船体下部を見ると、ジェットフォイルとは大きく異なる船体構造が一目瞭然です。


船内に乗り込むと、ジェットフォイルよりは重量が重く、客室定員も多い船だけあって、高速船にしては広々とした印象を受けたもので、船体が大柄な事に加え、双胴船という構造も影響してか、停泊時における船体の揺れも、ジェットフォイルに比べると小さく感じられたものです。
(ジェットフォイルは比較的小柄な船だけあって、高速での翼走航行時はさほど揺れないのですが、停泊時や港内を低速で艇走航行する際は、海況によっては大きく揺れます)

また航行時も、エンジン音はジェットフォイルより小さく、静粛性という点ではジェットフォイルより優れていると感じたものでした。

ただジェットフォイルなどとは異なり、高速航行時に浮上している船ではありませんので、時折波の影響を受けて、ふわりと上下に揺れる事があり、船に乗り慣れていない乗客などは、この揺れで船酔いするかもしれませんので、ジェットフォイルと比べると一長一短といった感が
あります。

多数の小島が存在し、島影を縫って航行する香港~澳門間や、東京湾や瀬戸内海の様な穏やかな内海では、このタイプの船でも快適な航行が堪能できますが、玄界灘や太平洋の様な海では、この手の高速船は居住性でやや難ありかも…と感じたものです。

香港~澳門間ではTurboJETだけでも、他にも幾種かの高速船を就航させており、他事業者が運行する高速船も多数ありますので、遠くてなかなか足を運ぶのが容易な土地ではないだけに、再び足を運ぶ機会に恵まれるかは分かりませんが、もし再び香港~澳門間の高速船に乗船する機会があるならば、また違う船種や事業者の船にも…と感じたものでした。


ターボジェットで活躍するジェットフォイル

2012-11-19 | 船舶[日本国内]

数日前「MAKIKYUのページ」では、佐渡汽船の両津航路で活躍するジェットフォイル「ぎんが」について取り上げ、MAKIKYUは他にも今年に入ってから東海汽船のセブンアイランド3艘をはじめ、韓国旅行でお馴染みのJR九州高速船「BEETLE」や共同運航を行っている未来高速「KOBEE」にも乗船しており、今年は随分ジェットフォイルに乗船する機会が…と感じています。

このジェットフォイルを、世界で最も多く保有している事業者は、香港~澳門間などで高速船を運航するTurboJET(噴射飛航)で、一事業者でジェットフォイルを2桁艘保有している事例は、世界中を探しても他に類がない程です。


MAKIKYUが7月に中国を訪問した際には、香港~澳門間でこのTurboJETのジェットフォイルに乗船する機会もありました。


TurboJETのジェットフォイルは、MAKIKYUが乗船した金星(Santa Maria)をはじめ、各船舶共に赤・黒・白の3色の装いで統一されており、見た目は船名標記などを除くと、どれも似た様な印象を受けます。
(よく見ると船体毎の個体差などもある様ですが…)


船内設備もMAKIKYUが乗船した金星では、普通位と称するノーマルシート以外に、豪華位と称する上級座席も設置され、JR九州高速船「BEETLE」のグリーン席と同様に、1階前部に設けられています。

乗下船も「BEETLE」や「KOBEE」と同様に、1階前方からの乗下船となっており、客室設備は2クラス制となっているジェットフォイルが
大半を占めています。


普通位の座席は、JR九州高速船「BEETLE」と共同運航している未来高速「KOBEE」を連想させる雰囲気(「KOBEE」の中には、TurboJETから売船された船舶が存在する事を考えれば、当然の事なのかもしれませんが…)で、初めて利用する航路と言う雰囲気は余り感じなかったもので、ジェットフォイル自体も日韓航路などで乗り慣れている事もあり、居住性なども概ね見込み通りと言った所でした。

また香港~澳門間はかなり頻繁に高速船の往来があり、TurboJET以外の事業者が運行する船舶も多数存在する他、TurboJETだけでもジェットフォイル以外に様々な種類の種類の高速船を就航させています。

澳門からの帰路は、わざとジェットフォイルとは異なるタイプの高速船が充当される便を指名買いし、乗り比べてみたものでしたが、こちらに関しても近日中に別記事で、追って取り上げたいと思います。


佐渡汽船・おおさど丸~両津航路で運航している大型フェリー

2012-11-17 | 船舶[日本国内]

今月MAKIKYUが新潟県の佐渡島へ足を運ぶ機会があり、その際には本土~佐渡島間の往復で新潟~両津間の佐渡汽船を利用したものでした。

この航路は、佐渡島へのアクセスとしては最もメジャーなルートで、同区間の旅客航路を運航している佐渡汽船では、高速船(ジェットフォイル)と大型カーフェリーという2種類の船舶を運航しています。

MAKIKYUが両津航路を利用した際には、往路はジェットフォイル・ぎんがに乗船し、先日「MAKIKYUのページ」でもこの船に関して取り上げていますが、復路は大型カーフェリーを利用し、両者を乗り比べてみたものでした。

両津航路で就航している大型カーフェリーは5000tを越え、旅客定員も最大1700名程度に達する船を現在2艘(おけさ丸・おおさど丸)就航させています。
(他に通常は直江津~小木間で就航しており、やや小さいこがね丸という船舶(それでも旅客定員は1000人を越え、乗用車を150台程度積載可能な搭載能力を持っていますので、離島航路で用いている船にしてはかなり大型の部類に入ります)も、小木航路が休航する冬季で、通常運航している2艘いずれかがドッグ入りした場合などに充当される事があります)


MAKIKYUが両津航路の大型カーフェリーに乗船した際には、乗船便でおおさど丸が充当され、建造は昭和63年(1988年)ですので、佐渡汽船で就航している大型カーフェリーの中では、現在最も古い船になります。

積載能力も旅客定員こそおけさ丸と同等とはいえ、車両積載能力は小さくなっており、最大速力もやや遅いなど、スペック的には若干見劣りが否めません。

老朽化も影響してか、2年程前には最繁忙期の航行中に故障を起こし、修理のために長期離脱、他の船舶をフル稼動させて急遽臨時ダイヤによる運航となるなどの大混乱を招いた事でも有名な船で、この事もあって近い将来に新造船への代替が表明されている程です。

佐渡島へ足を運ぶ機会は滅多にないMAKIKYUとしては、おおさど丸が就役している間に、再び佐渡島へ足を運ぶ機会自体があるのかどうか…という程ですので、貴重な乗船機会になったと感じています。

乗船したおおさど丸はやや古いとはいえ、運航時間2時間半程度の離島航路で運航している船舶にしては、かなり大型の部類に入る船という事もあって、船内は客室設備もお手頃な2等客室をはじめ、1等席などの上級客室も設けられています。

MAKIKYUが乗船した際には、両津港で乗船券を購入する際に、上級客室の乗船券購入希望者に対し「満席ですので2等席を…」と係員が案内する程の状況で、船内客室の撮影はしていませんが、MAKIKYUが乗船した2等席もそこそこの利用状況でした。

 
また乗船時間は2時間半程度とはいえ、飲料などの自動販売機や売店以外にスナック(軽食コーナー・タレカツ丼やながもそばなど、ご当地メニューも用意されています)やゲームコーナーなども設けられ、大型船だけあって空間的なゆとりも大きいなど、やや古いながらも設備が比較的充実している印象を受けたものでした。

ジェットフォイルに比べると、乗船時間こそ倍以上を要しますが、船室の快適さや船内設備の充実度は2等利用でも…と感じる程、運賃も高額な特急料金を要しないだけあって半分以下となっており、大型船だけあって欠航率が低いのも評価できる事です。
(両津航路ではジェットフォイルのみ欠航という事がしばしばで、両泊航路の高速船あいびすは、頻繁に欠航しています)

個人的には観光目的で時間に余裕があるならば、車搭載ではなく旅客(人)のみの乗船で両津航路を利用する場合でも、ジェットフォイルより大型カーフェリーの方が…と感じたものです。

とはいえジェットフォイルの速さは、本土~佐渡島間の移動利便性向上に大きな役割を果たしており、乗継交通機関の接続やビジネス利用などでは…という事もあります。

用途に応じた複数の選択肢が存在し、目的に応じて使い分ける事が出来るのは歓迎できる事で、メインルートの両津航路では両者がそこそこの本数就航しているのは、人口減少が続いているとはいえども、佐渡島が離島の中では別格と言える程の規模を誇っている事を改めて実感させられたものです。


佐渡汽船・ジェットフォイル「ぎんが」~シンプルながらも前面展望は…

2012-11-15 | 船舶[日本国内]

数日前MAKIKYUは、初めて新潟県の佐渡島へ足を運んだものでした。

佐渡島は沖縄本島(本土と捉えるのか、それとも離島として捉えるか否かは、判断が分かれる所ですが…)を除く日本の島(世界的には「島」に分類される本州・北海道・四国・九州と、この4島いずれかと橋などで陸続きになっている島は除外します)では面積が最大、人口も2番目に多く、日本最大級の離島と言っても過言ではありません。

本土からの距離も最短で50kmを切っており、天候が良好な時には本土側・佐渡側双方から対岸の陸地が見渡せる程ですが、非架橋離島だけあって、本土との移動は専ら船舶に依存する形(一応空港もありますが、シェアは微々たるものです)になっており、本土~佐渡島間の旅客船は佐渡汽船が一手に担っています。

佐渡島訪問は初めてのMAKIKYUにとっては、佐渡汽船乗船も初めてでしたが、本土側の新潟港から佐渡島・両津港へ向かう際には、ジェットフォイルを利用したものでした。

今年に入ってからMAKIKYUは、韓国旅行の足としてお馴染みのJR九州高速船「BEETLE」をはじめ、共同運行事業者・未来高速の「KOBEE」、東海汽船「セブンアイランド」など、幾つものジェットフォイルに乗船しており、今年は随分ジェットフォイルに乗船する機会が…と感じます。

昨年以前も「BEETLE」などには幾度も乗船しており、ジェットフォイル自体はお馴染みの乗物という感がありますが、今回乗船した佐渡汽船のジェットフォイルは、佐渡島へ向かう際に向い風で波が高かった事もあり、乗船時間が1時間と短い事もあって船酔いこそ免れたものの、佐渡島の島影に入る前の新潟港出港直後などは、今までのジェットフォイル乗船の中で最も派手に揺れる航海と感じたものでした。

ジェットフォイルは船体が比較的小柄で、停泊中や出港直後・入港直前の艇走体勢では結構揺れるものの、船体が浮上して高速航行を行う翼走体勢になると、多少の波であればさほど揺れないのですが、MAKIKYUが乗船した日には、ジェットフォイルの後便で欠航が出たという話も聞いた程です。
(新潟~佐渡間フェリーは滅多に欠航しませんが、欠航率が高い赤泊航路の高速船あいびすは、当然ながら欠航です)

そのため出航前に船内を係員が巡回した際には、波が高く揺れる航海(波高3m程度は見込まれるとの事)が予想されるため、前部座席の乗客に「船酔いしやすい方は、中程の空席に…」と移動を勧め、大波の襲来で船体が大きく立揺れ(ピッチング)する際には、船内で驚き声も上がっていた程でした。

 
またMAKIKYUが乗船したジェットフォイルは、佐渡汽船が現在保有する3艘のジェットフォイルの中では、最も古い「ぎんが」で、「BEETLE」の様な内装の大規模リニューアルなども施していないためなのか、少々草臥れた印象を受けたものです。


乗船時間も新潟~両津間1時間強と短い事もあって、座席はリクライニング機能も装備していない1等級のみ、外観の装いもシックな印象の「BEETLE」や、各船毎に大きく異なる派手な装いが特徴的な「セブンアイランド」などに比べると大人しい印象を受けたもので、本土と佐渡島を速達輸送する事に特化した、シンプルな高速船という印象を受けたものです。


ただ1階最前部に乗船すれば、「BEETLE」や「セブンアイランド」とは異なり、前方の展望を存分に堪能できるのは、派手さこそないものの佐渡汽船が運航するジェットフォイルの大きなウリと言えます。

ちなみにMAKIKYUが佐渡へ足を運んだ際には、往復共に新潟~両津航路(時期によっては、この航路しか運航していない事もあります)を利用したのですが、復路はジェットフォイルではなくフェリーを利用しており、こちらに関しても近日中に別記事で取り上げたいと思います。


東海汽船・4艘目のジェットフォイル導入へ~船名は「セブンアイランド 友」

2012-11-10 | 船舶[日本国内]

今日東海汽船HPを見た所、来年春より超高速船(ジェットフォイル)「セブンアイランド」の4艘目の船舶が導入され、繁忙期に増発も行う旨が公開されています。


東海汽船のセブンアイランドシリーズは、現在就航している3艘が「愛」「夢」「虹」と名付けられ、それぞれが大きく異なるカラフルな装いを纏っている事も大きな特徴ですが、今度導入される4艘目は「セブンアイランド 友」と名付けられ、HPに出ている構想図を見ると、これまた特徴的でカラフルな装いとなっています。
(写真は以前別記事で使用した「セブンアイランド 愛」の画像です)

東海汽船では大型客船1艘(かめりあ丸)の置き換えが発表されており、こちらに関してはまだ暫く先の話にも関わらず、既に新船名や構想図などが発表されていますが、ジェットフォイルに関しては来年春からの導入にも関わらず、突如このタイミングで導入発表となったのは少々驚きで、現行3艘全てに乗船してセブンアイランド制覇と思っていた矢先、また一つ楽しみが増えたとも感じています。

船内設備などに関しては、特に目新しい装備が用意される趣旨の言及がなく、現行3艘と共通運用するのであれば、ほぼ同等の収容力重視型モノクラスになる可能性が高いかと思いますが、「友」だけに設定される新装備などが出てこないものか気になる所です。

ジェットフォイルは近年新造実績がない上に、売船・移籍が非常に盛んで、一つの事業者・航路だけで運航している船舶の方が…とも言われる程ですので、現行3艘と同様に何処か他の事業者から中古船を購入した可能性が高いかと思いますが、中古船だとすれば、何処の事業者で使用していた船を購入したのかも気になります。

構想図を見る限りでは、東海汽船のジェットフォイルにおける大きな特徴とも言え、ジェットフォイルではオプション設定となっている2階前部の乗降用扉(MAKIKYUが韓国旅行の際に愛用しているJR九州高速船「BEETLE」には、この扉は設置されていません)も見受けられますので、この扉が設けられている船を選んで購入したのか、また実際に構想図通りこの扉が付いた船が導入されるのかも気になる所です。
(東海汽船のジェットフォイルでは、大型船舶用の岸壁から発着する事もあり、各港での上下船時に2階前部扉から乗降しますので、この扉がないと、かなり扱い難い船になってしまいますので、2階前部扉なしの可能性は極めて低いと推測しています)

今回のジェットフォイル増備で、今までに何度か実験運行が行われている三宅島への定期航路就航が実現するのかも気になる所で、またMAKIKYUは神奈川県内在住と言う事もあり、個人的には久里浜寄港便を増やして頂ければ…とも感じています。


東海汽船・セブンアイランド 虹~左右で装いが大きく異なる高速船

2012-09-26 | 船舶[日本国内]

MAKIKYUは今年に入ってから、距離的には生活拠点の首都圏からさほど遠くないものの、今まで足を運ぶ機会がなかった伊豆諸島に相次いで足を運んでいます。

5月に東海汽船の高速船「セブンアイランド 夢」で久里浜から大島へ足を運び、日常の生活圏から僅か1時間程度で足を運べる近さを実感した後、6月には三宅島へのジェットフォイル試験運航の片道無料モニターに当選し、この時には「セブンアイランド 愛」に乗船したものでした。

またMAKIKYUの手元には、有効期限今月末までの東海汽船株主優待券(乗船券購入時に35%割引)が1枚残っており、この優待券の有効期間内にまた何処かへ…と思い、数日前に今度は神津島へ足を運び、MAKIKYUの伊豆諸島行きはこれで3回目になります。

東海汽船の高速船(ジェットフォイル)は3艘在籍しており、既に2艘は乗船済ですので、残る1艘「セブンアイランド 虹」に乗船できれば…と思っていたのですが、久里浜から神津島行き(大島・利島・新島・式根島経由)に乗船した際は、MAKIKYUの念願通り「セブンアイランド 虹」が配船され、これで東海汽船に在籍するジェットフォイル3艘全てに乗船する事が出来ました。

MAKIKYUが乗船した事があるジェットフォイルは、韓国旅行で幾度も利用し、お馴染みのJR九州高速船「BEETLE」こそ現在活躍中の各船舶に乗船していますが、「BEETLE」と「セブンアイランド」以外は、海外勢の未来高速「KOBEE」とターボジェット程度ですので、機会があれば他のジェットフォイルにも乗船したいものです。

ちなみに現在東海汽船で活躍している「セブンアイランド」は、船内設備こそ3艘共に大差なく、離島への速達性と収容力を重視した船舶だけに、比較的簡素な印象を受けますが、外観は3艘それぞれが異なるカラフルな塗り分け・色彩となっており、「BEETLE」の様に統一された装いとは異なる魅力があります。

  
特に今回乗船した「セブンアイランド 虹」は、「夢」や「愛」とは異なり、左右で全く異なる装いとなっているのが大きな特徴で、伊豆急行「リゾート21」やJR九州「指宿のたまて箱」を連想させますが、船体右側は配色こそ異なるものの、「夢」と使っている色が比較的類似しており、初めてセブンアイランドの姿を目撃した方などは、両者を混同してしまいそうな気もします。

(以下は「セブンアイランド 愛」と「セブンアイランド 夢」、比較対照用に既掲載記事で公開した画像を再掲します)
 

またセブンアイランドは、主に東京・竹芝と熱海から発着していますが、東京発着便はピーク時を除く週末などに横須賀市の久里浜にも寄港しており、現在横浜市内に身を置くMAKIKYUとしては、久里浜発着だと随分便利に感じる上に、大島などへの乗船時間も短くなります。

ジェットフォイルの燃料代も結構嵩むだけに、久里浜発着だと運賃も随分割安になり、都内~伊豆諸島間を移動する場合でも、久里浜まで
鉄道を利用した方が…という状況ですので、一部便の久里浜寄港だけでなく、久里浜~伊豆諸島方面便が設定されても…と感じる程です。

久里浜発着のルートは、京浜間の海沿い~三浦半島一帯で鉄道やバス事業などを営み、最近は「ブカブカした座席」の電車が大増殖している某大手私鉄グループも、自社の目玉列車とかけて「海の快特」として宣伝している広告類を時折見かけ、また久里浜港へのアクセスにも、久里浜駅からこのグループのバスを用いるのが最も至便な状況です。

しかしながら、MAKIKYUも久里浜港発着の東海汽船高速船に乗船した際には、このグループの鉄道とバスを利用しているものの、つい先日横須賀市内で土砂流入による大規模な脱線事故が発生した事は、ご存知の方も多いかと思います。

死者が発生しなかった事は不幸中の幸いですが、負傷された方も多数居られ、早く回復される事を願うと共に、事故発生箇所は未だに不通状態が続き、代行バスもかなりの時間を要すると聞いています。


三浦半島の大動脈が寸断された状況ですので、日頃利用が少なく、振替輸送の最有力路線となっているJR横須賀線をはじめ、道路交通も随所で混雑が発生し、横須賀市内などは大混乱している状況の様ですが、早急な復旧と事故原因究明、再発防止策がなされ、「海の快特」への重要なアクセスにもなっている「(陸の)快特」運行が通常体制に戻る事を願いたいものです。


東海汽船のフラッグシップ「さるびあ丸」(2)~多様な船内設備

2012-07-07 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた東海汽船のフラッグシップ「さるびあ丸」ですが、今日はその続編として、船内の様子を取り上げたいと思います。

さるびあ丸はジェット船「セブンアイランド」とは異なり、時速30km台の速度で航行する貨客船ですので、足は決して速いとは言い難いもので、船舶が錯綜する浦賀水道での減速航行(船長50m以上の大型船が対象となり、全長が30mに満たないジェット船「セブンアイランド」はこの対象から免れています)も強いられるとなれば尚更です。
(それでももう1艘の大型客船「かめりあ丸」に比べると、エンジン出力の関係などで、若干足が速い様ですが…)

充当航路もそれなりの乗船時間となる事が多いですが、その代わり船体が大柄な事もあってか、船内空間は「セブンアイランド」とは比べ物にならない程広く、設備も充実しており、運賃が最も安い2等席を利用した場合でも、座席自体のグレードや空間の広さは、「セブンアイランド」とは比べ物にならない程です。

「さるびあ丸」などの東海汽船が運航する大型客船の2等席は、長距離航路では一般的なカーペット敷きの大部屋だけでなく、リクライニングシートの椅子席も設けられているのが大きな特徴です。

一応全席指定制ですので、乗船券購入時にどちらか任意の座席を選ぶ事になるのですが、どちらも運賃は同額で、MAKIKYUはカーペット敷きの方を選んだのですが、カーペット敷きの2等席はさるびあ丸客席の中では最下層のフロアに位置しており、エンジンに近い区画では結構な騒音と振動を感じます。


船の等級による料金格差は空間の広さや設備だけでなく、居住性の良い空間を充当しているか否かも関連している事を強く実感させられるものです。

指定された区画は余り居住性の良い所ではなかったものの、三八航路(東京~三宅島~御蔵島~八丈島)は、昼行となる東京へ向かう便の方が乗船率が悪いと言われている上に、閑散期で船自体の収容力もかなりのものですので、2等の他座席にも空席が多数あり、他の2等席を利用したり、デッキへ出て外の景色を堪能したりしたものでした。

そのため2等の椅子席も利用したのですが、こちらは鉄道車両の様な回転機構は備えておらず、入出港時以外の進行方向が一定している事も考えれば当然と言えますが、リクライニングの角度は結構あり、足置きも装備しているなど、JRグリーン車や3列席の夜間高速バス並みのグレードを誇っています。


1人づつ独立した座席になっていない事や、背もたれがフラットな形状になっている事などを見ると、東京発の航路は夜行運航となり、この座席で夜を越す事も多い割には…と感じてしまう面もあり、昼行利用時も窓際座席の窓が締切となっており、外の景色を楽しめないのもマイナス点です。
(2等カーペット敷き区画は、椅子席よりも下のフロアにありますので、当然ながらこの区画から外の景色を楽しむ事は出来ません)

この様に2等席利用となると、欠点が幾つか伺えてしまう「さるびあ丸」ですが、ジェット船「セブンアイランド」の様なモノクラスではなく、様々な利用客の予算やニーズに対応するために、多様な設備を備えているのは大きなウリで、2等寝台(東海汽船では特2等と呼称)の様子も伺えましたが、こちらは三八航路の東京行きが昼行となる事から、利用客の姿は余り見受けられないものでした。


ただカーテンで仕切る事ができ、横になれるプライベートな空間を確保出来るという事は、夜行での長時間航海ではかなり価値があるかと思いますので、MAKIKYUはまだ未踏の地ですが、八丈島へ足を運ぶ機会があるならば、是非さるびあ丸か、同等グレードを誇る東海汽船の大型客船の特2等席を利用出来れば…と感じたものでした。


また客席空間だけでなく、食堂(レストラン)や展望デッキが設置されているなど、付帯設備面での充実振りもジェット船「セブンアイランド」とは比べ物にならないウリで、今回の乗船で食堂などは利用しなかったものの、この手の船舶では価格上乗せを行っている事もある自動販売機も、飲料水に関しては市価同等の価格に設定されていた辺りは良心的と感じたものです。


展望デッキも、時化やうねりで大きく揺れる時はとても…と言う場所ですが、自動車を自走で船内に乗り込むフェリーでは、最後尾にこの様な空間を設けている事は余りないかと思いますので、フェリーではない貨客船だからこその空間とも言え、最後尾が丸みを帯びた外見と共に、「さるびあ丸」の大きな特徴と感じたものでした。

国際航路などに比べれば、設備的には物足りない面もありますが、設備的にはそこそこ充実しており、「さるびあ丸」は長時間の乗船を前提にした船ならでは…と感じたものです。

時間的に余裕があり、ゆっくりと船旅を楽しみたいという向きには、ジェット船よりも「さるびあ丸」などの大型客船の方がおススメで、ニーズに応じて両者を選択利用できると…と感じますが、伊豆七島への航路はどちらか一方しか利用できない事も多いのは難点です。


特に大型客船は乗船時間が長くなり、船に弱い方には少々厳しいかもしれませんので、船舶の構造上高速での航行が困難なのは致し方ないのかもしれませんが、東京湾の入口に近い久里浜港か、片航路(東京~大島~神津島)便が一部運航日で乗船可能となっている横浜港などに寄港させる事(写真は船内設置の現在位置を示すモニターで、この状態から東京(竹芝桟橋)到着までに、2時間以上を要しています)で、本土~島嶼部の移動時間短縮を図るか、三八航路を大島に寄港させ、ジェット船に乗り換える事が出来る様になれば…と感じたものでした。