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KORAIL 361000系電車~京春電鉄線に導入された新型車両

2011-05-22 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

MAKIKYUが2月に韓国へ出向いた際には、江原道の春川(Chungcheon)市にも足を運び、既に「MAKIKYUのページ」では春川市内を走る市内バスなどを取り上げていますが、春川へ向かう際には、昨年末に複線電化(電鉄化)され、以前の単線非電化だった頃とは大きく様変わりした京春(Gyeongchun)線に乗車したものでした。

京春線では電鉄化と共に新型車両が導入され、現在は概ね昼間20分間隔でSeoul市内の上鳳(Sangbong)駅から春川(Chungcheon)までの電車が運行されていますが、この新型車両が361000系と呼ばれる車両です。


MAKIKYUはKORAILの新しい6桁の形式番号に未だに馴染めず、少々違和感がありますが、361000系は最近続々と勢力を拡大しており、「マティズ」と呼ばれる新標準車両の一派に当たります。

車体長20m・片側に両開き扉が4箇所という構成は非常に日本的ですが、丸っこい前面形状は日本の鉄道車両とは若干異なる雰囲気があります。

また最近のKORAIL広域電鉄における使用車両は、ステンレスやアルミの無塗装で、ドア部分に赤と青のラインが入ったスタイルが一般的ですが、361000系はアルミ車体ながらも白く塗装され、ブルーのラインが入るなど、他路線で活躍するマティズとは様相が異なり、標準車両の一派でありながらも、他車両とは少々異なる雰囲気を受けるものです。


車内に足を踏み入れると、最新型らしくLEDを用いた車内照明が目を引くものの、4ドア通勤型電車の典型ともいえるロングシートが並び、それも最近のKORAILでは定番となっている非常に硬い座席となっています。

しかしながらこちらも他路線でよく見かける青系統のモケットではなく、黄緑色のモケットが用いられる事で、外観だけでなく車内も他路線で活躍するマティズと少し異なる印象を受けます。


一部車両には自転車置き場が設けられ、地方ローカル線ならともかく、都会を走る8両編成の4ドア通勤電車らしからぬ雰囲気があるのも特徴的ですが、MAKIKYUが乗車した際には自転車を持ち込んでる乗客の姿は見かける事がなく、一体どの程度の利用があるのかも気になる所です。
(韓国では自転車の利用自体が、日本に比べると非常に少なく、街中でも日本に比べて利用状況が低調な印象があります)

この様に新標準車両の一派でありながらも、他の車両とは少々雰囲気が異なるのが361000系の特徴で、今後の活躍も期待される所です。

ただ京春電鉄線は以前の非電化時代に比べると、はるかに利便性が向上しているものの、それでもMAKIKYUが乗車した際には昼頃の閑散時間帯にも関わらず、始発時点で発車時間の随分前から立ち客が出る程混雑しておいました。

京春電鉄線に乗車した際には、設備的にも随分余裕があると感じたものですので、Seoul市内やSeoulに近い区間だけでも、今後の増発に期待したいと感じたものです。

また361000系は幾ら新型車両とは言えども、非常に硬いロングシートは長時間乗車に適した車両とは言い難く、現在の京春線定期列車においては、この車両以外の選択肢が存在しない事から、MAKIKYUも361000系で上鳳~春川間約80kmを約80分程かけて乗り通したものでした。

運賃がSeoul市内から春川まで概ね2000W台と、韓国の物価を考慮しても非常に安いのはありがたいのですが、結構な距離にも関わらず純然たる通勤電車しか選択肢がないのは考え物で、時折不定期でヌリロ号用車両を用いた臨時列車などが運転されるとはいえ、現在計画中の京春線座席指定制列車の運行開始が待ち望まれると感じたものでした。


仁川メトロ・国際業務地区駅とその周辺~まだ開業したばかりの駅前は…

2010-02-06 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先月「MAKIKYUのページ」で取り上げた韓国の仁川メトロは、MAKIKYUも昨年10月に訪問した際、昨年開業したばかりの東幕(Dongmak)駅以南の松島(Songdo)新都市方面への延伸区間にも乗車する機会がありました。

東幕以南の松島新都市方面はこれからの開発が期待されるエリアで、地下鉄の利用客も現状ではまだまだ…といった雰囲気が感じられましたが、終点の国際業務地区駅の一つ手前にあるセントラルパーク駅近くでは訪問時に博覧会(2009仁川世界都市祝典)が開催されていた事もあり、ここまでは車内もそこそこ乗客の姿が見受けられたものでした。

しかしながらセントラルパークを出ると、終点の国際業務地区駅までの一駅はガラガラ、列車を降りると東幕以南の新規開業区間各駅に共通する事なのですが、ガラス張りのホームドアが装備された如何にも最近の地下鉄駅と言った雰囲気でした。

 
国際業務地区駅では改札を出ても人の姿は殆ど…という状況、それに韓国はバス大国だけあって殆どの駅では幾つかの市内バスが接続し、その案内も出ているのですが、バスの案内も見当たらない状況でした。

それどころか地上へ上がる出口付近には、足元に注意する様に書かれた告知(韓国語)まで出ており、地上に上がる前から凄まじい所に来たという雰囲気を感じましたが、地上に上がると駅入口を出た途端、道路の歩道部分は舗装されていない箇所が存在している有様でした。


雨で足元がぬかるんでいる時は一体…と感じてしまう程で、駅前も空き地と工事現場ばかりと、開発が急ピッチで進む中国の地下鉄新線沿線かと錯覚してしまう有様で、まだ韓国にも首都圏でこれだけの開発余地があるのかと感心させられる程でした。

MAKIKYUは来た道をそのまま返すよりは、帰りは別ルートを使う方が好きな事もあり、そのまま地下鉄で引き上げるのも…という事で、国際業務地区駅では市内バスへの乗り継ぎもままならない事から、隣のセントラルパーク駅周辺まで、工事現場が続く松島新都市の中を歩いて移動したのですが、この一帯はこれからの発展が大いに期待出来そうで、もし何年か後に再び訪れる機会があるならば、どれだけ変貌しているのだろうか…と感じたものでした。

 
ちなみに国際業務地区駅の隣駅でもあるセントラルパーク駅周辺は、MAKIKYUの訪問時には2009仁川世界都市祝典(現在は閉幕)が開催されていた事もあって、大勢の人出で賑わい、バスも多数発着している状況で、国際業務地区駅周辺とは大違いでしたが、こちらに関しては近日中に別記事で取り上げたいと思います。


仁川メトロ 1000系電車(2次車)

2010-01-30 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

  

昨日「MAKIKYUのページ」では、仁川メトロの1000形電車に関して取り上げましたが、仁川メトロ1号線は近年松島(Songdo)新都市方面などへの延伸が行われ、これに伴っての車両増備も行われています。

近年増備された車両は同じ1000系を名乗り、編成両数は同一で規格も同様ながら、近年のKORAIL広域電鉄車両(通称マティズ)に類似した形状をしており、前面も銀色となっています。

そのため一目見ただけで容易に識別する事ができ、車内の様相も異なっているのですが、デザイン面では独自色の強い1次車に比べると、随分標準化された印象を受けるものです。

ちなみに写真の1000系2次車は、昨年仁川メトロが延伸開業した松島新都市地区で、昨年の8月~10月にかけて開催された博覧会(2009仁川世界都市祝典)の開催に合わせて運行した文化列車と呼ばれるラッピング車です。

この列車は基本的に時刻限定で運行され、その時刻表(当然韓国語のみですが…)も駅構内に張り出される程でしたので、仁川メトロの力の入れようを感じたものでした。

ただ橘峴(Gyulhyeon)駅ホームからも見渡せる車両基地には、2次車は何本も停車している姿が見受けられたものの、10月の仁川メトロ乗車時には車庫に何本も止まっている割には、稼動している姿が少なく感じたのは気になったもので、捕まえるのも限定運用の文化列車でようやくといった状況だったのは気になったものでした。


仁川メトロ 1000系電車(1次車)~この電車も登場から早くも10年が…

2010-01-29 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]
 

昨年10月にMAKIKYUが韓国を訪問し、その際に乗車した交通機関に関しては、日本国内関連の記事掲載や、多忙による更新頻度の低下などもあって、まだまだ取り上げていないモノが沢山あるのですが、今日はその一つでもある仁川(Incheon)メトロの1000系電車に関して取り上げたいと思います。

この車両は1999年の仁川広域市地下鉄公社(現仁川メトロ)1号線開業に合わせて導入され、現在に至るまで1号線1路線のみの仁川メトロを走り続けており、MAKIKYUも韓国を初めて訪れた2002年以来、何度か仁川を訪問する度に、この車両には乗車しています。

韓国では大邱(Daegu)で発生した地下鉄火災以降、各地の地下鉄で大規模な内装交換が行われ、大邱での火災事故以前に製造されたこの車両も、化粧板や座席の交換が行われていますが、斬新なデザインはもう10年も前に導入された車両とは思えない程です。

それに加え首都圏(ソウル都市圏)を走る都市鉄道の車両は、ソウル市内を走る各路線は近年開通したメトロ9(9号線)を除くと、各路線共に車体幅3mを超える広幅車で、ややのっぺりとした印象を受けるのですが、この車両の車体幅は地方の地下鉄車両や日本のJR在来線や私鉄・地下鉄とほぼ同等の2.8m程度である事も、優れたデザインとあいまってスマートな印象を受ける一因と感じるもので、MAKIKYUとしても韓国内を走る通勤電車の中ではかなり好感度の高い車両です。

ただ仁川メトロは近年延伸された区間を含め、殆どの区間が地下区間となっており、地上区間は空港鉄道と接続する桂陽(Gyeyang)駅から、その隣に位置する車庫所在駅の橘峴(Gyulhyeon)駅先までの1km程度しかない上に、桂陽駅はホームドアが設置されて撮影にも難ありですので、地上でマトモに車両を撮影できるのは橘峴駅に限られてしまうのは惜しい限りです。
(この記事の写真も当然ながら橘峴駅で撮影しています)

とはいえ地下区間でも近年延伸された区間を除くと、昨年10月に乗車した際には
韓国では急速に設置が進むホームドアの設置や、その工事が行われていない駅が多く、乗車記念に車両の姿を撮影するのは比較的容易な雰囲気でした。

しかし仁川メトロ1号線をはじめ、大半の路線で車両規格が統一されている韓国では、日本に比べるとホームドアや柵の設置に対する障害が少なく、いつまで撮影が容易な状況が続くかは未知数ですので、興味のある方は早めに記録を済ませた方が良いかと思います。

あと仁川1号線では近年、この車両とは形状の異なる1000系2次車も登場しており、こちらに関しても近日中に別記事で取り上げたいと思います。

写真は仁川メトロ1000系1次車の外観と車内の様子です。

ソウル市メトロ9・地下鉄9号線の様子(2)~始発の地上駅・開花駅とその周辺の様子

2009-12-18 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

   

先日「MAKIKYUのページ」では、ソウル市メトロ9に関する記事を取り上げましたが、今日はその続編として始発の開花(Kaehwa)駅とその周辺の様子を取り上げたいと思います。

開花駅は金浦(Gimbo)空港近くのソウル市西端に位置しており、メトロ9の始発駅にもなっているのですが、メトロ9の目玉とも言える急行列車は金浦空港駅~都心方面(現段階では新論峴まで)を運行しており、発着列車は一般列車のみ、それも急行列車で金浦空港駅まで乗車した後に開花駅へ向かおうとすると、開花行電車が行ったばかりで10分近い待ち時間が発生するなど、利便性は余り芳しいとは言えません。

ただ開花駅の周辺はまだ開発もこれからといった雰囲気で、広大なメトロ9の車両基地や同社本社、それに路線バス車庫などがある程度で、日本の感覚からすると都心近くによくこれだけの広大な未開発地があるものと感心してしまう程です。
(韓国は国情が異なる事もあり、開花駅周辺以外の都心近くでも、開発が進んでいない所が結構あるのですが…)

この開花駅は一般乗客よりも、鉄道関係者向けに設置された駅という性質を感じる程ですので、駅前の現状を見る限りでは10分に一本の一般列車(各駅停車)が運行されているだけでも充分過ぎると感じてしまいますが、車庫内に駅が設けられ、実質的に関係者専用駅となっている光州地下鉄の鹿洞(Nokdong)駅(外国人を含む一般客でも利用可能ですが、運転本数は毎時1本程度と極めて僅少です)などに比べれば、サービスレベルは遥かに高く、訪問も容易といえます。

こんな所ですので、鉄道関係者や近隣住民以外の利用は殆ど考えられず、まして外国人観光客ともなれば尚更ですが、メトロ9は開花駅とその周辺区間だけが地上走行区間となっている上に、開花駅は地下区間にあるメトロ9の他駅とは異なり、ホームドアの設置もなく車両撮影も容易であるなど、趣味的には非常に注目すべき存在と言えます。

また開花駅周辺は閑散とした場所であるにも関わらず、駅前に広大なバス車庫を控えている事もあって、開花駅を起点とする市内バスも複数系統運行しています。

この市内バスは金浦空港や永登浦をはじめ、ソウル駅や都心方面へのアクセスも可能で、こちらはT-moneyなどの交通カードを利用すると、30分以内の乗継であれば地下鉄との通算運賃も適用されますので、メトロ9乗車後に市内バスに乗り継ぐのであれば、完乗のために末端の短い区間を往復するだけでも初乗り運賃が別途に…という心配がないのも有難い限りで、開花駅訪問を検討している方は、こちらの利用も検討されると良いかと思います。

ちなみにMAKIKYUが開花駅で下車した際には、駅前の路線バス車庫も視察してきましたので、こちらで撮影したバスに関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。

写真は開花駅の駅舎とホーム、ホームから望むメトロ9車両基地と駅前にある路線バス車庫の様子です。


ソウル市メトロ9・地下鉄9号線の様子(1)~他路線には見られない特徴も…

2009-12-06 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、7月に開業したばかりのソウル市メトロ9・地下鉄9号線(以下メトロ9と記します)で活躍する9000系電車に関して取り上げましたが、今日は開業してからまだ日が浅いメトロ9に乗車した際の様子を取り上げたいと思います。

メトロ9は現在金浦空港にも近いソウル市西端の開花(Kaehwa)駅を起点に、江南の新論峴(Sin-Nonhyeon)駅までの23.5kmを運行しており、将来的には新論峴から更に東へ伸びる計画となっています。

このメトロ9は現在の韓国では唯一の私鉄となっており、ソウル市メトロ9号線という企業が運営を行っているのが特徴ですが、それでもソウルメトロ・ソウル特別市都市鉄道公社の地下鉄既存路線を運行する事業者をはじめ、KORAIL広域電鉄や仁川メトロまで含めた首都圏(ソウル都市圏)の都市鉄道全体、更にソウル市内の路線バスまで含めて同一の運賃体系を用いている事は大いに評価できるものです。

同一都市内を運行する地下鉄ですら、事業者が異なると両者の運賃を併算(乗り継いだ際の割引はありますが…)するシステムを採用し、多少遠回りでもなるべく同一事業者の路線同士を乗り継ぐ様に努めるために、路線毎の運営主体を意識する必要がある某島国の首都圏とは大違いです。
(某島国の首都圏では比較的最近開業した環状線もどきの某リニア地下鉄で、他路線との接続駅を多数設けているにも関わらず、利用が振るわない事が騒がれますが、運賃制度を改善すればこの問題も大分改善されるはずです)

ただソウルメトロなどと同一運賃体系を採用しているとはいえ、メトロ9は民間企業で運賃配分を確定させる必要がある事から、他路線との乗換駅に「換乗ゲート」と称する連絡改札機を設置しています。

これは韓国の他鉄道では見られない、メトロ9の大きな特徴の一つと言えますが、換乗ゲートの周辺には「料金は追加されません」という内容の案内が目立つ様に掲げられているのが特徴的です。

しかし駅の構造上、一旦改札を出場しての乗換となるメトロ9~1号線の鷺梁津(Noryangjin)駅は、MAKIKYUも乗換で利用する機会があったのですが、1回用交通カード(普通乗車券に相当)では乗換扱いとせず、交通カード(T-moneyなど)利用時のみ乗換扱いを認めるという割り切った取扱いとなっています。
(某島国の首都圏で、改札を一旦出場しての乗換はICカードのみ運賃通算という事はまず考えられませんので…)

またメトロ9は地下鉄だけあって、起点の開花駅とその周辺区間を除くと、現行運行区間は全て地下区間となっており、同線では最前部・最後尾からの展望も可能とはいえ、車窓の楽しみという点では今一つです。

それでも急行列車の通過線を設けた配線となっている駅や、緩急結合に対応して上下各方面のホームが2つ用意された駅などもあり、ソウル市内を走る既存地下鉄の地下区間に比べると、急行列車からの前面展望などはそれなりに楽しめると言えます。

ただ地下区間の各駅は近年開業した地下鉄の典型といった雰囲気で、バリアフリー対応も万全で綺麗な設備は歓迎できるものの、ガラス張りのホームドア(ホームスクリーン)が設置されており、車両の様子などを観察したい時には余り有難くないものです。

このホームドア上部には韓国の地下鉄他路線などと同様に、各駅名と次駅案内が標記されていますが、メトロ9では急行列車を一般列車とは別系統の様に案内している事もあって、急行・一般両列車が発着するホームでの次駅案内も隣駅だけでなく、次の急行列車停車駅を赤で併記しているのが特徴で、急行運転を恒常的に行う路線ならではと言えます。

またメトロ9に関しては、近日中に地上駅となっている起点の開花駅の様子を、別記事で取り上げたいと思います。

写真は9号線鷺梁津駅入口と汝矣島(Yeouido)駅の換乗ゲート、新論峴駅ホームの様子です。


ソウル市メトロ9号線・9000系電車

2009-12-04 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

  

MAKIKYUが10月に韓国を訪問した際には、ソウルで今年7月に開業したばかりの江南(Gannam:漢江の南側にある地域をこの様に呼称します)を走る地下鉄9号線(通称:メトロ9)にも乗車する機会がありました。

メトロ9で開業と共に走り始めた車両が9000系と呼ばれる車両で、メトロ9は韓国の都市鉄道では少数派の急行運転を本格的に行う事がウリとなっていますが、空港鉄道の様に直通(速達)列車と普通列車で車両を使い分ける事はなく、急行・一般(各駅停車)の両種別共に同一の車両を用いています。

9000系は既存のソウル市内を走る各地下鉄路線に比べ、車体は車長・車幅共に小柄なのも一つの特徴で、4両という編成は長編成が一般的なソウルの地下鉄で一般的な印象とは大きく異なり、地方都市の地下鉄を連想させるものです。

車内も比較的最近走り始めた、韓国の地方都市を走る幾つかの地下鉄車両(光州地下鉄や釜山3号線など)に類似した雰囲気となっており、メトロ9ならではの独創性を感じる部分は少ないですが、所々で高さを変えたつり革や、LCDモニターによる案内装置などは最近の地下鉄ならではと感じ、特にLCDモニターは急行運転を行うメトロ9では、まだまだ急行運転に不慣れな乗客が多い土地柄も考えると、停車・通過駅の案内などをきめ細かく行うには必須と言えます。

外観は実用本位のシンプルな印象を受けるものですが、殆どがホームドア設置の地下駅で、車両を眺める機会が少ないメトロ9の路線特性もあって、基本的に各駅の案内表示や車内のLCDモニター列車種別・行き先等を案内し、前面のLED表示器は列車種別と列車番号を交互に表示(行先は表示せず)となっているのも大きな特徴です。

まだ走り始めてから日が浅いメトロ9は、今後も延伸計画があり、その際には編成数の増強なども行われる構想が存在していますが、現状では設備面で非常に余裕があると感じます。

増結・増発共に充分可能な状況ですので、今後も同形式が更に増備される可能性は極めて高く、今後9000系が増備される事になった場合、現行運用車両との仕様変更が行われるのか否かも気になるものです。

またメトロ9に関しては、近日中に別記事で駅構内の様子なども取り上げたいと思います。

写真はメトロ9の9000系電車とその車内、車内LCDモニターの表示(写真は急行列車乗車時)です。

(訂正)記事公開時には車体長18m級と記していましたが、この車両の車体長は韓国の地方における地下鉄で一般的な18m級ではなく、ソウルの他路線と同様の20m級です。


電鉄化された京義線&331000系電車~以前より利便性は大幅に向上したものの…

2009-11-18 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

   

先月MAKIKYUが韓国を訪問した際には、既存の韓国鉄道(KORAIL)京義(Gyong-ui)線を電鉄化したSeoul駅~DMC(Digital Media City)~汶山(Munsan)間にも乗車する機会がありました。

同区間はSoeul駅寄りの一部区間こそ、列車線を運行する一般列車の水色(Susek)にある車両基地への回送や、高陽(Goyang)市の幸信(Haengjin)にあるKTX(高速列車)の基地への回送などが多数運行しており、この関係で以前から複線電化となっていましたが、幸信以北の区間はSeoul近郊とはいえ単線非電化で、気動車による通勤列車が毎時1本程度走るだけのローカル線でした。

そのため地下鉄3号線(大谷(Daegok)駅で接続)や、広域急行バスをはじめとする多数の路線バスに比べると、京義線の利便性は格段に劣るものでしたが、7月に晴れて汶山までの複線電鉄化が完成し、通勤型電車による高頻度運転が開始されています。

運賃面も電鉄化と共に地下鉄・広域電鉄のネットワークに組み込まれる様になり、3号線などと乗り継いだ場合にも運賃が一体で計算されると共に、T-moneyなどの交通カードを利用した場合は、接続する路線バスとの乗継運賃が適用になるなど、運行本数の増大だけに留まらない劇的な進化を遂げています。

この京義線の電鉄化に合わせ、車両も331000系と呼ばれる新形式が導入されており、最近KORAILで続々と登場している6桁番号の形式は、MAKIKYUも未だに馴染めないものですが、デザイン的には1号線系統の各路線で活躍する5000系電車の最新型などと同種の円いデザインが特徴的です。

また331000系は専ら交流区間のみを走行する事もあって、5000系の様な交直両用車ではなく交流区間線用車となっており、両数も8両編成であるなどの違いがあり、スペック的には中央電鉄線[龍山(Yongsan)~回基(Hoegi)~徳沼(Deokso)~菊秀(Kuksu)]間を走る電車(以前は6000系と称していましたが、今日では321000系に改番されています)と非常に類似しています。

ただ331000系では321000系に見られる特徴に加え、車体が最近のKORAIL通勤型電車では一般的なステンレス製ではなく、アルミ合金製に改められている事が挙げられます。

これに加えて車内もLCDモニターによる案内装置をドア上に装備し、車両間の貫通路もガラス面積の大きい自動式になるなど、最新型車両らしく進化した部分が幾つも見受けられ、電鉄化で格段に利便性が向上した京義線に相応しい車両と言えます。

しかしながら京義電鉄線は、地下鉄6号線と接続するDMC駅以北では昼間毎時4本程度の電車が運行され、汶山・一山(Irsan)方面から都心へ抜けるには、途中で3号線や6号線に乗り換える事で利便性はある程度確保出来るものの、Seoul駅~DMC間は列車線の回送列車が多数運行している関係もあって、連結両数こそ5両→8両に増えたとはいえ、以前の気動車時代と同様に昼間毎時1本の超閑散ダイヤとなっています。

この区間の各駅では列車の本数が限られている旨を告知しているものの、これでは都市交通機関としての使い勝手は極めて悪いのが現状です。

その上Seoul駅は乗り場も駅裏手の分かり難い場所にあり、仮設駅の様な雰囲気ですが、1回用カード利用ではSeoul駅での1・4号線との乗り継ぎの際に運賃が通算されないなど、使い勝手はまだまだと感じるものです。

これに加え京義電鉄線は駅構内の配線が2面4線など、緩急結合運転を行うのに適した構造となっている駅も多く見受けられるのですが、運行される列車は殆どが各駅停車で、急行運転を行う列車は朝のSeoul駅方面行きで僅かに存在している程度です。

現状では過剰とも感じてしまう設備は、将来南北統一が実現して都羅山(Dorasan)より先へ向かう列車が多数運行する事も想定しているのかもしれませんが、現在の汶山までの電鉄区間だけでも片道約1時間程度を要するだけに、高頻度の急行運転にも期待したいと感じたものです。

この様にまだ走り始めてまもない京義電鉄線は、以前の非電化単線時代と比較すると大きな進歩を遂げたものの、最新型車両や立派な設備は持て余している印象があり、都市交通としてはまだまだ改善の余地があると感じたものです。

しかしながら今後龍山~DMC間にある貨物線を複線電鉄化(実態はほぼ新線建設の様なものですが…)し、この路線を介して京義電鉄線~中央電鉄線間の直通運転を行う計画もありますので、この路線が開通すれば都心部へのアクセスは大幅に改善されますが、その暁にはDMC以北での昼間時間帯における急行運転開始なども期待したいと感じたものです。

写真は331000系電車の外観とその車内、分かり難いSeoul駅の京義電鉄線乗り場と、現状では設備を持て余している水色駅の様子です。


自動改札機の色々・韓国編~海を渡っただけで、日本では見られないモノが…

2007-10-18 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、日本国内でよく見られる自動改札機に関して取り上げましたが、今日はその記事の最後で海外の自動改札機に関しても…と触れた事もありますので、今日は久々に韓国関連の記事として、お隣の国・大韓民国(韓国)で使われている自動改札機に関して3つほど取り上げたいと思います。

韓国でも日本と同様、様々な機種の自動改札機が使われているのですが、地下鉄などの都市鉄道では日本の鉄道の様に普通乗車券とサイズが大きめの定期券の様に、大きさの異なる複数種類の券種を扱うのではなく、日本の普通乗車券程度の大きさの乗車券と、IC乗車券のみを扱うことが多い事もあって、乗車券投入口は概ね小さくなっているのが一つの特徴と言えます。

1枚目の写真は釜山の地下鉄で使用されている自動改札機で、同種のものはソウルでもソウルメトロの駅などで多数見かける事ができ、入場時にバーを押し開けて通るスタイルは日本の都市鉄道ではまず見られませんので物珍しい気がしますが、この改札機を見ると福岡から僅か200km程度しか離れていない釜山でも異国の地にいる事を実感させられる反面、入出場に時間を要しますし、大きな手荷物がある際などは厄介ですので、実用面では今一つという感があります。

また改札機の入出場方向もバー回転方向の関係もあるのか、入場か出場の何れかに限られ、日本の自動改札機の様に入出場両用ではありませんし、乗車券投入時も表側を上にしておかないと通れない(日本でも仙台の地下鉄などは、乗車券の表面を上にして投入しないと駄目ですが…)など、機能面でも難ありといった感があります。

あと余談ながら改札機下部に張られた黄色いステッカーは、ハングルで「入口[EN]」と「オ ソ オ シプ シ オ(いらっしゃいませ)」と記されており、封鎖されている機械は故障かメンテナンスなのか、設置された看板には「危険」「出入禁止」と書かれています。

2枚目の写真はソウル近郊を走る広域電鉄でよく見られる自動改札機で、写真はKORAILの駅で撮影したものですが、こちらは日本で見られる自動改札機とは若干形状が異なるものの、改札機フレームや扉形状、それに無札・小児検知用のバー形状などが日本の鉄道でよく見られるタイプを連想させられます。

この改札機を通った後に乗車する電車まで何処となく日本の鉄道を連想させられるともなれば、何となく日本とは異なる雰囲気があるとはいえ、日頃日本の鉄道を使い慣れている身としては親近感を感じるもので、日本から見ればまだやや遅れが見られるとはいえ、幅広の改札機が設置されている点もバリアフリーの観点から評価でき、また乗客の立場からしてもこちらの方が良い気がします。

そして3枚目の写真は大邱の地下鉄で使用されている新型の自動改札機で、無札検知用のバーがないすっきりとした感じが如何にも新型機という印象ですが、大邱の地下鉄は路線網も限られて他路線とは完全に独立しており、運賃も2段階しかない事もあってか、普通乗車券はコイン型のICチップ内蔵トークン(大邱では開業当初は磁気券を用いていましたが、後にこのタイプへ変更:トークンタイプの乗車券は日本では流行りませんが、韓国や中国の都市鉄道では近年採用事例が多いです)を用いており、乗車券は非接触式のみとなっている事から、入場口には乗車券投入口が存在していません。

この改札機では普通乗車券(トークン)のみ出場時に回収する事から、こちらのみにトークン投入口が設置されているのが大きな特徴となっていて、この様に海を超えただけで九州辺りからは至近距離にある地(福岡~釜山間は約200km:高速船で片道約3時間です)とはいえ、日本とは随分異なる点が多数見受けられる点は興味深いものがあります。


韓国鉄道1000系(4)~登場当時の車両は日本的色彩が色濃く… & リンク先サイト追加のお知らせ

2007-06-16 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

「MAKIKYUのページ」でも何度か取り上げてきた地下鉄1号線直通各線で活躍している韓国鉄道(KORAIL)の抵抗制御車・1000系ですが、1号線開通当初に導入された日本製の車両をはじめ、その後暫くの間に製造された車両(韓国製)は、現在走っている1000系とは外観も随分異なるものになっており、車内の作りも現在走っている1000系よりも日本の車両に良く似た感じとなっていました。

この車両が最初に導入された際には、日本の車両メーカー数社が手がけており、車体長20m4ドアの規格で下回りも旧国鉄→JR103系とほぼ同等のものが使われていますので、随所に日本の電車と類似した点が見受けられますが、前面形状はこの車両のモデルとなった旧国鉄301系というよりも、301系が乗り入れていた地下鉄東西線の5000系電車に似ている様に感じられます。
(最近JR西日本の岡山地区に現れた、115系先頭車化改造車が似ているという声も聞かれますが…)

このデザインは日本の電車に乗り慣れた人間には非常に親近感を感じますが、車体は軌道も標準軌(1435mm)で車体限界が大きい事もあってか大陸規格ともいえる大柄な車体が特徴で、その為前面も少々間延びした印象を受けます。

ちなみに写真の車両は現役を引退し、ソウル郊外の京畿道儀旺Uiwang市にある鉄道博物館に収蔵されている保存車両ですが、1000系もこのタイプは残念ながら既に全車が老朽化と韓国の車両使用年数の短さ(約25年で廃車代替)もあって現役を退いています。

これはソウル特別市地下鉄公社(現ソウルメトロ)に在籍していた色違いの同形車(塗装は赤とクリーム)も同様ですが、この形の車両が今も残存してKORAIL新塗装にでも塗り替えられていたらと思うと、想像するだけでも凄いモノがあります。
(半島の北側では未だに戦前の日本時代の車両が残っているという説もありますし、この車両のベースとなった日本の103系電車が未だに多数残存している事等を考えると、物理的には不可能な話ではないですが…)

また写真の保存車両は塗装変更を経たものの、保存に際して塗装も登場当時の紺色とクリーム色のツートンが復元されていますが、後年改造で取り付けられた冷房装置(登場当時は非冷房です)はさすがに撤去されずそのままとなっており、ここまでは手が回らなかったのでしょうが、これも80年代~90年代辺りの1000系初期車最盛期を模している様で悪くない気がします。
(残念ながらこの年代の韓国にMAKIKYUは行った事は有りませんが…)

あと本日より、鉄道やバス、旅に関する事などつづり、日本国内のみならず韓国など海外の話題も取り扱われている日記系Blog「ゆりかもめ通信 on the blog」(ゆりかもめ様)とのリンクを開始致しましたのでご案内致します。

URLは以下の通りです。
http://blog.livedoor.jp/yurikamome77/

このブログへのリンクにつきましては、トップページのBOOKMARKに1週間~10日程度は周知期間として掲載するほか、リンク集(1)から随時リンク可能です。

なお「MAKIKYUのページ」では鉄道・バス関連サイトや韓国・中国関連サイトをはじめ、それ以外の内容を取り扱ったサイトを含めてリンク先サイト様を引き続き募集しておりますので、「MAKIKYUのページ」へのリンク希望される方はコメント欄或いはメール(連絡先は「このページについて」の項目に記しています)にてお知らせ下さい。


韓国鉄道1000系(中期形)~少々古いタイプはデザインも…

2007-06-01 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

「MAKIKYUのページ」でも先月取り上げた韓国鉄道(KORAIL)の地下鉄1号線直通各線で活躍している抵抗制御車・1000系ですが、以前に取り上げた車両はこの形式では最も後期に増備されたタイプで、その後に登場したVVVFインバーター制御車・5000系とほぼ同等のデザインが特徴です。

ただ現在運行している1000系は他に80年代後半~90年代にかけて製造された写真のタイプの車両も走っており、こちらは四角い印象を受ける前面窓と、運転席部分側面に小窓が設けられたデザインが特徴です。
(ちなみにこのタイプの車両はKORAILのみに導入され、ソウルメトロには存在していません)

またこのデザインの車両も先日取り上げたタイプと同様に行先表示器のLED化や塗装変更が行われており、写真の塗装以外にKORAIL民営化後の新塗装(このタイプにも余り似合っていない気がします)に改められた車両も多数存在していますが、このタイプの車両はかつての横須賀線を思い出させる旧塗装(紺色とクリーム色のツートン:日本では今でも千葉地区などで見られます)を纏っていた事があり、車両によっては2度の塗装変更を経ているのも特徴です。

あとこの車両が退役する頃(韓国では大規模な更新工事を行わずに25年程度で廃車にする事が一般的です)にはかつての塗装を復刻して走らせれば良い気もしますが、現地での反応がどの程度のものになるかは未知数で喜ぶのは専ら日本人という気がしますし、初期型が退役した際にも営業車で旧塗装リバイバルはない状況でしたので、(鉄道博物館収蔵品ならありますが…)実現は厳しそうです。


韓国鉄道1000系(後期形)~最近は影の薄い存在ですが…

2007-05-09 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

 

以前「MAKIKYUのページ」ではソウルメトロ1号線の1000系に関する記事を取り上げましたが、この車両と同等の車両は韓国鉄道(KORAIL)には多数導入されており、昨日の「MAKIKYUのページ」開設1周年記念記事を公開した際には最近リンク先として追加したdazhao様のブログ「北京公共交通630路」でもそれを記念してKORAIL1000系車両に関して取り上げて頂いた事もありますので、今日は同系に関して取り上げたいと思います。(dazhao様ありがとうございます!)

この形式は1974年の首都圏電鉄(ソウル周辺を走る通勤電車:近年は路線が拡大したこともあって広域電鉄と呼称されています)開業時から約20年もの間増備された事もあってバリエーションも幾つか存在し、近年は経年車の廃車が相次いでいるものの、現在でも写真の後期形車両などは地下鉄1号線や直通運転を行っているKORAILの電鉄線(この形式は仁川~議政府・東豆川方面の系統で運行される事が多いです)で活躍する姿をしばしば見る事が出来ます。

近年は電鉄線運行区間の拡大等もあってVVVFインバーター制御車の5000系が怒涛の勢いで増備され、勢力も逆転している状況ですので、以前に比べるとこの車両は陰の薄い存在になってしまい、しかも同系のベースとなっている日本国鉄→JRの103系電車(系列の301系などを含む)が日本の首都圏では全廃となる状況ですので、103系と良く似た走行音を奏でる同系は非常に有り難味を感じる存在となっている気がします。

それでもモデルチェンジを続けながら90年代中頃まで製造が続けられていた事もあり、同系の中で最も新しいタイプの車両などはまだまだ第1線で活躍する姿が見られそうですが、JRも地域によっては大規模な修繕工事を施してまだ多数の103系を走らせていますので、日韓どちらの方が後年まで生き残るかも気になります。

また近年では内装材の交換などが実施され、これによって車内は新車同然といった状況になっていますが、これと共に外観も行先表示器が字幕式からLED式に取り替えられており、これとはまた別でKORAIL民営化後は路線別の新塗装へ塗り替え(それでもVVVF・ステンレスの5000系と異なりこの形式はまだ旧塗装も残っており、先月MAKIKYUがソウルを訪問した際にも遭遇しています)も進むなど近年随分変化が激しい状況ですので、首都圏における通勤車両の変化の速さは隣の島国に負けずといった感があります。

写真は行先表示器がLED化改造される前の旧塗装とLED改造・塗装変更後の1000系後期形車で、現在は旧塗装の車両そのものが少数派になっています。


ソウルメトロ1000系~KORAIL車両に比べると…

2007-03-04 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

 

「MAKIKYUのページ」では以前、韓国の首都・ソウルを走るソウルメトロ1号線の(新)1000系車両に関して取り上げましたが、今日は同線で活躍するソウルメトロ車両でも少々古参に当たる車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は首都圏電鉄(現在は忠清南道まで路線が延伸された事もあり、広域電鉄という呼び方が使われています)が運行開始した1974年当初からKORAILと共通仕様で導入され、当初導入された車両は日本製でしたが、程なく国産化されて増備が続き、幾度ものモデルチェンジを経て90年代に至るまで製造された交直両用車です。

運行開始当初に導入された車両は車両使用年数の短い韓国の事ですので全て退役(一部は保存されている様です)していますが、現在走っている車両もデザイン等は大きく変わっているものの、旧日本国鉄→JRで一生を風靡した通勤型車両・103系をベースとした抵抗制御である点は相変わらずで、今もなお東京近郊では今や聞けなくなった懐かしい(?)走行音を奏でて走っています。

ソウルメトロのこのタイプの車両は、元々KORAIL車両に比べて運行本数が少ない(1号線系統の路線長を考えれば当然ですが…)事や、1号線系統のソウルメトロ車両はVVVFインバーター制御の(新)1000系が主流を占めている事もあって、見かける機会は他の車両に比べて少ないですが、同形のKORAIL車は幾度ものに渡る塗装変更を経ているのに対し、こちらの塗装は70年代から相変わらずという事もあり、随分古風な印象を受けます。

またこの車両は開業当初に製造された車両に後から中間車両を組み入れて増結した事もあって、初期車両が廃車になった際に中間に組み入れられていた付随車のを(新)1000系に編入したものも一部存在します。

これは塗装が(新)1000系と同様に改められ、屋根上の冷房装置も新型になっていますが、台車などは相変わらずで見た目は歴然としており、またステンレス車の中にグレー塗装という事で見た目もかなり異様な感じを受けます。

MAKIKYUがこの編成に乗車する際は電動車狙いですのでここに乗る事はまず有りませんが、これでは一般の乗客からも敬遠されてしまって前後の車両に乗客が集まって混雑が発生しなものか気になりますが、鉄道の普及度や関心が今一つという土地柄もあってか、さほど問題にはなっていない様です。


ソウルメトロ(新)1000系~走行音は魅力ですが座席が…

2007-02-20 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

「MAKIKYUのページ」では時折、韓国の首都・ソウルを走る地下鉄や相互直通運転を行っているKORAIL(韓国鉄道)の首都圏電鉄に関して取り上げており、その中でも最も歴史があり(それでも30年少々ですが…)、路線長や車両のバラエティが最も豊富な1号線と、その直通路線を走るKORAIL車両に関しては何度も取り上げていますが、今日はソウルメトロ(旧ソウル特別市地下鉄公社)に所属するVVVFインバーター制御車・(新)1000系について取り上げたいと思います。

この車両は現在もKORAIL1000系(1号線系統で使用されている抵抗制御車)と同仕様で色違いの車両が現在も走っていますので、形式名は便宜的に(新)を付けさせて頂きましたが、直流電化のソウルメトロと、交流電化の首都圏電鉄に跨って運行される事もあって、1号線系統で運行されているKORAIL車両(最近は交流専用車も出ている様ですが…)と同様に地下鉄車両では異例の交直両用車となっており、そのためパンタグラフ回りが随分派手な感じになっています。

車体はKORAILの5000系(通称:インバーター)をはじめ、90年代にソウル近郊の幾つかの路線で登場した他形式とほぼ同等のステンレス製で、日本の西武6000系ともデザイン的にはよく似ていますが、下回りのVVVFインバーターに三菱製を使用している事もあって、塗装や社名表記だけでなく走行音もKORAIL車と異なり、東京の都営三田線6300系初期車や関西の阪神5500系(通称ニュージェット:MAKIKYUは勝手に白胴と呼んでいます)などによく似たものになっている事は魅力的に感じられます。
(MAKIKYUが三菱GTOの音が好きという事もありますが…)

また車内も以前はプラスチック製の如何にも安っぽい感じが否めなかった内装が、近年進められた難燃化改造によって随分改善され、これに伴って座席も交換されていますが、座席はKORAIL車は硬いもののバケットタイプの生地が張られたものに交換されたのに対し、こちらはステンレス製に改悪されていますので、長距離の乗車には厳しいものがあります。

ただソウルメトロ車両は1号線から仁川Incheon方面へ向かう京仁電鉄線や水原Suwon方面へ向かう京釜電鉄線、そして1号線の北側・議政府Uijeonbu方面へ向かう京元電鉄線へ乗り入れる列車で使用されるものの、京釜電鉄線へ乗り入れる列車は水原の2つ南にある餅店Byeonjeomまでの列車に限られ、首都圏電鉄の中でも特に乗車時間の長い天安Cheonan(ソウルから100km近く離れています)へ向かう列車には運用されないのは幸いです。

写真は以前袴井Geumjeong駅で撮影したKORAIL線内へ乗り入れた(新)1000系・前面にはハングルで「SEO UL 地 下 鉄」という表記が出ていますが、現在「地下鉄」の部分は組織変更に伴って「メ ト ロ」に改められています。


韓国鉄道5000系(5)~最新型は更に進化

2006-12-03 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]
「MAKIKYUのページ」では以前にも何度か、地下鉄1号線やその乗り入れ線区を中心に活躍するVVVFインバーター制御の通勤型電車・韓国鉄道(KORAIL)5000系について取り上げてきましたが、今日はその5000系の最新型バージョンについて取り上げさせて頂きます。

5000系(現地ではINVERTERと呼ばれています)の製造は、初期の車両は1995年頃から始まり、製造開始から既に10年以上が経過している訳ですが、この間には前面形状が変更された「トングリ」と呼ばれる丸型の車両も登場しています。

この車両の途中からは制御装置の使用素子もGTO→IGBTに変更されていますが、最近では丸型(トングリ)から更にデザインが進化したタイプの車両も登場しています。

それが写真の車両で、MAKIKYUも今年夏にソウルを訪れた際に初めてこの車両を目撃し、Seoul 到着後直ぐに地下鉄1号線ホームに向かい、電車を待っていたらすぐにこの最新型が出没し、せっかくの機会という事でSeoul市内の九老Guroまで乗車した後に撮影したものです。

この車両はこれからも増備が期待されますが、特徴ある前面のデザインは賛否両論が分かれそうな感じです。

MAKIKYUは悪くないデザインかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何でしょうか?