MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

JR西日本・急行「つやま」号~この列車の運行も今日までですが…

2009-03-13 | 鉄道[中国]

明日JRグループ各社ではダイヤ改正を迎え、各地で都市圏輸送の更なる強化などが行われることが盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もご存知の方が多いかと思います。

今度のダイヤ改正ではその一方、永年運転されてきた列車の廃止や臨時列車への格下げなども行われ、東京~九州を結ぶ寝台特急の中で最後の1本になってしまった「はやぶさ・富士号」の列車設定廃止や、割安な運賃・料金で遠距離を移動できる事で青春18きっぷ利用者から根強い人気を誇る夜行快速列車「ムーンライトながら号」「ムーンライトえちご号」の臨時列車化(これに関しては今年春の青春18きっぷ通用期間中は毎日運転されますので、今年春に限ればさほどの実害はないのですが、今年夏以降の運転日設定が気になります)は盛んに報じられています。

これらの列車に関しては「MAKIKYUのページ」でも以前取り上げていますので、興味のある方は以前公開した記事も参照して頂ければ幸いですが、今度のダイヤ改正では首都圏を発着するこれらの超有名夜行列車だけでなく、岡山県の津山線を走る急行「つやま号」の廃止も一つの話題と言えます。

急行「つやま号」はかつて因美線と共に陰陽連絡ルートを形成していた頃に、岡山~鳥取間を直通運転していた急行「砂丘号」が、智頭急行線開業後に特急「いなば号」(現在は車両取替えで「スーパーいなば号」となっています)運転されるのに伴って廃止された代わりに設定された列車で、岡山~津山間で1往復だけ設定された列車です。

急行「砂丘号」廃止後も1往復の急行「つやま号」以外は普通列車というのでは利便性が大きく低下する上に、岡山~津山間はそれなりの需要がある事から、他に快速「ことぶき号」も設定され、この列車の運行も今日まで続いていますが、こちらも運行開始当初は一部指定席を設定していたのも思い出話です。

急行「つやま」号も運転開始当初は、急行「砂丘号」で使用していたキハ58系列の車両を用いており、この車両は独自塗装を纏うだけでなく、優等列車向けに車内設備が大幅に改善されており、グリーン車も連結されるなど、設備面では普通・快速列車との差別化が図られていました。

そのため停車駅や所要時間は快速「ことぶき号」と大差ない列車ながらも、急行列車として特別料金を徴収するのに相応しい存在と言え、その上津山~智頭間を普通列車扱いとして直通運転していましたので、辛うじて陰陽連絡列車とみなす事も出来る状況でしたので、明らかに快速「ことぶき号」とは別個の存在と感じるものでした。

しかし近年では老朽化でキハ58系列の運用離脱が相次ぎ、かつてJR非電化線区の過半数で嫌でも姿を見かけるほどの存在だったこの車両も、今やその姿を見かけただけで多大な注目を集める程の存在になっていますが、急行「砂丘号」用にグレードアップされた車両も古参車故に引退を余儀なくされています。

その後の急行「つやま号」は現在JRの非電化線区では最もありふれた存在とも言えるキハ40系列の車両が充当され、これもかつてJR北海道で運転されていた急行「宗谷号」などで使用されていたキハ400形と呼ばれる車両(MAKIKYUも一度だけ乗車した事がありますが、現在この車両は存在しておらず、一部が別用途に改造されて残存しています)や、ワンマン運転を行う事でも注目を集めたJR九州の特急「はやとの風号」(設備面は非常に特徴的ですが、ダイヤなどは特急と言うには疑問符が付く存在で、この列車の特急料金は急行料金よりも安価に設定されているとはいえ、優等列車としての速達性ではなく、設備面での付加価値である事を強く実感させられたものでした)の様に、優等列車向けに車内設備を改めた車両でも用いていれば良かったのですが、それは叶わずに普通・快速列車と同様のセミクロスシート(ドア付近などにロングシート有り)でつり革の姿も散見される車両での運転となっています。

そのため所要時間や設備面で快速「ことぶき号」と大差ないにも関わらず、1往復の急行「つやま号」だけが急行料金を別途必要とする状況になり、「青春18きっぷ」では乗車できないなど不便極まりなく、近年は列車設定意義自体が疑問視される状況でした。

これに対してJR西日本としては、急行「つやま号」にはキハ40系列でも快速「ことぶき号」で用いられている片運転台・両開きドアでワンマン運転設備も搭載したキハ47形ではなく、JR西日本では少数派の片運転台・片開きドアでデッキと客室が区分されたキハ48形(同形も現在はワンマン化改造でデッキを廃止した車両が多いですが…)をわざわざ山口から転属させて優先的に運用していますので、全くの無策ではなく、一応急行としての差別化を図っていたとも言えます。
(写真も1両目は快速「ことぶき号」などで用いられるキハ47形ですが、2両目はキハ48形です)

このキハ48形は近年更新工事も施工されている車両ですので、国鉄時代の急行列車などに比べれば…とも言えますが、設備面ではキハ47形と大差なく、山口からの車両転属も設備面の差別化という観点では「焼け石に水」と言っても過言ではなく、ボックスシート主体の座席は岡山地区の電化区間各線を走る普通列車用車両(最近は転換式クロスシート車に遭遇する頻度がかなり高い状況です)に比べても見劣りするのは否めない状況でした。

そのため今度のダイヤ改正で急行「つやま号」は、快速「ことぶき号」に統合される事になり、JR各線で定期運転される昼行の急行列車自体が消滅する事や、津山線から優等列車の姿が消える事を惜しむ声も聞かれますが、快速「ことぶき号」への統合は列車設定を実態に合致させて利用しやすくなるという観点では、個人的には大いに評価出来るものと感じています。

また快速「ことぶき号」への一本化で、わざわざ少数派のデッキ付き車両を優先運用する必要性もなくなると共に、急行料金徴収のためにわざわざ車掌を乗務させる必要もなくなり、ワンマン運転を行う事も容易になります(急行「つやま号」を置き換えたダイヤの列車が今度のダイヤ改正でワンマン運転の対象になるかは分かりませんが…)ので、運用面での合理化という観点でも一歩前進の感がありますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は今度のダイヤ改正における『急行「つやま号」→快速「ことぶき号」への格下げと一本化』に関しては如何感じられているでしょうか?

写真はMAKIKYUが以前津山線の快速「ことぶき号」を利用した際に、途中駅ですれ違った急行「つやま号」です。

MAKIKYUは急行「つやま号」には乗車機会がなく列車設定廃止となりましたが、乗車した事がある方は、その際の乗車談などをコメント頂ければ幸いです。


岡山電気軌道3000形「KURO」~名前の通り真っ黒な改装車両

2009-02-23 | 鉄道[中国]

  

今月初めにMAKIKYUが四国へ出向き、その途中で途中下車した岡山市内で乗車した岡山電気軌道(岡電)の新鋭車両「MOMO」に関しては、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、岡山では「MOMO」の他に3000形「KURO」にも乗車する機会がありましたので、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

3000形は元々東武鉄道が日光市内の軌道線(路面電車)で用いていた車両を、1968年の同線廃止後に譲受したもので、東武での活躍は十数年に留まっていますので、第二の地である岡山での活躍期間が、古巣日光の倍以上という状況になっています。

現在では製造から50年以上が経過し、冷房改造も行われていないだけあって、岡山でも一時期は主力として活躍した3000形も、老朽化や新造車への部品転用などで次々と姿を消し、残っている車両も運用は限られたものになっていますが、その内の1両(3007号)は近年大幅なリニューアルが施され、「KURO」という名称で注目を集める存在となっています。

「KURO」は岡電をはじめとする両備グループや、JR九州などで近年お馴染みの某デザイナーが外観や内装のデザインを手がけ、外観は名前の通り真っ黒な装いとなっていますが、この塗装は同じデザイナーが手がけ、一般型気動車の特急転用で話題となったJR九州キハ140・147形気動車「はやとの風」を連想させるものがあり、この装いで街中を走り回る様はかなりのインパクトがありますが、写真撮影泣かせの存在です。

車内も「MOMO」と同じく木製の座席(材質や形状などは異なりますが…)となっており、全線を乗り通してもさほどの時間を要しない岡電では、これでも充分なのかもしれませんが、この座席に関しては評価が大きく分かれる所と言えます。

内装も革製のつり革や、すだれを用いた日よけなどが独特で、デザイナーの強烈な個性が発揮されていますが、冷房改造が施されずに非冷房車のまま存置されている事から、夏場は運用を外され、それ以外の時期も昼間時間帯の東山線限定運用となっている点は少々惜しいものです。

岡山では新旧の路面電車が某デザイナーの手によって非常に目を引くものとなっており、両備グループの路線バスもこのデザイナーによるデザインで、内外にインパクトのある車両が岡山電気軌道や両備バスで大増殖している状況です。

しかしながら岡電路面電車の主力となる中堅格の車体更新車は、石津式と呼ばれる独特なパンタグラフが特徴的で、窓割などに差異が見られるものの、こちらは意外と地味な印象を受けます(それでもオレンジ色の運賃箱などはインパクトがありますが…)ので、今後は多数派の車体更新車においても、このデザイナーの手によって目を引く車両が登場する事に期待したいと感じたものです。


岡山電気軌道9200形「MOMO」~1編成のみが活躍する低床電車は年月を経た今でも…

2009-02-18 | 鉄道[中国]

  

MAKIKYUが今月初めに四国へ出向いた際には、岡山まで新幹線を利用した後、瀬戸大橋を渡る快速列車「マリンライナー」に乗り換えて高松を目指したのですが、その際に利用した乗車票(通常の乗車券ではなく旅行会社パッケージ利用のためこの様な名称となっており、割安な代わりに様々な制約があります)は基本的に途中下車不可であるものの、新幹線~在来線乗り継ぎとなる岡山駅だけは例外的に認められていました。

この事もあって新幹線を降りた後、岡山駅で一旦途中下車したのですが、その際には岡山市内を走る岡山電気軌道の路面電車にも乗車する機会があり、その際には新型の低床電車9200形「MOMO」に乗車する機会もありましたので、この車両に関して取り上げたいと思います。

「MOMO」は2002年夏に1編成が登場した岡山電気軌道の最新形式で、MAKIKYUは登場直後にも一度乗車した事がありますので、この電車への乗車は先日で2回目になるのですが、登場から6年以上の月日が経過していますので、既に最新鋭という程の車両ではなく、もう走り始めてから結構な年月を経ているものだ…と感じたものです。

車両自体はヨーロッパで標準仕様となっているLRV車両の一つで、ボンバルディア車製の車両をベースにしており、同種の車両は「MOMO」登場前に熊本(熊本市交通局)でも導入されていますが、狭軌(1067mm)の全面低床電車は「MOMO」が国内で初めてとなっており、海外の車両をベースにしながらも制御装置などは国産部品を用い、日本国内で組み立てを行っている点も特徴です。
(中国地方の低床路面電車というと広島の「Greenmover」が余りに有名で注目度も高いですが、こちらはドイツで製造された車両を輸入しており、第1編成は航空機で空輸された事はご存知の方も多いかと思います)

「MOMO」自体は2002年の導入以降に増備は行われておらず、1編成のみの存在に留まっていますが、その後ほぼ同種の車両が不振のローカル線を経営移管し、低床路面電車を走らせて成功を収めている事で注目されている富山県内の2路線(富山ライトレール・万葉線)でも導入されるきっかけにもなっていますので、岡山に限らず全国において路面電車の注目度を向上させ、活性化へ果たした役割は非常に大きいと言えます。

また「MOMO」の大きな特徴としては、JR九州の車両デザインなどで定評あるデザイナーが内外のデザインを手がけている事が挙げられ、同氏はその実績を買われて現在両備グループのデザイン顧問を務め、岡山電気軌道の電車だけでなく、岡山電気軌道や両備バスの車両デザインなども手がける程になっています。

この事もあって車内の雰囲気も天井や床などを見渡すと、同氏が「MOMO」登場の少し前にデザインを手がけ、今でも乗車する度に素晴らしい車両と感じさせられるJR九州の特急形電車885系「白いかもめ」(非常に特徴的な車両で好みは大きく分かれるかと思いますが、MAKIKYUは885系のNゲージ模型も2編成所有している程で、首都圏にもこれに匹敵するだけの車両がないものか…と常日頃感じています)と非常に類似したものとなっています。

先月「MOMO」の実績を元に導入され、低床電車が活躍する事で注目される富山県内2路線に乗車したMAKIKYUとしても、富山の2車種に見劣りしないどころか、数年ぶりに乗車した「MOMO」はそれ以上のインパクトを感じたものでした。

ただ「MOMO」は岡電のイメージリーダー的存在ではあるものの、1編成のみという事もあって曜日によって運行路線が限定され、検査などで運転しない日もある点は要注意で、短い岡電の路線に1編成だけと言う現状は、本領発揮には程遠いと感じるものです。

また短距離路線だけあって乗車時間が短く、さほど支障がないとはいえ、殆どの座席が木製で非常に硬く、クッション製が全くない点は好みが大きく分かれそうです(MAKIKYUとしては、高速運転で知られる標準軌の首都圏某大手私鉄で近年増殖している「ブカブカ」した感触の座席よりは良いと思っています)が、一部座席の座面には黒い皮製のクッションが設けられているだけに、今後「MOMO」がリニューアルなどを施す事があるならば、各座席(低床電車の構造を逆手にとって設けたデッドスペース脇までは厳しいですが…)にちょっとしたクッションでもあれば…と感じたものです。


錦川鉄道 NT-2000形気動車~発足当初に導入された軽快気動車

2008-05-06 | 鉄道[中国]

先日錦川鉄道の新型車・NT-3000形気動車に関して取り上げましたが、錦川鉄道ではNT-3000形の導入(現在3両が在籍し、今後更に1両導入予定)によって既存車両6両を代替する事になっていますが、代替対象となっている車両がNT-2000形と呼ばれる車両です。

この車両は錦川鉄道発足当初に5両導入され、その後更に1両が増備されていますが、後に増備された1両はトイレ付きになるなど若干仕様が異なる事もあって、NT-2101と2100番台を名乗っています。

現在はNT-3000形導入による車両代替によって、勢力はやや新しいNT-2101を含む2両にまで減少しており、MAKIKYUが先日錦川鉄道に乗車した際には、この形式の乗車はおろか、稼動している姿すら見れない程でしたので、今や主役の座をNT-3000形に譲り渡し、活躍自体もそろそろ見納めという状況になっています。

塗装も開業当初はクリームと赤に緑色(これに類似した塗装は錦町営バス→岩国市営錦バスで今でも用いられており、近日中に取り上げたいと思っています)を纏っていた様で、車両毎に愛称が付けられているのも特徴ですが、近年は沿線の5つの自治体にちなんだデザイン(NT-2101は沿線地域共通の広域デザインですが、現在の錦川鉄道沿線は市町村合併で全て岩国市域になっています)に改められています。

この新デザインは車両毎に塗装を変え、それぞれ異なる動物のイラストを描くなど、凝ったものになっていますので、なかなか見応えが…という所ですが、退役車が相次ぎ、現在見られるバリエーションが限られているのは惜しい限りです。

それでも新型と共に、まだこの形式が姿を留めている内に訪問でき、1両は車庫の奥に停車していて撮影もままならない状況だったとはいえ、後に増備されたNT-2101「せいりゅう」の姿をじっくりと眺め、記録できたのは良かったと感じており、この車両に興味のある方はなるべく早めに足を運ばれた方が良さそうです。

ちなみにNT-2000形の経年は約20年程ですので、首都圏のJR某通勤線区で活躍し、造りの悪さ故に早くも廃車解体処分になる車両が相次いでいる「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の元祖と言える車両程ではないとは言え、軽快気動車の寿命の短さを感じさせられるものです。


錦川鉄道 NT-3000形の増備車両・「ひだまり号」と「こもれび号」

2008-05-05 | 鉄道[中国]
  

昨日「MAKIKYUのページ」では錦川鉄道の新型車両・NT3000形気動車に関して取り上げましたが、同形は昨年に「せせらぎ号」と呼ばれるNT-3001号が登場した後も、今年に入ってからNT-3002・3003号の2両が増備されており、MAKIKYUが錦町からの岩国までの復路で錦川清流線を利用した際(岩国~錦町間を直接並行する路線バスは存在しておらず、錦町から他へ抜ける路線バスも限られますので、錦川清流線乗車は往復利用が最もベターな方法です)にも、NT-3003号車に乗車する事が出来ました。

この2両はそれぞれ「ひだまり号」・「こもれび号」と名付けられ、車両自体は「せせらぎ号」と同形ながら、外観は清流のブルーをイメージした「せせらぎ号」とは異なり、「ひだまり号」は桜のピンク、「こもれび号」は森林のグリーンをイメージしたものとなっており、それぞれ違った趣が楽しめるのも魅力的です。

この2両の登場に当たっては、車内掲示などでも大々的に告知しており、「せせらぎ号」と同様のハイグレードを誇るこの新型車両の導入には、錦川鉄道の意気込みの高さを感じさせられますが、今後も1両「きらめき号」と呼ばれる車両の導入予定があり、同社HPでも告知されていますので、こちらにも期待したいものです。

錦川鉄道・NT-3001「せせらぎ号」~ハイグレードな設備を誇る錦川清流線の新型車両

2008-05-04 | 鉄道[中国]

  

先月末にMAKIKYUが広島周辺を訪問したのは、広島周辺を走る鉄道路線の中でも未乗路線として残っていた錦川鉄道・錦川清流線に乗車するのが最大の目的だったのですが、その際に岩国から乗車した車両がNT-3001号で、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

錦川清流線は旧国鉄岩日(がんにち)線を第3セクターに転換した路線(国鉄民営化直後も僅かな期間はJR西日本が運行)で、起点は岩国からJR岩徳線で2駅目の川西駅となっていますが、全列車が岩徳線に乗り入れて岩国~錦町間を運行していますので、運賃こそ川西を境にJRと錦川鉄道に分かれるものの、実質的には岩国を基点に錦町までを運行する路線と言えます。

錦川清流線に転換してからも既に20年余りの月日が経過しており、開業当初に導入されたNT-2000形と呼ばれる気動車は老朽化も進んでいますので、最近はこの車両の取替えにNT-3000形と呼ばれる新型気動車が導入されています。

その先陣を切って昨年から走り始めた車両がNT-3001号で、「せせらぎ号」と呼ばれる愛称が付けられていますが、この車両は地方の第3セクター鉄道でも比較的近年に車両代替を行った第3セクター鉄道などで、他にも幾つもの採用事例が存在する新潟トランシス製の標準車両ながらも、錦川鉄道に導入された車両は転換式クロスシートを主体とした座席配置を採用しているのが特徴です。

第3セクター鉄道ではよくあるイベント兼用車ではないにも関わらず、クロスシート部分の窓側には木製の折り畳み式テーブルも備え付けられており、内装も木目を用いていて高級感がありますので、岩国駅で顔を合わせる事もしばしばあり、普通列車用車両としては高級な部類に入る事で知られる山陽本線を走るJRのN○0工事施行車(車両自体は旧国鉄から継承した経年車ですが、座席や内装のグレードは関西の新快速などに匹敵します)と比べても決して見劣りしない程です。

そのため岩国駅から2駅間は同じ線路を走る岩徳線の旧年式気動車(キハ40・47形)などに比べると遥かに上等な車両と言え、岩国~川西間を利用するのであれば乗り得車両と言えます(ただ岩徳線・錦川清流線は共に決して運行本数が多いとは言えませんので、好きな列車を選んで乗車できる時間帯は限られますが…)し、決して安いとは言えない錦川清流線の運賃に見合う車両とも言えます。

ただその一方でドア付近のロングシート部分で用いられている座席モケットをみると、東洋随一の歴史を持つ事で知られる東京の地下鉄某線を連想させられ、長閑な山間の川沿いをノンビリと走る路線に乗車していながらも、大都会でも屈指の混雑線区を連想させられるのは不思議なもので、錦川清流線とは何か接点でも…と感じさせられます。
(まあこんな事を感じるのはMAKIKYUだけで、大多数の利用者はこんな事は考えないのでしょうが…)

沿線の過疎化などで利用客が減少し、車両代替の陰で在籍車両数の減車(6両→4両)と、これに伴う朝ラッシュ時間帯の減便が報じられ芳しいとは言い難い状況の中でも、ベース車両自体はメーカー標準とはいえ、永年使い続ける事を考慮してこれだけのグレードを誇る車両を導入した事は評価に値するものと感じますし、今後末永く沿線に愛される車両として活躍し続ける事に期待したいもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も岩国辺りへ行かれる機会がありましたら、是非錦川清流線を走るこの新型車両に乗車されてみては如何でしょうか?


JR西日本 キハ120形気動車(美祢線)~仙崎支線へも足を伸ばしますが…

2007-07-23 | 鉄道[中国]

山口県内のJR山陰本線では、今年7月から「みすゞ潮騒」号と呼ばれるイベント列車(この列車の外観は賛否両論がある様ですが…)が運行開始となり、この列車は普通・快速列車扱いですので、先日夏の有効期間に入った格安な青春18きっぷで乗車を検討されている方も居られるかと思います。

MAKIKYUは当分この列車には乗車できそうにありませんが、この列車は下関(一部列車は新下関を発着し、新幹線利用客を出迎える様ですが…)を出ると一駅目の幡生から山陰本線に入り風光明媚な日本海沿いを走った後、長門市駅から一駅だけの通称仙崎支線と呼ばれる短区間の支線(これも一応山陰本線の一部です)を走りますが、この区間の定期列車は名目上は山陰本線とはいえ実態は美祢線と一体化しています。

この美祢線と仙崎支線、そして山陰本線益田~長門市間の一部列車で使用される車両が長門鉄道部に常駐しているキハ120形気動車で、美祢線と仙崎支線の定期列車(みすゞ潮騒号を除く)は基本的にこの形式のみ、またキハ120形は地域によって様々な塗装がありますが、ここで使用されている車両はブルー・パープル・グレーの帯を巻いた塗装となっています。

他地域で活躍しているキハ120形に関して「MAKIKYUのページ」で何度か取り上げていますので、居住性などは…という状況ですが、近年は写真の車両の様にトイレ取り付け工事(工事施行車は窓が1箇所埋められています)が行われていますので、多少長めの乗車となっても以前より状況はまだ良くなっています。

ただ美祢線で用いられている車両は、厚狭~長門市間を通して乗車しても50km足らず、所要時間も1時間程と乗車時間もさほど長くない事もあって、MAKIKYUが昨年乗車した車両の座席配置は通勤電車同然のオールロングシートとなっており、これでは仙崎支線の短区間で乗車する程度であればまだ良いにしろ、遠方からやって来た旅行客が山陰本線益田~長門市間の普通列車で乗車する場合などは少々難ありかもしれません。

またこの記事とあわせて、みすゞ潮騒号の由来となった金子みすゞに関しても少々取り上げたいと思いますので、興味のある方はあわせてご覧頂けると幸いです。


JR西日本 キハ120形気動車(浜田鉄道部)~長時間の乗車は厳しいですが…

2007-06-21 | 鉄道[中国]

昨日7月号の時刻表を見ていた所、以前にも話は聞いていたのですが、16日から三江線全線復旧と出ており、ようやく復旧か…と感じさせられましたが、今日はこの三江線を走るキハ120形気動車(浜田鉄道部)に関して取り上げたいと思います。

三江線は名前の通り、広島県の三次(Miyoshi)と島根県の江津(Gotsu)の間を結ぶ陰陽連絡(山陽と山陰側を結ぶ)ルートの一端を担う路線で、路線長100km強の全線単線・非電化のローカル線ですが、一日当りの利用客数は全線で数百名程度と極めて少ない状況ですので列車本数もかなり少なく、全線を通して乗車可能な列車は一日に2~3往復程度しかありませんので、極めて乗り難い路線の一つとして知られています。

運行される列車も普通列車のみですし、しかも近年は交換設備の撤廃や徐行箇所の増大などによって所要時間も更に増大する傾向にあり、3年程前にMAKIKYUが乗車した際も随分時間を要したものの、現在は更に余計に時間を要している状況ですので、形としては陰陽連絡ルートの一端をなしているとはいえ、実質的に陰陽の都市間移動に使える状況ではなく、三江線乗車を目的とした一部の旅行者や学生の休暇時期に合わせて発売される「青春18きっぷ」の利用者が利用するほかは、専ら数少ない地域住民の足(沿線はかなりの過疎地域です)として機能している状況です。

そのため昨年夏に災害で不通となった際は、果たして復旧するのか懸念される程でしたが、災害の程度が小さかった浜原以南の区間は昨年冬に復旧、そして16日には残る浜原~江津間が復旧し、長い間行われていた代行バス運行から、本来の列車運行に戻っています。

その三江線を走る車両がキハ120形と呼ばれる車両で、この車両はJR西日本各地のローカル線区に導入されており、「MAKIKYUのページ」でも以前岡山地区を走る同系に関して取り上げていますが、導入路線によって塗装が異なる為に彩り豊かな印象を受け、三江線と山陰本線(出雲市~益田間)の一部普通列車で使用される浜田鉄道部の同形は、写真の通り青の濃淡と赤色の帯を巻いた塗装となっており、現在三江線の定期列車は基本的に同形1両編成での運行に統一されています。

この車両はさほど輸送力を要しない路線を中心に導入されている事もあって、車体長は短く、ワンマン運転にも対応した設計となっているのが特徴ですが、トイレを設置していない事や、電車と異なりエンジンの振動が伝わってくる気動車でありながらやたらと薄くて硬い座席を装備している事から、長時間乗車では非常に疲労感を感じるものです。

ただこの車両が使用される路線は三江線をはじめ、過半数がキハ120形一形式で統一されている有様ですので、そうなると他に選択肢はなく、否応なしにこの車両に乗車する事になります。

そのためMAKIKYUが3年程前に一度だけ三江線を乗り通した際には、雪の降る寒い時期の朝という事もあって、トイレなしのこの車両には随分苦しめられたものですが、列車を一本見送ると次の列車まで数時間は待たされる路線で使用される事が多く、しかも乗客のトイレ待ちによる列車遅延まで発生する事がしばしばあった事から、近年はトイレ取付改造(これなら最初から付けていた方が…と感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?)が進められ、三江線でも16日の全線復旧に合わせて全車両がトイレ付きとなった模様ですので、以前よりは多少快適に乗車できそうです。

また全線復旧に際しては、ダイヤも災害以前と比べると多少変化があり、三次→石見川本(Iwami-Kawamoto)間の列車の時刻が2時間程度遅くなっていますので、石見川本で江津行きに乗り継ぐ旅程(それでも結構な待ち時間があり、一人旅で時間を潰すのは多少難儀しそうです)を考えている方には多少朗報かと思いますが、ただでさえ運行本数が極端に少ない三江線において、江津~石見川本間の列車一往復(時間帯を考えると、旅行者はまず使わないダイヤでしたが…)が減らされている点は気になるものです。

あと別件ですが、今月末にはこちらも長い間不通となっており、三江線と同じキハ120形気動車(多少の差異はありますが…)が活躍する福井県の越美北線が全線復旧する模様ですので、機会があればこの路線も是非乗ってみたいものです。
(MAKIKYUとしては、JR西日本の在来線で唯一乗車した事がない路線という事もありますので…)

ちなみに写真は3年程前にMAKIKYUが三江線に乗車した際、途中の口羽(Kuchiba)駅で交換待ちの際に撮影したものです。


JR西日本 キハ120形気動車(岡山地区)

2007-03-19 | 鉄道[中国]

昨日は首都圏私鉄等でICカードシステム・PASMOが導入されて大いに注目を集めていますが、JRをはじめ、各地の私鉄等でもダイヤ改正が実施された路線は数多く、その中でも岡山県を走るJR西日本の津山線(岡山~津山)は昨年発生した落石事故から4ヶ月ぶりに復旧し、ようやく平常ダイヤに戻っています。

今日は昨日の津山線復旧記念を兼ねて同線でも活躍し、4ヶ月前の落石事故の際には不幸にも被災してしまった車両でもあるキハ120形気動車に関して触れたいと思います。

この車両は1990年代にJR西日本がローカル線での合理化を図る為に非電化線区に導入した軽快気動車で、両運転台の単行形気動車という事もあって1~2両の短編成で運行される事が大半で、全車両がワンマン運転に対応(この形式が使用される列車は大半がワンマン運転です)しています。

導入線区は高山本線や関西本線から美祢線に至るまで幅広く、JR西日本エリア各地で姿を見る事ができますが、導入地区毎に異なる塗装はバリエーション豊かで見応えがあります。

この車両は初期に登場したごく少数の200番台と呼ばれる車両は鋼製車体となっていますが、大半はステンレス製車体を採用しているのが特徴で、この車両は座席配置によって更に番台区分がされていますが、岡山地区で使用している車両はクロスシートを4ボックス設けた300番台と呼ばれる車両で、赤とオレンジの帯を巻いているのが特徴です。

岡山地区のこの車両は津山を発着する路線4方向(岡山・佐用・智頭・新見まで)と芸備線の新見~備後落合間列車で使用されますが、岡山~津山間では普通列車の半数程度、その他の区間では大半の列車(区間によっては定期列車の全て)で使用されていますので、中国山地をローカル線乗り継ぎで縦断を目論むと必ず遭遇する車両で、そうでなくても津山周辺のローカル列車に乗車すると遭遇頻度が高い車両(ただ快速ことぶきや急行つやまには充当されません)ですが、軽量車体でエンジンの振動がよく伝わり、また座席が異様に薄くて硬い事から、長い時間乗車していると結構疲労を感じ、「極悪気動車」と評する人も居る程です。

居住性に関してはこの車両が使用される一部区間で併用され、国鉄時代から使用されている旧形のキハ40系列に比べても見劣りする感が否めず、短時間の乗車ならまだしも、長時間の乗車になるとかなり辛い気がしますので、青春18きっぷなどで乗車する際は要注意車両(居住性だけなら、結構悪評を良く聞く東北のワンマン運転対応通勤型電車の方がずっと良好な気がします)であるとMAKIKYUは感じていますが、ワンマン対応車として新製された事もあって前面展望の良さは数少ないこの車両のメリットで、また閑散線区を長時間運行する事が多いにも関わらずトイレなしと言う惨状も、近年トイレ取り付け改造が進んでいる事(これなら最初からトイレ付きにしていた方が良かった気が…)はせめてもの救いと言える気がします。


若桜鉄道WT3300形~1両のみ存在の豪華車両

2007-01-16 | 鉄道[中国]

  

昨日第3セクター鉄道の苦境に関するニュース記事を取り上げた事もありますので、今日は苦境に陥っている3セク鉄道の一つで、昨年夏にMAKIKYUも乗車した鳥取県の若桜鉄道を走る車両に関して取り上げたいと思います。

若桜鉄道は鳥取県の郡家(こおげ)~若桜間を走る20km弱のローカル線で、以前は国鉄→JRが運行していた路線ですが、JR転換から程なく3セク鉄道に転換した路線です。

起点の郡家駅ではJR因美線と接続し、若桜鉄道の列車は一部を除いて同線に乗り入れて鳥取まで運行されますので、若桜鉄道に乗車した事はなくても、同社の車両を見かけた、或いは乗車した事はあるという方も居られるかと思います。

その若桜鉄道で使用している車両は2種類(他にJR車両の乗り入れが一往復あります)ありますが、そのうち1両だけ存在するイベント兼用車が今日取り上げるWT-3300形で、他の車両と異なりステンレス無塗装の車体が特徴ですので一目で識別できます。

この車両はイベント兼用車という事もあり、車内は転換式クロスシートを装備していますが、路線長が短い事もあってトイレは設置されていないのが特徴です。

この車両は乗車できれば他の若桜車両に比べて設備が上等ですので非常に乗り得ですが、WT-3300形は1両しか存在しない上に、若桜鉄道の列車運行本数自体が限られており、また車両運用も日替わりで特に限定はありませんので、MAKIKYUは昨年夏に鳥取を訪問した際に偶然乗車できましたが、鳥取周辺に居られる方や頻繁に出向かれる方を除くと、ふらっと訪問した所でこの車両に当たるかどうかは運次第です。

そのためなかなか乗り難い車両ですが、もし「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様が鳥取を訪問され、この運良くこの車両に遭遇する機会がありましたら、是非若桜鉄道に乗車されてみては如何でしょうか?
(それも可能でしたらJR因美線内だけでなく、是非若桜鉄道線内も!-ちなみに終点若桜からは来た道を引き返すほかに、日本交通の路線バスも鳥取方面へ運行されていますので、これと組み合わせての乗車もオススメです)

写真はWT-3300形車両とその車内、そして側面に描かれている鬼のイラストです。


広島電鉄5100形「Greenmover Max」

2006-11-29 | 鉄道[中国]
「MAKIKYUのページ」では先週広電(広島電鉄)の新型車両として5000形「Greenmover」を取り上げましたが、今日はその後継車でもある最新型車5100形「Greenmover Max」について取り上げたいと思います。

この車両は、斬新なデザインや乗り易い低床車(ノンステップ)である事から好評を博しつつも、輸入車であるが故に様々な問題も抱え、先日取り上げた「Greenmover」の改良版として最近導入された車両で、MAKIKYUも今年夏に広島を訪れた際には幸運にも遭遇・乗車する事が出来ました。

最初この車両の登場を聞いた際には、以前国内の他都市で乗車した低床連接車の出来栄えがどうも…と感じた事もあって、「Greenmover」の劣化コピー(広電さんごめんなさい!)とでも思っていましたが乗車した際の感触は期待以上、運転席や客室内など随所に「Greenmover」を意識した感じでしたが、同車に決して劣らない傑作と思います。

もうこうなると「Greenmover」とこの「Greenmover Max」の優劣はつけ難く、どちらかというと前者はシャープで男性的、後者はソフトで女性的な印象で、どちらが良いかは個人の好みといった所です。

MAKIKYUとしては、「Greenmover」が日本国内を走る路面電車の中で最高の車両(というより乗車した車両の中で)と思っていますが、こちらも捨て難く「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様にも是非オススメしたい電車の一つです。

ちなみにこの「Greenmover Max」ですが、MAKIKYUが乗車した際には1系統(広島駅~紙屋町経由~宇品)で運行されており、恐らくこの系統の電車を待ち続ければ遭遇できるかと思います。

ただ導入本数がまだ4本と少なく、また広電では連接車の宮島線(市内線直通)と市内線(専ら1系統)の間での車両転属も結構ある様ですので、乗車を希望される方は注意が必要です。

広島電鉄5000形「Greenmover」

2006-11-20 | 鉄道[中国]
今日はMAKIKYUが夏の旅行中にも乗車した広島の街中を走る路面電車、広電(広島電鉄)について取り上げたいと思います。

今日取り上げるのは、「Greenmover」と呼ばれる低床の新型連接車・5000形で、この車両は日本の営業車両としては珍しいドイツ製、それも最初の編成は貨物用航空機(ロシア製アントノフ)で運ばれてきた事でも知られています。

現在このGreenmoverは12編成が活躍し、広島駅~宮島間(厳島神社などで有名な宮島へ行く場合は、ここから更に松大観光船などの船に乗り換えです)の宮島線直通運転を中心に、一部は1系統(広島駅~紙屋町経由~宇品)などでも使用されており、車体長が長く乗降口も複数ある事から、この車両で運行される電車は車掌乗務となっています。

この車両はドイツ製でヨーロッパの標準仕様となっている車両を一部日本向けに仕様変更した事もあって、外観をはじめ車内なども日本の電車とは随分様相が異なり、日本の他都市ではなかなかこの手の車両には乗車できないので貴重な存在、また遥か彼方のヨーロッパまで足を伸ばさなくても手頃に本格派のLRT車両に乗車できるのは非常に有難いです。
(こんなものが出てくると、MAKIKYUはわざわざヨーロッパまで行かなくても、と思ってしまいます。これは韓国のKTXなども同様ですが…)

ただ座席の高さや硬さなどもドイツ人向けに作られているのか、MAKIKYUは決して嫌ではありませんが地元での評判は今一つ、また輸入車両故にコストやメンテナンスの面でも問題がある様ですので、現在はこの車両の実績を踏まえた国産車両・5100系「Greenmover Max」の増備が始まっており、今後この車両が広電で増備される事はなさそうです。

個人的には広電の車両の中でもかなり好感度の高い車両で、努めて乗車するようにしていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も広島へ行かれる機会がありましたら、是非一度乗車されるだけの価値がある車両かと思いますので如何でしょうか?

(宮島観光をはじめ、広島駅から中心部の紙屋町やその先の原爆ドームへ行かれる際にも数本電車を見送ればやって来ますし、車内も綺麗で段差が少なく乗り易い車両ですので、鉄道好き以外の方でもオススメです)

一畑電車3000系(2)~車内の様子

2006-10-26 | 鉄道[中国]
 

(2)では、先ほど取り上げた一畑電車3000系の車内の様子に関して取り上げたいと思います。

この車両は、京王から移籍してきた他の一畑電車の車両とは異なり、内装に関してもさほど手が加えられない状態で移籍している事もあり、車内は少々くたびれた感が否めませんが、整理券発行機や運賃表示機・運賃箱といったワンマン対応機器を除くと往時の面影が随所に残っている様ですので、一畑で走っている車両は全てオールロングシート車とはいえ、南海時代の活躍を知る方にとってはたまらないものかもしれません。

またくたびれた感が否めないとはいえ、木目の化粧板に高い位置に吊られた長いつり革といった関西私鉄ならではともいえる車内は、いくらリニューアルされたとはいえつり革を吊っているパイプなどが目立ち、見るからに実用本位といった感じの京王移籍組に比べて高級感があり、またこ天井中央と両側の窓上にグローブ付きで配列された蛍光灯は、あまり見られない独特なものでなかなかいい感じです。

あとこの車両に関して取り上げる際、鉄コレ第3弾に関する話も出てきましたので、これの一畑電車に関しても、ついでに画像を取り上げておきます。

一畑電車にはなかなか乗りに行けず、専ら鉄コレを眺めたり走らせて(別売りの動力ユニットなどを購入すれば、Nゲージの線路で走行可能です)イメージだけでも…という方は、この車内の様子を思い浮かべながら眺めたり走らせたりすると、より愛着が深まるかもしれません。

一畑電車3000系(1)~偶然にも鉄コレと同じ編成が…

2006-10-26 | 鉄道[中国]
 

最近TOMYTECから発売されたNゲージ(日本型は150分の1スケール)サイズのディスプレイモデル・鉄道コレクション(鉄コレ)第3弾は完成度の割に割安で、まして今回は小田急(2200形)と南海(21000形)の車両と言う東西の大都市圏で一世を風靡した車両という事で、比較的馴染みのある方も多い事からかなり人気がある様です。

また「MAKIKYUのページ」のリンク先サイトの幾つかでも、これに関連した記事を掲載されている方が居られますが、MAKIKYUも少々遅くなったものの週末にようやく鉄コレ第3弾を入手、1BOX購入して中身を見るとシークレットなしで各車両が1両ずつ・計5編成10両が揃いましたが、これに含まれる一畑[Ichibata]電車(元南海)をよく見ると3007+3017の編成で…

今年7月に大旅行の途中でMAKIKYUが立ち寄り、乗車した一畑電車3000系電車を撮影した写真をよく見ると、まさしくこの鉄コレそのものの編成で、しかも夜に電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉まで乗車したものでした。

これはビックリ、偶然乗車した編成がそのまま模型化とはなかなか有難い話で、それもあって今日はこの一畑電車3000系について取り上げたいと思います。

この車両は元々大阪の南海電車で「ズームカー」と呼ばれ、平坦線と急勾配や急曲線続く高野[Koya]線の山線区間(現在は橋本以南)の双方に対応した性能を持っており、平坦線のみで運用される他の南海電車に比べて車体が短い事も特徴で、これは山線の最新型車・2300系に至るまで続いています。

21000系は結構老朽化が進んだ事もあって、2000系などの導入により南海からはお払い箱になっていますが、その一部は大井川鉄道(静岡県)とこの一畑電車に譲渡され、一畑では京王から導入された車両と共に開業当初からの旧型車を一掃(イベント用には残存していますが…)し、路線の近代化に一役買っています。

この一畑電車にやってきた21000系は、形式を3000系と改められてワンマンカーに改造され、塗装も南海時代の渋い塗装とは正反対の黄色と白・紺色のカラフルな装いとなって活躍しています。

この車両、あまり念入りな改造はされずに一畑へ移籍しているので、かなり内装などを改造し、下回りも交換(京王線は1372mmという特殊な線路幅で、このまま移籍できる鉄道線は存在しません)された京王からやってきた電車に比べると、いかにも古めかしい車両という印象は否めません。

そのためMAKIKYUもこの車両に乗車する前は、何だか奇妙な電車が…と思っていましたが、いざ乗車してみるとなかなか乗り応えがあり、一畑電車の新塗装も悪くない様に感じます。

ただ南海時代の往時を知る方々から見れば、違和感を感じずにはいられないのかもしれません。
(MAKIKYUは移籍先の一畑と大井川鉄道でしか乗車した事がありません)

あと話が変わりますが、MAKIKYUが一畑電車の3000系に乗車したのは電鉄出雲市20時過ぎに出発する電車、これはパーフェクトチケット(一畑電車・バス・松江市営バスに2日間乗り放題で2500円)を持っていた事もあるのですが、松江しんじ湖温泉駅には駅前で接続する路線バスの最終(県庁所在地とはいえ20時台で最終です)が出た後の到着で、JR松江駅(この時はJR駅近くにホテルを手配していました)までは徒歩で向かう羽目に…(20~25分程度かかります)

一畑電車自体は21~22時台位まで運行されていますが、フィーダーとなる路線バス(一畑バス)は結構早く終わってしまいますので、乗車を予定される方は要注意です。
(昼間に関しては、JR松江駅~松江しんじ湖温泉駅間のバスは頻発しているので問題ありません)

車内の様子については、(2)で取り上げたいと思います。

写真は一畑口ですれ違いの際に入線した3007と、夜の電鉄出雲市で発車待ちの3017です。

JR西日本 キハ126系(2)

2006-10-20 | 鉄道[中国]
 

先日「MAKIKYUのページ」ではキハ126系の1次車について取り上げましたが、今日は2次車について取り上げたいと思います。

この車両は主に鳥取~米子間を走る快速「とっとりライナー」で使用、出雲市方面へも足を伸ばし一部の普通列車にも使用されますが、1次車とは別運用が組まれ、基本的に石見方面(浜田・益田など)へ行く事はありません。

またキハ126系2次車は1次車同様の2両編成ですが、こちらは単行運転用のキハ121系と呼ばれる車両も同時に増備されており、この車両は山陰本線の鳥取以東(兵庫県の浜坂まで)や境線(米子~境港)、伯備線の一部区間にも運用され、またキハ126系同様に快速と普通の双方で使用されます。

このキハ126系2次車及びキハ121系は、先日取り上げたキハ126系1次車とは幾つかの差異があり、外観上は乗務員室扉(1次車はなし)や車体外板のビード(意外にも新しい2次車の方がビードあり)などに違いが見られますが、快速列車やワンマン列車などに運用された際に、LED式行先表示の種別部分表記がスクロール表記されるのは相変わらずで、これは同系の一つの特徴ともいえます。

また車内も座席(1次車は一般的なバネイス・2次車はバケット式)や荷棚の支え(この車両の荷棚は強化ガラスの特徴あるものです)などに違いが見られますが、シンプルながらも内装や居住性はなかなかで、内装の色彩などは大差ありません。

先日取り上げた1次車もそうですが、この車両は現在の所山陰のみで走っており、MAKIKYUとしてもこの地域へ行った際は是非乗車したい車両の一つです。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様にも是非オススメで、皆様も山陰へ行かれた際は是非乗車されてみては如何でしょうか?