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さんようバス・大崎上島循環線(1)~車両編

2012-02-06 | バス[中国]

先月MAKIKYUが広島県の大崎上島を訪問した際には、大西港で安芸津フェリーを下船した後、島内を運行する路線バスで旧木江(Kinoe)町の天満へ移動したものでした。
(かつて大崎上島は3つの自治体で構成されていましたが、現在は平成の市町村合併により、島内全体が大崎上島町となっています)

その際に乗車した路線バスは、現在さんようバスという事業者が運行しており、兵庫県の神戸市西部などを運行している某準大手私鉄系バス事業者と非常に紛らわしい名前ですが、こちらは安芸津フェリーなどを運航する山陽商船系で、某準大手私鉄とは全く関係ない事業者です。

さんようバスは大崎上島内を1周する循環路線を運行するほか、安芸灘大橋を通る広島バスセンター~呉~沖友天満宮(大崎下島)間の「とびしまライナー」や、貸切バス運行なども行っていますが、MAKIKYUがこのさんようバスに乗車したのは、今回の大崎上島訪問が初めてでした。

MAKIKYUが乗車した大崎上島循環線は、名前通り島内を海岸線に沿って1周する運行形態となっており、左回り・右回り双方が各1台のバスで運行していますが、休日には全面運休となりますので、大崎上島循環線乗車狙いで大崎上島を訪問する際には要注意です。

ちなみにMAKIKYUが乗車した大西~天満間は、丁度大崎上島を半周する距離があり、大西港では左回り・右回り共にほぼ同時刻の便がありました。

最初やって来た右回り便の乗務員氏に、バスが天満へ行くかを訪ねたら、左回りの便が先着し運賃も同額との事で、大西港で右回りの便を見送り、その後すぐにやって来た左回りの便に乗車して天満へ向かったものでした。

大崎上島循環線は前乗り前降り後払いの多区間整理券方式となっており、区間毎に運賃が定められているのですが、殆どが利用する区間の運賃を覚えているのか、整理券を取って乗車する旅客は見当たらず、MAKIKYUも降りる時に整理券発行機の存在に気付いた程でした。

車内にはテープデッキの装備こそあるものの、殆どが乗り慣れた乗客という事もあるのか、案内放送も流れない(テープが用意されているのかも気になります)など、ローカルバスの雰囲気が溢れていましたが、停留所発車・通過毎にボタンを押して運賃表示器だけは切り替えており、車内の運賃表示器を見ると、初乗り運賃は110円と極めて割安でした。

距離に比例して上がる運賃も最大500円程度、MAKIKYUが乗車した大西~天満間では40分程度の乗車で290円と、離島のバスにしては比較的廉価な印象を受けたものでした。


ちなみにMAKIKYUがさんようバスの大崎上島循環線で乗車した車両は、小さな離島内を走るバスにしては随分立派な印象を受ける三菱NEW AEROSTARで、中型車でも来れば上等と思っていただけに、予想外の車両が来た事に驚いたものでした。


このNEW AEROSTARはトップドアの自家用仕様となっており、おまけに車内はリクライニングシートを装備するなど、離島の生活路線で走る車にしては贅沢過ぎる印象がありますが、後でネット上でこの車両に関して調べると、以前は「とびしまライナー」として広島バスセンターに顔を出していた事もあった様で、大崎上島には比較的最近になって移ってきた様です。

おまけにこのNEW AEROSTARはありふれたMPシリーズではなく、大型車並みの車幅ながらも車長がやや短い9m級で、中型車と同等のエンジンを装備する大型ショートのMM(KC-MM719J)で、三菱NEW AEROSTARの大型ショート車自体が希少な存在です。
(NEW AEROSTARに比べれば数が多いAEROSTAR KやAEROSTAR Mの大型ショート車でも、MAKIKYUの乗車機会は数度と言う有様ですので…)

そのためこの車両はかなり特異な存在で、同形態の車両が他事業者の路線バスで走っている箇所が、他にどれだけ存在するのかも気になる所です。


またMAKIKYUが大崎上島を訪問した際、乗車した左回りとは逆の右回り循環線で活躍していた車両は、トップドアの三菱中型車AEROMIDIで、こちらはNEW AEROSTAR MMに比べるとありふれた車両という印象がありますが、前面の行先表示器部分を使用せずに「大崎上島循環線」と標記している辺りは独特な印象を受けたものです。

さんようバス・大崎上島循環線に関しては、近日中に乗車した車内から眺めた車窓の様子なども別記事で取り上げたいと思います。


広島電鉄バス・熊野線~呉市営バス乗り継ぎにも便利な長大路線

2012-01-28 | バス[中国]

今月MAKIKYUが広島県内へ足を運び、終焉迫る呉市交通局の路線バス(呉市営バス)に乗車した際には、日頃の疲労が影響してか、宿泊していた広島市内のホテルで寝坊してしまい、幾つか候補を考えていた呉市営バス乗車計画も、バス時刻の関係で実現できない案が幾つか生じる有様でした。

しかしながら広島や呉は、予定していた列車やバスを一本逃がしたら…という土地柄ではありませんので、色々候補を考えていれば何とかなるのは有り難いもので、宿泊していたホテルから徒歩で移動可能な範囲にある広島バスセンターへ出向いた後、結局広島電鉄が運行する熊野線の一般路線バスに乗車したものでした。

熊野線は広島市内や近郊を走る広島電鉄郊外バスの1路線で、広島バスセンターのある中心部の紙屋町などと、広島市東郊に位置する熊野町内を結んでおり、一般道路経由の便でも矢野までの間は、広島駅・向洋・海田などJR線沿いを経由するルートと、大学病院・仁保などの海沿いを経由する2ルートに分かれ、更にラッシュ時間帯などには広島高速2号線を経由する系統も存在しています。


MAKIKYUが乗車したのは広島駅・向洋・海田経由の便で、広島市内中心部と熊野町内をダイレクトに結ぶのがウリの路線ですが、JR線とほぼ並行する矢野(矢野駅前)までだけでも、結構な時間と運賃を要します。

矢野駅前からは熊野線の一部便以外に、矢野駅前~熊野町内間を結ぶ矢野ニュータウン線なども運行していますので、もし広島駅周辺に宿泊していたなら、矢野までJR線を利用してバスに乗り換えても…と感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUが乗車した熊野線のバスは、MAKIKYUが身を置く首都圏では数少ない西日本車体工業製の58MCボディを採用した車両で、それも排ガス規制対象地域ではまず見られない平成3年式のいすゞ大型路線車でした。

 
おまけに郊外路線向けの高出力・着席重視仕様、引き違い窓を装備した非常に特徴的な車両(U-LV218M)で、古参大型車というだけでも歓迎のMAKIKYUとしては、この様な車両に当たって非常に嬉しいと感じたものでした。
(MAKIKYUが熊野線で乗車した車両は、登録番号がもう少し新しい車両で、写真は熊野営業所内で撮影した同形車です)

また路線的にも矢野までは市街地を走るものの、矢野~熊野町内へ至る道はかなりアップダウンのある山道で、運転するのは結構気を使いそうと感じた反面、高出力車の威力発揮といった雰囲気のルートは乗り応え充分で、広島バスセンター~熊野営業所間の乗車時間は1時間強に及びましたが、もっと乗っていても…と感じたものでした。


熊野営業所では市営バス乗継まで少々時間が空き、営業所内に停車している広島電鉄バスの姿を10台程度目撃できましたが、その間には熊野町内や矢野駅方面へ向かうバスも何台か発着していました。

見かけるバスはMAKIKYUが乗車した西工58MCボディの大型路線車や、日野純正のブルーリボンばかりで、それも大都市圏の排ガス規制対象地域では車検が通らない古参年式の大型車ばかりが目に付いたものでした。

広島電鉄では広島市内などで結構新しい車両(専らエルガか、ほぼ同型のブルーリボンⅡですが…)を良く見かけますので、全体的には古参車ばかりではないのですが、熊野は旧年式の車両ばかりが集まっている様で、古参車狙いであれば絶好のエリアと感じたものでした。

ちなみに熊野線の運賃は、広島バスセンター~熊野営業所間で620円(PASPY割引適用時560円)、その後呉市営バスに乗り継いで呉へ抜ける場合は熊野団地(広島電鉄熊野営業所内にあるバス停ですが、名称が広電とは異なります)~呉駅前間470円(PASPY割引適用時430円)となっています。

PASPY(広島地区の路面電車・バス・アストラムライン共通ICカード)利用で両者を乗り継ぐ場合は、更に20円の乗継割引も適用されますので、PASPY利用の場合は広島市内~呉間を一般道路経由の路線バスで乗り継いでも、1000円以内に収まります。
(広島バスセンター~呉駅前間を高速バス・クレアライナー利用で700円(PASPY割引適用時630円)、JR呉線利用は更に安くなりますので、広島~呉間をダイレクトに移動する手段とは言い難いですが…)

ただ終焉迫る呉市営バスを組み合わせ、比較的手頃に路線バスの小旅行を楽しむには悪くないルートと感じたもので、4月の呉市営バス→広島電鉄移管後も、現状の路線形態のまま暫く推移するのか気になる所です。


民営移管を控えた呉市営バス(2)~古参車両編

2012-01-25 | バス[中国]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた呉市交通局の路線バス(呉市営バス)ですが、今日は続編として、今月中頃にMAKIKYUが呉を訪問した際に見かけた市営バス車両の中で、比較的古参の部類に入る車両に関して取り上げたいと思います。

呉市は県庁所在地の広島市などと同様に、大都市圏の排ガス規制区域には入らない事もあってか、広島県内の同業他者と同様に大都市圏中古車の導入も行われているほか、新車として呉市交通局で導入して長年使い続けている車両も多数走り回っています。

今日の呉市営バスでは、大都市圏では排ガス規制の規制対象になってしまう比較的古参の部類に入る車両が主力となっており、それも大型路線車が主体を占めていますので、MAKIKYUの個人的趣味としては非常に嬉しい状況となっています。

大型路線車は瀬戸内海のすぐ近くまで山が迫り、道路は坂やカーブの多い呉の路線条件を反映してか、ホイールベースがやや短い車両(大型短尺)が主体を占めており、メーカーも三菱ふそうと日野が勢力を2分する状況になっています。

MAKIKYUが随分前に一度呉市営バスに乗車した際には、三菱ふそうのエアロスターKに乗車し、この車両はデザインや走行音など、様々な面で個人的に非常にお気に入りの車両で、先日呉駅前で市営バスを視察していた際にも、複数の車両が活躍する様を見る事が出来ました。

 
呉市営バスのエアロスターKは、エアロスターシリーズでは標準装備となっているセーフティウィンドウ(死角確認窓)が装備されている車両と、敢えてセーフティウィンドウを装備していない車両の双方が存在しているのも特徴ですが、車齢は概ね20年程度かそれ以上と古い車両だけあり、老朽取替えによって徐々に数を減らしている様です。

エアロスターKの製造中止後は、三菱大型路線車の現行モデルでもあるニューエアロスター登場までの間、エアロスターMの導入も行われており、この車両も既に大都市圏では見納めになっていますが、呉ではこちらも複数台が活躍する姿を目撃できたものでした。


MAKIKYUが先日乗車した熊野団地~呉駅前間の路線でも、すれ違う便で充当されている姿を見かけた程で、乗り心地や走行音などはエアロスターKと大差ない車両ですので、この車両に乗れたら…とも感じてしまったものですが、広島電鉄移管後も取替えはエアロスターKが先になるかと思いますし、広電自体も古参車を多数抱えていますので、まだ暫くの活躍が期待できそうです。


そして三菱車と並び、2大勢力として活躍する日野車も、大都市圏では姿を見る機会が少なくなった大型路線車・ブルーリボンが主力を占めており、写真の様にセーフティウィンドウを装備し、側面窓が引き違い式になっているなど、やや高級な印象を受ける車両も見受けられ、これも是非乗車したい車両と感じたものでした。


日野車ではブルーリボンの他に、中型車レインボーも目撃しており、こちらは呉市営バスが中乗り整理券方式にも関わらず、側面の行先表示器が前扉直後にあるなど、見るからに不自然な雰囲気ですが、比較的最近転入した元名古屋市営バス車両の様です。

またいすゞや日産ディーゼル(現UDトラックス)製の車両は、元々の在籍数が少ない事もあってか、見かける機会も…という状況でしたが、いすゞキュービックは一台だけ目撃しています。


こちらはつばき号と称されるワンステップ車で、4枚折戸となった中扉や、逆T字窓など比較的洗練された印象の車両ながらも、バリアフリー対応車ではないのか、前面に車椅子マークが見当たらず、塗装も低床車が纏う新塗装ではなく、従来塗装となっているのが特徴です。

ここで取り上げた車両以外にも、呉市営バスではまだまだ様々な車両が活躍しており、以前西日本車体工業製の車体を装備した車両なども目撃した事があり、機会があればこれらの車両に関しても取り上げたいと思います。


民営移管を控えた呉市営バス(1)~低床車両編

2012-01-21 | バス[中国]


先週末に少し遅めの冬休み(?)で西の方へ出向いたMAKIKYUですが、その最大の目的は4月からの民営移管(広島電鉄)を控えた呉市交通局(呉市交通局)のバスに乗車すると共に、終焉を迎える市営バスの最後の活躍を撮影してくる事で、車両前面に掲げられた告知などはいよいよ終焉と感じさせるものでした。

呉市交通局は過去に路面電車を運行していた事もあり、現在も呉市内や呉市と近隣の町を結ぶ路線を幅広く運行しており、使用車両も大型路線車主体で160台以上の規模を誇ります。

一般路線以外にクレアライナー(広島行高速バス)の一部便運行や、希少なボンネットバスを保有している事でも知られており、地方都市の公営バスにしては大規模な部類に入ります。

路線も瀬戸内海のすぐそばに山が迫る呉の地形も影響し、市街地や海沿いを走る路線から、橋を介して繋がる離島への路線、そして内陸部へ向かう路線など多岐に跨り、車両の種類や年式も多彩な事から、趣味的にも非常に面白い存在と言えます。

しかしながら呉市は、中国地方一の大都市で個人的も訪問機会はさほど多くない広島市に近く、広島市内だけでも路線バスの面白さは尋常でない(個人的には国内で5本の指に入ると思います)上に、日頃首都圏に居るMAKIKYUとしては決して訪問しやすい土地ではないだけに、過去には一度乗車しただけと言う有様でした。

また全線やエリア・曜日限定の一日乗車券なども発売されており、機会があれば一度これらの乗車券を利用し、観光も兼ねて呉の路線バスを存分に堪能したい程ですが、先日の訪問でも他の予定との兼ね合いに加え、宿泊先の広島市内ホテルで予定外の寝坊をした事もあり、1路線の乗車に留まったのは惜しい限りでした。

今回の呉訪問では、乗車候補となる路線を幾つか考えており、結局熊野団地~北原~昭和支所~呉駅間の路線に乗車したのですが、呉市営バスでは古参車両も多数活躍しているものの、乗車時間のダイヤはスロープ付き低床バス運行ダイヤとなっていました。


熊野団地でやって来たバスは、大都市圏でもありふれた存在と言えるいすゞERGAノンステップ車で、古参車でなかったのは少々残念でした。

それでもERGAの中では比較的初期のV8エンジン装備車で、MAKIKYUとしては結構好みとも言える走行音を聞きながら、終焉迫る呉市営バスでカーブの続く山道を走るトリップを堪能できたのは喜ばしく、広島電鉄移管後も暫くは現行の路線形態で、現行車両が活躍する事に期待したいものです。


ちなみに呉市営バスではERGAもV8エンジン装備車だけでなく、比較的新しい日野製エンジンを搭載した車両(同型の日野ブルーリボンⅡも含めて)も活躍しており、こちらの姿も見る事ができました。


ERGA/ブルーリボンⅡ以外にも低床車は幾つかのバリエーションが存在しており、中には屋根上のガスタンクが特徴的な天然ガス車も存在していますが、スロープ付き低床バスは色彩こそ従来車と同等ながら、塗り分けを変える事で差別化を図っているのが特徴です。

低床車は新車で導入された車両だけでなく、最近になって大都市圏で排ガス規制により代替を迫られた中古車両も登場しており、MAKIKYUが呉駅前で市営バスの観察・撮影を行っている間にも、横浜市営や高槻市営からの移籍車が稼動する姿を目撃できたものでした。


横浜市営からの移籍車(ワンステップ)は、ベイブリッジなどが描かれた独特な座席モケットなどがそのままで、バス事情に精通した人間が見れば一目で元横浜市営バスと分かる程です。

おまけに中乗り後払い(整理券方式)の呉市営バスにおいて、前扉直後にLEDの行先・経由表示装置が設置されており、見るからに不自然な印象を受けますが、三菱NEW AEROSTARは元々の完成度が高く、見た目も現行モデルと大差ない車両ですので、サイドブレーキや走行音などは新車とは随分差があるものの、素人目には新車と錯覚させる車両かもしれません。

また写真の元横浜市営バスは、横浜市営バスで低床車が本格導入され始めた頃の車両で、スロープ付き低床車である事が評価され、同形車をはじめとする同世代車が地方で再活躍する事例が急増していますが、横浜で塗り分けを変えた低床車として登場した車両が、第2の活躍舞台でも新塗装の低床車として活躍するのは奇遇と感じます。

呉市営バスではスロープ付き低床バス充当便も、新型ノンステップ車限定ではない事もあり、できればこのバスに当たった方が…とも感じたものでしたが、広電移管後の活躍にも期待すると共に、民営移管後にも再度呉を訪問し、路線バスで市内巡りをしたいと感じたものでした。

呉市営バスに関しては、近日中に主力の古参車両に関して取り上げた記事も公開したいと思います。


両備バスの未来型バス「SOLARVE」(2)~メカニズムだけでなく車内の様子も…

2010-12-30 | バス[中国]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた両備バスの「SOLARVE」(ソラビ)は、シリーズ式ハイブリッドバス・AEROSTAR ECO HYBRIDにソーラーパネルを搭載するなど、メカニズム的に最先端を行く画期的な車両だけあって、この手の車両のお約束とも言える広報宣伝用のLCDモニターが運転席背後に設置され、ハイブリッドシステムなど「SOLARVE」の様々な特徴をPRしています。

また両備グループという事もあり、JR九州などでお馴染みの某デザイナーが関与しているだけあって、この車両の車内設備なども他に類を見ない独特なものとなっており、某デザイナーが手がけた車両ならではの特徴も随所に見られます。

車内の色彩は壁面や天井などをはじめ、座席も真っ白となっており、挙句の果てには運賃箱まで真っ白に塗装しているなど、徹底的に「白」にこだわった徹底振りには脱帽させられます。

某デザイナーが手がけた車両の傾向として、ロゴや英文字を多用する事に加え、最近では様々な木材を多用する事も大きな特徴となっていますが、「SOLARVE」もその傾向が強く出ており、仕切り板やつり革の吊り輪などに木材が用いられ、「白」にこだわっているだけあって、使用している木材の材質も白に近いものを用いています。

 
そして車内は色彩にこだわるだけでなく、このデザイナーが改装を手がけた観光列車「海幸山幸」を思わせるLEDを用いた天井の照明や、座席形状なども他のバスでは類を見ないといっても良い独特なモノとなっており、近年標準仕様化が進み、同じ様なバスばかりが増えつつある日本国内の路線バスの中で、「SOLARVE」が他のバスとは大きく異なる車両である事を強く印象付けています。

座席配列もノンステップバスの構造故に、段差が大きくなる前輪タイヤハウス部分は両側共に座席が設置していないのですが、これに加え後輪タイヤハウス部分も片側には座席を設置しておらず、敢えて飾り物の人形を置いていますので、座席の数が非常に少なくなっています。

 
座席を設置していないタイヤハウス部分の空間には、最近某デザイナーが改装に携わった観光列車などで見られる「ベビーサークル」とほぼ同種のモノも見受けられるのですが、こちらは列車に比べると揺れる上に、一般車と同じ公道を走る路線バスと言う乗り物の性質故に「荷物置場」となっているのも特徴です。

そのため非常に高価な車両にも関わらず、かなり贅沢な空間の使い方をしているといえ、機能性を重視した一般的な路線バス車両とは大きく異なりますので、割高な運賃を設定した観光路線バスや定期観光バスなどで使っても…と感じる程ですが、これだけの車両をダイヤ限定とはいえ、岡山駅~西大寺間を中心に一般路線バスとして普通運賃のみで走らせるのは大したものです。

観光路線バスでもここまで徹底した車両はなかなかないだけに、収容力のなさが混雑時には致命的なのは難点ですが、再び「SOLARVE」に遭遇する機会があれば是非また乗車したいと感じたもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も機会がありましたら、是非一度両備バスの「SOLARVE」に乗車してみてはいかがでしょうか?


両備バスの未来型バス「SOLARVE」(1)~世界唯一、オンリーワンの路線バスを目指した究極の特装車

2010-12-27 | バス[中国]

 
MAKIKYUが今月青春18きっぷを利用し、岡山・広島方面へ出向いた際には、岡山市内で先日取り上げた岡山電気軌道「MOMO」のイルミネーション電車に乗車した際の記事を取り上げましたが、この時には非常にインパクトの強い「MOMO」にも負けない路線バスにも乗車したものでした。

この路線バスは、岡山電気軌道と同じ両備グループの両備バスが、グループ発足100周年を記念して今年夏に登場させた未来型バス「SOLARVE」(ソラビ)です。

車種は両備グループの路線バスで主流の三菱ふそう製路線車ながらも、環境負荷が小さい事で知られる反面、特殊な車両と言う事で車両価格が極めて高額な事でも知られ、全国各地で様々な路線バスに乗車しているMAKIKYUも、他ではまだ2箇所でしか乗車した事がないシリーズ式ハイブリッドバス・AEROSTAR ECO HYBRIDとなっており、この車両を民間のバス事業者が路線バス用に導入する事だけでも相当なものです。
(MAKIKYUが以前乗車した事があるAEROSTAR ECO HYBRIDは、羽田京急バスが羽田空港内の無料循環バスで走らせている車両と、名鉄バスが名鉄バスセンターを基点に東へ向かう基幹バス2系統・本地ヶ原線で走らせている車両です。他に遠州鉄道でECO HYBRIDの試作車両とも言えるAEROSTAR HEVにも一度乗車した事があり、これらは全て「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますので、興味のある方はこれらの記事もご覧頂けると幸いです)

しかも両備グループが最近導入した車両ですので、当然ながらJR九州をはじめとする国内公共交通機関のデザインで非常に有名な某デザイナーが関与しており、通常の両備バス仕様でECO HYBRIDを走らせるだけでも、余所者から見れば結構見栄えがするのでは…と感じる程です。

その上「SOLARVE」は単に高級なECO HYBRIDを導入しただけには留まらない様々な特徴を持つ事が大きな特徴で、ただでさえ希少なECO HYBRIDの中でも、究極のECO HYBRIDと言っても過言ではなく、「世界唯一、オンリーワンの路線バスを…」と両備グループが謳っているのも頷けるものです。

車両の外観を見ると、英文字やロゴなどが目立つ姿は某デザイナーが手がけた車両ならでは…と感じさせられますが、前面形状などを見ると車種がAEROSTARである事も一目瞭然といった雰囲気です。

ECO HYBRIDならではの特徴とも言える屋根上の蓄電池搭載スペースは、覆いを付けてデザイン的にも上手く処理しており、この様な車両形状は今後他のハイブリッドバスや天然ガスバスなどでもっと拡がっても…と感じるものです。

そして「SOLARVE」の外観上最大の特徴と言えるのが、名称からも類推出来る様に、屋根上に多数の太陽光発電を行うソーラーパネルを装備している事が挙げられます。

このソーラーパネルから発電した電力も蓄電池に蓄え、発電用エンジンの使用頻度を減らせると共に、災害等の非常時にはバスを発電機として活用し、外部へ電力を供給できる様にもなっており、世界唯一、オンリーワンの路線バスというに相応しい車両と言えます。

この他運転席周辺を見渡すと、マルチアングルビジョンと呼ばれ、バスを上から見渡した様子を映し出し、周囲の交通状況を把握できる事で、側方などに死角が多いバスを運転する際、一層の安全運転を支援する装置なども装備されており、単に両備グループ100周年を記念し、外部へのPRのために凄いバスを走らせているのではなく、運行面でのシステム充実が図られている事も、特質すべき点と言えます。

この様な車両ですので、ただでさえ1台4000万円以上するECO HYBRIDの車両購入費用に加え、これまた大型路線バスの新車購入費を越える程高額な改装費用も加わり、普通の路線バス車両なら新車でも大型3台程度は導入できる程の超高額車両となっています。

いくら両備グループ100周年を記念した車両とは言えども、余りに高額な車両だけに、さすがに何台も導入する訳には行かず、1台だけの特別な存在となっています。

この1台だけの「SOLARVE」は西大寺営業所に配属されており、岡山駅~西大寺間をはじめとする一般路線に限定ダイヤ(HPで公開)に充当され、限定ダイヤの時刻に当たれば、他の路線バスと同等の通常運賃のみで乗車する事が出来ます。
(その気になれば岡山駅~天満屋BCまで100円で乗車する事も可能です)

MAKIKYUは時間の関係もあって、岡山駅から途中の東山まで「SOLARVE」に乗車し、その後路面電車(MOMO)で岡山駅へ戻る行程を取ったのですが、この車両はメカニズムや運行面に加え、某デザイナーが関与しているだけに内装なども非常に特徴的なものとなっており、時間が許すならば終点の西大寺まで乗り通したいと感じたものでした。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も岡山を訪れる機会がありましたら、是非一度両備バスの「SOLARVE」に乗車をおススメしたいもので、またこの車両の先進的な装備の数々が、すぐに一般の路線バスで採用される公算こそ低いものの、この車両での採用実績を元にいくらかでも普及する事にも期待したいものです。

また他に両備バスでは100周年を記念し、昔の西大寺鉄道で活躍した気動車をイメージしたレトロ調バス「SAI BUS」も登場していますので、機会があればこちらにも乗車してみたいと感じたものでした。

あと「SOLARVE」の車内の様子などに関しては、(2)として近日中に別記事で取り上げたいと思います。


下関市内を走る2階建てロンドンバス・ルートマスター

2008-11-08 | バス[中国]

  

MAKIKYUは今月初めに九州方面へ出向いており、その際には往路に寝台特急はやぶさ・富士号を利用したのですが、この列車を下関で下車(その後の九州入りは普通列車使用でした)した後は、今年になってから下関市内を走り始めた2階建てバス・ルートマスターに乗車する事ができましたので、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

ルートマスター(Routemaster)は、イギリスのAEC(Associated Eqipment Company)が1950年代~60年代にかけて製造した2階建てバスで、最盛期には2700台以上が路線バスとしてロンドン市内で活躍していた様ですが、2005年まで(それでも車齢を考えると驚異的ですが…)に第一線からは退いています。

しかしながら第一線を退いた後も、ロンドン市内の観光路線をはじめ、一部はロンドンバスの活躍を後世に伝えるプロジェクトの一環として外国の自治体にも送られる程で、現在パリやモスクワなどでもその姿を見る事が出来る様ですが、外国へ送られた車両(合計6台ある様です)のうち1台はイギリスから遠く離れた日本に到来し、現在下関市内で活躍しています。

ルートマスターがかなりの古参車である事に加え、運転席と客席が完全に分離され、車両後部に一箇所だけある乗客用の出入口は、扉が設けられていないといった車両構造上の問題もある事から、一般の路線バスとして用いる事は到底不可能ですので、さすがに一般路線と同様の活躍は期待出来ない車両ですが、下関市が土休日限定で下関市内やその周辺の路線バスを運行するサンデン交通に運行を委託し、観光客向けに下関駅~城下町長府間(途中唐戸のみ停車)を4往復運行しています。

車両構造上の問題もあって運転士の他にもう一人運賃収受・案内などを行う要員が乗務し、自動両替器・カードリーダー付きの運賃箱をはじめとするワンマン機器などは搭載していない事もあって、サンデン交通をはじめとする山口県内各社で通用する山口県内共通バスカードの使用は出来ないのですが、定期観光などではなく路線バスとして運行しています。

そのため運賃は同区間を走る一般路線と同額(全区間乗車の場合350円)に設定されており、下関市内の一部区間が乗り放題となる1日乗車券や、最近通用エリアが拡大して九州内以外に下関周辺でも利用可能となった「SUNQパス」(九州内の路線・高速バスなどの乗り放題乗車券)なども通用しますので、時間が合えば、希少なルートマスターにも手頃に乗車できる事は有難い限りです。

ちなみにルートマスターはエンジンを前部に置いて後輪を駆動する仕組みを採用した事もあって、下関市内では未だに一般路線では2ステップ車が主流となっている状況の中で、1階部分はワンステップとなっている事は評価すべき点で、車高が4380mmとかなり高い事から、一部の高速バスなどで見られる国産2階建て車(車高3.8m程度:これは日本の道路法規も関係しているのですが…)などに比べ、2階建て車ながらも頭上に圧迫感を感じない事も好感を感じたものです。

一方で全長は8.4m程度と中型路線バス程度しかなく、ノッポな割には小柄な車両ですので、一般路線で用いられている大型車(車体長10m以上)などと並ぶ様は非常に奇妙なもので、また元々活躍していたロンドンの土地柄も影響してか、車内は冷房が装備されていません(扇風機は付いていましたが、これも元々装備されていたものなのか気になります)ので、下関での夏場の乗車は少々厳しいのでは…と感じたのも事実です。

また下関駅から乗車する場合は乗車整理券(運行当日の8時40分から各便の整理券を、下関駅前の案内所で配布:首都圏方面からははやぶさ・富士号を利用すると丁度良い時間です)が必要となり、発車10分前の乗車開始時には整理券番号順の乗車となる点は要注意です。

とはいえMAKIKYUの訪問時には満員御礼で機関車交換となる下関駅ではかなりの混雑となっていた寝台特急はやぶさ・富士号とは異なり、ルートマスターは希少な車両にも関わらず、整理券配布時にも混雑は見られなかったのは意外でしたが、乗車時間が近づく頃に整理券配布を申し出る乗客の姿も見受けられ、下関周辺ではそれなりの知名度もある様でした。

ただルートマスターに便乗していた下関市役所の方(観光振興課と思われる方でした)が乗客にアンケートを取っていた際も、MAKIKYUが「横浜から」と言ったら、遠方からの乗客は少ない様で驚いていた程でしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も下関やその周辺を訪問される機会がありましたら、是非希少な2階建てロンドンバス・ルートマスターに乗車してみては如何でしょうか?

あと別件ですが、まだPC復旧までもう暫く時間を要する見込み(あと1週間程度かと思います)で、ネット環境復旧の際にはその旨お知らせしたいと思います。


岩国市営錦バス(2)

2008-05-11 | バス[中国]

 

昨日取り上げた岩国市営錦バス(以下錦バスと記します)は、MAKIKYUが乗車した雙津峡温泉方面へ向かう路線以外にも、錦町駅などのある広瀬地区から幾つかの路線が運行されており、MAKIKYUが錦町駅で錦バスを下車してから、列車に乗り継ぐまでの短い間でも、駅のすぐそばに停車している数台の車両の姿を見ることが出来ました。

見かけた車両は日野製マイクロバス3台、その内1台は少々古めの車両で、あとの2台はコミュニティバスなどでおなじみのリエッセでしたが、RBとリエッセの一台はクリーム色と薄緑色に朱色のラインが入った塗装となっています。

これはかつての錦川清流線NT-2000形が纏っていた塗装を連想させられますが、一応錦バスではこの塗装が標準塗装となっている様で、錦町が岩国市に編入されたにも関わらず、古めの一台は相変わらず「錦町」という表記が残存しているのも特徴です。

2枚目の写真(日野リエッセ)の右脇には、もう一台リエッセが写っています(2台並びの写真はあまりに写りが悪いので、こちらを掲載しました)が、このリエッセは少々新しい車両なのか、中ドア付きの車椅子対応車両となっており、この車両は白一色という極めてシンプルな塗装でした。

この他にもMAKIKYUが錦バスに乗車している際には、昨日取り上げた車両とほぼ同等と思われ、錦バス標準塗装(?)を纏った日野製中型車を一台目撃しています。

また錦バスで使用している車両なのか、それとも旧錦町の自家用用途で使用している車両なのかは分かりませんが、錦町駅近くでやはり錦バス標準塗装の三菱ローザも一台目撃しており、車両のバリエーションも幾つかありますが、これらの車両の中には写真で整理券発行機の存在が確認できる車両もあり、整理券発行を行うか否かを路線毎に決めているのか、それともやってくる車両次第になってしまうのかも気になるものです。

ちなみに錦バスの路線の中には、山間の奥地へ入り込む路線だけでなく、隣接市町へ至る路線も幾つか存在しており、県境を跨いで六日市へ抜け、そこから高速バス(広島~益田を結ぶ路線で、益田方面へは途中日原を経由します)に乗り継ぐ事や、六日市で更に路線バス(休日運休で便数も少ないですが…)で日原へ抜ける事ができ、バス乗り継ぎで未成線となった岩日北線を偲ぶルートを辿ることも出来ますし、市販の時刻表に時刻は掲載されていませんが、周南市の須金へ至る路線(錦バスは3往復しかなく、その先の接続も必ずしも良いとは言えないのですが…)と防長交通の路線バスを乗り継ぎ、徳山へ抜ける事も可能です。

便数の少なさや時間の制約もあって、MAKIKYUはこれらのルートには乗車できなかったものの、錦川鉄道乗車と合わせ、これらのルートを走る錦バスに乗車されるのも面白いかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非これらのルートも試されてみては如何でしょうか?


岩国市営錦バス(1)

2008-05-10 | バス[中国]

 

「MAKIKYUのページ」では何度かに渡って錦川鉄道に関する記事を取り上げてきましたが、この錦川鉄道の終点、錦町駅からは通称80条バスなどと呼ばれる自治体運行による白ナンバーの路線バス(過疎地などで自治体のみに認められている特例です)が発着しています。

この路線バスはかつて錦町が運行していましたが、現在錦町は他の錦川鉄道沿線町村などと共に岩国市に合併された事もあり、このバスは現在「岩国市営錦バス」(以下錦バスと記します)として運行しています。

普通に考えると「岩国市営バス」でも良さそうですが、岩国市は以前からJR岩国駅周辺などの市内中心部に市営バスを運行しており、岩国市交通局を抱える中で、これとは別の部署が別形態で路線バスを運行するため、この様な名称になったものと考えられ、この様なバスは錦バス以外にも岩国市内では幾つか存在しています。

錦バスの運行は現在、他の錦川清流線沿線の自治体バスと共に、岩国市などが出資する第3セクターの錦川鉄道に受託されていますので、錦川鉄道は直営の路線バスこそ運行していないものの、実質的に錦川鉄道バスと言っても過言ではない存在となっています。

ちなみにMAKIKYUは錦町→雙津峡温泉間でとことこトレインに乗車した後、雙津峡温泉から錦町駅へ戻る際に錦バスを利用したのですが、MAKIKYUを除くとことこトレイン利用者は全て往復でとことこトレインを利用しており、時間帯の関係もあってか錦バスの利用者は他に途中停留所から一人乗り込んできただけという状況でした。

雙津峡温泉を通る錦バスは2路線存在しており、更に奥の山中へ路線が通じているのですが、2路線合計でも運行本数は6往復程度ですので、運行時刻を事前に調べておかないと利用し難い状況ですが、とことこトレインと組み合わせ、往復で異なる交通手段を用いて錦町~雙津峡温泉間を移動できるダイヤとなっている便も幾つか存在していますので、とことこトレインと乗り比べてみるのも面白いもので、万が一とことこトレインが満席で乗車できない時(可能性は低いと思いますが…)の交通手段としても、知っておくと便利かと思います。

MAKIKYUが乗車した際のバスは1枚目の写真の車両で、ハイバックシートが並ぶ日野製中型車は、路線バスとしてはそこそこ高級な部類に入りますが、この車両はかつて自治体がスクール輸送などの自家用で使用していた車両を譲り受けた様で、この塗装の車両は錦バスでは一台のみの存在との事です。

また錦バスは前乗り前降り(少なくともMAKIKYUが乗車した車両は)、大半が自由乗降区間となっている多区間運賃後払いの路線バスで、路線によっては片道運賃が1000円を超える区間も存在しています(MAKIKYUが乗車した路線でも最高金額は800円を超えており、錦町駅~雙津峡温泉・深須郵便局間では470円です)が、運賃表が地方の路線バスでは時折見かける三角表(2枚目の写真)となっているのはともかくとしても、利用者の大半が地元の乗客という事もあるのか、運賃表示器や音声合成装置などによる車内アナウンスはおろか、MAKIKYUが乗車した車両では整理券発行機すら存在していない事には驚かされたものです。
(信用方式による運賃後払い路線は、都内均一区間用の車両を用いている松戸駅→戸ヶ崎方面へ向かう千葉~埼玉県跨ぎの京成バスなどが有名(松戸駅方向は前払い)ですが、区数が多い錦バスの様な事例は余りないと思います)

そのためMAKIKYUが乗車した際には、整理券発行機が見当たらないので運賃前払いかと乗務員の方に尋ねた程ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も錦バスに乗車される機会がありましたら要注意です。
(余談ながら同じ岩国市内を走る岩国市営バスは、整理券方式運賃後払いながらも、デジタル運賃表示器や整理券発行機、音声合成装置による車内案内放送などがあり、山口県内共通バスカード対応のバスカード機器も備えています)


松江市営バス(1)

2007-02-27 | バス[中国]
「MAKIKYUのページ」では島根県東部を走る一畑バスについて昨日も取り上げましたが、島根県の県都・松江では市営バスも運行されていおり、今日はこの松江市営バスを取り上げたいと思います。

市営バスは市内の北部・南部(概ねJR山陰本線が境界です)それぞれを循環運行し、200円均一の運賃で乗車できる北・南循環線(乗り継ぎの際には割り引きもあります)をはじめ、島根大学方面へ向かう路線や、八束方面へ向かう路線などを運行しています。

ただ松江市内では一畑バスが結構な勢力となっていますので、松江を訪問して路線バスに乗車する場合でも、利用する機会は意外と少ないかもしれませんが、松江市営バスでは一畑バスと同様にしまね共通バスカードが通用し、一畑グループで発売している「パーフェクトチケット」も使用できるのが特徴で、事業者が異なっても乗車券類が共通使用できる事は評価に値する気がします。

車両面でも島根では希少な大型ノンステップバス(山陰では土地柄もあって大型路線車自体が少なめです)も運行しているのが特徴で、この他にも全国的にも比較的少ないAEROSTARのMMと呼ばれる三菱製の大型ショート車(大型車並みの車体に中型車の下回りを用いた車両です)を多数使用している点は興味深いものです。

ちなみにこの写真の車両はAEROSTAR MMですが、写真のK型だけでなくM型も使用しており、どちらもMAKIKYUが昨年松江を訪問した際に乗車しましたが、それなりの数が稼動している様です。(松江市営バス自体がさほど大規模ではありませんので、沢山という程ではありませんが…)

まつえウォーカー(一畑バス)

2007-02-26 | バス[中国]
「MAKIKYUのページ」では最近中国(中華人民共和国)関連の記事が続いていますが、今日は昨年MAKIKYUが中国へ行く途中に立ち寄った場所の一つでもある日本の“中国”地方にある松江市内を運行し、以前何度か取り上げた一畑バスが運行する循環バス・まつえウォーカーについて取り上げたいと思います。

このバスはJR松江駅を起終点に松江城や松江しんじ湖温泉駅(一畑電車の始発駅)などを廻る周遊バスで左右双方向の廻り方で運行しており、所要時間は一周約40分程度、車両も一般路線では少数派のいすゞ中型・ERGAMIOの低床車で専用塗装を纏った車両が使用されています。

このバスは観光向けに運行されている事もあってか運行時刻に早朝や深夜は含まれず、18時前後で運行が終了してしまうのが難点ですが、運賃は150円均一(JR~一畑電車の駅間移動でも一般路線より安く乗車できます)と割安で専用の一日乗車券(400円)も設定されており、この他にしまね共通バスカードやパーフェクトチケット(一畑電車・バスと松江市営バスが乗り放題になる乗車券です)での利用も可能となっています。

このバスの運行区間では途中、小泉八雲記念館近くの塩見縄手と呼ばれる所では城下町らしい趣が感じられ、また宍道湖の湖畔を通る所では湖を見渡せるなど、このバスに乗車するだけでもちょっとした市内観光が格安で楽しめ、特にバス好きでない方でもそれなりに楽しめる路線かと思います。
(バス好きな方がそうでない方を同行して松江を訪れた際も、このバスなら恐らく同行者を納得させられると思います)

MAKIKYUも夏に松江を訪れた際には列車の乗車前に多少時間が空き、また暑さで外を歩く気にはならない状況でしたので、その際に「まつえウォーカー」に乗車して絶好の市内観光地視察となりましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も松江を訪問された際には、是非この「まつえウォーカー」へ乗車されてみては如何でしょうか?

鳥取自動車(クローバーバス)

2007-01-17 | バス[中国]

「MAKIKYUのページ」では昨日、鳥取県を走る第3セクター鉄道・若桜鉄道に関する記事を取り上げましたが、今年に入ってからは国内路線バスに関する記事をまだ取り上げていない(各方面で取り上げたい記事は色々ありますが…)という事もありますので、今日は昨日取り上げた若桜鉄道の終点・若桜を走る路線バスに関する記事を取り上げたいと思います。

若桜町を走る路線バスは、鳥取との間を結ぶ幹線路線を県内では日ノ丸自動車と並んで勢力を2分する事業者・日本交通が運行し、この路線は幾つかの経由を合わせると概ね毎時運行されていますので、若桜鉄道よりも運行本数が多く、土地柄を考慮すると比較的至便な路線といえます。
(若桜へ行かれる機会がありましたら、両者を乗り比べるのも面白いかと思います)

ただその他の若桜町・八頭町内を運行するバス路線は、これも以前は日本交通が運行していましたが、若桜鉄道や鳥取発着の路線バスに接続する形でのフィーダーともいえるローカル路線で、閑散路線ばかりですので、近年は鳥取自動車という系列会社に移管され、同社がクローバーバスという名称で運行しています。

このクローバーバスは鳥取県内の路線バスが1500円で3日間乗り放題になる「鳥取藩のりあいばす手形」と称する割安なフリー乗車券も通用し、その案内にもクローバーバスの名称は出ているのですが、観光客が大勢押し寄せる場所ではなく、都市圏輸送(といっても、鳥取県の都市は何処もさほど大きくありませんが…)とも無縁である事もあってか知名度は極めて低い様です。

そのためネット上で検索しても、若桜町HPの時刻案内を除くと鳥取県内観光関連サイトののりあいばす手形案内といったものばかりが引っかかり、gooのブログ検索では一軒も出てこない状況で、ネット上でクローバーバスの画像を見ることも殆どない状況ですので、今日「MAKIKYUのページ」で取り上げたいと思います。

写真はMAKIKYUが昨年夏に若桜を訪問し、若桜鉄道乗車後に乗り換えたクローバーバスですが、写真のバスは若桜駅を起点に山中へ入っていく路線で、時間も夕方(といっても18時30分を過ぎています)という事もあって、MAKIKYUは時間の関係もあって若桜車庫(鳥取行日交バスの折返場で、特に車両配置はありません)までの短距離を乗車しただけですが、若桜駅を起点とするローカル路線は幾つも運行されており、時間に余裕があるならば若桜鉄道乗車と共にこれらもじっくりと堪能してみたいと感じます。

また使用している車両はMAKIKYUが乗車した写真の三菱中型車をはじめ、マイクロバス(恐らくROSAだと思います)の姿も見かけていますが、乗車した中型車は座席もハイバックのモノが使われており、前面の形状も一般路線でよく用いられているタイプとは異なりますので、後扉装備とはいえ自家用バスに近い印象を受けます。

このクローバーバス、鳥取県内に居住されている方や用務などで頻繁に出向かれる方は別として、それ以外の方にはかなり訪問し難い場所を走っていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様が昨日取り上げた若桜鉄道に乗車され、若桜まで行かれる機会がありましたら、是非もう一歩足を伸ばしてこのクローバーバスに乗車されるのも如何でしょうか?

ちなみにクローバーバスの時刻・運賃等に関しては、若桜町HP―観光便利マップ―若桜町へのアクセスに若桜までの交通機関時刻(若桜鉄道・日交バス)と合わせて掲載されていますので、興味のある方は是非アクセスを!


一畑バス(2)~出雲地区を走るキュービックLT

2006-12-19 | バス[中国]
「MAKIKYUのページ」では以前に一度、島根県東部を走る一畑(いちばた)バスに関して取り上げた事がありますが、今日は随分間が空いてしまったものの、その続編で出雲地区を走る一畑バスの大型ショート車・いすゞキュービックLTを取り上げたいと思います。

このスタイルの車両・いすゞキュービックは日本全国各地で走っており、特徴あるこの姿は御馴染みの方も多いかと思いますが、写真の車両はキュービックにしては車体の長さが短く、違和感を感じられる方も居られるかと思います。

というのも、この車両はキュービックで一般的なLVと呼ばれる大型路線車ではなく、中型車と同レベルの下回りに大型車と同幅、それでいて車体長が若干短い車体を載せたLTと称されるタイプで、地方ではこのタイプを好んで導入する事業者もあります。

どちらかというと大型ショートはマイナーな存在の車両ですが、このサイズの車両は近年まで(最近は法令改正で11mの長尺車に変わっています)大型自動車第2種免許(大型車の中でも、路線バスなどの営業車を運転する際に必要な免許です)の試験車として使用されていた事もありますので、大型2種免許の試験を受験された事がある方には御馴染みかもしれません。

一畑バスもこの手の車両は割合好きだった様で、割合古参の車両で時々見かけますが、このLTは何故か出雲地区で多数使われている様で、同社の路線が最も多く集まる県都・松江でMAKIKYUは姿を目撃していません。(多少は走っているのかもしれませんが…)

ちなみに写真は夏の旅行中に出雲大社のバスターミナルで撮影したモノで、MAKIKYUはこの車両には乗車できていませんが、ここから出雲市駅を経て上塩冶車庫へ至る路線は出雲地区の中では比較的本数が多く、また大社見物などの観光利用にも便利な路線ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様が出雲地区を訪れた際には、運が良ければこの車両にも乗車できるかもしれません。

バスコレから一枚…岡電バスの西工58MC(2)

2006-12-12 | バス[中国]
先日MAKIKYUもTOMYTECが発売している「バスコレクション(バスコレ)第9弾」をBOX買い(12個入)して中身を覗いて見ましたが、中身はパッケージ通りの2車種12種類が綺麗に揃い、シークレットはなしという状況でした。

このバスコレですが、多少色合いが違うかな?と思わせるモノも中にはありますが、値段の割には出来栄えが良く、今回は実車もそれなりに馴染みのある車両ですのでなかなか気に入っており、今日は今回製品化された車両と同タイプの実車の一つに関して取り上げたいと思います。(登録番号などは異なります)

今日取り上げるのは岡山電気軌道(岡電)の西日本車体工業(西工)の58MC車体を載せたバスで、「MAKIKYUのページ」では先月にも同車の新塗装を纏った車両に関して取り上げましたが、今日取り上げるのはバスコレ製品と同じタイプの塗装を纏った車両です。
(先月取り上げた岡電バスの新塗装の記事を見たい方は、こちらをクリックして下さい)

この写真は夏の旅行中、7月に岡山駅前で撮影したモノですが、バスコレと同系の塗装とはいえ中扉後部にも青のラインが伸びているタイプで、岡電のバスを何台か観察している限りではバスコレの様にここが白一色となっている車両もありましたが、そのタイプはここに広告を掲出している車両が何台も見受けられました。
(バスコレ製品の白部分を寂しく感じる方は、ここに広告を付けるのも良いかもしれません)

またこの塗装・以前取り上げた新塗装の双方共に、窓配置は逆T字窓と一般的な二段窓の車両が混在しており、他にも写真の車両の様な「OKA DEN BUS」というロゴが貼られた車両も存在するなど、色々なバリエーションが存在しており、また最近では撮影泣かせの行先表示LED化が進行し、写真の車両の様にLED改造された車両も多くなっています。

そのため岡電のバスを複数並べて見たいという方は、製品の他の車両と窓パーツを入れ替えてみるのも面白いかもしれませんし、色々改造に励まれるのも面白いかと思います。

この岡電バスの58MC、「MAKIKYUのページ」リンク先サイトの管理人様の中にはこのバスコレを「100円でも要らない(笑)」と仰られる方も居られ、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にもその様な方が居られるかもしれませんが、MAKIKYUとしてはなかなか気に入っている車両の一つです。
(今回一番の傑作はこの車体メーカー系の某大手私鉄だとMAKIKYUは感じますが…)

MAKIKYUがこの様に感じるのは、岡電バスを実際に岡山駅前などで何度か目にして、一度は乗車した事もあるのが要因かもしれませんが、やはり実車を見ているのか否かで随分評価が分かれる所かもしれません。

そんな事をいうMAKIKYUも今回のバスコレにおける難点を敢えていうなら、韓国よりもずっと遠く、馴染みもない遥か彼方の孤島・沖縄のバスをモデル化する位なら、何処か別の本土の車両を製品化して欲しかった気が…と感じます。

こんな事を思うのは国内本土各都道府県に足を踏み入れ、路線バスにも乗車していながら、現地へのアクセスにも陸路が使えないという事もあって、遠く離れた沖縄県だけは北海道・四国・九州のいずれも足を踏み入れた事がないという家人にも先を越され、鉄軌道系交通機関(MAKIKYUの旅の大きな楽しみです)は近年開通したモノレール1本のみという事もあって、未だに国内唯一の未踏県となっているからなのかもしれません。

ただ沖縄まで行く位の予算や時間があるなら、韓国まで行った方が沢山の収穫も期待でき、この方が良いと感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?
(ちなみに沖縄へは本島でも本土で一番近い鹿児島からでもフェリーで約20時間、韓国・釜山へは福岡・博多港から高速船で約3時間です。運賃も後者の方が割安で、現地の旅費も恐らく後者の方が安価です)

岡電バスの新塗装&リンク追加のお知らせ

2006-11-22 | バス[中国]
「MAKIKYUのページ」では既に何度かJR九州の鉄道車両や高速船に関して取り上げていますが、それらはとあるこだわりのデザイナーが手掛けているモノです。

このデザイナーは出身地が岡山県という事で、その事もあって岡山電気軌道の新型低床電車「MOMO」のデザインを引き受け、その後両備グループ(岡山電気軌道もこの系列です)の鉄道や路線バスでは最近同氏デザインの車両が次々と波及しています。

その一つが岡山電気軌道の路線バスで、同社の西日本車体58MC車体を載せたバスはTOMYTECが発売している「バスコレクション」の第9弾にも含まれていますので、結構全国的に有名な存在となりそうですが、最近はこのバスコレのモデルになっている塗装から写真の新塗装への塗り替えが進行しています。

写真はMAKIKYUが今年夏に日韓中3カ国旅行の序章で中国地方を旅行し、岡山駅前で列車待ちの時間に撮影したもので、時間の都合などもあって今年の旅行では乗車できていません。(以前一度だけ旧塗装の岡電バスに乗車した事があります)

写真の新塗装は白をベースにロゴなどに青を用いたシンプルながらも見栄えのするモノで、英文ロゴはこのデザイナーお得意といった感じですが、系列の両備バスで導入している同氏デザインのバスも白と青の塗装でありながら、デザイン的には全く異なっているのも注目すべき点です。

あと岡電・両備と下津井電鉄(下電)の路線バス(岡電電車を含む)では関西で普及しているPiTaPa!の導入も視野に入れ、従来の岡山県共通バスカードに加えてICカードの使用も開始された様で、これと関係あるのか否かは分かりませんが、写真を見る限りでは運賃箱が随分派手な色に塗装されている模様で、これもデザイナーの意向なのか随分インパクトがある気がします。

また「MAKIKYUのページ」では本日より、岡山県内の路線バスを中心に取り上げているHP「やんたけバス研究所」(やんたけ様)へのリンクを開始致します。

岡山周辺のバス事情に興味を持たれている方には必見のページで、また海外へ旅行された際に撮影・乗車された路線バスに関する特集記事などもありますので、海外のバス事情に興味を持たれている方も楽しめるページかと思います。

URLは以下の通りです。
http://www3.plala.or.jp/YantakeBus/

なお「MAKIKYUのページ」では近日中に更なるリンク先サイトの増大に備え、リンク集(1)-主に日本国内の鉄道・路線バスに関するサイト様へのリンク集を2つに分割してリンク集(1)-1を新設し、ブログ系とHP系を分離する予定ですので、その際はお間違えの無い様にご注意下さい。
(トップページのBOOKMARKからリンク集に行かれる場合は、従来の手順で差し支えありません)