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常磐線特急に新系列・E657系導入へ~現行特急車両の動向も気になる所ですが…

2010-12-08 | 鉄道[北関東]

 
先日JR東日本HPにおいて、常磐線用に新型特急車両・E657系を導入・昨来年春から営業開始する旨が発表され、既にご存知の方も多いかと思います。

常磐線に新型特急車が登場する事は、以前からネット上などで噂されていましたので、MAKIKYUとしてはようやく公式発表が出てきた…という感があります。

ただこの新型車両は上野~いわき間のみでの運用となり、現在上野~いわき以遠の原ノ町・仙台方面へ直通する特急「スーパーひたち」号はいわきで系統分断となり、別名称の特急がいわき以北で運転される事が発表されたのは少々意外でした。

常磐線いわき以北で運行する特急には現在「フレッシュひたち」号で使われているE653系が運用される事が発表されていますが、同区間は全線が交流電化区間となります。

それならばいわき以北の特急に、今月のダイヤ改正で運用離脱した旧「つがる」号用の交流専用特急形車両・E751系を転用するのも悪くないのでは…と感じますが、この区間に敢えてE653系を導入するという事は、E751系を他用途に転用する公算が強まった事を意味します。

とはいえ現在485系で運用されている「白鳥」号(青函トンネル対応や増結などを考えると、可能性は極めて低いと思います)及び旧「かもしか」号改め新「つがる」号と、今後運行開始となる常磐線いわき以北の特急以外には、現在特急を運行していない路線・区間(過去に特急を運行していた区間も含む)で新たに特急を設定しない限り、E751系の優等列車としての用途は考え難い状況です。

そのため同系は新「つがる」号への転用可能性が極めて高くなったと言えますが、まだ新しい車両だけに今後の活躍に期待したいもので、新たな転用先に関する公式発表が待ち遠しいものです。

ところで本題のE657系ですが、編成は現在常磐線特急で活躍中の「スーパーひたち」号用651系や、「フレッシュひたち」号用E653系の様に7両と4両のいずれかの編成、或いはこれらを組み合わて11両などの編成を構成するのではなく、10両固定編成となる事は大きな特徴です。

現段階では10両固定編成以外の製造が発表されていない上に、上野発着の常磐線特急を全て同系で統一する事も発表していますので、今後の常磐線特急は途中駅での増解結を行わない事になります。

この編成構成も輸送量に大きな段差があり、設備面でも大きく劣るいわき以遠の単線区間(ごく一部に複線区間が存在しますが…)への上野からの特急直通を止め、系統分断とした大きな要因と言えます。

そしていわき駅では同一ホーム乗換により、いわきを跨ぐ常磐線特急利用客への便宜を図る事を案内しているとはいえ、JR側の都合で運行系統を分断した他線区(大分駅での「ソニック」「にちりん」や、松山駅での「しおかぜ」「宇和海」など)の様な、料金面での通算特例なども設けられるのか気になります。

今後いわき以北の特急で用いられるE653系は、現在の勝田電車区所属のままなのか、それとも仙台地区へ転属するのかも注目ですが、前者であれば出入庫で水戸or勝田~いわき間も走る事になり、この場合は茨城県内~仙台間の特急が朝夕などに例外的に残るのかも気になる所です。

設備的にもただグリーン車は4列席で現在の「スーパーひたち」号651系に比べると見劣りが否めないにも関わらず、現行より少ない30席しか設けられず、半室のみで普通車との合造になる事が確定的なのも大きな特徴といえます。

普通車は狭さが否めない現行「フレッシュひたち」号普通車よりシートピッチが拡大され、座席構造や車両設計などを考えると、現行2形式より快適性が向上しそうなのは朗報ですが、近年常磐線では上野発着の普通列車(中電)にグリーン車を連結し、近距離の着席需要がある程度シフト可能になったとはいえども、10両固定編成だけでは利用客の多い朝夕などに、現在最大14両編成で運転している特急の代替に充分なのか疑問です。

常磐線は常磐道を運行する高速バスとの競合もありますので、いくら普通車の居住性が向上するとはいえども、減車等で座席数が減り、混雑時間帯に指定席が確保できない・自由席は座れないといった理由で他交通機関への乗客転移が発生しないのかも気になる所で、状況次第ではライナー列車の復活なども望みたいものです。

また現在常磐線で使用している2形式の特急車両は、専ら「フレッシュひたち」号で運用されているE653系の一部が、いわき以北への転用で常磐線残存が確定的な他は、ライナー列車の設定でも行わない限り、極一部が波動用などでは残存する可能性もあるものの、常磐線での用途を失う事が確定的な状況です。

その内比較的新しく直流と50・60Hz双方の交流電化区間で運用が可能な上に、耐寒耐雪構造となっているE653系に関しては、古い特急形車両がゴロゴロしている日本海側へ転用される公算が高く、波動用にも有用な汎用性の高い車両です。

この様な車両ですので、現用途を失っても御用済みにはならないかと思いますが、特徴的な様々な装いは改められる可能性が高く、今後の姿がどの様に変異するのか注目です。

しかしながら主に「スーパーひたち」号で運用されている651系に関しては、一応JR化後に製造された車両とはいえども、交流60Hz区間への乗り入れには対応していないなど、E653系に比べると転用にも制約がある上に、JR東日本は比較的新しくまだまだ使える車両でも平然と退役に追い込み、最近まで「成田エクスプレス」号で使用していた253系電車などは、大半があっという間に屑鉄に化けている程です。

そのため651系の今後の動向も非常に気になる所ですが、首都圏でも今日の有料特急車では珍しく客窓が開閉可能で、設備的にも陳腐感(それでも後のリニューアルで登場時よりはマシですが…)が否めない旧国鉄からの継承車両が、MAKIKYUの近所でも私鉄直通の「特急」や別料金のライナー券が必要なライナー列車などで多数走っています。

この車両の騒がしい走行音は姿を見なくてもすぐに分かる有様で、普通列車で充当された際に乗車しても決して快適とは言いがたい状況ですので、未だにこの陳腐な車両を早急に新車代替できないのであれば、651系の転用で一部でも淘汰して欲しいというのが本音です。

他にもJR東日本では国鉄から継承した古参特急車を波動用車両として多数抱えていますので、この様な車両よりも早く姿を消す事だけはない事を願いたいものです。

写真は現在常磐線特急で運用されている651系とE653系、どちらも現在の活躍ぶりが見られるのはそう長くないですので、早めの乗車や記録に努めたいものです。

新形式E657系に関しては、JR東日本の公式HP内で情報が公開(PDF形式)されていますので、まだこの情報をご覧になっていない方はこちらをクリックして下さい。

(この記事のカテゴリー扱いに関して)「スーパーひたち」号などは首都圏~東北地方に跨って運行していますが、主に茨城県内を発着する旅客向けの列車であり、その運行拠点も同県内にある事から、北関東カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


上信電鉄500形「銀河鉄道999号」~ラッピングを施した注目編成

2010-11-27 | 鉄道[北関東]

   

MAKIKYUは今月中頃に群馬県内へ出向く機会があったのですが、その際には高崎から下仁田へ向かう地方私鉄、上信電鉄に乗車する機会がありました。

上信電鉄は名前のとおり電化路線ではあるものの、全線単線で現在2両編成のワンマン列車のみが走るローカル線(数年前までは3両編成で運転される車掌乗務列車があり、逆に1両編成の運行もありました)ですが、かつては自社発注車を導入していた上に、最近増えている西武中古車も導入時期によって種車が異なります。

そのため規模の割に車種のバラエティに富んでおり、既に上信電鉄には何度か乗車機会のあるMAKIKYUでも、まだ乗車したことがないタイプの車両が幾つもある程です。

その中でも比較的近年導入された車両は500形と呼ばれ、最近退役が進む西武新101系を上信電鉄向けに改造して走らせ、非冷房車の置き換えを行なっていますが、現在は2本が運用に供されており、今後更なる増備も期待される車両です。

同形は上信電鉄自社発注車の中でも新しい6000系などとほぼ同年式の車両で、上信電鉄入線に際しては運賃箱収受式ワンマン運転対応への改造など以外にも、車内のリニューアルなどを行っていますので、上信線で現在活躍する車両の中では最も見栄えのする車両と言えます。
(独特なデザインや電気指令式ブレーキを採用した6000系の方が見栄えがするという意見もあるかと思いますが…)

2本存在する500形も、西武新101系の地方私鉄転出第1号として注目を浴びた501編成は、導入当初こそ上信電鉄のオリジナル塗装で就役し、MAKIKYUはこの頃の同編成にも遭遇した事があります。

しかしながら近年は銀河鉄道999の装いを施した非常に目立つ姿に様変わりし、鉄道ファンだけでなく一般客からも大いに注目を浴びる存在となっており、同形車がもう一編成存在してこちらはオリジナル塗装を保っている事や、上信線で最も見栄えがする車両という点でも、銀河鉄道999号で走らせる車両として適任と感じるものです。

外観は車体前面や側面が青を基調とした非常に目立つ装いとはいえ、車両間の連結面を見ると元の塗装である白色の姿を見ることが出来るのも特徴で、塗装ではなく今流行のラッピング車である事を実感させられますが、特別な装いは外観だけに留まらず車内にも及んでおり、一般的には単調に感じてしまうことが多い客室天井(特に最近首都圏で大増殖している「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」のFRP製天井は、貧相な印象が否めないものです)にもラッピングが施され、銀河鉄道999の世界が拡がるのは、広告枠を生かしたイラスト掲示と共に「見るだけでなく乗っても楽しめる車両」といえます。

MAKIKYUとしては多少の変化が見られるとはいえ、500形は乗り慣れた感のある西武線電車という雰囲気ながら、強烈な印象の天井などを見るとなかなか新鮮に感じたもので、完全な車社会と言える上信線沿線において、乗る事自体を目的と出来る電車という意味でも評価できる存在です。

この「銀河鉄道999号」は1本だけの存在で、上信電鉄自体も昼間の運転本数などは決して多いとは言い難い状況ですので、たまたま訪れて遭遇できる確率は低いものの、基本的に限定ダイヤで運転され、上信電鉄HPでも情報が公開されているのは有難いもので、「銀河鉄道999号」に興味のある方や、500形を狙いたい方などは、ぜひ一度この情報を元に上信電鉄を訪問してみては如何でしょうか?


関東鉄道 キハ5000形気動車~装いの異なる最新型車両

2010-11-25 | 鉄道[北関東]

 

少々前の事になりますが、MAKIKYUが3日につくばエクスプレス(TX)のイベントに参加した際には、無料シャトルバスで容易に移動できる事もあって、TXイベントと共に近隣で同日開催となった関東鉄道の水海道車両基地公開イベントにも足を運んだものでした。

このイベントでは工場内公開や撮影用の車両展示の他に、最新鋭車両キハ5000形の体験試乗も行われ、体験運転などで用いられる車庫奥の短い区間ながらも、無料で新鋭車両の乗り心地を試す絶好の機会にもなっており、この日だけの専用マークを掲げた姿も注目の存在でした。

ちなみにキハ5000形は昨年営業開始してから早1年が経過していますが、現在2両が在籍する同形は単行ワンマン運転用車両と言う事もあって、主な活躍舞台は水海道以北の閑散区間となっており、関東鉄道自体の乗車機会が限られるMAKIKYUとしては、イベントでの体験試乗がキハ5000形への初乗車となったものでした。

乗車した際の感触としては、環境負荷低減型の新型エンジンを用いている事などが案内されていたとはいえ、3扉ロングシートで真ん中のドアだけが両開き、単行運転可能な車内運賃収受式ワンマン運転対応の電気指令式ブレーキ装備車といった仕様を見ると、関東鉄道の中では比較的新しく、体験運転でハンドルを握った事(MAKIKYUの持つ動力車操縦車免許証では甲種内燃車の運転資格はないのですが、関東鉄道では体験運転会がHPで時折募集され、この運転会に参加すれば車庫内の短い区間とはいえ、動力車操縦車免許証なしでも気動車のハンドルを握る事が出来ます)があるキハ2400形に類似した印象を受けたものでした。

そのため外観の装いや車内の色調などが従来車と異なる以外は、キハ2400形とはさほど変わらず、同形との併結も可能な車両ですので、形式名もキハ2000系列の新区分辺りでも…と感じてしまう面もあります。

しかしながら客ドア部分だけ窓ガラスが拡大されているのが大きな特徴となっており、このドアを見るとマルーン1色の電車を走らせている事で知られる関西の某大手私鉄が、最近導入・改修している車両を連想させられます。

とはいえ前面貫通扉のガラスは拡大されておらず、正面から見るとキハ2000系列の色違いと言う雰囲気が否めませんので、イメージチェンジと展望性向上を図るのであれば、前面貫通扉の窓ガラスも下方に拡大した方が良かったのでは…とも感じたものです。

関東鉄道では近年随分影の薄い存在になっているとはいえ、まだ旧国鉄・JR譲渡車などの古参気動車も活躍しており、趣味的には注目の存在ながらも、近い将来の老朽取替えは必須かと思われ、その際にはキハ5000形が増備される公算が高いかと思います。

その際には現在活躍している2両と同仕様の車両が増えるのか、それとも仕様変更されるのかも気になる所で、また現在は単行ワンマン用の特徴的なドア配置の車両だけですが、一般的な両開き3ドアの片運転台車、或いは両開き3ドアの両運転台車(関東鉄道では竜ヶ崎線用のキハ2000形がこの形状です)などのバリエーション展開にも期待したいものです。


ひたちなか海浜鉄道・「222」記念列車となったキハ222号

2010-03-02 | 鉄道[北関東]

  

MAKIKYUが先月下旬に大洗へ出向いた際には、大洗町に隣接するひたちなか市内を走る単線非電化のローカル私鉄・ひたちなか海浜鉄道にも乗車する機会がありました。

ひたちなか海浜鉄道は近年茨城交通の鉄道部門が分離して発足した鉄道で、新旧様々な車両が活躍する事でも知られており、ラッシュ時などは他ではなかなか見られない新旧気動車の併結運転が行われている事でも知られています。

また近年になって旧型車両を昔の国鉄で用いていた装いに塗り替えたり、三木鉄道で使用していたレールバスの導入を行うなどの動きも見られ、趣味的には平凡な印象が否めなかった新型車両(導入からもう10年程度は経過していますが…)も最近になって茨城交通塗装→公募で決定した独自の新塗装に塗り替えるなど、車両の彩りは更に豊かなものとなっています。

設備面でも金上駅で交換設備の増設工事が行われるなど、今後の展開が楽しみで、体制発足後の動きが大きく、小規模ながらも目が離せない鉄道の一つですが、先日乗車した際にはひたちなか海浜鉄道でも目玉的存在と言え、旧型気動車の1両であるキハ222号に当たったものでした。

MAKIKYUは昔の国鉄塗装になってからは初めての乗車とはいえ、以前茨城交通塗装だった頃の同形には乗車した事があり、数年前まで県内の鹿島鉄道が走っていた頃はこちらの旧型(営業車両で日本一古い気動車も含まれていました)に比べれば…と感じた程でしたが、それでも車内の製造プレートには昭和37年(1962年)製とあり、もうすぐ車齢50年に達しますので、相当な古豪車両と言えます。

今時の関東地方では珍しい非冷房車で床は板張り、非力なエンジン音を奏でて走る様は独特で、非冷房車という事が災いして夏場は運用頻度が極端に低下し、それ以外の時期でも稼働率は余り高くない様ですので、乗り難い車両の一つにもなっています。

またキハ222号は元々北海道の羽幌炭礦鉄道が、国鉄キハ22形とほぼ同等の車両を導入したものが、路線廃止と共に茨城交通へ転入→ひたちなか海浜鉄道へ引継という経歴を持っていますが、酷寒地用旧型気動車の代表格も言えるキハ22形自体も、今や現役で稼動している車両は存在しませんので、この点でも非常に貴重な存在と言えます。

ちなみに先日ひたちなか海浜鉄道に乗車した際は、その後フェリーで北海道へ帰る知人を案内していたのですが、平日でHPでの運用情報の公開もなく、どの車両に当たるかは運次第と思っていただけに、かつて北海道で活躍した車両に巡り遭えたという点でも、ひたちなか海浜鉄道に乗車して良かったと感じたものでした。

ところでこのキハ222号ですが、比較的最近までやはり羽幌から移籍した同形車両がひたちなか海浜鉄道で活躍していたのですが、さすがにかなりの老朽車である上に、今時関東地方では珍しい非冷房車という事もあって、現在は221号と223号は代替車両導入などによって引退しており、222号1両のみの存在となっています。

現在222号だけが残存しているのは、車両の状態や検査期限などが関係して
いると思いますが、先日乗車した際には2が並ぶ「平成22年2月22日」を記念した記念列車として運転されており、この車号が様々なイベントなどに抜擢するのにも好都合なので敢えて1両だけ残しているのでは…とも感じてしまったものです。

222号の車号を生かして、この古参気動車を記念列車として仕立てる辺りは良く考えたと感心したものですが、MAKIKYUはもう一つの北海道からの移籍車両である元留萠鉄道のキハ2000形は、何度かの茨城交通~ひたちなか海浜鉄道訪問時にいつも那珂湊駅構内に留置されており、まだ乗車した事がないだけに、次回以降の訪問時には是非こちらも…と感じたものでした。


関東鉄道 キハ101号気動車~首都圏色となったキハ30形

2008-10-16 | 鉄道[北関東]

  

MAKIKYUが今月初頭につくば周辺へ出向いた際には、守谷→下妻間(水海道乗り換え)で関東鉄道常総線にも乗車したのですが、今日はその際水海道以北の区間で乗車したキハ101号と呼ばれる気動車に関して取り上げたいと思います。

この車両は旧国鉄→JRの通勤型気動車・キハ30形を関東鉄道が譲受し、関東鉄道ではキハ300形という形式を付けられた車両を、更に車内運賃収受式のワンマン運転に対応する改造を施してキハ100形に形式変更した車両で、この車両に乗車すると、整理券発行機の設置場所などに苦心している様子が伺えるのですが、現在このキハ100形は2両が活躍しています。

キハ30形は同形の片運転台車・キハ35形を含めても、通勤型気動車を用いていた線区の相次ぐ電化や、車両自体の老朽化などもあって、現在定期列車で活躍する線区は関東鉄道常総線と、JR久留里線(キハ30形のみ)の2線区のみにまで減少しています(他に臨時列車用として、会津鉄道のトロッコ車両などがありますが…)ので、非常に希少な存在となっています。

そのためこの車両を見る機会自体が、非常に少ない状況になっていますが、その中でも関東鉄道が水海道以北の閑散区間ワンマン運転用に使用しているキハ100形の1両(キハ101号)は、キハ30系列では久しく見られなくなっていたものの、旧国鉄時代~JR転換直後などによく見られ、通称首都圏色と呼ばれるタラコ色一色の装いに改められて活躍しています。

この車両はエンジンの換装や冷房化改造を受けており、その上前面にスカートも設置されているなど、キハ30系列全盛期とは随分異なる点も見受けられ、今日のリバイバルブームを実感させられる面もありますが、特徴ある外吊り式の乗降扉や前面形状などはそのままで活躍しており、専ら単行運転ながらも、東京近郊の八高線などでかつて活躍した姿を連想させるものがあります。

またこの列車の「水海道=下館」と表示した側面行先表示サボも、敢えて古風な雰囲気のモノを用い、一年代前の雰囲気を演出している点は、この車両の充当列車に遭遇して感心したものですが、関東鉄道でもこの車両の充当列車時刻をHPで公表している程で、常総線もTX(つくばエクスプレス)などを使えば、東京都心などからはその気になれば比較的訪問しやすい場所にありますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も興味がありましたら、是非首都圏色となったキハ30形こと関東鉄道キハ101号気動車に乗車してみては如何でしょうか?

写真は下妻駅を発車するキハ101号と車内の様子、古風な雰囲気の側面サボです。


ひたちなか海浜鉄道・キハ205号の車内~外観だけでなく車内の雰囲気も…

2008-09-16 | 鉄道[北関東]

昨日茨城交通から経営移管され、今年春から新体制で再出発したひたちなか海浜鉄道の2両編成列車(朝ラッシュ時の輸送力列車)に関して取り上げましたが、今日はその列車で冷房の必要なこの時期に、冷房車という事で主力の3710形と共に用いられる旧型気動車・キハ205号の車内の様子を少々取り上げたいと思います。

この車両は現在、外観が国鉄時代の装いを復刻した朱色とクリームの塗装に改められ、この装いは30年~40年程前を連想させる雰囲気を漂わせていますが、車内も現代のサービス水準に合わせるために後付けで、一部の荷棚部分に簡易型の冷房装置を設置するなどの改造は行われているものの、大きなリニューアルなどは施されずに昔ながらの雰囲気を漂わせています。

またキハ20系列の特徴とも言えるプレスドアなども残存していますが、MAKIKYUも昨年冬に乗車する機会があった島原鉄道のキハ20形(今年春の南目線廃止まで活躍しましたが、同線廃止伴う所要車両減もあって、現在は残念ながら退役しています)と比べると、こちらはラッシュ輸送に特化した車両ではなく、昼間の単行ワンマンでも使う事もあって、ワンマン運転に対応するために自動両替器付運賃箱や整理券発行器が設置されており、車内のボックス席数が異なっている事(湊線の車両の方がボックス数は少ないです)や、所要時間が短い事もあって化粧室が撤廃されている事など、同種の車両ながらも差異が見られる点は興味深いものです。
(今となっては両者の乗り比べは叶いませんが、昨年島鉄の元国鉄キハ20形に乗車した際の記事がありますので、興味のある方はこちらもご覧頂き、写真で両者を比較して頂ければと思います)

ちなみに今でも活躍する国鉄型気動車は近年、エンジン換装などが行われた車両が多く見受けられますが、この車両に関しては結構な古参車にも関わらず、新型エンジンへの換装も行われていませんので、乗車していてもなかなか良い雰囲気ですが、新型車3710形がオールロングシート(路線の長さなどを考えると、設備的には充分ですが…)なのに対し、車両中央部にボックス席を配したセミクロス配置という事も、更にこの車両の魅力を高める要因と言えます。

その上全国的に見ても、先述の島原鉄道所属車両が退役した今では、非常に数少ないキハ20形の残党ですので、新型車との2両混結列車では、少々両者を乗り比べたとはいえ、MAKIKYUは殆どキハ205号に乗車する始末でしたが、この様な希少な旧型気動車の末永い活躍と、他ではなかなか見られない新型車との競演が暫く続く事に期待したいと感じたものです。


ひたちなか海浜鉄道・朝の輸送力列車~新旧混結のアンバランスな編成も…

2008-09-15 | 鉄道[北関東]

 

今月初めにMAKIKYUが青春18きっぷを使用し、北関東方面を訪れた際には、常磐線の勝田行き終電で水戸入りし、ネットカフェで夜を明かすという強行日程を取ったのですが、これは青春18きっぷの特性を活用して運賃を節約するために、敢えて終電を利用したという理由もあるのですが、朝早くから水戸周辺を動き回りたいというのが最大の動機でした。

湊線は単線・非電化の典型的なローカル線で、昼間は基本的に1両ワンマンの気動車が2両稼動しているだけですが、増発の余地がない事もあって、朝ラッシュ時間帯には車両の増結(2両編成での運行)が行われ、この列車のへ乗車が水戸周辺を朝早くから動き回る大きな動機でしたが、今日はこの2両編成列車の様子を取り上げたいと思います。

ひたちなか海浜鉄道の現役車両は現在8両、その内新型車3710形3両を含む4両が冷房車となっており、冷房の必要な時期は基本的にこの4両のみの運用となっているのですが、冷房の必要な時期の昼間ともなれば、新型車3710形のみの運用となっている事も多く、希少な旧型車狙いで湊線を訪問したにも関わらず…という事も有り得ます。

ただ4両が稼動する朝ラッシュ時間帯となれば、今の時期は非冷房車の稼動こそなかなか期待できないものの、冷房付きの旧型車・キハ205号(元国鉄キハ20形)は余程の事がない限り稼動します。
(余談ながら冷房の必要な時期の朝ラッシュ時間帯にキハ205号が稼動できない場合は、両数の関係で必然的に非冷房車が稼動します)

MAKIKYUが訪問した際には期間限定で発売されていた一日乗車券(800円:湊線は片道乗り通しでも570円ですので、往復乗車となればかなり得です)を所持していた事もあって、2運用の列車双方に乗車しましたが、1運用は新型車3710形による2両編成だったものの、もう1運用は新型車3710形+キハ205号の新旧混結編成で、現在キハ20形自体がJR線からは消滅(2エンジン装備のキハ52形は辛うじて少数が残存していますが…)しており希少な存在です。

そのためキハ205号に乗車出来る事自体が非常に有難いものですが、その上新系列気動車(JRでは九州で活躍する黄色いワンマン気動車・キハ125形気動車が3710形とほぼ同等の車両です)との混結は他に類がないだけに、見た目や乗り心地が全く異なるアンバランスな2両の組み合わせは、見ているだけでも興味深いものです。
 
ただ学校の長期休暇中などは、主たる顧客とも言える通学利用者が大幅に減少し、輸送力増強の必要性が乏しい事もあって、昼間と同じ単行運転になってしまい、専ら長期休暇中をターゲットに発売される青春18きっぷで茨城を訪問し、湊線に乗車(湊線はJRではなく私鉄ですので、当然ながら青春18きっぷとは別で乗車券を購入する必要があります)するとなれば、訪問可能な時期がかなり限られてしまうのは難点ですが、MAKIKYUが同線を訪問した9月2日は「18きっぷ利用可能+朝ラッシュ増結実施」である上に、期間限定の一日乗車券発売期間という絶好の条件が揃っていたのは嬉しい限りでした。

とはいえキハ205号や、夏場を避けて運用される非冷房の旧型気動車(旧国鉄キハ22形相当の北海道廃止私鉄からの移籍車両)などはかなり古い車両で、現段階で具体的な車両代替の話こそ聞かないものの、今後どれだけの活躍が可能なのかも気になりますので、興味があれば早めに乗車しておきたい車両である事は事実です。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も、平日朝のラッシュ時間帯にひたちなか海浜鉄道沿線を訪問される機会がありましたら、最低1運用は確実に希少な旧型車両の稼動が期待できる、朝の2両編成列車に乗車してみては如何でしょうか?


上信電鉄6000系~自社発注の意欲作は現在でも…

2007-09-25 | 鉄道[北関東]

 

MAKIKYUが今月上旬に青春18きっぷの残りを使用し、群馬県・横川(安中市)にある碓氷峠鉄道文化むらを訪問した際には、帰りに高崎から出ている上信電鉄の電車にも数駅だけ乗車して来ました。
(以前下仁田まで乗り通した事も一度ありますが、今月上旬の訪問時には台風の影響で南蛇井(なんじゃい)以遠が代行輸送となっており、時間や運賃も考えると厳しい状況でしたので…)

その際に乗車した車両は6000系と呼ばれる車両で、MAKIKYUが上信線に乗車したのは指の数程も…という状況ながら、もう既に何度も遭遇していますので、MAKIKYUが上信線を利用すると遭遇率の高い車両でもあるのですが、今日はこの6000系に関して取り上げたいと思います。

6000系は1981年に2両1編成のみが気動車の製造などで定評のある新潟鉄工(現在の新潟トランシス:電車の製造事例は少ないです)で製造された自社発注車両で、以後上信電鉄で導入される車両は西武鉄道からの譲渡車両のみですので、同社ではこの車両が最新形式(最近導入された西武鉄道新101系の改造車・500形も車齢はほぼ同等です)となっており、前面は大きな一枚窓と下部にバンパー(?)を配した独特なデザインのこの形式は、現在でも上信線における花形とも言える存在です。

この車両は他の上信電鉄における自社発注車両と同様に、運転席が右側に設けられていますが、運転台はこの年代では大手私鉄でも導入は一部に限られ、地方私鉄の車両としては画期的とも言えるワンハンドルマスコンを使用している事が大きな特徴です。
(これは6000系登場以前に登場した1000系も同様です)

新製当初から冷房装置装備で登場しており、車内の座席配置もロングシートの他に片側に一方を向いた固定式クロスシートを配する(この部分は窓割りも異なります)など、この年代の地方私鉄における車両としてはサービスレベルはかなり高い部類に属します。

近年は上信線も整理券方式によるワンマン運転を実施しており、それに伴って運転席後部の座席が撤去され、運賃箱や運賃表示機、整理券発行機やワンマン放送用の音声合成装置などが設置される改造が行われると共に、ここ数年は日野自動車のラッピング車両となり、前面には日野自動車製バスやトラックの如く「H」マークが取り付けられています。

また最近ではこの車両の特徴とも言えるクロスシートが撤去され、ロングシートに改造されていますので、上信線の車両は現在ロングシート車のみとなりましたが、改造で新たにロングシートが取り付けられた部分はドア脇の手すりにゴムの覆い(同様のものは路線バスなどでよく見られ、この車両の大きな特徴とも言えます)が取り付けられておらず、座席間には今流行の金属製ポールが設けられているのも特徴です。

現在では特徴的なクロスシートこそなくなってしまいましたが、製造当時における意気込みの高さを感じさせると共に、同年代の西武譲渡車両が入線した現在でも決して見劣りしない感がある6000系、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もこの車両に遭遇される機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?

写真は高崎駅停車中の6000系と、その車内の様子です。


JR東日本 107系電車(100番台)~上州を走る通勤型車両

2007-09-14 | 鉄道[北関東]

昨日「MAKIKYUのページ」では臨時快速列車「お座敷ゆとり水上号」に関する記事を掲載しましたが、MAKIKYUが高崎駅でこの列車の姿を収めた後は横川へ向かう為に信越本線(本線とは名ばかりで、実態は分断された1支線ですが…)に乗車し、その際にやって来た車両が107系で、今日はこの地味な役回りとなっている同系に関して取り上げたいと思います。

この車両は国鉄の分割民営化直後に製造された近郊型電車で、2両1編成というローカル輸送に手頃な編成となっており、混雑時間帯などは2~3編成を連結して運用される姿もよく目にしますが、コストダウンの為に下回りや空調装置などはローカル輸送用としては使い勝手が悪かった165系からの転用品を用い、車体も自社工場で製造されている事は大きな特徴です。

そのため軽快なスタイルながらも、外観は空調装置などに部品流用車の特徴が見られますし、最近は急行形車両が少なくなった事もあって、横川へ向かう車中では乗客の間でも「この走行音が…」という声が聞かれる程でした。

ちなみに107系が走っているエリアは高崎地区各線(高崎以南を除く)と日光線ですので、北関東のみを走っている地域限定車両と言える存在で、両者は一応宇都宮駅で顔合わせする事もあるのですが、両者は併結も可能ながら仕様が若干異なり、所属や運用は基本的に分かれていて高崎地区用は100番台、日光線用は0番台と区分されており、塗装も両者で異なっています。

高崎地区用の100番台車は増備途中で窓割が変更されているのも特徴で、先日乗車した写真の車両は戸袋窓が省略された後期の編成ですが、車内設備などは特に変化はなく、0番台も含めて全てオールロングシートとなっているのが同系の特徴ですので、形式が語る通り通勤型車両ですが、地域性を考慮してか各編成に化粧室が設置されている事は評価できる点と感じます。

ただ2両1編成の小回りの利く編成という利点があり、ワンマン運転にも比較的対応しやすい構造でありながらも、現在の所はワンマン化改造車が全く登場していませんし、閑散時間帯の高崎地区ローカル列車では中途半端な運転間隔で107系2編成(4両)という運用などもよく見られ、現状では他形式との混用で持て余している感がありますので、今後はこの形式の特性を生かして短編成ワンマン運転を推し進め、代わりにパターンダイヤ化と運行本数の増発で分かり易く便利なダイヤ編成に期待したいものです。

とはいえ高崎近郊で運行間隔が1時間程度開く状況で、この車両が1編成2両での運用となれば、いくら通勤型で詰め込みが利くとは言っても、余り望ましい状況ではありませんし、先日高崎~横川間で乗車した際は、本数も決して多いとは言えない状況にも関わらず、2両編成だった事もあって日中にも関わらず安中辺りまで超満員、その後も終点まで立席という有様でしたので、詰め込みによる合理化の為にこの形式を短編成で運用し、混雑が常態化するする事だけは避けて欲しいものです。


快速・お座敷ゆとり水上号~先日は珍列車に偶然遭遇

2007-09-13 | 鉄道[北関東]

   

MAKIKYUは数日前に青春18きっぷの5回目を使用して群馬県・横川(現在は安中市)にある碓氷峠鉄道文化むらを訪問し、その道中で遭遇した秩父鉄道1000系のリバイバル塗装車に関する記事を先日公開しましたが、秩父鉄道に立ち寄った後に熊谷→高崎へ移動する際、熊谷駅で発車案内を見ると、「快速 水上」という見慣れない行先の列車が…

数日前にMAKIKYUが横川へ行った際は、高崎までは列車の運行本数も多く、定期列車でやって来る車両も有り触れた2種類(211系・E231系)という事もあって、時刻表も余り念入りにはチェックしておらず、臨時列車に関しては余り気に留めていなかったのですが、この行先に異様さを感じてホームへ下りてみると、通好みとも言えるEF65形電気機関車のレインボー塗装機(かつてレインボーと呼ばれるジョイフルとレイン客車があり、その塗装に合わせているのでこの様に呼ばれます)に、「ゆとり」と呼ばれるジョイフルトレインの客車を連ねた編成が…
(ちなみに「ゆとり」とは、旧国鉄末期に14系客車の改造で登場した「サロンエクスプレス東京」と呼ばれるジョイフルトレインをお座敷列車に改造した車両の事です)

この手の列車はチェックしている方も多い様で、熊谷駅は薄暗くて撮影には不適にも関わらず、何人もの方が撮影に興じており、MAKIKYUも偶然遭遇したその姿を収めて来ました。

その後MAKIKYUは定期普通列車で高崎へ移動しましたが、さすがに気になって車中で高崎線の時刻(一応遠出の際は、大抵時刻表を持参しています)を調べたら、快速・お座敷ゆとり水上号と呼ばれる上野~水上間・全車グリーン車指定席の臨時列車である事が判明するという有様でしたが、この列車は高崎駅で随分停車時間があってここでも姿を拝めると思ったら、MAKIKYUが高崎まで乗車していた列車の隣のホームにその姿が…

お座敷ゆとり水上号の高崎における異様なまでの停車時間は、わざわざ機関車を付け替える目的もあった様で、今度はEF65形のレインボー塗装機が外され、代わって現役車両は1両だけと言うEF60形電気機関車(19号機)が先頭に連結されていましたが、これは本来これまた希少な流線型の電気機関車・EF55形の登板を予定していたものが、故障で急遽変更になった様で(これも後で駅構内の掲示で知ったのですが…)、希少な動態保存機関車を複数保有している高崎支社ならではとも言える芸当には感心させられるものです。

勿論この列車が停車しているホームは祭りさながらの光景となっていましたが、これだけの大物参上ともなれば注目を集めない方が無理とも言える状況で、フィーバーぶりも納得できるもので、ノーマークでこの列車に遭遇したMAKIKYUは下調べ不足とも言えますが、高崎駅では先頭に連結されたEF60形の姿を拝むと共に、編成後部の「ゆとり」展望車や、イラスト入りの特製行先表示なども収める事ができ、偶然この様な場に居合わせ、思わぬ収穫を得られるのもまた面白いものでした。

写真は熊谷駅発車時と高崎駅停車中の「お座敷水上号」と、同列車の最後部に連結された「ゆとり」展望車、「お座敷水上号」運転に際して用意された特製行先表示
(何故か効能温泉いろどり号の行先表示もありましたが…)です。


JR東日本 キハE131・132形気動車~鮮やかな塗装が特徴のステンレス製気動車

2007-08-03 | 鉄道[北関東]

今日MAKIKYUは青春18きっぷの1回目(今後も色々使う予定ですが、今回はまとまった時間が確保できそうにない状況ですので、近場ばかりになりそうです)を使用して北関東方面に出向き、非電化路線にも2路線乗車しましたが、その一つが水戸~安積永盛(郡山の一つ手前にある駅です)を結ぶ水郡線で、この路線には今年になってから3扉ステンレス製車体が特徴の最新型気動車・キハE130系列が導入されています。

このキハE130系列は両運転台のキハE130形と、片運転台のキハE131・132形の2タイプが存在し、先に営業運行を開始した前者はMAKIKYUも1月に水郡線を利用した際に乗車し、「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、片運転台のキハE131・132形には今日初めて乗車しましたので、この機会に同車に関して取り上げたいと思います。
(ちなみに以前、キハE130形に関して取り上げた記事はこちらをクリック)

この車両のデザインや性能などはキハE130形と同一で、違いは片運転台である事の他に、運転台のない車端部に座席が設けられている事と、2両1ユニットで固定編成を組む事もあって、やたらと大きな空間を割いている車椅子対応トイレが片方の車両のみに設けられている事が特徴で、着席定員の少なさと、2両以上で運行した際のデッドスペースの多さというキハE130形の大きな難点が随分改善されています。

またキハE130形とE131・132形は同じ路線を走る同系列で、設備的にも同等であるにも関わらず、両者で側面窓下に大きく貼られているカラーテープの色が異なっており、前者は赤、後者はエメラルドグリーンとなっているのも異例ですが、MAKIKYUの個人的な印象としては、前者はけばけばしい印象が強い気がするのに対し、後者は鮮やかながらも爽やかな気がしますので、編成美や統一性を考えると後者の塗装で統一した方が良かったのではと感じてしまいます。
(まあこれは好みの問題でしょうが…)

あと現在水郡線ではキハE130系列の導入が進行している段階で、まだ既存のキハ110系列も走っている状況ですが、近い内に水郡線の車両はキハE130系列で統一される見込みですので、110系列との併結シーンを見られるのは今の内で、写真も後ろの1両はキハ110形です。

ちなみに今日は水戸で花火大会や祭りが開催された影響で水郡線も随分混み合っており、所定の編成に加えて増結された列車も散見される状況でしたが、キハ130系列とキハ110系列が併結した列車での両者の乗降性は歴然としており、この点では新鋭キハE130系列は大いに効力を発揮(これがラッシュ時などに混雑による遅延が常態化していた水郡線への投入理由になっているのですが…)していましたが、座席の座り心地はキハ110系列の方が良好な気もしますので、どちらが良いか判断するのは難しい所で、評価は大きく分かれそうです。


鹿島鉄道KR-500形~近年は主力として活躍していましたが…

2007-03-31 | 鉄道[北関東]
   

惜しまれつつも今月限りで廃止となる茨城県の鹿島鉄道ですが、今日は惜別記念の記事として沿線の様子などを取り上げた記事と合わせ、近年は主力として活躍したKR-500形についても取り上げたいと思います。

この車両は1990年前後に忌み番号を避けてKR-501~505号の合計4両が製造された気動車で、路線状況踏まえてワンマン運転に対応した造りとなっており、鹿島鉄道初の冷房車(その後旧型気動車の一部も冷房化改造施工)にもなっています。

居住性も他の旧型車両群に比べると断然優れていますので、その事もあってこの車両は優先的に用いられ、特に夕方以降の時間帯はこの車両のみが稼動し、他の旧型車両は全て車庫に引き上げている事も良くありました。
(昼間はこの車両だけでも運用は成立するのですが、レールファンへのサービスとして旧型車も何両か稼動させ、また必要車両数が多い朝ラッシュ時は当然両者が稼動していました)

近年の鹿島鉄道では唯一のクロスシート付き車両となっており、運転席も半室式で前面ガラスも大きめですので前面展望も比較的良好で、一般客に限らずレールファンとしても決して悪くない車両なのですが、近年は主力として活躍していながらも、他の旧型車両群のインパクトが余りに強過ぎる事もあって人気は今一つと言う状況でした。

またこの車両は2003年から塗装が変更され、以前は白にバイオレットの帯を巻いていたものが1両ずつ帯色が異なる装いに改められており、以前より多少見応えのある姿になりましたが、路線廃止という事でこの姿が見られる期間も長くなく、まだまだ使える車両でありながら、早くも鹿島鉄道ではお役御免の運命に見舞われています。

ただ老朽化著しい他の旧型気動車群と異なり、車齢などを考えるとまだ充分使用可能な車両ですし、他の鉄道事業者に転籍して今後も活躍すると言う話が一部で出回っていますので、鹿島鉄道亡き後の活躍も期待したいものです。

写真は塗装変更後のKR-502(赤帯)・KR-503(緑帯)・KR-505(水色帯)と、車内の様子です。

さよなら鹿島鉄道(3)~鉾田駅編

2007-03-31 | 鉄道[北関東]
   

鹿島鉄道惜別記念記事の(3)では、終着駅の鉾田駅について簡単に取り上げたいと思います。

この駅も鹿島鉄道では数少ない有人駅の一つで、屋根のないホームは1線だけですが乗降別に分かれているのが特徴的で、ここでも3枚目の写真バックに写っている「かしてつを救え」という垂れ幕が随分寂しく感じます。

駅舎は如何にもローカル駅らしい随分味わいのある建物で、「関東の駅100選」にも選ばれており、駅前は関鉄グリーンバスの営業所もある事からバスターミナルにもなっています。

また駅舎内ではそばや鯛焼きなどの飲食物も鹿島鉄道直営で販売して収益確保にも努めていましたが、路線廃止後は駅舎や飲食店舗も運命を共にしてしまうのか気になる所です。

さよなら鹿島鉄道(2)~沿線編

2007-03-30 | 鉄道[北関東]

   
  

鹿島鉄道惜別記念記事として(1)では起点の石岡駅を取り上げましたが、(2)では鹿島鉄道乗車中の様子や、沿線の途中駅などを少々取り上げたいと思います。

1枚目の写真は石岡を出て1つ目の石岡南台駅で、ここは元号が平成に改められてから開業した鹿島鉄道の中で最も新しい駅で、周囲の宅地開発と共に開設された駅ですが、早くも役目を終える事になります。
(他の地方私鉄では、もっと短命な駅もありましたが…)

2枚目は石岡南台の次にある東田中駅で、周囲には宅地が密集している事や、列車の運行本数も地方私鉄にしては割合頻発している事もあって、MAKIKYUが何度か乗車した際にはいつもそれなりの利用が見られ、駅名標の隣にある発車時刻表を見ると、とても廃止になる路線とは思えません。

3・4枚目は沿線の中では数少ない有人駅で、区間列車の折り返しも多数ある常陸小川駅で、構内踏切もあり、駅構内の待合室などは如何にも地方私鉄らしい感じです。
また最近までDD901号と呼ばれるディーゼル機関車も構内に保存されていましたが、こちらは廃線を前に、残念ながらMAKIKYUが最後に鹿島鉄道を訪問した先月末に解体されています。

5枚目は霞ヶ浦の畔を走る桃浦周辺を走行中の車中から撮影したものですが、この辺りは鹿島鉄道沿線の中でも車窓は最も良い所(個人的な主観ですが…)で、鹿島鉄道を取り上げた出版物やHPなどでも頻繁に登場する所です。

6枚目は下り列車(鉾田行)に乗車中、榎本駅の手前で撮影したもので、鹿島鉄道の軌道はこの辺りまで概ねPC枕木化されていますが、このシーンと見てもとても廃線になる路線とは思えない気がします。

そして7枚目はやはり下り列車に乗車中、借宿前駅停車中に車中から撮影したもので、終点近くは軌道も枕木が木製で如何にもローカル線といった印象を受けますが、停車する駅の様子も鄙びた印象が強くなり、乗降客数も先へ向かうほど減少していた様です。


さよなら鹿島鉄道(1)~石岡駅編

2007-03-30 | 鉄道[北関東]

   
 

茨城県を走る鹿島鉄道は、宮城県のくりはら田園鉄道や福岡県の西鉄宮地岳線(西鉄新宮以北)と共に今月限りで廃線となってしまいますが、「MAKIKYUのページ」では惜別記念として永年地域の足として活躍してきた鹿島鉄道の労を労うと共に、いつまでも記憶に留めておくために、この鹿島鉄道に関する画像などを記事掲載したいと思います。

MAKIKYUが鹿島鉄道を訪問したのは、皮肉にも鹿島鉄道の親会社である関東鉄道が経営不振に陥る最大の要員でもあるつくばエクスプレス(TX)開業の初乗りを兼ねて足を伸ばしたのが始まりで、比較的近場にも関わらずMAKIKYUは近年に数度訪問しただけですが、数々の旧型気動車が霞ヶ浦の畔をノンビリと走る様はなかなかのもので、この様な路線がなくなってしまうのは非常に惜しいものです。

鹿島鉄道関連記事は今までにも幾つか取り上げ、今回の惜別記念記事も幾つかに分けて掲載しますが、まずは(1)として、鹿島鉄道の起点で常磐線に接続し、機関区もある石岡駅の様子を幾つか取り上げたいと思います。

画像は石岡駅の鹿島鉄道ホームへ向かう陸橋と同鉄道ホームに入る所にある改札(石岡駅はJR改札から入場し、JR線からの乗り換え客などはここで係員から乗車券を購入)、JRホームから望んだ鹿島鉄道ホーム(鄙びた感じが良いですが、幟も出ている「カシテツを救え」と言う願いは叶わず…)、石岡駅ホームに掲出されている路線図、石岡機関区で休んでいる気動車の姿(ホームから見た新旧並びと、陸橋から俯瞰したカラフルなKR-500形)です。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も、何か鹿島鉄道に関する思い出などありましたら、コメントも是非どうぞ。