明日18日(日)には首都圏をはじめとするJRや幾つかの私鉄でダイヤ改正が行われ、また首都圏を走る大半の私鉄と一部の路線バスでは「PASMO」と呼ばれるICカードが導入、また現在首都圏などのJRで通用しているSuicaとの共通利用も行われますが、明日18日から大きな変化が生じる路線の一つとして、東京都心から茨城・浜通り(福島県沿岸部)方面へ向かう常磐線が挙げられます。
この路線は茨城県に地磁気観測施設が立地している事も影響して、首都圏に乗り入れるJR路線の中では普通列車で唯一交直流両用車を使用している事が特徴で、その事もあってか割合近年までずっと415系と呼ばれる国鉄時代から使用されている車両が主力として使われていましたが、怒涛の勢いで車両の置き換えを進めるJR東日本は競合するつくばエクスプレスに対抗する目的もあってここ1~2年程の間にE531系と呼ばれる新型車両(「MAKIKYUのページ」でも今月になってから取り上げています)を次々と導入し、明日から上野まで乗り入れる常磐線の中距離電車(取手以遠の土浦・水戸などを発着する普通列車)はグリーン車を組み入れる関係もあって全て同系に統一される程です。
これに伴って今まで使用していた車両の中でも少数派で経年の浅いの通勤型車両E501系や、415系の中でもステンレス製車体の1500番台と呼ばれる車両の大半は土浦以北の区間や水戸線などに転用されるのですが、余剰となる1500番台車の一部(主に中間車)とそれ以外の415系は退役を余儀なくされます。
この退役を余儀なくされる415系は中にはかなり老朽化が進んだ車両もあり、また中には更に古い401系と呼ばれる車両もつい最近まで混入している有様でしたが、4両編成車の増結用として1985年の筑波万博前後に増備された700番台と呼ばれる中間車3両(電動車2両ユニット+付随車)をはじめ割合経年の浅い車両も多く、これらはまだまだ使えそうな気もしますし、JR東日本の首都圏エリアの中にすらこれより状態の良くない車両がゴロゴロ走っている地区もありますので、引退に追い込むには随分と勿体無い印象を受けます。
またJRグループの中でも、専ら国鉄時代に製造された同系は九州でも多数が使用されており、これらは近年内装などが九州らしくドーンと改装された車両も多く、まだまだ活躍が期待できそうですし、他に415系の新造車こそないものの改造で同系を走らせ、また他にもかなり老朽化が進行している交直両用車を多数使用しているJR某社もありますので、これらの会社が両数的にもまとまっているこの車両を譲受し、使う事も出来ないものかと感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?
それにしても最近「MAKIKYUのページ」でも取り上げ、やはり常磐線を走っている203系もそうですが、国鉄時代に製造されてJR線を走っている車両でも、使用エリアによって随分と運命に格差がありますが、国鉄末期の分割民営化を控えた筑波万博の頃に余剰となって改造され、せいぜいあと10年程度使えば上等と言われた元寝台兼用電車を改造した近郊型電車が未だに走り続けている地区もある一方で、この車両が早くも引退となってしまうのは随分皮肉なもので、納得行かない気がします。
写真は常磐線高浜駅を出発する415系電車・首都圏では当り前の様に思えるこの光景もまもなく見納めです。