先日「MAKIKYUのページ」では、島根県隠岐・島前(Dozen)の中ノ島で運行している隠岐海士交通の路線バスに関して取り上げましたが、島前地区には中ノ島の他にも西ノ島と知夫里(Chiburi)島という2つの有人島が存在し、前者は西ノ島町・後者は知夫村という自治体になっており、島前有人3島は全て異なる自治体となっています。
その中でも知夫村は人口数百人、人よりも牛の数が多いと推測され、島根県唯一現存する「村」という事もあり、路線バス運行は皆無でタクシーも僅かという状況ですが、西ノ島は町営バスが町内を運行しています。
現在西ノ島から隠岐各島や本土へ向かう航路は、全て別府港発着となっていますが、町役場のある浦郷地区とは少々距離が離れている事もあり、両地区間を結ぶ幹線は1日10往復と隠岐各島の中で最も運行本数の多い区間になっています。
島の人口や大きさの割に、島後の路線バス便数が余りに少な過ぎるとは言えども、西ノ島町が人口3000人台の離島である事を考慮すると、利便性という点ではかなり健闘している部類と感じ、フリー乗車券設定こそないものの200円均一の割安な運賃設定や、車内での回数券発売(200円券11枚綴り2000円)などもあるとなれば尚更と感じます。
車両面でも別府~浦郷間の幹線(便によっては宇賀や国賀まで延長運行)では原則としてスロープ付きノンステップ車による運行、三菱中型車2台と日野ポンチョ1台が活躍しています。
前者は中ノ島の豊田線運行車両よりは小さいサイズとは言えども、人口3000人台の離島を走る路線バスにしてはかなり上級の車両と感じます。
三菱中型車は小田急バスや立川バス、羽後交通などによく似た塗装となっているのも特徴で、MAKIKYUが乗車した車両はラッピング付きでしたが、車庫で見かけたもう1台はラッピングなしでした。
この車庫の最寄りバス停は、西ノ島町HP掲載の時刻表では「西小学校前」と案内されており、車庫の目の前に小学校の校門がありますが、現地では「由良バス車庫前」と案内されていますので要注意です。
日野ポンチョは赤帯の塗り分けは三菱中型車と同様ながらも、白ではなくオレンジを基調とした装いとなっており、側面に描かれたイカのイラストも特徴的と感じる1台です。
三菱中型車とは異なり扉は1箇所のみ、車内は前向き座席が2+1列配置で並ぶ着席重視仕様で、ポンチョでよく見かける2扉1+1列配置よりも座席数は多く確保できますので、地域性を考えるとこのタイプでの導入が妥当と感じたものでした。
またMAKIKYUが西ノ島町で乗車した町営バスは、三菱中型車と日野ポンチョの2種類だけでしたが、他に支線も存在しており、浦郷地区の町外れにある由良バス車庫では、こちらに充当されるワゴン車や、スクールバスに充当される白1色のトップドア中型車なども見かけたものでした。
西ノ島ではこの町営バス以外にも、絶景で有名な国賀海岸巡りなどで運行する観光バスも多数活躍しており、こちらも近日中に追って取り上げたいと思います。