今日新青森~新函館北斗間を結ぶ「北海道新幹線」が予定通り開業、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には早速…という方も居られるかと思います。
青函トンネルと言う特殊区間を通過、新青森以遠は運営事業者が異なる事なども災いし、速達性などは芳しくない状況ながらも、運賃・料金面で割高感が否めない状況はやや難ありと感じています。
それでも「近くて遠い北の大地」が幾分近くなり、首都圏~北海道内各地間を鉄道で移動する際の利便性が向上した事は、大いに評価できる所かと思います。
(東京~札幌は東京~福岡と距離的にはほぼ互角ですが、心理的な距離は新幹線1本で行ける福岡の方が遥かに近く、北海道新幹線が新函館北斗まで開業した今日においても、心理的には福岡どころか鹿児島よりも札幌の方が遠いと感じる位です)
北の大地・北海道では華々しく開業した北海道新幹線と、北海道新幹線開業に伴って江差線が経営分離され、第3セクターとして再出発した「道南いさりび鉄道」の開業が注目されていますが、これ以外に昨年末に開業した札幌市交通局の市内電車(札幌市電)「都心線」もMAKIKYUはまだ乗車していない状況です。
都心線は以前市内電車が運行していた区間の「復活」ですので、厳密には「新線開業」とは言い難い面もありますが、路面電車の廃線区間が短距離ながらも復活したのは、国内で異例とも言えます。
この「復活」では単に廃線区間に軌道を再敷設したのではなく、サイドリザベーション方式を採用している事に加え、従来は西4丁目~すすきの間をC字型に運行していた運行形態から、内回り・外回りそれぞれで循環運行する形態に変化したのも大きな特徴で、復活した区間は短い距離ながらも、札幌市電は随分様相が変わったのでは…と感じます。
現在は循環路線1本(厳密には区間によって路線名が分かれており、名目上は複数路線が存在)のみとなっていますが、車両面でも古参の単車が主体ながら、2013年には超低床連接車も導入され、この車両にも一度だけ乗車した事があります。
この新型超低床連接車は「A1200形」という形式で、札幌市電の現存車両では唯一の4桁車番を冠する車両になっており、「ポラリス」という名称が付けられています。
市内電車の連接車が久々に復活した事も注目で、この車両が都心線区間を走る様などは、最盛期の勢いには程遠いながらも、路面電車が見直されてきた証と言っても過言ではないと思いますが、それ以外にも最新型車両だけに、今までの札幌市電にはない要素も多数取り入れられています。
ただその中の一つが「冷房装置」というのは日本国内では異例で、今後従来車両の冷房化改造にも期待したいものですが、この車両よりも後に登場した地下鉄用新型車(東豊線9000系)は未だに全車非冷房車ですので、冷房装置装備自体が札幌市交通局は様子見状態なのか…という雰囲気も感じます。
それ以外の札幌市電初となる要素も、国内各地で活躍する超低床連接車では一般的な仕様となっている部分が多いのでは…と感じましたが、最新型車両ながらも運転席を見ると現在主流のワンハンドルタイプではなく、従来車と雰囲気的に近いツーハンドル式になっているのも注目と感じたものでした。
ツーハンドル式を採用したのは、札幌と言う酷寒地ならではの特殊性も起因していると思われ、他に内装も北の大地を走る車両ならではの仕上がりになっている部分も…と感じたものでしたが、これに加えて低床電車では必然的に問題となる段差部分の座席を「展望席」と案内し、難点を逆手に取った取り組みもユニークと感じたものでした。
少し近くなったとは言え、まだまだ遠い土地という印象が強い北の大地・北海道だけあり、乗車するだけでも少々難儀すると感じる路線ですが、機会があれば是非一度札幌市電の都心線にも…と思っています。
その際には事情が許すなら今日開業した北海道新幹線と、新函館北斗駅で接続する在来線特急「スーパー北斗」を乗継利用できれば…とも感じています。
(状況次第では往復鉄道ではなく、片道フェリーでの移動なども悪くないと思っていますが、千歳線で昼間毎時4本程度運行している快速列車の名称と関連する所は、利用せずに済むのが一番と感じています)
また北海道新幹線は近年在来線各線でトラブルが相次ぎ、厳しい経営環境にあるJR北海道の運営路線であるが故の心配などもありますが、大きなトラブルなどなく安定運行が実現し、北の大地への新たな足として定着する事を願いたいものです。
(この記事に関するコメントは札幌市電都心線だけに限らず、冒頭で触れた北海道新幹線関連も歓迎です)