数日前MAKIKYUは都内へ足を運ぶ所用があり、その際には4月にオープンした新宿の高速バスターミナル「バスタ新宿」を初めて視察する機会がありました。
ネット上でも様々な方が話題を取り上げている「バスタ新宿」は甲州街道を挟み、新宿駅南口と向かい合う箇所に立地しており、4階建ての最上階(4階)がバスの出発ホーム、乗車券売り場もこのフロアに位置しており、到着ホームやタクシー乗り場は1つ下のフロア(3階)となっています。
出発ホームの乗り場数は12箇所、都内では屈指の運行本数を誇る東京駅八重洲口を凌ぐ規模となっており、陳腐な上に発着番線数も限られていた西口ヨドバシカメラ脇の旧中央高速バスターミナルなどに比べると、格段に改善されたターミナルと感じたものでした。
また新宿発着の高速バスは、以前は旧中央高速バスターミナル(京王やその共同運行会社の便が主体)をはじめ、西口小田急ハルク脇の35番乗り場(小田急系が主体)や新南口(JR系やその共同運行会社が主体)など、運行事業者や路線によって乗車箇所が分散しており、特に不慣れな利用者にとっては非常に分かり難い状況だったものが、殆どの路線がバスタに集約される事で分かり易くなったのも、大きなメリットなのでは…と感じたものでした。
運行本数的にも国内で業界最大手と言われる西日本鉄道(西鉄)の拠点になっている福岡・天神バスセンターに匹敵する事から、一部では「国内最大級のバスターミナル」とも言われ、特に首都圏では天神バスセンターに匹敵する存在の高速バスターミナルも存在しなかった事から、「かなり大きな高速バスターミナルが出来た」という評も散見する程です。
ただ都市間バス大国となっている隣国・大韓民国(韓国)の高速バス・市外バスに何度も乗車、これらのバスが発着する巨大なターミナルを何度も利用しているMAKIKYUとしては、「バスタ新宿」は規模的に大きなターミナルとは言い難いと感じたものでした。
(韓国の都市間バスターミナルは、地方都市の一つに数えられる光州(Gwangju)でも乗り場数が60程度、首都のソウルに至っては最大規模を誇る江南(Gangnam)の高速ターミナル(写真・既公開画像の再掲です)が方面別に京釜・嶺東線と湖南線に分かれ、京釜・嶺東線ターミナルだけでも光州のタ-ミナルを遥かに凌ぐ程、その上市内には他にも大規模な都市間バスターミナルが複数存在する状況です)
とはいえ韓国の都市間バスは、ターミナルを中心部ではなく市内の中心からやや離れた高速道路のインター近くに設けている事も多く、東京に例えるなら綾瀬や用賀辺りに大規模ターミナルを設置、ターミナル~市内各所間は別途市内交通(地下鉄や市内バスなど)利用という状況です。
そのため用地の限られる都心の一等地にターミナルを設け、限られた設備を効率よく駆使する事で多くのバスを発着させるという点では、「バスタ新宿」は総体的に見て悪くないターミナルと感じたものでした。
(混雑時間帯のトイレ混雑などの問題は、一部ではかなり問題視されていますが…)
バス大国・韓国から訪日した旅行者をはじめ、韓国をはじめとする都市間バス大国の現状を見た人物から見ると、「バスタ新宿」は小規模なターミナルとして映ると思いますが、今後国内各地でもバスタを参考に、都市間バスターミナルを集約する動きが各地で続くのか否かも気になったものでした。
日本の都市間バスは九州の一部などを除くと、専ら2点間輸送に特化し、鉄道など他交通機関を補完する役割に甘んじている路線が大半を占めている事もあってか、一部の「知っている使い慣れた乗客」を除くと利用し難い路線が多いと感じています。
特に複数事業者に跨る乗継利用となると、殆ど考慮していない事が大半と感じますので、発券システムなどのソフト面と共に、ターミナルなどのハード面での難点を改善する事で、都市間バスの利用増も見込める気がしますので…