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京急(新)1000形16次車~幾分マシになったステンレス車両

2017-01-09 | 北総監獄

京浜急行電鉄(京急)では、近年(新)1000形ステンレス車両の増備が進行しており、これは賛否両論でネット上でも様々な見解が示されていますが、ステンレス車初導入となった2007年の6次車導入開始から早くも10年が経過、今まで「赤い電車」の印象が強かった京急もステンレス車の大量導入で様相が随分変化したと感じています。

(新)1000形ステンレス車は既存車両よりも製造コストを大幅に削減する事を主眼に導入され、結構な勢いで増殖していますので、銀色の電車がやって来て「またか」と感じる事も少なくない程ですが、個人的には内外共に様々な面で安物感を強く感じる車両と感じています。

これに加え今まで導入されたステンレス車(6~15次車)は全席ロングシート、この座席は好みが大きく分かれ、異様に柔らかい「ブカブカした感触の座席」となっており、個人的には非常に頂けない存在と感じる程です。

 
しかしながら昨年末に導入が開始された16次車は、車体材質自体は相変わらずステンレス製で、雨樋も張り出した構造ながらも、昨年少数が導入された1800番台車(正面貫通路付の4両編成)と同様に、ラッピングで既存塗装車に近い「赤い電車」の装いを再現しており、一目で銀色の電車との違いを識別できる様になっています。


MAKIKYUも昨年末に初めてこの車両に乗車機会があり、車内もFRP製の天井板や異様に柔らかい「ブカブカした感触の座席」のロングシートなどは相変わらずですが、車端部分にステンレス車では初となるボックス席が設けられており、座席数は僅かながらも「ブカブカした感触の座席」ではない座席に着席できる様になったのは大いに歓迎できる事と感じています。

このボックス席は混雑対策などもあってか、アルミ合金製車体の(新)1000形初期車などに比べると、設置数は半減していますが、スマートフォンなどの充電に使えるコンセントが設けられるなど、他社一般車両ではまだ導入事例が少ない先進的な取り組みも見られます。

また客ドアも内側が(新)1000形ステンレス車では初の化粧板貼りとなり、今までコストダウンばかりに注力し、貧相さが否めないと感じていた傾向が変化し、見栄えが随分向上しています。


ドア上には近年の新型車両では標準装備とも言えるLCDモニターが装備され、LCDモニター自体は(新)1000形ステンレス車の一部や600形などでも導入されていますが、片側がモニター1面、もう一方が2面となっている配置は、他では余り類を見ない独特なモノと言えます。

LCDモニターを2面配置にする場合、一方を次駅などの運行情報案内・もう一方を広告やニュースなどの放映で用いるのが一般的ですが、16次車の場合は千鳥配置となっている左側モニターを韓国語と中国語の運行情報案内モニターとし、右側は日本語と英語の運行情報案内モニターとしているのが特徴で、これは空港アクセスに注力している近年の京急ならではとも感じたものです。

ただ相互直通運転先と共に空港アクセスに注力し、外国人利用なども多く見込まれる路線にも関わらず、未だに首都圏大手私鉄では唯一自動放送装置設置車両が皆無となっている辺りは片手落ちの感があり、今後近鉄奈良線系統などで導入事例が存在するタブレット端末を活用した多言語案内実施などを検討しても良い気がします。

全般的な印象としては、ステンレス車導入前の車両に比べると相対的にはやや見劣りするものの、今までの銀色ステンレス車に比べれば遥かに上等で、この車両の評判がまずまずならば、既存の銀色ステンレス車も車端部分のボックス席設置やドア上LCDモニターの片側2面化(もしくはLED文字案内装置から換装)を行うと共に、改良を施した編成を16次車と同様の装いに改めて頂ければ…と感じたものでした。
(欲を言うなら個人的にはこれに加えてロングシート部分の異様に柔らかい「ブカブカした感触の座席」を、乗入他事業者並の座席に改善して頂けると助かりますが…)

ちなみに写真の16次車は専ら京急線内で運用される6両編成ですが、近日中に導入予定の8両編成は今後首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額過ぎる運賃などで悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)にも乗り入れ、通称「悪徳」とも呼ばれる列車などに多用される事も見込まれますので、この記事の取扱カテゴリーは「北総監獄」扱いとさせて頂きます。