「おかち」と読みます。正式書名は『平成お徒歩日記』 作者は宮部みゆきさん。
装丁は贔屓の新潮社装丁室。このたびはビニールカバーが邪魔して、よく見えない。
これが図書館から借りる悲しさです。外せないの。
もう1週間も過ぎてしまった横浜帰りの途中、深川散歩。
帰りの新幹線で、JR東日本車内雑誌を手に取ると特集は、「藤沢周平の江戸を歩く
『用心棒日月抄』の世界へ」
いつも車内雑誌は帰りの新幹線で見ることに決めている、(そして気に入ったのは持ち帰りする)ことが裏目に出たわ。先に読んでいれば、これも視野に入れたのにといささか残念な気持ちになったけれど・・・
主人公青江又八郎はの住んでいた鳥越神社あたりは、都営浅草線蔵前の近く。
口入れ屋の相模屋は馬喰町近く。そこから両国橋を渡って回向院や吉良邸にまで勤めに出かける。時には相棒の住んでいた霊巌島付近まで。
用心棒日月抄の舞台イラストを見て、よく歩くものだなあとため息が出ます。
で、図書館で目に飛び込んできた本が『平成お徒歩日記』
興味があることがこんなに繋がっていくと気味が悪くなるようだわ。 これは宮部さんが、いにしえのお江戸を訪ねて今を歩こうという企画。平成6年から平成9年まで年2回の割でお徒歩しています。
時に平成版のかごを使い、時に平成版居酒屋及びお休み処で一服し、その珍道中を書き綴ったもの。楽しく読ませていただきました。
私もお徒歩をしてみたい(はないか)と思ったコースは、
忠臣蔵 赤穂浪士討ち入り後コース。回向院から高輪泉岳寺まで、47士は2時間かかったそうですが、はたして宮部さん一行は・・ね。
次は、「市中引き回しの上、獄門」の市中引き廻しコース。
なにしろ、夫はよからぬニュースを見るたびに、「市中引き廻し!!獄門!」って叫ぶからね。ついつい、私も過激になって。
伝馬町牢屋敷跡から鈴が森刑場跡までのコース。コースはどちらでもいいのですが、引き廻しになる決まりごとが恐ろしい。ほんのちょっとだけ抜粋。
引き廻しで獄門(斬った首をさらされるのね)となると
・主人の妻と密通
・人を殺して物を盗む
・舅、伯父、伯母、兄姉を殺す
引き廻しの上磔となると
・夫を殺した姦婦
・偽金銀を作る
死罪のおまけにこんな付加刑が付けられるなんて!!
これをみると今の犯罪は、ほとんど市中引き廻しがつくのでしょうね。
その他まだまだ興味深いコースがありますが、お江戸からはるばる出張コースもありますが、お徒歩となるとね。宮部さん、よく頑張りましたあ。
私も、小津安二郎の墓、すぐそばの木下恵介の墓巡りというコースは、2度ほどやったことがあるけれど、花のお江戸を、当時の人たち並みお徒歩するとなると、いくら興味があるといえど、ちょっとためらうわ。いやできません!