まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

王道を行く

2008-03-02 13:33:25 | モブログ
と半分冷やかし、半分本気で

昨日、ブログを書いてパソコンで遊んでいると、新潟に住んでいる同級生からの突然の電話。お葬式で来ているとのこと。
「先週も来たんじゃないの!」と思わず言うと、このたびはまた違う親戚なんですって。
彼女は、考え方も行動も人生の王道を行く人だから、濃い親戚関係の付き合いをきっちり律儀に果たす。昨日も日帰りで、お葬式出席。

で、4時のフェリーまで時間があるから、お茶することになった。
マサチャンママを誘って歩いて5,6分の喫茶店へ。こういうときはこの町は便利だ。
財布一つ持って「はいよ」ってすぐに行かれるものね。

その親戚の葬式のことを話していると、王道友は
「ところで、○子ちゃん、あんたどこで葬式を出すかもう考えているか?」と聞く。
私より素早くマサチャンママが
「そりゃあ、なあ、セレモニーだわよ。」と答えてくれる。私が、
「それはいいんだけれど、悩んでるのよ。喪服は着ものでなくちゃあ駄目かね。」
と低次元なことを言っていると、王道友、
「お母さんが作ってくれたんじゃないのかさ。」
いやいやそんなもの知らんわ、ってな具合で・・・

「あんた、喪服貸してくれる店があるみたいだけど、借りるなや。いくらクリーニングしても、前の人のそういうのが付いているって言うからね!」
と私の考えていることを見透かしたようなアドバイス。
マサチャンママ、やけにきっぱりと、
「そんなら決まったじゃねえかや。服でいいっチャ、服で。だあれもあんたのことなんか見とらせんや。」どこまでも適当。それに対して王道友、
「私は見ているよ。やっぱり着物を着とると見栄えがいいもの。」

話はそういうわけだから、亡くなった二人のお父さんのことに。
二人とも晩年は認知症になったそうだから、そのてのエピソード披露になった。

よそ様の玄関先で、洋服を全部脱いで突っ立っていたんだって。
どこのだれかも分からない人の車に乗せてもらって、王道友の家に来たんだって。
スーパーで栄養剤を無銭飲食してそのことを怒ると、俺は兵隊にいたからそんなことはしないと逆切れし、敬礼までするんだって。

娘たちは、自分たちもそうなることはさておいて、おなかがよじれるほど笑った。
二人はどんなに恥ずかしかったことかと、懐かしむ。
「どれだけ菓子折り持って、謝りに回ったか分からんね。」と終わる。

王道友は、さらに続ける。
「あんたたち生きがいをもっとるか?生きがいって社会に役に立っているってことなんだって。本読んだり、趣味ばっかりやっとるのんはだめなんだや。人の役にたっとることをやらんと・・・あんたたち、やれや!」
マサチャンママと私は、だらだらしている自分を振り返ってガーんとうなだれる。
あまりに正しいことを言われて深く首を垂れる。

そうだよな、むなしいだの弱っただの言ってられないわ、生きがいねぇ。
マサチャンママもつぶやく「ほんとにそうだが・・・」
でも、きっとこのアドバイスはここでむなしく終わるだろう。
いっとき、そうだと思っても、二人ともまた適当な毎日を送ることだろう。
自分のことは自分が分かる!!

私はもう何にも心配することがない!と言い切る王道友は、立ちあがって
「○子ちゃん、困ったことはマサチャンママに相談せえや。それでも駄目だったら、私に電話せえや。何でも教えてやるや。」

私はありがたくその言葉を受けて、彼女を見送った。



コメント
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