まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

整理する

2008-03-21 09:17:55 | モブログ
95歳にして1年余りも一人暮らしを続けてきた裏の家のおじさんが亡くなった。
ひとりで食事を作り、お洗濯をし、お掃除をし、ゴミ出しをし、寒い冬を乗り切ったのに・・

自転車を愛用し、右折左折の時は必ず手で合図をする几帳面なおじさん。
わずかなおかずのおすそわけに、一升瓶のお酒をお返しする律儀なおじさん。
2月の雪の降る日に出会った時は、腰が痛いから薬局で湿布を買ってきたと言っていた。
マサチャン薬局で介護友と話していた時は、おじさんの所にオムツを届けてきたとマサチャンママは帰ってきた。

そのわずか二日後、具合が悪いと娘さんに電話し、即入院したそうだ。
3日間の入院でさっさとあちらに逝ってしまった。

父は「青天のへきれきだ。」とショックを隠しきれない。
元気で頑張っているものだと思っていただけに、よく眠れなかったようだ。
昨日、お悔やみに行って来た後、何を思ったのか、
「俺が死んだらここに電話してくれ。」と、1枚の紙切れを見せて真剣に言う。
分かった、どこに片づけてあるか言って、と生返事をしていたが、この際と思って
「父さん、そこきちんと整理しよう。」と持ちかける。

整理大好きな私は、喜々として取りかかる。狭い箱なんだけれどね。
あれを捨て、これはいるのかと問いかけ、メモしたりなんだりして、ふと父を見ると、
あれま、すっかり別のものに気をとられている。挙句の果てに、
ほら、とやけに重い封筒を私に渡す。
「なに、捨てるの?」と聞くと、「ばかな・・」とにやにやする。

「金貨だが・・」
封筒の裏には、東京オリンピックだとかなんとかこんとかいろいろなメモ書き。
そして、これは・・と撫でさすりいちいち説明しようとする。
ああああああぁぁぁぁぁぁ

これだもんなあ、父が整理に取り掛かると、半日も同じところをいじっているわけが分かったわ。そして、何を探しているか分からんようになってしもた、とぼやくわけが分かったわ。
広げたものに読みふけり、思い出に浸るのね、懐かしむのね。

結局私一人でやりました。あれはあそこに、それはそこを見ればいい!と今のところは覚えています。1週間後に覚えているかは保証できません、けれど・・・

それにしてもなあ、整理しながら遠い目で感傷にふけったり、捨てようかどうしようか悩んだり、なんてことは私は一切ない!きっぱり!言い切る!

この後おじさんの出棺がある、最後のお見送りをしてこなければ。
コメント
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