オヤジ同級生「近ちゃん」
小柄で穏やかな風貌に似ず、なかなかやんちゃで笑えるようなエピソードの持ち主なの。
若かりし頃、牛乳屋でバイトをしていた近ちゃん、近くでアルバイトしていた奥様。
そうです、ご想像の通り、そういうことになったのよ。
奥様は「この人の実家に行くと私が悪者になっているから行きたくない」と言っているそうで。
これ以上の顛末は差し障りがあるから言えないけれど、奥様の言葉とドラマのような出来事があったことで
適当に妄想してくださいませ。
私は同級会で1から10まで聞き出したからね、事実です。
私が直接話すのは同級会ぐらいだけれど、夫が一緒に飲みに行くのでそこからの情報を聞くことができて、
「おもしろいね、近ちゃんは」となる。
愛煙家でタバコが手放せない近ちゃん、長男のお嫁さんがキャビンアテンダントでどこそこの煙草を
箱買いして近ちゃんにお土産に。
奥様はそれを1日13本と決めて近ちゃんに手渡すそうな。当然足りない場合もあるわけ。
だってね、一度グループ旅行したことあるけれど、どこへ行ってもまず喫煙場所を探す。
いないなと見渡すと、愛煙家仲間3人でぷかぷかやっている。
東海道新幹線でもすぐに「行こうぜ」と誘い合って喫煙場所に行く。その頻度たるやびっくりなわけよ。
そんな人が1日13本なんて、奥様にばれないようどこで調達しているのだろうね。
近ちゃんは超がつくほどの野菜嫌いだそうな。
どこの食堂でも野菜がついていると「いらない」って除けるんですって。
「草じゃないか!」
「鳥のエサじゃないか!」
そんな感じでほとんど食べないんですって。
とんかつに添えてあるキャベツなんて、取ってくれと言うほど。
行きつけの小料理屋さんは、そんな近ちゃんの好みが分かっているから最初から出さないんですって。
喫煙家で野菜嫌いの近ちゃんが熱心に人間ドッグの検査受けているのがなんとも笑えて。
その前に生活習慣食習慣見直せと言いたい、が。あれ?反対か、そんなんだから受けてるのか。
「俺、どっこも悪くない」そうだ。
ともあれ旅先の道の駅で奥様に電話し、
「大根とブロッコリーを買ってきてくれと言われた」とかで、仲間に見分け方を聞いたりするマメさ。
夫に近ちゃんの爪の垢でも煎じて飲ませたい。
今ね、奥様はほんの少しの野菜を茹でて、近ちゃんに食べるよう強要しているんですって。
素敵な夫婦だ。
愛嬌たっぷりの近ちゃんの顔が浮かぶわ。