春の日差しをいっぱいに受け止めて、一筋の光も逃すまいと精一杯に花を開いて・・・
古民家裏の斜面そこここに福寿草が咲き競っていたの。
ああ、春がそこまで来ているな、と感じた。うん、確かに感じた。
日が射さなければ開かない君たち。ほんとに可愛いのよ。早春の訪れを告げているのよ。
でもでも、何かが足りない。
分っているの、君たちのせいではないのよ、君たちには、なあんの罪もないのよ。
ああああ、いくら分っていても物足りない、なんか咲く場所がいまひとつ。
福寿草には柔らかなギザギザの葉っぱもついていてほしい。
そして。
そばには雪の残り。川の水音。時には枯れ葉を突き破って顔を覗かせるたくましさ。
福寿草にはそれがよく似合う。
そうなの、こんな背景の中で顔を見せてほしいのよ。
これこそ春の訪れ。
2011・3・12 佐渡
ごめん、ないものねだりね。
分っている。