三泊四日の、新潟の旅を終えて、昨晩、帰ってきた。わざわざタイトルを”歴史散歩”にしたのは、”新潟県の歴史散歩”(歴史散歩編集委員会編)をお供にして、あちこち巡ったからである。ほぼ日程順に記事にするつもりであるが、あちらこちらに飛ぶ可能性がある。新潟といえば、良寛さん、会津八一、蕗谷紅児の名が浮かぶが、彼らがいろんな場所で顔を出してくるのである。そんなとき、寄り道をするかもしれない。
ぼくらが新潟市内に泊るのは20年振りぐらいではないかと思う。前回もそうだったが、今回も萬代橋の近くのホテルに泊った。部屋から、日本一の長さと水量を誇る、信濃川の流れが望める。ホテルの前に高浜虚子の句碑が建っている。”千二百七十歩なり露の橋” 大正13年9月、ここのホテルで句会が開かれたとき詠まれたそうである。ただ当時の萬代橋は、現在の橋より長かったから、今なら千歩以内で渡りきるかもしれない(笑)。水の都、新潟のシンボル的存在で、2004年に、橋としては日本橋に次いで、二番目に国の重要文化財に指定された。川の両岸にプロムナードが整備されていて、そこからは萬代橋の向こうに、現代の新潟のシンボル、”朱鷺メッセ”の高層ビルが堂々とそびえている。
萬代橋
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萬代橋と朱鷺メッセ
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虚子の句碑
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萬代橋西詰めから東中通りまでのメインストリートが柾谷小路である。この通り沿いに柾谷四朗右衛門が店を構えていたことによる。西に向って歩くと、本通り、古町通り等が順に交差する。本通りは市場の通りで地元の買い物客で賑わっていた。その先の古町通りの北方面に七夕飾りがあったので、まずそちらに行った。すぐ飾りがなくなったので引き返した。実は、通りを隔てて、その先が夜の繁華街であることを最終日の夜の散歩で知った。また、一本、手前の小路(鍋茶屋通り)は京都の先斗町通りのような風情であった。ひとりで来た時は、ここで飲もう(汗)。
古町通りを東方面に引っ返すと、道路工事で雑然としていた。水島新司の、どかべん等のキャラクター像が立ち並ぶ、マンガストリートのはずが、すべて改装のため一時的に取り外されていた。新潟は漫画家が多く出ていて、赤塚不二夫も小年期をすごしている。ちょうど、新潟市立美術館で”赤塚不二夫展”が開催されていたので翌日、のぞいてきた。さらに進むと、緑の白山公園がみえてくる。白山神社では、大きな茅の輪が待っていたので、ふたりでくぐり、”大祓の儀”を済ませた。新潟で2011年の半年目を迎えるとは”想定外”だった(笑)。鳥居の近くに、忠犬タマ公の像があった。ご主人を雪崩から救い出したとのことだ。関東ではタマは猫の名前だが、新潟では犬の名前らしい。でも、ぼくの友人は、猫にポチとつけているから、そんなに厳密な区別はないのだろう。銅像といえば、良寛さんの銅像もここへ来る途中、みつけた。小さいのを含めると、三つほどみた。書となると、もうあちらこちらで拝見した。こうして、新潟の旅ははじまった。(つづく)
古町通りの七夕飾り
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白山神社と茅の輪
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忠犬タマ公
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良寛さん