少し前のシリーズで”春のぶらり東京”シリーズというのがあった。3月23~25日に、東京のホテルに二泊し、六義園などの枝垂れ桜見物をテーマにしたものであったが、美術館見学も四つほどした。その最終日に訪ねた日本橋三越での”春の院展”のことについて、遅ればせながら(汗)、メモしておきたい。
3月25日、初日に出掛けた。何でも初日は晴れ晴れしいし、展覧会に出展されている画家さんたちも、お見えになるのはたいてい初日。以前のギャラリートークやテレビなどで顔を知った、著名な画家さん達を何人かお見かけした。故H画伯の奥さんもお見えになっていて、T画伯の作品の前でお話しになっていた。虫食いの葉っぱがいいですね、軽井沢でスケッチしたんですよ、とか、めったに聞けないことを傍で聞いていた。
郷倉和子、松尾敏男、後藤純男、下田寛、鎌倉秀雄、田淵俊夫、手塚雄二などの同人の作品や、奨励賞等の受賞作品そして入選作品が所狭しと並べられている。もともと日本画が大好きだから、どの作品も好ましく、まるで、桜見物をするように、楽しく廻らせてもらった。とくに、好きな画家の一人である、巨樹を描き続ける石村雅幸の”刻(きざむ)”の前では、じっくり、みさせてもらった。先月、河津でみた千年の大楠を観たときのように、胸にジーンとくる絵であった。森林風景、田園風景、お婆さん、少女などの絵にも足を止めた。
特別企画の”第35回からの作品集表紙絵展示”も楽しいものであった。平山郁夫から始まって、八つ目に荘司福の作品があって、先日、”高野山/祈りの美”展で、観た襖絵の画家、守屋多々志の”桃”も見つけた。
春の院展は見逃すことが多いが、今年は、初日に観ることができて、良かった。また、秋の再興院展があっという間にやってくる。時の流れは、本当に早いものだ。
春の院展
春の日本橋三越。 さくら色の暖簾。
桜色のライトアップ
春の月と、春の日本橋三越。