一昨年、秋田に来たときには、千秋公園の桜はもう終わっていて、仕方がなく、公園内にある平野政吉美術館(県立美術館)の”藤田嗣治の祈り/平野政吉の夢展”に入った。そして、そこで、藤田の大壁画、”秋田の行事”に出会って、度肝を抜かれた。あまりの巨大さにびっくり。3.7mx20.5mもあるのだ。当時はあまり知られていなかったが、一般的になったのは、その半年後(2013年9月)、小百合ちゃんの大人の休日倶楽部のポスターに採用されてから。ぼくはそれを、東京五輪招致が決まった9月7日に東京駅構内で初見している。その後、各駅で観察し、そのたびにブログ記事にして、広報に務めた(爆)。まず、その記念すべき、東京駅でのポスターの写真を。
これで、その巨大さがお分かりになったと思う。さらに今度の旅行で、小百合ちゃんが、この撮影に来たとき、ぼくらが泊まったホテルメトロポリタンに宿泊したことが分かったノダ。JRのポスターだからJR系のホテルに招待したのでしょう。もしかして、小百合さんと同じ部屋だったかも(汗)。その証拠。でも、サインした桜の写真は角館の桧内川堤では?
さて、その大壁画は、一昨年はこの建物に展示されていた。今は閉まっている。平野政吉美術館。美術館の前に藤田嗣治の胸像があったはずと、みにいったが、庭にも入れないようになっていた。
そしてお濠を挟んで、こちら側に出来た、秋田県立美術館に、巨大壁画は引っ越しをしていた。モダンな建築。安藤忠雄設計です!
エントランスホール。前美術館の三角形屋根に呼応するように、三角形をモチーフとしたデザインとのこと
さて、その大壁画は新美術館の2階に大部屋の壁一面に展示してあった。壁画の左下に、昭和13年/自2月21日至3月7日/174時間完成という自筆の書き込みがあった。制作依頼主である平野政吉の米蔵で描いたもので、僅か15日間で仕上げたというのだから驚く。しかし、この絵は直ちには公表されず、昭和42年まで、約30年間も米蔵で眠っていたそうだ。その米蔵での制作中の写真と、米蔵から搬出するときの写真が片側の壁に展示されている。米蔵は一部、壊して、ようやく搬出したようだ。
この絵の説明は、前回、訪問したときにブログ記事に残ししているので、今回は省略したい。大壁画のうしろの壁には、藤田の”眠れる女”、”自画像”などの作品が数点、展示されている。
眠れる女
再び、藤田の”秋田の行事”に会え、うれしかった。はじめての家内は喜んだのは言うまでもない。
三階では、藤田嗣治の旅/中南米からアジアへ展が行われていた。これもまた、藤田のスケッチやコレクション等、面白くみさせてもらった。
この建物では、この前、日本橋三越で観たばかりの”春の院展”が、ぼくを出迎えるかのように巡回してきていた。帰る時間が迫っていたのでここは失礼した。
そして、ぼくらは、つがる5号に乗って、桜旅のハイライト、弘前へ向かったのだった。