サントリー美術館の国立能楽堂コレクション展”能の雅/狂言の妙”を観て来た。先日、根津美術館で”能面の心・装束の華/ 物語をうつす姿”をみたばかりで、最近、能づいている(笑)。今回は、能はだけだはなく、狂言の面や装束、それに加えて、絵画や各種文献も展示してあり、博物館的展示となっている。初心者の勉強会にはぴったりだ。
展示物は、国立能楽堂コレクションが大部分だが、一部、加賀百万石のお殿様コレクションもある。
会場に入ると、いきなり、特別展示の華やかな能装束がいくつか出迎えてくれる。いずれも重要文化財で、桃山時代のものだ。”紺地白鷺模様狩衣”(根尾・春日神社蔵)。装束の名前が文様そのもので、わかりやすくて良い。この装束は紺地に芦の生えた水面を20数羽の白鷺が飛び交っている模様の狩衣(装束の種類)なのだ。これは好きだったが、絵ハガキがなかったので紹介できない。白地松藤揚羽蝶文様縫箔もうつくしかった。すべて刺繍で文様をつくっているとのこと。
そして、第一コーナーは能面。翁面から、若い女性、般若、それぞれのお能のシテやワキに使われる面など、様々な表情の面がずらりと並ぶ。まず、白色尉(はくしきじょう)が現れる。翁面で、白い眉毛がぼうぼうとしていて、ボウボウ眉というそうだ。ぼくも最近、すこしだけ眉毛に白髪が混じってきた(汗)。そして長い髭。
そして、父尉(翁の父と説明があったが、相当な老人なのだろうか)、小尉(品格の高い役につけるとのこと;現代人にはかける値打ちのある人がいるかどうか;汗)、敦盛(女の面のようだった、16歳の敦盛が亡霊として現れるときに使われる)、山姥(山廻りに生きる鬼女)、小面(可憐な乙女、額の上から整然と流れる三本の毛筋が特徴、これは土佐の山内容堂所持だったという、龍馬伝では、現在、以蔵を拷問してにくまれ役になっている)、般若(嫉妬で青筋をたてている、以前の管総理のようだ、いらカン。選挙に負ければいらんカンで(爆)、また般若面に戻るだろう、そのあとは誰だろう、岡ちゃんブームにあやかり、岡田さんかな)等々。いろんな面があるのには驚いた。
能面;白色尉と小面

そして、次のコーナーは、能装束の数々。前述のように文様そのままの名前、そしてその後に、織りの技法とか装束の種類などで、唐織、縫箔、厚板、水衣、半切、狩衣、舞衣などの名が入る。華やかなものが多い。
ちらしの表紙を飾った、”紅地白鷺太藺模様縫箔”


”紅白段花筏模様唐織”と”萌黄地卍唐花模様袷法被江”

そして、狂言面のコーナーへ。面を付けずに演じることが多いが、特別な役には、面をつける。こっけいな役回りが多いので、面も能とは違って、ひょうきんなものが多かった。
”聟猿(むこざる)”と”空吹(うそぶき)”

狂言装束も、能がよそいき着とすれば、こちらは普段着という感じ。文様も稲穂だったり芭蕉だったりと、庶民的だ。
”浅葱地稲穂福良雀模様素襖江”と”浅葱地芭蕉蝸牛模様肩衣”

その他、百万絵巻や光悦謡本上製本(光悦風の字体のもの、ぼくは光悦の書は好き)などの、絵や狂言の台本のようなものの展示もあった。
なかなか面白そうだ、少しづつ、勉強していこうと思う。