まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

弘前城の桜と青森のねぶた

2006年05月20日 | 旅行記B・東北

20065_140 5月5日。桜の名所、弘前城に着く。例年GWの時期が見ごろであるが、今年は何と私が訪れた5日がちょうど満開の日とか。バスターミナルから大勢の観光客に混じって外堀に着いたが、実に白く花開いている。

20065_123 以前に写真で、散った花びらが外堀を絨毯のように埋め尽くす風景を見たことがあるが、これだけの花びらが散ったらさもありなんと想像させる。

20065_154城内に入る。桜並木に見入る人、写真を撮る人、芝生で酒盛りに興じる人たち・・・満開の桜とあいまって、花見の風景である。「東京時間」でいえば1ヶ月くらい時計の針が逆に戻ったようだ。私もビールを買い求め、しばしよい心持ちになる。

天守閣にたどり着く。やはり天守閣があってこそ、桜の花もよく映える。ここが一番の撮影ポイントでもあり、記念撮影をする人が絶えない。これでもう少し晴れていれば・・・。20065_152_1

もう少し晴れていればということでは、天守閣前から美しい稜線を見せるはずの岩木山の姿が全く見えなかったのが残念である。桜の賑わいの向こうの岩木山は想像の中で思い描くことにする。20065_150

城内をひとしきり歩いた後、一角にある弘前市立博物館に入る。津軽藩以降の歴史を中心に紹介するとともに、特別展示として今年生誕100年という建築家・前川國男展が開かれていた。モダニズム建築の先駆者であり、全国の「ハコモノ」づくりに大いに貢献した建築家であるが、ここ弘前にも地縁・血縁があったそうで、市役所はじめ、隣接する市民会館、そしてこの市立博物館など、弘前には前川デザインの建築物が多い。城下町であり、文化の薫り高い弘前のイメージづくりに一役買っている。城内の喧騒をよそに、博物館の中は実に落ち着いた雰囲気であった。20065_160

再度の花見に大いに満足し、青森銀行記念館など洋館群を見ながら弘前駅に出る。弘前に泊まるという手もあるのだが、桜の時期はホテルが全て埋まっているし、翌日の行程もあるので今日は青森に移動する。

青森駅。本州の北のターミナルとしていつ来てもゆったりとした佇まいである。今日は駅前の「ルートイン」に荷物をおろし、小雨の降る中駅前の通りに出る。

20065_167遠くのほうから太鼓の音に歓声が聞こえる。近くの交通規制の看板を見ると、ちょうどGWのこの時期、港まつりだったか春まつりだったかというのをやっているそうだ。そして今、通りでは「よさこいソーラン」の踊りが披露されているところだった。はあ、「よさこいソーラン」ね。今ではどこでも「踊り」とくれば「よさこいソーラン」である。踊りの熱気とか粋な装束とかを見るのは嫌いではないのだが、こうまで広がってしまうと新鮮味に欠けるようにも思われる。

20065_169・・・と、今しがた披露していたグループの演技が終わると、前方からまた太鼓の音が聞こえ、ドデカい何かがこちらへ向かってくる。そう、青森のシンボル、ねぶた。阿修羅に虎という勇壮なねぶたの山車が通りを練り歩くのだ。そしてそのねぶたを先導するように、先ほど「よさこいソーラン」を披露していたいくつかのグループが「らっせーらーらっせーら」「よさこいよさこい」と、振りをつけながら通りを練り歩く。「ねぶたとよさこいソーランのコラボ」という、贅沢な組み合わせ。そう、こういう風にやれば楽しめるのだ。20065_173

20065_174それにしてもねぶたはデカい。車道いっぱいに広がり、時には右に左に旋廻してその姿を沿道の人たちに披露する。本番のねぶた祭りになるとこういう山車がいくつも練り歩くのだからそれは圧巻だろう。今日のところは思わぬ出会いがあったことを喜ぶ。

20065_351 その余韻の中、駅前の「鱒の介」という郷土料理の店へ。繁盛しているらしく、忙しそうに店員が駆けずり回っている。注文も時間がかかること承知の上でカウンターの上に陣取る。ほたて、ホヤ、貝焼、じゃっぱ汁などを取り、地酒を楽しむ。まあ今日はこの後用事があるわけでなし、テレビでナイター中継を見つつじっくり待つ。これで出たものがまずかったらどうしようもないところだが、食材の味は満足できるものだった。20065_354

これまで男鹿から津軽へと回ってきたが、青森で旅の中盤、一区切りついたような心持ちだ。翌日は東の方、下北半島へと向かうのである・・・・(続く)。20065_345

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