本来であれば5月21日の記事として書きたいところだったのだが・・。21日、22日と2日またぎの出来事だったのだから仕方ない。
各地で熱戦を繰り広げるプロ野球交流戦(まあ、もっともオリックス・バファローズは22日も阪神に敗れて8連敗、交流戦1勝10敗と最悪の成績ですが・・・)、21日は会社の仲間K氏夫妻と神宮球場に東京ヤクルト対福岡ソフトバンク戦のナイター観戦に出かける。
九州出身で熱心なホークスファンのK氏と、野球についてはイケメンか面白いキャラの選手くらいしか知らないK氏の奥様。バファローズファンの私であるが、交流戦でいろんなカードを見られるのも面白いしということで、外野指定席を事前買いし、当日は解説係としておともすることに。
交流戦といえば思い出すのは昨年の神戸でのオリックス対広島戦。両軍合わせて42安打の大乱戦、4時間をゆうに超える16対14でカープが勝ったという試合。私が球場に行くと(知らず知らずのうちに期待するのか)乱戦とか延長戦とか4時間超の試合になるケースがなぜか多い。逆に2対0で2時間台という短時間で終わると翌日大雨になったとか、そんな印象に残る試合が多い。今日のおともにK氏とは千葉マリンスタジアムでロッテ対ダイエー戦を観たことがあり、21対0でダイエーの勝ちということもあった。
地下鉄の外苑前から球場に向かう。沿道にはビールや弁当やヤキトリなどを売るワゴンがたくさん出ており、威勢のいい売り声がかかる。そういえば最近、球場の近くのワゴンを見かける機会が少なくなったように思う。球場側の「飲食物持ち込み禁止」の圧力が厳しいからだろうか。そこに来ると神宮はまだ規制がゆるいのか、こういうワゴンで缶ビールや食糧を選ぶ楽しみがある。懐かしい感じがする。
さてK氏夫妻とも合流して入場・・・と思いきや、スタンドからトランペットの演奏に歓声が聞こえてくる。昼間行われている東京六大学野球の明治対法政戦の最中とか。神宮球場というところは学生野球の聖地のようなところで、土日の昼間はたいてい大学野球に当てられている。プロ野球などは大学野球の使い終わった残り湯につかるようなものという「伝統」がこの球場にはあり、日程は全て大学野球優先である。
こういうことは珍しくないのか、ファンの人たちもさほどいらだつ様子もなく、球場の周りで気長に待っている。球場横の軟式野球場のほうにぶらつくと、室内練習場でちょうどホークスの選手が準備運動をしていることろだった。
やっと大学野球も終わり、両校の学生たちがスタンドの外に出てくる。久しぶりに見る「現役」女子大生の群れ。鼻の下を伸ばして彼女たちを眺めるK氏に、奥さんのはたきが飛ぶ。
このために試合開始18時20分のところが、30分遅れて18時50分の試合開始。先発はヤクルト・石井一久、ソフトバンク・杉内。レフトスタンドからは熱心なホークスファンたちの声援が飛ぶ。ホークス側の外野席に入るのは初めての経験だが、それにしても多い。
こちらは酒を飲みながらののんびり観戦で、奥さんの素朴なギモンやら、トンチンカンな精神論についてこちらが答えてあげたり、解き明かせてみたりとグラウンド内外の動きを見るのに忙しい。
試合は3回にズレータの3ランで先制、6回にヤクルト宮本の2点タイムリー、7回には松中のタイムリー2塁打、その裏ラミレスのタイムリーで4対3。こう書けば接戦が繰り広げられたように見えるが、両チームの四死球の多いこと。また終盤には1点を争う展開からか、敬遠四球が続くことも。そうするうちに時計の針がどんどん進む。普通の球場より遅い時間に始まっているのだから、早くも22時を回り、鳴り物応援が自粛となる。
やはり圧巻は9回裏。ホークス抑えの切り札・馬原の乱調。ストレートで押していく配球は悪くなかったのだが、ヤクルトの打者たちにうまく見られたというところ。1球1球にレフトスタンドから悲鳴があがる。結局敬遠で満塁策を取ったものの、ラロッカの打席「暴投」で同点・・・これで4対4。また延長戦である。
延長に入り、両チームとも選手を次々と投入。一時はヤクルト・古田監督も「代打、オレ」の準備でネクストバッターズサークルに立つ。(この時は打者の米野が無死から出塁し、次の打者が送りバントという場面になったために、代打に古田自身ではなく城石を起用。残念ながら打者・古田の出番はなし)
それでも決まらず、時計の針も23時を回り、バックスクリーンに終電の案内が出る。気付けば周りの客もかなりの数が球場をあとにした。
そんな中、23時を過ぎてから仕事が回ってくる人たち。ホークスの佐藤、ヤクルトの高津、吉川といったところ。夜勤労働者のお勤めである。
そして12回、ランナーを3塁において途中出場の捕手・山崎。ここでしぶとくライト前へ転がし、とうとう均衡を破る。この後大村にも2点打が出て7対4。この時点で時計の針は5時間を回った。打った山崎はアピールにつながるいい働きをしたが、投げた吉川も23時を過ぎて登場せざるを得なかったわけなので、打たれたからと責めることはできない。
12回表を終わり、あとは裏の攻撃を残すのみ。・・・というところだが、残念ながら私はここでギブアップ。まあ、12回で3点だから勝負はあっただろう。勝利の瞬間を観ようと粘るK氏夫妻を残し、お先に失礼する。
球場を出て暗闇の神宮外苑を数人の人とともに歩く。ふとK氏メールが「ノーアウト満塁です・・・」と知らせる。おいおい、終わらせてくれんなあ。ただ結局この後踏ん張ったようで、私が電車に乗り人心地したところで、「何とか勝ちました」とメールが入る。試合時間5時間22分・・・・。これまで20年以上球場で試合を観てきたが、5時間超えに日付超えというのは初めての経験である。試合開始が遅れたとはいうものの、それにしても長時間。ヒット数がホークス11本、ヤクルト17本!、四死球がホークス9個、ヤクルト8個という乱戦(拙攻戦?)。いやいやまたしても、疲れる長時間試合に立ち会ってしまった・・・。
K氏からの最後のメール「今日は帰ったら何もせずに寝ます・・・・」。