このところ週末になると天候が悪くなることが多いのだが、こういう時はレンタルのCDやらDVDやらのぞいてみるのも休日の過ごし方の一つ。
そんな折見つけたのが映画『ヒナゴン』。おおっ、レンタルで出ていたかと早速に借り出す。
この映画『ヒナゴン』、今からおよそ30年前に広島の山奥の小さな町を騒がせた「ヒバゴン」騒動をモチーフにした重松清の小説を映画化したもの。広島が舞台になる映画となると私としても観てみたいし、地元広島の中国放送も全面的に協力?(アナウンサーがアナウンサー役やエキストラで出ていますな)していることで映画をPRしていたのを憶えていたのだ。
映画のストーリー・・・
広島県の山奥にある小さな町「比奈町」。長年の財政赤字のために隣の備北市との合併問題で揺れている。その町役場に「類人猿課」が復活。その復活を宣言したのが、30年前に「ヒナゴンを見た!」と、その存在を今でも信じている元ヤンキーの町長(伊原剛志)。そんな町長と、東京からのUターンで「類人猿課」で働くことになった信子(井川遥)。この二人を中心として、「ヒナゴン」は果たして存在するのか、また財政赤字に苦しむ「比奈町」の運命はどうなるのか・・・ひと夏の物語としてストーリーは面白く展開する。
ストーリー的にはコメディ的なところが多くて笑えるのだが、私としては備北・西城のどこか懐かしく感じられる町並みの映像にどこかほっとしたものを覚えたし、地方の町・村がこれからどのように生き残るのか、ふるさとの町は愛すべきものだが、その一方で厳しい現実を受け入れなければならないという辛さのようなものがメッセージとして伝わってきた。そして昔も今も変わらない「信じること・・・あなたは本当にできますか?」という問いかけ。
「比奈町」の舞台となった西城町は隣の庄原市に合併されたが、ヒバゴンと西城秀樹ゆかりの地としてその名が消えることは・・・おそらくないはずである。
オールスターキャストと、地元西城の人たち、広島在住の子役たちなどがうまく溶け込んでおり、よくできた映画だと思う。原作もまた読んでみたいな。