この3連休は「爆弾低気圧」ということで北日本から東日本が大荒れの天候となった。ちょうど仙台、気仙沼を回る旅をしていたのだが、そのことはまた書くとして、7日の夜は気仙沼のホテルに泊まっていた。
酒を飲みつつテレビを見ており、ちょうど番組の替わり目だったのでチャンネルをいろいろいじるうち、NHK教育テレビの「手話ニュース」に当たる。ちょうど天候の影響のニュースをやっていたのでそこを見る。明日(8日)も引き続き影響がありそうだ。
さて、次のニュースということで「プロ野球の現役選手が、ひき逃げ事件を起こして逮捕されました」という。誰かいな?そういえばこの前は野村(貴仁・元オリックス投手)が覚せい剤で捕まったしな・・・。などと思っていると、
「逮捕されたのは、オリックス・バファローズの投手、前川克彦(登録名は勝彦)容疑者です・・・。」
思わず、酒を飲んでいる途中でむせてしまった。そして、思わず笑ってしまった。いや、笑ってはいけないんだが・・・。
前川か、ヤツなら捕まることもあるだろうなと。以前、近鉄時代にもスピード違反か何かで免許取り消しになってたはず・・・、ってまたクルマがらみか。
そして、その後今日に至るまでいろんなところでいろんなことが報道されているわけだが、段々と事件の根の深さというのが浮き彫りになってきた。
ひき逃げ、無免許運転、しかも無免許運転は昨日今日のことではなくこれまでもずっと運転していた、警察をたぶらかせてその場を逃げようとした、被害者の自転車を轢いた跡がバレないようにクルマに塗装を施した、乗っていたベンツは免許取り消し処分中に購入した・・・と。
クルマを運転する以上、事故から100%逃れられるという保証はないわけで、例えば前川が普通に免許を保持していて、被害者を轢いてしまった時に真っ先に救助に当たり、自分から警察に頭を下げて出れば、まだ「接触事故でしばらく謹慎」となる話だろう。しかし、これだけ確信犯的に、悪意を持った行いというのは弁解の余地はない。私もオリックス・ファンとして、今年こそは左腕の柱として活躍してほしいという気持ちはあるのだが、これはいけない。プロ野球選手だからという前に、一社会人として制裁を受けるのは当然である。
報道や世論の中には、「選手が運転免許を持っているかどうかを球団は確認しないのか。選手の管理責任を果たしていない」とか、「クルマを購入するときにディーラーは購入者が運転免許を持っているかを確認しないのか。クルマが売れれば無免許のヤツに売ってもいいのか」というものがあるようだが、球団やディーラーは普通、そこまで確認しないでしょう。いや、一般企業でも(運輸業における運転前点呼では運転免許証の提示を行っているが、一般的には)いちいち確認していないのが現状では?
それは何も球団やディーラーが無責任というのではなく、「クルマを動かそうとする人は免許を持っているのが当たり前で、改めて調べるまでもない」というのが世の前提にあるからではないだろうか。だからこそ、そこを無免許でやり過ごそうというのは、世の前提というか信頼を裏切ることなのである。オリックスの首脳は当初、球団首脳の処分は行わず、責任は全て前川個人にありと発表し、マスコミから非難されて撤回したそうだが、私は球団の当初の考えは当然と思う。免許管理くらい球団がするのでなく選手(というより社会人として)個人個人が自己責任で行うことでは?
前川がマウンドに戻る日があるのか、あるいはこのまま解雇→野球人生の終焉になるのかはわからないが、事の重大性を認識し、きちんとした社会的責任をとってほしいものである。