旅行記の続き。
女川から石巻を経て、前谷地に至る。ホームに降りると風が強い。ここですぐ接続の気仙沼行きの列車に乗り継ぐのだが、駅の放送で、列車が遅れているという。気仙沼からの列車が小牛田まで行き、その列車が折り返してくるのだが、気仙沼からの列車が途中強風の影響で遅れているという。そこで駅の待合室でしばし待つことに。強風が窓を叩く。外の雲が流れていくのが早い。
気仙沼からの列車がようやくやってきて、小牛田に向けて出発していった。そしてその列車が折り返してきたわけだが、この時点で50分ほどの遅れ。
しばらく登米の平野部を走り、海岸に近づく。強風は相変わらずのようで、時速20キロくらいか、そのくらいトロトロと減速して運転する。遅れは徐々に広がっていく。木々が大きく揺れ、窓枠がガタガタいうのがよくわかる。乗客も「仕方ないな」という感じでおとなしくしている。
途中の本吉駅着。この時点で1時間半以上遅れていたが、とうとうここで「強風のため抑止」となった。運転再開の目処はわからない。できれば日のあるうちに気仙沼線を乗りとおしたかったのだが、これで絶望となった。まあ、夜に一杯やるのにしかるべき時間に着けばいいかと、ボックスで横になって待つことに。この時点で乗客は10人もいなかったが、中には気仙沼に迎えに来てもらう予定だったのだろうが、「列車が止まったから本吉まで来てよ」と携帯電話で伝え、そのまま降りていった人もいた。
定時なら15時過ぎの発車なのだが、ようやく強風がおさまり運転再開となったのが18時。外の景色は見えないのだが、大谷海岸という駅名もあるくらいだから海が近いのだろう。そのため、海からの風をモロに受けたとか。ここもトロトロと走る。
結局、気仙沼には3時間の遅れで到着。結局気仙沼駅に降り立ったのは私一人だった。運転士、駅員とも恐縮しきりだった。
今夜の宿は、気仙沼駅前のホテルパールシティ。確か以前はホテルサンルートだったと思う。一度泊まったことがあり、ホテル内の居酒屋で三陸の海の幸を楽しんだものだ。今日は列車が遅れたが、一杯やるにはちょうどよい時間にはなった。
ところが、フロント氏によると今日は休みとのこと。ほかの食事処の所在を尋ねるが、気仙沼の場合、日曜と祝日が魚市場が休みなので、地元の魚をメインで出す料理屋は軒並み休むとのこと。そういえば前に来たときは土曜日だったような気がする。また全国チェーンの居酒屋やファミレスも近くにはなく、それならば仕方なく、風の中を10分ほど歩いてコンビニの世話になる。コンビニなのでもちろん地元の魚を置いているわけはないのだが、気仙沼の地酒「両国」に「男山」の冷酒があったのでよしとする。
先の記事にある、オリックス前川投手の逮捕を伝える手話ニュースを見たのは、コンビニから帰って、「両国」を湯呑みでやっていた時のことだった・・・。(続く)