まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第19番「鞍馬寺」~新西国三十三所めぐり・9(白龍園見学)

2016年05月10日 | 新西国三十三所
そもそも「鞍馬寺に行きました」という記事なのだが、鞍馬寺に行くまでが主目的になったかのような今回の札所めぐりである。朝の5時半に自宅を出て、8時前に出町柳に着いて、駅で1時間以上待って観覧券を購入して、叡山電車に揺られて・・・9時45分に二ノ瀬駅に到着。ここまでですでに4時間が経過している。

それはさておき、静かな山里の駅である二ノ瀬で下車し、静かな集落を5分ほど歩くと白龍園の入口に着く。開門は10時からということで、やってきた10人あまりの人たちとしばらく待つ。

開門まで少し時間があるので少し歩くと、叡山電車の鉄橋に出る。先ほど、「青もみじのトンネル」として抜けてきたところだ。ならばということで、そのトンネルを行く列車を下から見上げたところをカメラに収める。まあ、撮り鉄は専攻分野ではないのでこの程度の図であるが。これも紅葉の時季なら実に見事な景色となるのだろう。

10時に「お待たせしました」とゲートが開けられる。待っていた人は粛々と入場すると、次の瞬間からこれでもかというくらいカメラでいろんなものを撮影する。

まず観覧者を出迎えるのは大きな石灯籠。元々江戸時代に上野の寛永寺に寄進されていたものを後に譲り受けたものだという。ここにも苔ができており、風格を感じさせる。

そして庭園へ。一面青もみじが映えており、石段を含めて苔むしている。

園内には五つの東屋がある。中に入るとちょうど外枠が額縁の枠の役目となり、その間から飛び込む緑が何とも言えない。今の青もみじでこうだから、紅葉の時はもっと見事に映るだろう。一般に公開されているところなら、この東屋の中も人でごった返すことだろう。

電車の音が聞こえる。先ほどの「青もみじのトンネル」のすぐ横が白龍園である。木々の間に電車が通る様子も見える。

この白龍園の「白龍」だが、山の祭神である「白髭大神(商売繁盛)」と「八大龍王(不老長寿)」からそれぞれ一字をいただいた。庭園の奥には神社があり、参拝することができる(祠は撮影禁止)。山々に神仏が宿るとされている鞍馬の風情によく合っている。その参道の奥に入ることはできないが、苔むした石段や灯籠が神秘的な風情を醸し出している。

元々は何もないただの山だったそうである。ここをおよそ50年前に譲り受けた青野株式会社の創業者は、山を整地し、石を配置したり東屋を建てたりして、庭園の整備を自らと従業員の手で行った。そして当初は限られたゲストだけに公開していたそうだ。それはそうと、そもそもここに庭園を造ろうという発想に至ったのはどういうことからか。また庭を造るのならプロの庭師に依頼するところを、社長自ら、そして従業員の手で一から造ったのはなぜか。案内には書かれていないが、何か社是を反映しているとか、社員教育の一環といったものが背景にあるのかもしれない。ただ、この庭園を造った青野株式会社のホームページなどを見ても、その手がかりはわからなかった。

後の列車でやって来た人もいるが、朝の時間帯では30人もいない数の観覧者で、混雑することもなくゆっくりと散策することができた。朝から並んだだけのことはある。こうなると今度は紅葉の時季にどのような風景になるのかが気になるが、もし訪れることができればまた来たい。もっとも、秋は早くから出町柳駅に行列ができるそうだから、無事100人の中に入れるかどうか。

1時間ほどの観覧を終え、お腹いっぱいになった感じもしつつ二ノ瀬駅に戻る。そうそう、本日の第一の目的地である鞍馬寺に向かうのである。ここからが札所めぐりの本題ということで・・・・。
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