まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第16回中国観音霊場めぐり~第25番「鰐淵寺」への道

2020年11月29日 | 中国観音霊場

11月23日、出雲市駅前のホテルにて目覚める。この日の島根県の天気予報は曇りと出ているが、秋から冬に差しかかる時季、山陰の天気はコロコロ変わりやすい。

前日は広島から移動するのに三江線の廃線跡をたどり、その記事が多くを占める形になったが、ここからが本番である。今回は第24番の禅定寺、そして第25番の鰐淵寺が目的地だが、道順としてまずは日本海に近い鰐淵寺を訪ね、雲南にある禅定寺はその後で参詣してそのまま広島に戻るつもりである。

ところで鰐淵寺だが、読みは「がくえんじ」である。

ホテルでバイキング形式の朝食を済ませ、7時前に出発。直線距離では10キロもないところだが、道路はつながっていない。いったん雲州平田方面に行き、日本海に出た後に山道を戻るというルートである。まずは雲が覆う中、平野の向こうに昇る太陽を見る。

鰐淵寺に向かう道中、またいらん話をする。

当初、中国観音霊場を回るにあたっては、できるだけ公共交通機関を使うことにしていた。全体のシミュレーションをする中で、今回の鰐淵寺、そして禅定寺は厳しかった。鰐淵寺へは一畑電鉄の雲州平田から出雲市生活バスというのが出ているが、これが難所だった。

平日ならばまだ日中で5往復あるので何とかなるが、土日祝日となると1日3往復しかバスがない。前回訪ねた第26番の一畑寺へのアクセスと似たようなものだが、それよりも厳しい。鰐淵寺参詣に使えるのは事実上以下のコースしかない。平田駅11時39分発の始発のバスで向かい、12時02分に鰐淵寺の駐車場に到着。14時48分発の唐川車庫行きに乗り、終点から折り返して15時02分発、そして平田駅に15時28分に着く。行きと帰りで経由地が違うのは、変則リバースの運行形態なのだろう。

大阪にいる時は、この鰐淵寺、そして後に出てくる禅定寺は平田に泊まって「1日1ヶ所ずつ」で行くことになるのかなとも思っていた。あるいは平日2日の年休を取得するか。・・・ただ、そこまでするなら、ここまで既に乗っているのからレンタカーでええやんという気になっていた。

結局は、私が広島に移ることになったこともあり、今回は自宅から全部クルマ移動ということで落ち着いたのだが・・。

海に出た。この辺りもちょっとした湾になっている。対岸には風力発電の風車も林立する。ちょっと停めて写真を撮ることができるのも、クルマ巡礼のメリットである。標識の向こうには十六島の表示がある。

小さな港、夏は海水浴の客もいるのか民宿やシャワーブースもある中、表示に従って鰐淵寺に向かう。ここで再び進路は南へ、そして急な坂を上る。

やって来たのは鰐淵寺の駐車場。寺へはこの先数百メートル歩くのだが、クルマはここまでである。例年この時季に「紅葉祭り」が行われていて駐車場も混雑するようだが、さすがに朝の8時前では数えるほどしか駐車していない。早い時間に来てよかった。

駐車場に案内板があるが、その一角に「武蔵坊弁慶修行の地」の石碑がある。その案内に、「仁平元年(1151年)現在の松江に生まれた弁慶は18歳より三年間鰐淵寺で修行した」とある。

あれ?弁慶は紀伊田辺の生まれではなかったのかな?

もっとも、弁慶という人物じたいが謎に覆われたところの多い人物で、「生まれた」という言葉の定義づけも含めると、いろんなところに言い伝えが残るのも無理はないだろう。ひょっとしたら出雲にも力自慢の荒法師がいて、そうした人物も含めた称号が「弁慶」だったのかもしれない。

寺の境内については次の記事にて・・・。

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