まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記・交流戦カープ対バファローズ第3戦@マツダスタジアム(雨天の接戦、バファローズ、カープともに勝率5割へ)

2022年06月07日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

交流戦のバファローズ対カープのカードというのは私にとっては楽しみである。これまでにも乱打戦あり、接戦あり、鈴木誠也の「神ってる」あり,、1イニング4本の三塁打あり・・旧広島市民球場、京セラドーム、神戸、マツダスタジアムとさまざまな球場で生観戦したが、私が2回目の広島勤務となって初めて、マツダスタジアムでの観戦である。広島在住としてバファローズをお迎えするということで、日程が発表されてからずっと楽しみにしていた。

ただ、マツダスタジアムのチケットがなかなか取れない。プレイガイドの公式サイトにて何とか6月4日、5日の席は確保したものの、もう少し見やすい席を求めてチケット売買サイトをずっとチェックしていた。その結果、(それなりのコストはかかったが)条件のよい席を入手できた。しかしながら4日の第2戦は仕事の都合で行くことができなくなり、5日の第3戦のみということになった。

カード第1戦は4対1,そして第2戦は3対2でいずれもバファローズが勝利。2018年以来、これでカープ相手に11連勝である。逆に、私が観戦したことでその連勝が止まりやしないかと変にびくびくする。そして5日は昼過ぎから雨の予報で、朝は降っていなかったので試合は無事行われそうだが、途中で中断、降雨コールドとならないことを願う。

JR広島駅へ。ICOCAのエリア拡大のPRに起用されているバファローズ杉本のポスター、等身大パネルはまだ健在である。ここに杉本の昇天ポーズ起用されているとは、関西から広島に遠征のバファローズファンの皆さんがかえってびっくりしたのではないだろうか。前日は本塁打を放って昇天ポーズを決めたが、この日はどうだろうか。

スタジアムに向かう。手前に見えるのはマツダスタジアムでの試合日限定で赤く変色する「NIPPON EXPRESS」のロゴ。実際のカラーは青と薄緑なのだが、スワローズのチームカラーを連想させるのはいかがなものかと、試合日限定で赤く染めている。その手前の東横インもネオンが青から赤に変わるし、ローソンは普段から赤色のロゴになっている。地元密着というのはそういうことである。優勝しても地元関西ですら祝福されなかったバファローズのファンとしてはうらやましいことだ(だから、「市民球団」カープに対しても複雑な思いを持つのだが・・)。

ちょうどスタジアムに着いたのに合わせて雨が降り出し、レインコートをかぶって三塁側S指定席に陣取る。

内野グラウンドはシートで覆われていて、バファローズの選手たちはその周りでアップ中である。練習風景を見ることができるぶん、ビジターチームのファンとしての観戦の楽しみがある。

そうこうするうちに試合開始が近づき、シートも外される。

両チームのスタメン発表。バファローズは吉田正がベンチ入りを外れた。前日の併殺打を防いだ走塁があったが、やはりまだまだ無理はさせられないというところだろう。杉本、マッカーシー、T-岡田のクリーンアップである。一方カープは小園がスタメン落ち、西川が登録抹消。

カープの先発はアンダーソン。福田、杉本から三振を奪うなど上々の立ち上がり。

一方のバファローズ先発の宮城も初回は三者凡退。2回は坂倉に四球を与えるも後続を断ってゼロに抑える。

雨はずっと降っており、イニングごとにマウンド、ベース上に砂が入れられて整備が行われる。今後雨が強まるとの予報も出ており、両チームとも先制して雨で逃げ切り?も頭に入れていることだろう。

その先制点はカープ。3回、先頭の上本がヒットで出塁。続くアンダーソンが送りバントを決め、野間がセンターへのヒットで一死一・三塁とチャンスを広げる。ここで菊池は空振り三振となったが、中村奨がセンター前に転がして1点が入る。

3回までアンダーソンの前に三者凡退が続いたが、4回先頭の福田がヒットで初めてのランナーが出ると、宗が同様に送りバント。ここで杉本がレフト前へ。足元が悪い中福田が激走して生還、送球の間に杉本も二塁へ滑り込んだ。ユニフォームも泥だらけだが、これで1対1の同点に追いつく。後続が倒れたのは残念だが・・。

直後の4回、カープは一死から曾澤の当たりは三塁へのボテボテのゴロ。宗が拾い上げて矢のような送球で一塁アウト。佐々岡監督から物言いがつくが、ビデオ検証の結果判定は変わらず。カープはこの後、堂林、上本の連打でチャンスを作るも、打順がまわったアンダーソンが三振となり無得点。カープとしては打順の巡り合わせが・・。

5回表、先頭の伏見がヒットで出塁。続く野口はバントの構えだが、右足への死球でチャンスを広げる。次の紅林にはどうさせるのかな・・と見るがそのままヒッティング。しかし力のない内野フライで一死一・二塁。続く宮城はさすがにバントの構えだが、バスターを仕掛ける。さすがにバスター作戦は当たらず、こちらも力のないファウルフライ。福田も倒れて無死一・二塁から勝ち越しのチャンスを逃す。もったいない。

5回裏は宮城が三者凡退に打ち取り、とりあえず雨の中試合は成立した。

6回裏、先頭のマクブルームがヒットで出塁。そして坂倉が左中間への当たりを放つ。これがタイムリー二塁打となり、カープが2対1と勝ち越す。この試合、アンダーソンの調子がよいものだから大きな勝ち越し点で、さすがにこのままカープが行くかな・・と思った。

カープは続く曾澤の内野ゴロの間に一死三塁として、次は堂林。犠牲フライでももう1点というところだが、ここは宮城が三振に打ち取る。次はここまで2安打の上本だが、バファローズベンチは申告敬遠とする。上本が宮城に当たっているのと、次がアンダーソンということでそこで攻撃を切るためだろう。

しかしカープはアンダーソンに代えて、代打にルーキーの中村健を出す。あくまでもう1点を取りに来たか。その中村も起用に応えようと何球もファウルで粘るが、最後は内野フライに倒れる。2対1とカープがリードしたが、アンダーソンが交代となったことがバファローズにとって良いほうに転ばないかと、わずかな期待を持つ。

7回表のカープのマウンドには左腕の塹江。9回は栗林という絶対的な抑えがいるので、7・8回をどうしのぐかが、カープが開幕当初好調だった時からの課題。

その塹江、先頭のT-岡田にストレートの四球。スタンドにもざわつきが起こる。続く伏見は送りバントの構えを見せるが、ボールが続き結局は四球で無死一・二塁とチャンスを広げる。期待が一気に膨らむ。カープは塹江をあきらめ、ケムナにスイッチ。

続く野口は送りバントを決めるが、曾澤の一塁への送球が少しそれてベースカバーの足が離れたとしてセーフ。無死満塁と絶好のチャンス。これはいくら何でも1点は入るだろう。逆に、ここで0点だったらバファローズの負け。

ここで紅林に代えて、安達が登場。このベテランなら何とかしてくれる、何とかしてほしい・・。そう思っているとおっつけた打球はライトへ。2点タイムリー二塁打となり、3対2と一気に逆転する。

次の宮城への代打・中川圭は見逃し三振に倒れたが、続く福田がスクイズを決める。これで4対2。さらに宗の内野安打でもう1点入る。5対2と、一気にバファローズが有利となった。これでアンダーソンの勝ちが消え、逆に宮城に勝ち投手の権利が出た。宮城は先ほどは三塁側でこの後の打席~さらには8回の登板に向けて肩ならしをしていたが、ここでベンチに下がり、T-岡田とともに戦況を見守る。

7回裏、宮城に代わって近藤が登板。先頭の野間にいきなり3ボールとして、先ほどのT-岡田と同じようになりやしないかとヒヤヒヤしたが、次の投球でストライク(野間はボールと思って一塁に歩き出す)、もう1球ストライクとして最後はボール球を空振り三振。反撃の芽を摘んで、この回を三者凡退に抑える。雨がずっと降っていることもあり、7回あたりから席を立つ人が出始めた。

8回はカープがターリー、バファローズが前日見せ場を作った本田がそれぞれ三者凡退に退け、試合は9回へ。

9回裏には平野が登板。3点差、カープは下位打線ということで、先頭の代打・宇草に四球を与えるも、代打・松山(なぜこんな場面で出てくるかな?)も含めて後続を断ち、そのまま5対2でバファローズの勝利。三塁側内野席からもところどころからパラパラと拍手が起こる。

これでバファローズの対カープ交流戦連勝が12に伸びた。両チームの交流戦の成績はバファローズが7勝5敗、カープが3勝9敗となり、いずれもシーズンの勝率がちょうど5割になった。ただ同じ勝率5割でも、バファローズは1ヶ月ほどで借金を返済しての5割に対して。カープは開幕以来の貯金が底をついての5割である。ネット上では、カープファンのボヤキというのか、佐々岡監督の采配への批判の声も出ている。アンダーソンの交代、7回の塹江の起用に対するものも多いが、この投手交代のタイミング(打順との兼ね合い)というのも、セ・リーグ野球の面白さであり、難しいところなのだなと感じたところである。

・・それはいいが、マツダスタジアムで、ビジターチームのヒーローインタビューの音声を場内に流さないというのはええ加減に改善してほしい(ビジターパフォーマンス席を長崎の出島のように押し込める行為も含めて)。まして、パ・リーグチームにそれをやられると、また私の腹の中で「広島はパ・リーグを見下しやがって・・・」という怒りの気持ちがふつふつと湧いてくる。まあ、広島の人がそういうメンタリティなのなら、それまでのことだ。

スタジアムを後に広島駅に向かう。皮肉なもので、試合終了とともに雨も小降りになった。このままユニフォーム姿で山陽線~広電と乗り継いで帰宅しよう・・・。

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