まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

歌舞伎俳優ってうらやましい職業ですね

2022年08月26日 | ブログ

何をやっても庇護されますから。

梨園だかリンゴ園だか知らんけど・・・

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第16回中国四十九薬師めぐり~第30番「覚天寺」(十三佛に祈りをささげる終戦の日)

2022年08月26日 | 中国四十九薬師

中国四十九薬師めぐりから九州八十八ヶ所百八霊場めぐりへという強欲な札所めぐり。8月15日、山口大学近くの第27番・廣澤寺に参詣してそのまま下道を走り九州入りする予定だったのだが、近くを通るということで、第20番・覚天寺にも立ち寄ることにした。

新山口駅の西で国道2号線バイパスに出て、厚東駅から宇部市の船木地区に差し掛かる。途中、サイドカーにも遭遇する。

いったん国道2号線を離れて南に向かう。この辺りはかつて船木鉄道という軽便鉄道が走っていた。船木じたいはかつて山陽道の宿場町として栄えていたが、明治時代に開通した山陽鉄道(現在の山陽線)は船木を避けて南に迂回するルートを取った。そのため、現在の宇部駅とを結ぶ軽便鉄道として敷かれたのが船木鉄道である。船木周辺には小規模な炭鉱が点在しており、石炭を運ぶ役目もあった。しかし戦後となり、石炭産業も衰退したことから鉄道は廃止、現在は船木鉄道バス、略称船鉄バスとして、宇部市、山陽小野田市、美祢市で路線バスが走っている。

これから目指す覚天寺だが、山陽線の小野田駅から船鉄バスで10分ほどの中村バス停から徒歩とある。バスの時刻表を見ると1時間~1時間半に1本の割合で運行されていて、中国四十九薬師めぐりにあって公共交通機関で訪ねることができる札所として紹介しておく。

大休団地が広がる一角を抜け。その奥に覚天寺がある。さらにその奥には墓地も広がっているが、門の手前に軽自動車を停める。

覚天寺が開かれたのは室町時代。瑞松庵の守邦和尚がみずからの隠居所として大休寺として建立した。その後衰えたが、江戸時代になり、毛利氏家臣の宍戸広貞がこの地を治めることになり、菩提寺とした。明治時代になり宍戸氏が治めることもなくなり一時廃寺となったが、地元の人たちが長門の国にあった覚天寺をこの地に移すことで受け継ぎ、現在に至る。

本堂の前にはロープで仕切られた一角があり、「丹後守就俊の宝篋印塔」とある。江戸時代初期に長州藩の重臣として毛利氏を支えた宍戸就俊のことで、この宝篋印塔は没後150年の追善供養で建立したという。

本堂に上がる。ちょうど広間の一角では地元の檀信徒らしき人たちがお話の最中。その中を会釈してお勤めとする。

書き置きの朱印も本堂の上り口にあったのでそのままいただく。すると寺の人がやって来て、「暑い中ご苦労様です」と声をかける。「荷物になるかしら」といいつつも、お参りのお接待プラスお盆のお接待ということで、お菓子にティッシュ、さらにクールタオルもいただく。水に濡らして首に巻くと冷んやりする・・というやつである。

先ほど山門をくぐる前に、境内の奥に十三佛が祀られているという看板を見た。せっかくなのでお参りしようと言うと、「暑いので気を付けて」と言われる。

裏の墓地を抜けて少し坂を上ると、十三佛のエリアに出る。ただ現在整備中なのか、歩道のコンクリートも途中までしかなく、後は木々がまばらに生えていたり、道なのか草むらなのかよくわからない一帯を歩く。十三佛には一応順番と言うのがあるが、そこは順不同にたどることになった。もっとも、十三佛といえは境内の一角に横並びに祀られることが多く、こうして写し霊場のように点在して祀られるのは珍しいという。

とりあえず一帯をぐるりと回る形で、一応十三佛全てに手を合わせることはできた。そして境内に戻り、山門を後にして軽自動車に戻る。出発しようとエンジンをかけると、寺の方が走って来た。「ああ、無事に帰って来ちゃった」と笑いながら、ペットボトルのお茶を差し出してくれる。そこまでハードなところとは思わなかったが・・。

ペットボトルはこの先の道中でいただくとして、軽自動車を出発させるとちょうど12時である。8月15日の正午ということで、別に周りで鐘やらサイレンが鳴るわけではないが、一応終戦の日ということでちょっと手を合わせる。今こうやって札所めぐりを楽しめるのも平和があってのことで、現実にはこの瞬間もゴタゴタが起こっているのだが一時でも気持ちを落ち着かせ、過去を振り返ることがあってもよいと思う。

さて、正午に覚天寺を出発して、次の目的地は九州。九州八十八ヶ所百八霊場百八霊場の第8番・隆照寺である。福岡市の東、宇美町にあるのだが、カーナビで一般道経由で検索すると到着予定時刻は16時を回る。カーナビの設定なので実際に走る中で予定時刻も繰り上がるだろうが、途中どこかに寄り道して・・とはいかないだろう。その後の都合上、隆照寺を含む一帯は15日中に回っておきたいところだ。ともかく、下道をひた走ることにしよう。

国道2号線に戻り、厚狭埴生バイパス~小月バイパスと走る。少し寄り道すれば貝汁が名物の「ドライブインみちしお」がある。出発前はここで昼食というのもいいかなと思っていたが・・。まあ、この辺りはまたドライブで訪ねることもあるだろう。

やがて国道2号線は関門トンネルへと続き、覚天寺から40分あまりで入口までやって来た。軽自動車の通行料金は110円。

海底をくぐり、福岡県に入る。次からは記事のカテゴリは九州八十八ヶ所百八霊場として、まだまだ長々と続くことに・・・。

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