まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都19番「相国寺」~神仏霊場巡拝の道・25(大本山の朱印は夏休み・・)

2022年08月15日 | 神仏霊場巡拝の道

御領神社から住宅地の中を抜けて5~6分歩くと、相国寺の北門に出る。ここから先が境内ということで関係者以外の駐車禁止との表示がある。表門に当たる総門は境内の南側にあるが、地図で見るとかなり広く感じられるが、現在の面積は約4万坪あるという。この広さは東京ドームもしくは甲子園球場3個分だそうだ(こういう時のたとえに東京ドーム、甲子園球場、そして地元広島ならマツダスタジアム○○個分・・という言い方がされるが、こういう例えに京セラドーム大阪が入らないのが悲しいのだが・・)。

相国寺といってもそれ単独ではなく、現在は10数ヶ所の塔頭寺院が含まれているという。その中を北から南に進む。

相国寺に来るのは初めてである。臨済宗相国寺派の大本山であり、観光名所として有名な鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)は相国寺の山外塔頭である。それらを傘下にするほどだから、臨済宗のボス的な存在である。観光は金閣・銀閣に任せて大本山は禅の道を追求するとか。

相国寺は室町時代に足利義満が花の御所に隣接して一大伽藍を建立したのが始まりで、開山を夢窓疎石とした。寺の名前は、義満が任じられていた左大臣(当時)が中国名で「相国」と呼ばれること、当時の明の国で五山制度を整えた大相国寺という寺院があることからつけられたとされる。相国寺はその後、義満が定めた京都五山の一つに列せられた。中国の大相国寺も今に続いているそうで、2つの寺は友好寺院の締結をしているとある。

先ほど、相国寺の面積を約4万坪としたが、10年がかりで建立された当時は何と144万坪あったという。東は寺町通、西は大宮通、南は一条通、北は御霊神社まで続き、50あまりの塔頭寺院があったという。東京ドームの数が100個にまで増えた。まさに室町幕府が全盛を迎えていた時の象徴的な寺院だったと言える。しかし、その後何度も火災に遭ったり、応仁の乱、戦国の争いに巻き込まれたりして焼失と復興を繰り返した。

現存する本堂にあたる法堂は豊臣秀頼により建立されたもので、その他の建物も江戸時代以降に再建されたものが、明治時代になると廃仏毀釈の影響を受け、多くの塔頭寺院も廃絶や統合を余儀なくされ、規模は大幅に縮小した。

現在の相国寺はといえば、毎年春と秋に特別拝観という形で法堂、方丈、開山堂を公開している。また併設する承天閣美術館にて相国寺が所有する数多くの文化財の展示を見ることができる。今は特別拝観の期間ではないが、せめて法堂にて手を合わせよう。本尊は釈迦如来である。久しぶりの寺・・とはいうものの、臨済宗は・・というか本山としての相国寺は、西国三十三所や四国八十八ヶ所のようなスタイルでお参りするのとは一線を画しているようだ。法堂の前にろうそくや線香立てがあるわけでもない。

さて、朱印である。境内の案内図によれば、この奥の庫裏に入り、「本山」のインターフォンを押して係の人を呼ぶ仕組みとあるのでそちらに向かう。しかし、扉が閉まっているのはさておき、その入り口のところで無情にもこのような貼り紙を見た。「8月21日まで 朱印 お休み致します(ご用のある方は8月22日以降にお願い致します)」・・・。

はぁ・・・私が回っている「ローカル札所」ならまだしも、京都のど真ん中にある大寺院で朱印が「休み」とは全く想定していなかった。後でわかったのだが、相国寺の朱印は春と秋の特別拝観時は随時受け付けるが、それ以外の時期は庫裏でインターフォンで寺の方を呼び出すとある。まあ、呼び出すのは別によいとして、その場合も日曜日は休みだそうだ。今回8月7日の日曜日に来たのだが、係の人が長い夏休みにでも入ったのかな。

ならば、境内にある承天閣美術館に行こうと思ったが、ここも企画展示の会期中のみ開館とある。しかも間が悪いことに、翌日8月8日から次の企画展「武家政権の軌跡‐権力者と寺」が開催とある・・。

これだと、一応法堂の外でお勤めはしたというものの、神仏霊場めぐりの札所クリアとはならない。ノーカウントとして、時期を改めることにしよう。ちなみに次の特別拝観は9月17日~12月11日という(一部は法要のため拝観休止)。

南にある総門を出ると、先ほどの瓦ぶきの建物から一転してレンガ造りの建物が目に入る。同志社大学の今出川キャンパスだ。この場所も元々は相国寺の敷地だったところ。さらに南には京都御所も見える。こういう場所にキリスト教を理念とする学校ができたのも妙なものだが、相国寺は廃仏毀釈の影響で勢力も衰えていたし、御所も天皇や公家が東京に移っていて空っぽだったことも作用したという。

その同志社大学ではちょうどオープンキャンパスが行われており、地下鉄の今出川駅を含めて多くの高校生や保護者らしい人が出入りしていた。

さてこの後だが、ちょうど同志社大学の向かいに神仏霊場京都18番の大聖寺がある。地下鉄に乗る前にここだけ立ち寄り、そして次回の行き先を決めることにしよう・・・。

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