8月15日、午前中は中国四十九薬師の山口県内の4つの札所を軽自動車で回り、国道2号線で関門トンネルをくぐっての九州入り。ここからは第3回の九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの記事である。
九州八十八ヶ所百八霊場については札所番号もいろいろ入り乱れているので、エリアごとに回ることにしている。今回はまず福岡の糟屋郡一帯が目的地で、まずは宇美町にある第8番の隆照寺を目指す。とはいうものの、起点となった宇部市の覚天寺からカーナビで一般道走行の条件で検索すると4時間あまりかかると表示される。覚天寺を出たのが正午すぎだが、寺の開門時間を考えるとどこかでのんびり昼食とは行かず、下道をひた走ることになりそうだ。
さて軽自動車は関門トンネルを抜け、門司港一帯を過ぎる。門司港レトロや門司港駅、九州鉄道記念館といった魅力的なスポットへの標識が目に入り、思わずうなる。これらに立ち寄りたいところだが今回は素通り。まあ、北九州市の札所もいくつかあるので、それらと組み合わせて訪ねることができればよいのだが・・。
門司港から小倉までの国道3号線は関門海峡を見下ろすところを走る。右手には海峡を挟んで下関の市街地が広がる。関門は私の好きなエリアの一つなのだが、実際に住むとなると下関側、門司側どちらが適しているのかなと考える。
小倉駅近辺はやはり交通量も多く、信号で引っかかることも多くなった。宇部から宇美まで4時間もかかるのかと思い、カーナビの到着予想時刻は途中で早まることが多いのだが、北九州市街に入っても縮まる様子がない。下関側までは順調に走って来たが、短縮したぶんをここで一気に吐き出す形である。国道3号線と国道10号線が分岐する三萩野交差点あたりはなかなか進まない。
三萩野といえばモノレールの駅があり、北九州市民球場にも近い。北九州か・・・前の広島勤務時、北九州で「ダイエー対近鉄」という試合も観に行ったなと思い出す。近鉄の2年目・岡本晃投手のプロ初先発・初勝利だった。今は九州アジアリーグの北九州球団もできたことで、また機会があれば観戦したいものである。
それにしても九州に入ってから怪しい雲が広がるようになり、3号線を走っていても天気が急変する。晴れ間が出たかと思うと、急に強い雨が落ちることも。この先大丈夫かと思う。
遠賀川を渡ったあたりから走りもスムーズになってきた。また、先ほどの雨雲も抜けて空も明るくなった。バイパス区間もあり順調なのだが、福岡県も結構広いものである。
途中、ラーメンやうどんの名店も数多く通過しており、あまり考えずにその辺の店に入ればいいものの、まだまだ先が長いことや、駐車場が満車に見えたり、そうかと思えば入れそうな店を見逃して気づけば通過した後だったりと・・・結局食いそびれる。まあ、私の場合なぜかどこかに出かけると昼食が欠食になることが多く、今回もそのケースかなと致し方なく受け入れる。その分夜はしっかりと・・・。
古賀市まで来て国道3号線に別れを告げて県道に入る。今度は九州自動車道に近い県道35号線を走る。
この日の宿泊地近くのJR篠栗線門松駅近くを通過する。そのまま、JR香椎線の終着駅である宇美駅横を通過する。そして案内に沿ってまだまだ軽自動車を走らせ、ようやく隆照寺に到着。途中、昼食はおろかトレイ休憩をすることもなく国道~県道を走ったが、結局着いたのは15時45分頃。4時間は切ったが、それでも時間はかかった・・・。
九州八十八ヶ所百八霊場のほかに、九州二十四地蔵霊場の札所でもある。寺の他に納骨堂、墓地も有している。
隆照寺は、須恵で加持祈祷を行っていた隆照和尚の後を継いだ弘隆和尚が1968年に現在地に建立したのが始まりである。ちょうど宇美の町を見渡せる高台にある。本尊は大日如来だ。
ところで朱印だが、九州八十八ヶ所百八霊場については専用の納経帳を持参している。あらかじめ各札所の墨書きが印字されていて、朱印だけ押すタイプ。寺の人が不在の場合はセルフで押印することになるが、本堂を見渡しても朱印は見当たらない。そこでいったん本堂の外に出て、改めてインターフォンで寺の方を呼ぶ。朱印は別の間にあり、無事にいただくことができた。
15日のうちに隆照寺を押さえておけば翌日の行程も楽になるなということで、ノンストップでやって来たが、寺そのものはそれほど時間がかからずに参詣を終えた。逆に時間があまった形だが、ホテルにチェックインするにはまだ早い。ならばせっかく来たので、宇美の有名な神社に参拝してみようと思う・・・。