まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第24回中国四十九薬師めぐり~「スーパーやくも」にて「吾左衛門鮓」の丸かじり

2023年03月11日 | 中国四十九薬師

今回の中国四十九薬師めぐりを終え、予定より早く、米子14時25分発の「やくも20号」にて出発することにする。

列車の発車まで少し時間があるので、境線ホームに行ってみる。ちょうど境港からの列車が到着したところで、「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するキャラクターが描かれた車両が目を引く。境港は「鬼太郎」の作者・水木しげるの出身地で、今や漁港というより妖怪の町として人気を集めており、そのアクセスとなる境線も妖怪を前面に出している。札所めぐりでは境港に行くことはなかったが、また訪ねてみたいところだ。

そうするうちに「やくも20号」が入線。薄紫色の車体に、紫と赤の帯をまとった「スーパーやくも」の復刻塗装である。「スーパーやくも」とは、かつて「やくも」のうち速達列車につけられた名前。また、「やく20号」は6両編成だが、「スーパーやくも」色はそのうち4両だけで、中間の2両は現在の「ゆったりやくも」塗装である。近いうち、この2両も「スーパーやくも」色になるそうだ。

その一方で、2024年からは新型車両への置き換えが始まる。旧国鉄特急色もそうだが、これらに乗っておくのも今のうちである。

さて、米子市街を回る中で昼食がまだだったのだが、特急に乗るということで「飲み鉄」を兼ねて遅い食事とする。駅外の土産物コーナーにてアテとともに購入したのが「吾左衛門鮓」(鯖)。米子の名物駅弁である。江戸時代、廻船問屋を営んでいた米屋吾左衛門が、船子たちの航海の安全を願い、酢飯の握りに鯖の切り身を載せ、ワカメで包んだ弁当として持たせたのが始まりという。後に改良が重ねられ、現在の鯖の押し寿司に昆布を巻いたものになった。米子駅の改装前には1階の待合室とホームとの間に駅そばの店があったが、そこでそばと吾左衛門鮓のセットを食べたのを思い出す。

さて、箱から出してみる。昆布を巻き、さらにラップで包んだ一品が出てくる。イメージ写真のような切り身ではなく丸のまま一本である。こういう場合は、のこぎり型のギザギザがついたプラスチックのナイフで自分の好みの厚さに切って食べることになる。

・・ただ、そのナイフが入っていない。改めて箱の中を見るが、あるのは割りばしとお手拭き、醤油である。まさか入れ忘れがあったとか?

こうなるとどうするか・・・思い切って、そのまま恵方巻みたいに頭からがぶりとやった。丸かぶりした吾左衛門鮓を片手に、缶ビールをグィッとやるのは傍から見るとお行儀のよくない図だが、仕方ない。他の駅弁と一緒に売られていたのだから、「やくも」などの車内で食べることは想定されているはずなのに、ナイフがないとは・・。

後で旅のブログや動画などを見ると、プラスチックの削減のためにあらかじめ箱には入れず、駅弁として車内で食べる場合は店員からナイフをもらう必要があるという解説が出てきた。そうだとすれば、私の場合、他の土産物と一緒に買ったから自宅用と判断されたのかもしれないが、そんなルールは聞いていないぞ。今後は注意が必要だ。今回、「吾左衛門鮓」だからまだ丸かぶりできたが、これが富山の「ますのすし」だったらどうなっていたか。

「吾左衛門鮓」と格闘するうち、左手に大山が見えてきた。朝の「サンライズ出雲」、そして先ほど米子城跡からそのくっきりした稜線を遠くに見たが、この日最後にもう一度眺めておく。改めて、「伯耆富士」の名にふさわしいなと思う。

この後は車窓を楽しむ。日野川沿いに走るが、外もこれから春の訪れである。

岡山県に戻り、新見からは高梁川沿いとなる。

16時39分、終点岡山に到着。改めて、私が乗っていた先頭の6号車から編成を順番に見て、途中の「ゆったりやくも」塗装の車両も見る。塗装の違う車両が混在して走るのも、一昔前ならよくあることだったと思う。最後に展望車タイプのグリーン車に出たが、一度はこの車両にも乗ってみたいものだ。

この時間、ちょうど大衆酒場「鳥好」は開いている。前日に続けて行こうと思えば行けるが、それはまたのお楽しみとして、この日はこのまま新幹線に乗り継ぎ、広島に戻る。

さて、中国四十九薬師めぐりは今回で40番まで到達し、残りは9ヶ所である。改めて各寺院の紹介を見たが、それぞれに歴史があり、また広島から遠くて交通の便が必ずしも良いとはいえない鳥取県をどう回るかが楽しみである。必然的にクルマ、もしくはレンタカーの登場が多くなりそうな気がするが・・・。

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