このところ情報番組でもっとも取り上げられているのが野球のWBCである。連日、大谷、ヌートバーといったところの活躍が話題をさらっている(地味に、レッドソックスの吉田もいいところでタイムリーを打っているし、山本も好投を見せたがあまり取り上げられないなあ)。
私も野球観戦は好きだし、日本代表の活躍を願っているのだが、実は中継そのものは見ていない。開始時間も遅いので仕事が終わって帰宅してもまだ試合は続いているのだが、メディアのああいう騒ぎ方(ニッポン!!ニッポン!!というノリ)が好きではないのだろう(サッカーのW杯やオリンピックなども同じ理由。特に、2021年の東京五輪については、テレビのニュースがその関連になるとテレビを切っていたくらいだ)。
そんなひねくれた感のある私だが、WBCの陰には隠れているが、プロ野球もオープン戦真っただ中で、シーズンの開幕は楽しみにしている。そして、バファローズ戦を大阪でせめて1試合だけでも観戦しようと、3月12日に行われたバファローズ対ファイターズ戦に出向いた。
2022年のクライマックスシリーズ以来の京セラドーム大阪である。この日は午前中に神仏霊場の札所めぐりを行った後で、球場入りしたのも試合開始に近い時間だった。コンコースには、2022年に日本シリーズで勝利し、ペナントを手にした全員の記念写真がデカデカと飾られている。改めて、日本一になったのだなと実感する。
オープン戦ということで、普段は購入しにくい1階のグラウンド近くの席に陣取る。まあ、この試合では上段席が閉鎖されていたのだが・・。ちょうどスタメン発表が始まったところだ。先攻のファイターズは1番にドラフト1位の矢澤が入る。この日クリーンアップは万波、野村、清宮といった若手。そして先発捕手でバファローズからFA移籍した伏見がコールされると、一塁側からも拍手が起こった。
一方のバファローズ、この日は池田、元の若手が1・2番を組み、4番には新外国人のゴンザレス、そしてFA移籍の森は5番で先発捕手である。
さて、今季からはコロナ禍からの応援ルールも緩和され、鳴り物、声出しでの応援が解禁になった。これまでもあらかじめ録音された演奏やコールが流れることはあったが、やはり生演奏?のほうが迫力あるし、グラウンドの動きにもよく合っている。なお、ジェット風船の使用は引き続き禁止とのこと。コンビニのゴミ復路もそうだし、米子の吾左衛門鮓のカット用のプラスチックナイフも資源保護のために削減される時代だ(前の記事を参照のこと)。あれこそプラ資源の無駄遣いだし、人の唾液の飛散そのもの、これからもずっと禁止にしてほしい。
試合開始。バファローズの先発は黒木。これまで中継ぎで活躍し、手術で一時は育成契約となったが昨季に復活。そして今季は先発に挑戦で、ここまで順調に来ている。森とのバッテリー、まずは先頭の矢澤をはじめ、三者凡退であっさりと抑える。
ファイターズの先発は上原(広陵高校出身)。こちらも初めての開幕ローテーション入りに向けてアピール中で、池田、元、そして安達を難なく退ける。
試合が動いたのは2回裏。ゴンザレス凡退後、森が左中間への当たりを放つ。落ちたところがよかったのか、森は一気に三塁まで進む。
続く杉本がレフト前のタイムリーで1点先制。一塁上で、両手で胡椒を挽くポーズを見せる。WBCで日本代表ベンチがやったことで一気に知られた「ペッパーミル」。このポーズ、今季のペナントレースのいたるところで目にしそうだ。ならば、その胡椒でもってラーメンをすするとか、そういう続きのパフォーマンスがあってもいいかな。
3回表、先頭の上川畑がチーム初安打で出塁し、打席には伏見。一塁側からも拍手が起こるが、この打席では併殺打。
4回裏には、前の打席で退いた杉本に代わって出場の育成契約・茶野が打席に立つ。茶野篤政って、「信長の野望」で出てきそうな名前だが、徳島インディゴソックスからの入団である。上原からヒットを放ち、こちらは支配下登録に向けてのアピールである。なかなかしぶとそうだ。
5回表から、バファローズの捕手は森に代わり石川。齋藤とのトレードでバファローズに移った選手である。バファローズに森が来て、それを見据えて伏見がファイターズに移籍し、それもあってか石川がトレードでバファローズに。そして、ファイターズにはドラゴンズで捕手としての登録経験もあるアリエル・マルティネスが入団・・・。
6回表、黒木は先頭の上川畑に四球を与え、続く伏見は強攻で内野安打で無死一・二塁とする。一死後、矢澤がタイムリーを放って1対1の同点とする。するとここで黒木はマウンドを降りる。この時は「手当のため」との放送があったが、結局そのまま漆原に交代となった。ネットニュースによると、脚がつったための降板とのことだった。大事には至らなそうとのことだが、何せプロで先発が初めてのシーズンである。無理しないに越したことはない。
そして登板の漆原。この投手も心中期するものはあるだろう。一時は抑えとしての構想もあったのだが、いろいろあって不本意な成績が続いている。
緊急登板とはいえ、続く五十幡がライトへのタイムリー三塁打を放ち、2人が生還する。3対1。そして万波にタイムリーが出て4対1となる。レフトスタンドも盛り上がるところだ。
6回裏、ファイターズは3人目の福田俊が登板。一死二塁後、ゴンザレスの代打で出たのはセデーニョ。ベネズエラ出身の育成選手で、背番号も121番だが、風格からすると先ほどのゴンザレスよりも「当たれば飛ぶ」ロマンありそうな選手である。構えも「全球ホームランを狙う!」という、そしてフルスイングの空振り三振も、古き良き時代の外国人選手らしい。この選手には、かつての近鉄系の外国人選手に使われたあの応援歌を使ってほしいなあ。
セデーニョの次の石川が食らいついた当たりでタイムリーを放ち、4体2と詰め寄る。さらに茶野が2打席連続のヒットでつなぐが、追加点とはならなかった。
レフト側ではラッキー7の声援が流れるところ、7回表には比嘉が登板。三者凡退に抑える。
一方の7回裏ではライト側からダンスタイムだが、ファイターズは昨年活躍の北山が登場し、西野がヒットで出塁するも併殺でチャンスをつぶし、三者凡退。
8回表は、2022年の日本シリーズ胴上げ投手のワゲスパックが登板。昨年在籍した外国人選手の中で唯一今季もプレーする選手。危なげなく三者凡退とする。
8回裏、ファイターズのマウンドにはメネズ。一死一塁でセデーニョに打席が回るが、今度は三塁ゴロ。石川のヒットでチャンスを広げるが結局無得点。なかなか追加点といかないのが厳しいところだ。
9回表は平野が登板。バファローズの後半に登場する投手がいろいろいる中で、この日はワゲスパック~平野の予定ということだろう。野村に死球を与えたが、続く清宮を併殺に打ち取り、シーズン同様の無事な投球だった。
9回裏、ファイターズのマウンドは長谷川だったが、バファローズ打線は途中出場の渡邉(現役ドラフトで加入)にヒットが出たものの、併殺で無得点。4対2でファイターズ勝利。オープン戦とはいえ、やはり買ったほうが気持ちよかったのだが、それよりも、序盤に先制したもののその後は何だかつかみどころがなかった試合のように見えたのが残念だった。
まあ、仕方ない。昨年日本一になったとはいえ、まだまだ発展途上のチームだと思うし、今季は吉田が抜けてしまったし、山本、宮城、宇田川がWBCの日本代表で抜けている中で、残留組がどれだけアピールするかである。今季、何試合ホーム・ビジター含めて観戦できるかだが、難しいとされるリーグ3連覇に向けてどれだけがんばれるか、引き続き応援したいものである・・。
さてこのままJR大正駅まで向かい、広島への帰途に就く。新大阪駅の乗り換え口は結構賑わっており、駅弁や構内コンビニにも長蛇の列ができている。また、構内のみどりの窓口、みどりの券売機にも長い列ができている。当初、新大阪からは「のぞみ」に乗るつもりで指定席を押さえていたが、このタイミングだとそれより先の18時06分に発車する「みずほ613号」に乗車する。
新大阪始発だが自由席に座れるか気になったが、実際にホームに向かうと、乗車口に列はできていたが、自由席なガラガラといっていいくらいの乗客しかいなかった。発車前、「指定席・グレーン席は満席です」「自由席のお客様は座席に荷物を置かず、棚の上か足元に置いてください」としきりにアナウンスしていたが・・。
そういう状況なので、新幹線内では「飲み鉄」。まずは、紅ショウガ天で一献・・・。
コンコースの駅弁売り場に結構並ぶ中、今回のお供は「神戸中華焼売弁当」。焼売の弁当といえば横浜の崎陽軒「シウマイ弁当」、そして鳥栖の「焼麦」が有名で、鳥栖の「焼麦」はこのブログでもたびたび登場するが、中華といえば神戸も黙っていない。神戸の駅弁の名店・淡路屋の一品で、神戸でのバファローズの試合でも販売されているところだ。焼売、ザーサイ、エビチリ、麻婆豆腐などが特にビールに合う。中華料理の弁当という点でいえば、焼売がメインの横浜、鳥栖を押さえて日本一ではないだろうか。
なお、同時に柿の葉寿司と、富山のますのすしも買い求めていた。こちらは翌日にいただいたが、ますのすしには、安心してください、(プラスチックのナイフが)入ってますよ・・・。