まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第7回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~第20番「三明院」(求聞持秘法の寺)

2023年03月29日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

中津の市街地を後にして、レンタカーを南東の方向に走らせる。向かうのは郊外の永添地区にある第20番・三明院である。

三明院は住宅地の中にある。特に山門があるわけでなく、寺の名前が掘られた石碑が表札がわりである。そんな中、まず目に入るのは八角形の夢殿。こちらは位牌を祀るお堂かな。すぐ横の桜もちょうど見頃を迎えている。

その脇のお堂が本堂だ。九州八十八ヶ所百八霊場のほか、九州三十六不動、九州三十三観音(先日まで回っていた九州西国霊場とは別物)の札所でもある。

扉は閉まっているが、上り口には中に入ってご自由にお参りくださいとの紙がある。扉に手を掛けると開いたので中に入る。ちょうど外陣、内陣があり、手前には御守りの類も置かれている。朱印もここでセルフで押すことになる。こういうところなら、気兼ねなくお勤めができる。

三明院が開かれたのは新しく、弘法大師入定1150年を機としてとあるから、1983年頃のことである。古梶英明という和尚が開いた寺である。宮島の弥山に籠って求聞持秘法の修行を行ったところ、生家がある現在の地に紫雲がたなびき、弘法大師が座しているのが見えたという。そして弘法大師を祀るとともに、父親が病に倒れた時に身代わりとなったとされる不動明王を祀ったのが三明院の由来だという。

求聞持秘法の修行は真言宗の中でも過酷なものとされる。50日の間、五穀を断って木の実だけで過ごし、冷水をかぶっての沐浴、そして虚空蔵菩薩の真言を百万遍唱えるというものである。御守りその他とともに、その修行体験を表した古梶英明和尚の著作「行者日誌 虚空蔵求聞持法」が積まれている。ちょっと手に取って何ページかめくってみて、面白そうかなとも思ったが、この場で購入まではいいかなということでそのまま元の位置に置いた。

この記事を書くにあたり、改めてこの本のタイトルについてネット検索し、著者についての紹介にも触れたのだが、プロフィールには「2017年遷化」とある。これはその時には知らなかったことで、まだお若いのではなかったかと思う。今思えば、そのままお金を置いて買っておこえばよかったかな。

お勤めを終え、セルフにて朱印をいただく。現在の三明院はどなたが世話しているのだろうか。

本堂の奥には大師堂があり、四国八十八ヶ所のお砂踏みもある。「求聞持秘法成満記念樹」の「第1回」と「第4回」の碑もある。先に記した求聞持秘法を4回も成就させたというのもすごい。

三明院を後にして、さらに南に向けて第21番・神護寺を目指す。途中で国道10号線に出て、「道の駅なかつ」から南へ、八面山の方角に向かう・・・。

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