まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

奈良23番「室生寺」~神仏霊場巡拝の道・49(古代からのパワースポットの後は・・・焼きとんとキンミヤ)

2023年03月16日 | 神仏霊場巡拝の道

3月12日、神仏霊場めぐりは大和の女人高野・室生寺に向かう。近鉄大阪線の室生口大野駅から出るバスは「室生寺方面 室生龍穴神社行き」とある。室生龍穴神社とは室生寺よりも歴史が古く、水の神である龍神を祀っており、平安時代には朝廷により雨乞いの祈祷も行われていたそうだ。この神社のさらに奥には「吉祥龍穴」と呼ばれる穴があり、知る人ぞ知るパワースポットなのだという。

室生寺も平安時代から続く寺院だが、室生龍穴神社の神宮寺として開かれたとも言われているくらい。それだけ、神社、龍穴の存在は大きいそうだ。・・・初めて知った。

最近はその吉祥龍穴を目指す人も多いのか、2022年のダイヤ改正で、室生寺行きのバスが室生龍穴神社まで延長したそうである。ただ、今回のスケジュールだと、室生寺から1キロほど奥にある室生龍穴神社までなら行けそうだが、その奥の吉祥龍穴まで歩くとそれなりの時間がかかり、この後は間に合わない。

バスに乗っていた7~8人の客のうち、車内の会話でいかにも旅や歴史が好きと言った感じの女性二人連れがいた。バスが室生寺に到着し、私を含めた他の客は下車したが、その二人だけはそのまま終点の室生龍穴神社まで乗った。時間をかけてパワースポットをめぐるのだろう。

さて、こちらは室生寺拝観である。太鼓橋を渡り参道を行くと、早咲きの桜の花もほころんでいる。

境内を行くと宝物殿の案内板がある。文化財の保護と次世代への継承のために、令和に入った2020年に完成した建物である。拝観料とは別に入館料が入るが、せっかくなので後で訪ねてみよう。

仁王門をくぐり、鎧坂を上る。少しずつ姿を現すのは国宝の金堂である。こちらには釈迦如来、文殊菩薩、薬師如来が祀られている。なお、その両脇に十一面観音と地蔵菩薩が祀られており、さらに十二神将が周りを固める・・という配置だったのだが、十一面観音、地蔵菩薩、そして十二神将のうち6体が上に書いた宝物殿に移されているとのこと。山中の寺、仏像の維持も大変なものである。まずはここでお勤めとする。

その横に建つのは弥勒堂。

さらに石段を上ると、本堂である灌頂堂に着く。こちらも国宝で、鎌倉時代の建物である。先の金堂とは異なり、靴を脱いで上がることができる。室生寺によると、本尊の如意輪観音は河内長野の観心寺、西宮の神呪寺と並ぶ「日本三如意輪」の一つとされているという。ともかく、こちらでもお勤めとする。

本堂の奥に五重塔。先ほど本堂に着いた時、五重塔の方向から般若心経を読む声が聞こえて来た。私が本堂を出た時にはすでに立ち去った後だったが、山中に響く度胸もよいものである。この五重塔は屋外に建つ木造としては法隆寺に次ぐ2番目の古さだが、1998年の台風による倒木のために損壊し、2年後に復旧を果たしたことは記憶に新しい。

さて、本来ならこの先、奥の院を目指すところだろう。奥の院までは合計700段の石段が続き・・(門前の回転焼き店のおばちゃんの声掛けも「700段の石段えらいよ~」というもので)というところだが、私は五重塔で折り返す。別に奥の院をパスする口実というわけではないが、先ほど見かけた宝物殿に入るためである。

宝物殿は収蔵庫も兼ねており、まずは室生寺の歴史年表、そして宝物殿の建立に多額の寄附を行った芳名帳が並ぶ。

そして扉の向こうの部屋では、金堂に祀られていた十一面観音、地蔵菩薩、そして弥勒堂の釈迦如来が並ぶ。その前には十二神将のうち6体が並ぶ。こうしたケースに収められた仏像に対してはさまざまな見方があるだろうし、寺のお堂の厨子に祀られていてこその仏像という向きもあるが、厳しい気候環境の室生寺である。こうした保存、保護というのはなくてはならないものだろう。

他には室生寺に伝わる金剛界・胎蔵界の曼荼羅や、大神宮御正体という鏡も展示されている。室生寺がある室生山は、大和の日の出の山である三輪山と、伊勢神宮の元の内宮である斎宮とを結ぶ直線上にあるとされ、太陽の祭祀にも関係していたという。先ほど触れた龍穴神社とも合わせて、室生一帯がさまざまな信仰の地であることがうかがえる。

宝物殿を出て、ここで朱印をいただく。室生寺にはさまざまな種類の朱印があり、納経所、本堂、そして奥の院でいただける朱印もさまざまである。神仏霊場の朱印帳を差し出したところ、「如意宝珠と書かせていただきました」と返される。如意輪観音が手に持つ、あらゆる願いを叶えるとされるありがたい玉のことだという。「如意」=思いのままに、というのは良い意味にも悪い意味にも取れるように見えるのだが・・。

さて、ここで次の行き先を決めるあみだくじである。まず、予備選のくじ引きで出たのは、

・忉利天上寺(兵庫4番)

・曼殊院(京都28番)

・岩船寺(京都49番)

・平安神宮(京都33番)

・播州清水寺(兵庫13番)

・藤白神社(和歌山7番)

西の兵庫県、京都市内、そして京都でも南部のところと、和歌山もある。行き先はどこでもいい。

そして出たのは、6枠に割り当てられた平安神宮。京都市街でも周辺の札所を回ったところで、これでいくつかの札所と合わせて訪ねることになる。そして、この後スマホを操作して、京都に向かう日、そしてアクセスする列車を早速決めることになった。何が出るかはお楽しみに・・・。

今回の参詣で、室生寺に対しては女人高野というよりは古代からのパワースポットの歴史があるのだなと感じたところが多かった。室生寺10時49分発のバスに乗り、室生口大野駅に戻る。

さて、室生口大野からそのまま近鉄大阪線で移動する。やって来た大阪上本町行きの急行は転換クロスシート車。このまま快適に天気のいい中を移動する。車内ではしばしウトウトと・・。

鶴橋で奈良線~阪神なんば線の直通列車に乗り換える。この後は京セラドーム大阪にオープン戦観戦に向かうが、時刻は12時すぎ、多少時間が取れるということで、次の大阪上本町の地下ホームに降り立つ。思いついたのは、上本町のハイハイタウンである。

その名物といえるのが、ズラリと長いカウンターが並ぶ「天山閣ハイハイ横丁」。久しぶりに訪ねようかと向かったのだが、カウンターの上に椅子が上げられている。何と、日曜日は定休日だった・・。あらあら。そして周りを見ると、日曜定休という店も結構ある。

さて、ならばどこかで代わりに一献・・としてフロアをぶらつく中で見つけたのが「チエちゃん」という店。「ホルモン焼き」の文字も見え、この2つのキーワード、そして大阪となると「じゃりン子チエ」の世界である。もっとも、こちらの「チエちゃん」は漫画とは無縁の神戸の店のようだ。

それでも、メニューはホッピーあり、「元祖酎ハイ」として各種甲類焼酎のプレーンサワーあり。しっかりとキンミヤもある。また焼きとんも1本単位でさまざまな部位が楽しめる。メニューの右から左まで順番に行ってしまうところだ。

その前には煮込みあり、ガツ刺しあり、間には新潟の栃尾揚げもいただける。たまたま出会った店だが、なかなかよい印象の店だった。

・・・とはいうものの、これ以外にもさまざまな店が軒を連ねる上本町ハイハイタウン。キタやミナミとはまた違った佇まいだが、大阪在住時代にもほとんど訪ねたことがないだけに未知のところでもある。これからの神仏霊場めぐりでも登場するかな・・?

そして慌ただしい日帰り旅は京セラドーム大阪へ・・・。

コメント