3月23日、芸備線の備後八幡~内名間を走行中の列車が、線路上に落下した石に接触し、脱線する事故が発生した。原因調査等を行うこともあり、翌24日から「当面の間」列車の運転を取りやめ、代行輸送を行うという。
芸備線のこの区間といえば東城~備後落合間の1日3往復の運転で、かねてから今後の存続のあり方についてJRが地元への協議を働きかけているところである。事故に遭った列車は備後落合への夕方の最終列車。発生したのが19時25分頃だが、列車には乗客が乗っておらず、運転士にもけがはなかったそうである。死傷者がなかったのは幸い・・・であるが、平日の19時台にして「乗客ゼロ」というのが、この区間の現状を物語っている。
芸備線の東城~備後落合間も、青春18きっぷの時季には全国から乗りに来る人が多く立ち客も出るくらいの乗車数になるのだが、それも昼の1往復に限ったことだという。この列車で備後落合に着いたとしてもその先の三次方面や木次線の列車はなく、何もないところで朝を迎える羽目になる(三次行きはこの列車が着く30分あまり前に出たばかり。どうせならもう少し待ったれやと思うのだが・・)。
線路のほうも大きな土砂崩れが発生したわけではないようだが、落石というのはこれからもあるだろう。ただ、それに対する保線というのも費用対効果を考えると十分ではないと見受けられるし、線路や路盤への衝撃を最小限にするために「時速25km運転」も行われているのがせいぜいである。運休期間がどのくらいになるかわからないが、JRとしては廃止に向けた材料の一つにもなるのではないかと思う。
今後の対応が気になるところである・・・。