まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第25回中国四十九薬師めぐり~三朝温泉にて「整う」

2023年05月09日 | 中国四十九薬師

三佛寺の参詣を終え、立ち寄り予定の三朝温泉に向かう。「ラドン熱気浴」を予約していた「ブランナールみささ」に向かうのだが、その前に広場があり人だかりができている。

舞台を見ると、先ほど三佛寺でトラックに積載されていた神輿が上がっている。ここで法要を行い、三朝温泉の温泉街を時代行列が行くそうである。客席には来賓や、さまざまな衣装姿の関係者が準備、待機中である。

時間があるので、いったん川の反対側の温泉街をぶらつく。前に来た時、橋のたもとにあった源泉かけ流しの公衆浴場「たまわりの湯」に入ったのだが、施設の老朽化を理由にこの3月で閉館したとある。その代わりではないが、レトロな感じの旅館、飲食店が並ぶ一角にある「薬師の湯」という足湯があるので浸かってみる。今回の中国四十九薬師めぐりの後をしめるのに格好の名前である。

広場に戻って来ると雅楽の奉納が行われており、その間に参列者からの玉串奉奠が行われる。三佛寺や塔頭寺院の住職も玉串を奉納する。僧侶で玉串とは見慣れない光景だが、これも神仏習合の歴史から来ているものだろうか。

他にも来賓として先日再選されたばかりの平井鳥取県知事をはじめ、鳥取県、三朝町関係者らも同様に玉串を奉げる。政教分離の観点で大丈夫か?と一瞬思ったが、別に知事が玉串奉奠したからといって三佛寺に特別に有利になる政策を行うわけでもないし(「三佛寺を世界遺産に!」というPRはまた別物だろう)、地元にすれば幅広い意味での公式行事の位置づけなのだろう。

そして三佛寺一同から祈願文が読み上げられる。この後、御輿の行列もあるのだが、祈願文の途中でラドン熱気浴の受付時間となった。御幸行列があると事前にわかっていれば、ラドン熱気浴の予約時間、いやその前の旧国鉄倉吉線の廃線跡を歩く時間も前後にずらしていただろうが・・。

広場向かいの「ブランナールみささ」に向かう。本来は宿泊施設なのだが、昼間も1時間ごとにラドン熱気浴を受け付けている。レストランでの食事付きのプランもある。

ラドン熱気浴の利用料は3500円とちょっとお高めだが、前日宿泊した「サンシャインとうはく」にて、全国旅行支援の1000円クーポンを受け取っており、ここで利用する。

入浴の手順だが、受付にてタオルと作務衣を渡され、ロッカーにて着替える。そして体温と血圧を測定し、問診票のいくつかの質問に回答する。まるで病院か人間ドックに来たようだが、温泉入浴も病気の治療お一環という見方もできるので、それもよい。そしてあらかじめ水分を補給し、浴室に通される。この後は、作務衣は着ているが何も持てず丸腰のため、画像はない。詳細は「ブランナーレみささ」の公式サイトなどをご参照いただければ。

室内は室温40度前後、湿度90パーセントほどに保たれている。蒸気が充満していて視界がよくない中、入口で選択したシートに向かう。この時間帯は私のほかに女性客1名のみで、先に奥のシートに陣取ったとのこと。そこは一応気をつかって少し離れたシートを選ぶ。1室そこに40分、シートに身を預けてリラックスする。日常生活でこの温度、湿度なら耐えられない(真夏の猛暑日以上の過酷な条件)のだが、浴室だと心地よく感じるのはどういうメカニズムなのだろうかと思う。

蒸気を意識して吸うようにとのアドバイスがある。三朝温泉には「浸かってよし、飲んでよし、吸ってよし」という言葉があるそうで、鼻呼吸によりラドンを体内に取り込むのだという。

普段、スーパー銭湯でもサウナコーナーにはほとんど入らないのだが、この熱気浴はミストサウナを濃くしたようなもので、このくらいの条件なら耐えられそうだ。ただ、この蒸気で周りが見えず、今どのくらい時間が経過しているのかもわからない。40分が結構長く感じるのだが、まあ、そうしたことも気にせずリラックスするのもこの熱気浴のポイントなのだろう。

半分の20分が経過したようで、係の人が合図を兼ねて水分補給として温泉水を持って来る。

その後もボーッと過ごし、40分が終了したとして係の人が知らせに来る。立ち上がった時にちょっとふらつきかけたが、何とか大丈夫だ。

そしていったんロッカーから衣類を取り出してビニール袋に入れ、大浴場に向かう。最後は「浸かってよし」である。他に入っている人はおらず、ここでもしばらくリラックスする。

1回利用しただけで身体にどのようなよい影響があるのかはわからないが、今はやりの「整う」という感覚は少なからずあった。このままビールでも飲んで客室でゴロンとできればなおよかったが・・。それでも、また三朝に来る機会があればもう一度入ってみたいと思う。なお、ラドン熱気浴は「ブランナーレみささ」以外でもいくつかの施設で利用できるようだ。

外に出ると広場は閑散としており、スピーカーからは雅楽の音が聞こえる。神輿は町のどこかを練り歩いているところのようだ。再び広場に戻り、そして三佛寺へと帰っていく。そこまでいると夕方になるし、この日は三朝から一気にクルマで広島にあまり遅くならないうちに戻る必要があり、ここで後にすることに。

倉吉、三朝から広島というのも結構時間がかかるもので、まずは国道179号線を走る。行き先表示に「人形峠」とある。かつてウラン鉱石が採掘され、原子力に関する研究も行われていたところ。ただ、人形峠を越えて着くのは津山である。こちらは国道482号線で真庭市に入り、津黒高原から国道313号線で湯原温泉を経由する。

湯原インターから米子道~中国道と経由。三朝温泉を出てからそのまま走り通し、4時間かけての帰宅となった。日が暮れる前に帰宅できたので、翌日の月曜日もいつもと変わらない心持ちで出勤できる。

さて、これで中国四十九薬師めぐりは残り6ヶ所と、結願が見えてきた。とはいえ、鳥取東部の広い範囲にわたっており、一気に回って結願とするか、いやいやもう少し時間をかけて鳥取を回るか。次のプランニングも楽しみである・・・。

コメント