まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

鶴見線に降りたアートたち展・2

2008年11月03日 | まち歩き

Pb024058大川支線から本線筋に戻り、浅野駅に下車。ここは本線筋と海芝浦行きの支線が分かれる駅だが、鶴見方面からの線路が駅に入る前に分かれており、海芝浦行きの線路が右にカーブしているため、中央に三味線のバチのような広いホームがある。ここに駅舎があり、ちょっとした花壇などもある。その花壇の中で、安藤栄作氏によるオブジェを見ることができる。

Pb024062人間の形やら、らせん状の棒のようなものやらをかたどった木の彫刻が並べられている。魂とか、生命の喚起というものをテーマにしているという。海芝浦行きの列車まで30分近く待ち時間があるが、この待ち時間というのが駅の様子や作品を観察するのにはちょうどよい時間である。

Pb024069休日の朝、周りに工場しかないこの乗換駅にいるのは「その筋」の人たち。中にはオブジェにカメラを向ける人もいるが、ほとんどは特に目をくれるわけではなく、まったりとした時間が過ぎていく。オブジェそのものよりは、こうした時間の過ぎる空間というのがこのアート展の見どころではないかという気がする。

Pb024075やってきた海芝浦行き。運河に沿って走り、東芝の敷地に入る。終点の海芝浦は、ホームのすぐ下に海があることや、終着駅なのに外に出ることができない(東芝の敷地内であるため、東芝の従業員や入門許可証を持つ人しか出られない)珍しさで有名である。臨海工業地帯を走る鶴見線らしい駅である。

Pb024082この駅もアート展の舞台になるのであって、ホームの奥に設けられた海浜公園(この駅にやってきた工場関係者以外の乗客を一時軟禁・・・もとい乗客に一時風景を楽しんでもらおうということで設けられたもの)がその舞台。林武史氏による日干し煉瓦の作品で、終着駅らしく「車止め」をかたどったものという。ただ、「人を止めるものではなく、むしろ受け止めるものである」という意図から、コンクリートではなく土でできた日干し煉瓦という。そこに続く石畳が線路のように見える。

ちょうど日も差し込んできて、対岸に見える鶴見つばさ橋などを眺めながら折り返しの時間を過ごす。残るアートは、国道駅と扇町駅である・・・・。

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鶴見線に降りたアートたち展・1

2008年11月02日 | まち歩き

芸術の秋ということで、あちらこちらで芸術文化に関するイベントが行われている。その中で「駅2008 鶴見線に降りたアートたち展」というのが電車の中吊り広告にあった。鶴見線の鶴見、国道、浅野、海芝浦、扇町の5つの駅に、現代美術家の手によるオブジェが展示されているというのである。

Pb024040「鶴見線の持つ雰囲気を大事にしながら、路線全体を美術館と捉え、鉄道に乗りながらアートを楽しみ、併せて、鶴見線の各駅が持つ懐かしい昭和の情景や陽光きらめく海の光景などを楽しんでいただこう」(開催主旨より)というもの。なるほど、休日の鶴見線は独特の雰囲気があり、首都圏から気軽に訪れることができる路線として人気が高い。他の路線で同じことをやっても「ふーん」で済まされるところだろうが、鶴見線ならば路線そのものがテーマパークみたいなものだから・・・。ということで、久しぶりの鶴見線乗車を兼ねて出かける。

Pb024036ご案内のとおり、鶴見線には3つの終着駅がある。鶴見線の本線筋(ややこしいな)にあたる扇町、終着駅としてあまりにも有名な海芝浦、そして武蔵白石駅の手前から分かれてたどりつく大川。前の2つはオブジェの展示場所であるので訪れることになるが、どうせなら大川への支線にも乗っておきたい。ただこの大川行きというのが曲者で、休日ともなればこの駅に向かう列車は朝2本、夕方1本の3本しかなく、となればここに向かう列車の時刻に合わせて、まず大川に向かうことにした。

京浜東北線で鶴見駅に降り立ち、鶴見線との中間改札をくぐる。もともと別の鉄道だったからという事情もあるが、鶴見線内はいずれも無人駅のためにここで出入りをチェックしようというもの。コの字型のホームというのはJRでは珍しい。

Pb024042この鶴見線のホームで、まず最初のオブジェに出会う。木村幸恵氏の手によるもので、ホームの天井から何か透明なものがいくつもぶらさがっている。何でも「鶴見線は日本の近代化と戦後の高度成長期を支えた象徴的な路線であり、このホームを 利用した人々は現在の日本を築いた個人として鶴見駅ホームに「記憶」として存在し続けている。この「記憶」を透明な人形(ひとがた)で、ホームを行き交った群集として表現します」とある。この人の過去の作品に、こうした透明なものを「幽霊」として(人を怖がらせるというのではなく、スピリットとでもいうのかな)表現しているのがあり、このオブジェもそのつながりなのだろう。

ただ、こうしたことが解説で分からなければ、ただ照明か何かがぶら下がっているだけか、ハエ取り紙の親分かのように見える。本当、鑑賞眼がないなあ・・・。

大川行きに乗車。休日のこととて若干の通勤客と、「その筋」の人たちが半々くらいの割合。進路を左にとって東海道線その他の線路をまたぎ、鶴見線に入っていく。弁天橋までは普通の住宅地も広がるが、浅野、安善からはがらりと風景を変え、いよいよ工場の引込み線に入った感覚となる。さびついた側線や、貨車が並ぶ光景が見られれが、これを見てうなるか、殺風景なものと感じるかは人それぞれ。

Pb024049武蔵白石の手前で右へ折れ、1キロばかり走って終点の大川着。周りは大型の工場ばかりで、ここまでやってきた通勤客はさっさと勤務先に向かい、残った人たちは駅や車両に向けてカメラを構える。通勤の足として利用している人たちから見て、我々のような人種はどのように映っているのだろうか。

昔はそれこそ専用線だったのだろうが、今は貨物列車の設定もなくなったようでさびついた線路が痛々しい。

10分ほどのインタバルの後、折り返しの列車に乗る。次は海芝浦に向かうべく、浅野で再び列車を降りる・・・。

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「富山のおかわり君」がNPBから指名

2008年11月01日 | プロ野球(独立リーグほか)

11月に入り、東京で「木枯らし1号」が観測され、秋らしい青空が広がっていたが、風邪気味で体調が思わしくないためほとんど外に出ることなく、休養に当てることとする。巨人対西武の日本シリーズをテレビで観ているが、戦前の予想では巨人有利のところ、パ・リーグのファンとしては西武に勝ってほしいと思う。

Pa253919さて、西武の四番にはリーグ本塁打王の「おかわり君」こと中村が入っているが、先日のドラフト会議ではBCリーグ・富山の四番で「富山のおかわり君」こと野原選手が「育成ドラフト」で阪神に指名された。

Pa253977リーグ発足の昨年は首位打者と本塁打王の2冠、今年は数字こそ落ちたものの打率3割をキープし、不動の四番として富山のリーグ制覇に貢献した。昨年のドラフトで指名されてもよさそうなものだったが、1年目は様子見で2年目で「見極め」だったのだろう。また、豪快なバッティングだけではなく、走れるのも強みで、目標はチームの主軸・金本超えとか。私の嫌いな球団から指名されたのはちょっとな・・・と思うが、選手としては個人的に応援したいものである。

BCリーグからはこの野原のほかに、信濃のセットアッパーの鈴江(ロッテ)、福井の本格派・柳川(ソフトバンク)の両投手が指名を受けた。昨年の内村(石川→楽天)が野村監督のいる楽天ということで育成枠から昇格し終盤は1軍に定着したが、投手ということで早い時期に支配下選手登録を受けるかもしれない。四国・アイランドリーグからもドラフトで2名、育成ドラフトで4名の指名を受けており、これら独立リーグからNPBへの道も少しずつ広がっている。チーム経営には苦しんでいるチームばかりであるが、こうした実績がまた注目につながっていくことだろう・・・。

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