再び海のほうに向かって歩く。こちらで出会ったのが「日本郵船歴史博物館」。日本郵船の横浜支店のビルだったそうだが、これも1936年に建てられたもの。正面の柱の造りも、神殿風というか、異国情緒あるものである。
日本郵船の歴史を紹介するものだが、日本郵船の歴史といえば、日本の海運の近現代史そのものと言ってもいいだろう。日本が近代国家として成長するとともに航路・船舶を発展させた様子を紹介するとともに(海運の発展が経済の成長を支えた、という見方もできるかな)、経済活動における物流の役割をアピールする展示である。四方を海に囲まれていること、資源のほとんどを海外に依存しなければならないこと、輸出産業が日本経済を支えていることから考えれば、海運業の役割というのはもっとPRされてもいいだろう。
日本郵船といえば、「阿房列車」の作者である内田百閒が一時嘱託を務めていたこともあり、その関係の乗船記がいくつかある。当時の豪華客船による旅行の風情が伝わってきてなかなか面白い。
そしてやってきたのは、赤レンガ倉庫。もう、定番の観光スポットですな。先ほどまでの博物館やらと違い、ショッピングモールや飲食店街もあるため、人出も多い。またちょうど「横浜トリエンナーレ2008」というのをやっており、その関係での見学客も多い。
ぐるぐる歩き回ったことだし、まずは一息ということで海を見ながら・・・・。
しばし海を見ながら休んでいると、倉庫の前に人だかりができ、歓声が上がっているのに気づく。何かいなと行ってみると、そこには無数のシャボン玉が舞っている。これも「トリエンナーレ」のイベントの一つで、大巻伸嗣氏の「作品」という。
青空に向かって舞うシャボン玉には子どもだけではなく大人からも歓声が上がる。青空・赤レンガ・シャボン玉の色合いの組み合わせには何だかワクワクする(写真がうまく撮れないのがもどかしいが・・・)。
ちなみに作品の協賛だか後援に「花王」とあったのだが、シャボン玉の元となる石鹸を提供しているのだろうか。
近代建築めぐりもここで一応の締めとして、汽車道を歩く。横浜の現代建築のシンボルといえるランドマークタワーを見ながらもうひと歩き。来年は横浜開港150周年ということでさまざまなイベントが企画されているようだが、近代建築と未来型建築が融合する港町横浜の魅力というのはまだまだ奥深いものがありそうだ。また訪れてみたいものである。