まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

女と男の湿痴帯

2008-06-06 | 北米映画 00~07
 最近、我ながら性格が曲がってるなあ、意地悪だなあ、とイヤになることが多いです。
 先日、家族とTVを観てて...嵐の大野くんって絵が上手いね、天才だね、と言うmy motherやダミアンに、天才って何で素人のあんたらが分かるの?こないだニュースで、田舎の高校生の美術部の絵が紹介されてたけど、そっちのほうがスゴい上手い!と思ったよ、アイドルだと天才、素人の高校生だと単に上手いだけ、になっちゃうんだね!なんて、冷笑まじりに言い放ってしまった自分が、とてつもなくヤな人間に後で思えてきて、欝になりました。底意地の悪い見方や言い方をせず、ジミー大西より上手いかな?とか、中途半端なアイドルやめて、芸術家になればいいのにね!とか、トゲのないコメントがどうしてできなかったのかなあ。今後は気をつけよう。

 「クローサー」
 人気舞台劇の映画化とか。ロンドンを舞台に、男女4人がくっついたり離れたりする話。
 うう~ん。これがオトナの恋愛なのか。こむずかしい深淵な恋愛観をぶつけ合う4人ですが、私には単に下半身がユルくてだらしない連中にしか見えませんでした。4人のキャラや言動には共感できませんでしたが、女も男も所詮はスケベで弱い生き物だと痛感させるところは面白かった。まあ、恋愛を素晴らしくするのもダメにするのも、セックスしだいって内容には頷けました。もしセックスが子供を作るためだけの行為だったら、世界は平和で退屈になるんだろうなあ。
 男女の痴話ですが、情交シーンは全然ありません。そういうところが、あくまで知的な作品だから、と言いたげで鼻につきます。気取ってないで、エロシーン見せろよ!
 つっても、このキャストでエロいシーンなど観たくないかも...
          
 久々に見たジュリア・ロバーツ。さすがに老けたなあ。華がなくなったというか。かといって熟女の色気もないし、潤いがない。角度によっては、男に見える。でも、たまに良い表情をするし、いい女優だとは思います(適当)。
 ジュード・ロウは、こんな男イヤだなあと不快になる、嘘つきで自分勝手で不誠実な役。でも彼、ほんと美男子ですよね。ちょっと濃すぎるし、崩れかけの美貌が何だか不気味ですが。今回もですが、演技よりも後退M字頭髪が気になって...髪は薄いのに、胸毛やスネ毛は原始人のようにボーボーなのが面白いですよねえ。
 優等生なイメージのナタリー・ポートマンが、ストリッパー役!というのが話題になりましたが。脱いでないんだけど、かなりキワどい格好やポーズを見せて、なかなか頑張ってました。同じ年頃の広末や田中麗奈は、絶対やらない(できない)だろうし。でも、これほどエロくないストリッパーも珍しい。子供がやってるみたいで、痛々しい。はすっぱな言動やファッションも、ちょっとアヴァンギャルト気取ってる東大生お嬢様って感じなんですよねえ。育ちの良さや高学歴って、役者にはそんなに必要なものではないですね。
 クライヴ・オーウェンも、ジュード郎に劣らず濃ゆい!見てると胸やけしそうです。あんなエロ医者、イヤだなあ。仕事中にエロネットするシーン(相手はネカマしてるジュード郎)が笑えました。
 せっかくロンドンを舞台にしてるので、もうちょっとそれを活かしてほしかったかも。しばらくロンドンと気づかなかったし。
 こんなウダウダしい痴話って。フランス映画だったら、もっとしっくりくるかも?フランスでリメイクしてほしい。理想キャストは、こうだ!
 ジュリア・ロバーツ→シャルロット・ゲンズブール
 ジュード・ロウ→ブノワ・マジメル
 ナタリー・ポートマン→リュディヴィーヌ・サニエ
 クライヴ・オーウェン→メルヴィル・プポー
コメント (4)
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ポールW なりすまし大作戦☆

2008-05-18 | 北米映画 00~07
 朝、起きて庭に出てみると...ぎゃぼ!?花壇の一部に生い茂っていた草木が、根こそぎ引き抜かれ、無残な空き地になってる。洗濯物を干すのが邪魔だから!という理由で、父母が仲良く引っこ抜いたのでした。水仙やムスカリなど、春の花が咲き終わって、ちょっと見苦しくなっていたとはいえ、ひどい...以前も、大事にしていたクリスマスローズを、雑草と一緒くたにされ処分されたことが。居候パラサイトな私に、文句など言えるはずもありません。だけど...広島に戻ってきた記念に、友人が季節ごとに咲くいろんな宿根苗や球根を植えてくれて、毎年花が咲く頃には、どんなに心が慰められたことか。なのに、もう二度と見ることができなくなったと思うと、涙が出そうになりました。花ごときで何で?バカバカしい!と思ってる家族に、また隔たりを感じています。

 「ボビーZ」
 囚人ティムは、自由の身になることを条件に、自分と容貌が似ている伝説的な麻薬売人ボビーZになりすまし、警察の囮捜査に協力するが...
 「イントゥ・ザ・ブルー」以来、久々のポール・ウォーカー。相変わらずカッコいいね!男らしさが明るくて爽やかなんですよね。サイダーみたいな涼感&甘さ。典型的なオールアメリカン・ナイスガイ!この映画の舞台も、彼が水を得た魚になれるカリフォルニア。海!夏!西海岸の王子ぶりを、遺憾なく発揮してます。
 カッコいいけど、ちょっとアホっぽいところも、ポールの魅力です。腕っ節は超強いけど頭はカラッポ&お人よしの女好き、というティムを、何だか地で演じてるようなポールです。みんなから騙されまくって、みんなからカス・アホ呼ばわりされて、絶体絶命のピンチに陥るティムですが、持ち前のタフさとゴキブリ並みの生命力で、ありえね~!絶対死ぬはず!な危難を潜り抜けていく姿が愉快痛快です。エロい美女の誘惑に、すぐ負けてエッチしちゃうのも、健全なご愛嬌です。
    
 ↑ポールにズキュン☆バキュンされたい♪女とニャンニャン(死語)シーンよりも、堀の中でのシャワーシーンで披露するケツが、ファンにはオイシい♪
 ポールって、ほんと明るいというかノーテンキというか、シリアスになりようがないんですよね。今回は、ちょっとコミカル風味なので、ますますアホっぽくて笑えます。アチョーとカンフー?ポーズ&声が、特にアホっぽくて可愛かった!
 「グロリア」ちっくに、子供を連れて逃亡&敵と戦うポール。このガキがなあ、ブサイクな肥満児で、ぜんぜん可愛くないんだよ。YAOIとしては、ポールと絡んでドキっとするよな美少年にしてほしかった!私もポールみたいなイケメンに守られて、愛の逃避行したいなあ。
 ポールはカッコ可愛いけど、映画自体は、かなりB級かも。ハチャメチャ、ていうか、いい加減。適当にアクション、お色気、人情話を詰め込んでおけばOKなノリで作った感じです。中身のないスカスカ感は否めません。あまり塩がきいてないポップコーンみたい。まあ、何も考えないで気軽に観られる映画ではあります。
 それにしてもポールって、出る映画だけでなく、演じる役もいつも同じって感じですよね。でも彼の場合、それでいいかも、変わらないで、と思ってしまう。イザベル・アジャーニに、いつも美しく狂っててほしいように、ポールにもいつも爽やかで健康的でいてほしい、みたいな。
 でもほんとポールって、本格的な演技派男優になるという意思など、もはや微塵もなさそうですね。無理な演技修行などせず、ルックスと身体能力を活かせるアクション映画に出て、あとはカリフォルニアでサーフィン三昧?まさにハリウッドの坂口憲二。今はいいけど、年とったらどーすんのかなあ、と心配になりますが、売れなくなったらサーフィンショップでもやるさ!とノーテンキに笑いそうなポールが好きです。同系の先輩マシュー・マコもまだ頑張ってるし、ポールも当分の間は今の調子でもイケると思いますが。
 悪徳刑事役のローレンス・フィッシュバーン、見るからに信用できない極悪な顔が怖いです。
        
 ポールの新作は、何と!彼の代表作「ワイルド・スピード」復活版!降板してパート2には出なかったヴィンちゃんも、めでたく再登場!待ち遠しいですね♪
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血油

2008-05-04 | 北米映画 00~07
 ちょっと前に、某大学の准教授のブログが問題になりましたね。こちら
 偉い先生の言葉とは思えませんよねえ。ひどい、の一言ですが...読めば読むほど、この人って...人とは違うことが言いたい、偽悪的なコメントでウケ狙い、な感じにも取れて、本気であんなことを思っているよりも、ある意味悪質かつ救いがたい。弱い立場の人間を虐げて笑いものにしてる、最近のバラエティ番組とかと同じ感覚ですね。他人の痛みに傷口に、塩をなすりつけ、もっと苦しむのを見て、何が楽しいのでしょうか。ほんと、悲しくなります...

 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
 今年のアカデミー賞で、ダニエル・デイ・ルイスが2度目の主演男優賞を受賞した話題作。
 20世紀初頭のアメリカ・カリフォルニア。石油採掘によって富と権力を得た男ダニエル・プレインビューの、欲望と狂気で血塗られた半生の物語。
 暗くてシリアスな人間ドラマ、かと思いこんでたんですが...重厚だけど、かなり笑える内容だったのが、すごく意外でした。コメディじゃないけど、プレインビューのブっとびキャラ&言動に、何度もププっとなっちゃいました。ポール・トーマス・アンダーソン監督の演出も、ダニエル・デイ・ルイスの演技も、明らかに笑いを狙ってるとしか思えません。
 プレインビューの、石油採掘に賭ける情熱や富への欲望は、確かにドロドロ真っ黒な、そして突然噴出する地底の油のようで、彼に関わるとこっちの精神まで汚れてしまいそうなおぞましさ。貪欲さと猜疑心で汚染されてる心には、清らかな部分が一片もない。ここまで心が汚れてる人間、なかなかいません。悪人というより、病人に近い。
 でも、何だろう?不思議と憎めない男でもあるんですよねえ。方法や方向は間違ってるけど、エネルギッシュさが一生懸命なところとか。めちゃくちゃ働き者だし。スカした無気力なニートな善人よりも、人間的に魅力があります。息子への不器用な愛情表現が、切なく悲しい。愛は油と違うのにね。残酷な仕打ちで息子を失った瞬間、息子よりも立ち直り不可能に陥ったようなプレインビューの孤独、イタすぎます。
  
 この映画最大の見ものは、言うまでもなくプレインビューを激演したダニエル・デイ・ルイス!こ、怖い~!モンスターちっくな怪演で、ほとんどホラーです。パワフルさが凄愴で、圧倒されます。やっぱ、すごい俳優です。演技力は、世界最強かも?今年のオスカー、他の主演男優賞候補者も錚々たる顔ぶれだったけど、デイ・ルイスの敵じゃないなあ、とは思った。レベルが違いすぎる。
 すごいな~感嘆したのは、↑にも書いたけど、プレインビューを単に怖い狂気的なキャラにはせず、かといって人間的な面もあるんだよ!とも違う、ダークで毒々しいお笑い系に仕立て上げてたこと。特に、中盤とラストの、神父との対決(?)シーンは、ほんと笑えます!ぶっコワレちゃってます。
 カッコいい役じゃないのに、やっぱデイ・ルイスって美男子だよなあと、この映画でも思いました。下劣な役でも、下品にならないんですよね。今回も、とてもじゃないけど英国の上流階級出身には見えない変貌ですが、スラっとしたスマートな体つき、長い手足といった身体的な美しさは、特に隠してません。でも、声は別人みたいだった。
 デイ・ルイスの独り芝居な映画ですが、若い狂信的な神父役のポール・ダノ(ちょっとキモい顔。どっかで見たことあるな、と思ったら、「キング 罪の王」のガエルっちの異母弟だった!あの弟も、かなりキモいキャラだったよなあ)も、結構強烈です。デイ・ルイスを教会で懺悔させるシーンの彼、憑いてるねイってるね♪状態です。あんなアブない神父、イヤだ~!信者たちの異様さもヤバすぎ!
 デイ・ルイスの息子役の子役が、すごく可愛いし演技も素晴らしいです。
 若き天才と名高いPTA監督。私にはちょっと、とっつきにくい苦手系な作風ですが...かなり長い映画で、中だるみがキツく睡魔に襲われてしまいました。体力気力があり、睡眠不足じゃない時に観ることをお勧めします。
 
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マーくん 危険な社会復帰

2008-04-25 | 北米映画 00~07
 尾篭な話で恐縮ですが...もう、三日も出てないんです...おなか痛いのに、力んでも産まれません。植物繊維とか、ひといちばい摂取してるし、怠惰だけど規則正しい生活してるし、朝晩10分間ストレッチは欠かさないし、水分もハトムギ茶がぶがぶ飲んでるし...何が原因なのでしょうか。一日何度も、食べたらすぐトイレに入ってるという人たちが、ほんと羨ましいです。こうなったら、腐った牛乳か生焼けの肉でも食べてみようと思っています。何か良い解消法がれば、乞御教示!

 「裏切り者」
 my dear マーク・ウォールバーグ主演の犯罪ドラマ。
 親友ウィリーを庇って服役していたレオは、出所して母の待つ家に戻る。病身の母のため早く稼ぎたいレオは、羽振りのいいウィリーの仕事を手伝うことに。だがそれは、レオを再びに窮地に追いやることに...
 実際に起こった汚職スキャンダル事件を元にしているとか。かなり暗くて陰鬱で、緩慢なムードと展開に、ちょっと観るのがダルくなる。ハラハラドキドキなサスペンスやアクションを期待すると、かなりガッカリさせられます。
 主人公のレオがねえ。イライラするキャラなんです。親友の身代わりにムショ入り、というのも人がよすぎるというか。叔父さんの会社で真面目に働けばいいのに、ヤバい仕事に足をつっこむのも無分別すぎる。挙句は警官に怪我させて、おまけに殺人の濡れ衣まで着せられて、あわわとトンズラ。アホすぎてどーしようもないです。悪気は全然ないんだけど、動くとトラブルを招き事態を悪化させる男。本人は自業自得として、周囲は大迷惑!特にママと叔父さんが気の毒。
 ライバル企業への妨害工作ってのがウィリーの仕事。汚いことを下っ端にさせて、企業トップや政治家たちは手を汚さず潤う、というのはアメリカだけでなく日本も同じですね。人の命や犯罪捜査も、金と談合でいいように決められるなど、損をするのは常に底辺社会、という理不尽な現実が描かれています。政治家も企業も警察も、腐ってます。
 映画的には???ですが、キャストはシブくて豪華。
          
 マーくんことマーク・ウォールバーグがレオ役。前科のある元不良レオは、マーくんご本人とカブる役ですが、ずっと暗い無表情だし、これといった目を惹く演技もしないし、デクノボウな感じにトホホ。やっぱまた思ったけど彼、マット・デーモンに似てますね。マットがゴリラ、マーくんが猿、みたいな。
 演技は見せ場なしですが、顔は可愛いマーくん。猿人系マニアにはたまりません。自慢の肉体美は露出なしですが、ガタイのよさは脱がなくても分かる。あの腕の太さ!丸太みたいです。
 演技的には、ウィリー役のホアキン・フェニックスのほうが美味しい。レオと組織の間の板ばさみで苦悩したり、自分の恋人とレオの仲を疑ってプッツンしたり、悪人になりきれないチンピラの悲哀を、巧く出してるホア金です。政治家との密談シーンで、全裸も披露してます。ホア金より、マーくんに脱いでほしかったけど。
 ウィリーの恋人でレオの従妹役は、ブレイク前のシャーリーズ・セロン。ゴスっ娘メイク&ファッションの、ふてくされた女の子役のシャーセロ、美人というより可愛いです。でも彼女、デカいですねえ。マーくんより頭ひとつ高い?セクシー要員時代なので、無駄脱ぎしてます。
 叔父さん役のジェームズ・カーンが、いい味だしてます。裏の顔をもつ組織のボスなんだけど、すごく良い人。トラブルメーカーのマーくんを最後まで庇ってくれるし、生意気で反抗的な義理の娘シャーセロにも寛大で優しいし。
 あと、マーくんのママ役はエレン・バースティン、シャーセロのママ役はフェイ・ダナウェイと、70年代なら競演はありえない往年の大物女優が、姉妹役(こんなに似てない姉妹、なかなかいませんが)で顔をそろえてます。
    
 筋金入りのヤンキーだったマーキー・マークも、今では落ち着いた大人の俳優に成長。元ヤンの密度&更正度の高さは、ジョニーよりも上です
 
 
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未来予想図をブっ壊せ

2008-04-23 | 北米映画 00~07
 光市母子殺人事件の判決が、昨日ついに下されましたね。
 事件発生から、もう9年も経ったのか。記者会見での、あなたは死刑判決で癒されるのか、という質問に(あの女性記者、何でこんな質問するのか、意図が理解できない)本村さんが、それは自分が死ぬまで分からない、と答えていたのが、すごく重かったです。
 予想通り、被告、というより弁護団は再上告しましたが、いたずらに裁判を長引かせることは、本当に弁護団の言う“正義”なのかなあ、と首をかしげてしまいます。死者復活だのドラえもんだの、信じられない詭弁を弄した結果、返って裁判所の心証や国民感情を悪化させてしまったような彼ら。本村さんも言ってましたが、あんな方法で供述を翻さなければ、ひょっとしたら死刑は回避できたかもしれないのに。彼らは本当に、被告の生命と権利を守ろうとしているのか、疑問に思えてなりません。

 「NEXT ネクスト」
 2分先だけ未来が見える男クリスは、核爆弾をアメリカに持ち込んだテロリストと、それを阻止しようとするFBIの両方から追われる身に...
 面白かったです。ハリウッドの娯楽作は、やっぱ大画面で観るべきだなと、つくづく思いました。TVドラマでいいじゃん?とか、ハリウッド映画のショボいパクリ亜流、とかな邦画とは、やっぱ金のかけ方も技術も違うよなあ、とも。観てる間は夢中になれて、終わると後に引きずるものが何もない、美味しいファーストフードみたいなところも、ハリウッド・エンターテイメントの良いところです。
 未来が見えるクリス。意外としんどい能力なのが可哀想。自分に関わる他人の面倒や危難まで見えるのは、かなりキツい。得するように利用するのも難しい。ギャンブルなどで、バレないように小出しにセコく使うなど、クリスの処世術は悲哀に満ちてます。
 そんなクリスが、予知能力を活かしてFBIの追跡とテロリストの攻撃をかわすのが、主なストーリー。予知と現実のシーンが交錯するのが、面白いです。ド派手な見せ場もいっぱいあって、ホント退屈させません。グランドキャニオンの岩場での、いろんなものがガンガン転がってきて、それをクリスがかわすシーンが、特にド迫力かつ、どんだけ~(いろんなものが転がってくるんじゃ!)!と笑えます。ラスト、倉庫でのテロリストとの決戦シーンは、何だかプレステか何かの狙撃ゲームみたいです。
 クリス役のニコラス・ケイジ。彼って、ほんと個性的で人もよさそうで、好感のもてる俳優なんだけど...こーいったアクション映画のヒーローは、やっぱイキがいいイケメンか美男な若手俳優で見たいんだよなあ。モト冬樹か志村けんに見えてしまう落ち武者風ニコちゃんなので、かなりヒーロー役はキツい。ポール・ウォーカーあたりに向いてる役のでは。同じ濃い系ならジェイク・ギレンホールとか、もっと若くて可愛い男優にやってほしかったかも。でも、能力に疲れてショボくれたニコちゃんの悲哀演技は、さすがです。あまり崩れてない非メタボな体つきは、若々しくてグ~です。
 クリスに恋されるヒロイン役は、ジェシカ・ビール。ジェニロペを地味にした感じ?美人だけど、庶民的で親しみやすい系。でもなあ。いくらニコちゃんが良い人でも、知り合ってすぐに車に乗せたり、その翌日にはもうエッチしたり、軽すぎるんでないかい?見た目はかなり胡散臭いクリスなのに。
 クリスに協力を無理強いするFBIの女捜査官役は、ジュリアン・ムーア。冷徹だけど知的で勇ましいキャラで、素敵です。
 この映画で最も楽しみだったのは、もちろんmy ドイツ愛人トーマス・クレッチマン
     
 優しそうだけど、何か得体の知れぬ危ないものも感じさせる謎の男ってのは、トーマスのオハコです。↑右画像 トーマスの人質になってるジェシカ・ビールが羨ましい~!隣にいるトーマスの仲間も、ナニゲにイケメンです。
 トーマスは、テロリストのリーダー役。バリバリの悪役ですでも、カッチョE~同じように何でもないファッションをしていても、ニコちゃんは下手すると浮浪者ですが、トーマスはモデルみたい。クールだけど優しそうな顔も好き。元水泳選手らしい、しなやかでガッチリした体つきも好き(脱いでませんが。ニコちゃんは、やたらと胸毛を見せてたが)。静かで優しそうだけど、謎と狂気を秘めた異邦人...というトーマスの魅力は、今のところハリウッド映画ではイマイチ巧く活かされてないのが惜しい。この映画でも、ほんとトーマスにはもったいないよなあ、な何の面白みも驚きもない敵キャラだし。でもまあ、大画面で彼を見られたのは、ほんと嬉しかったです。
          
 アンジェリーナ・ジョリーやトム・クルーズの最新作などハリウッドスターの主演作では、相変わらず謎の悪人かナチスの軍人なトーマスです。そろそろトーマスがバリバリな主役作、観たい~!母国ドイツでの主演作が観たい~!
 
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おかっぱ悪魔が追ってくる

2008-04-08 | 北米映画 00~07
 世界各国で、妨害を受けているオリンピックの聖火ランナーが、ちょっと問題になっています。
 ホントなら、歓迎されるべきなのになあ。夢と希望の使者ではなく、不安とトラブルを運んでくる厄介者と化しているのが、何だか悲しいですね。殺伐とした世界情勢を象徴しているようです。もうじき日本にも来るけど、何も起きなければいいですね。このままでは、北京での本番への不安も拭えません。それにしても、ここまで不安&危険材料いっぱいで、待ち遠しいと思えないオリンピックも、前代未聞ですよねえ。

 「ノーカントリー」
 今年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞の4部門を受賞した話題作を、やっと観ることができました。
 麻薬取引のもつれによる死体の山。偶然出くわした男は、そこから大金を持ち逃げする。彼を追って、不気味な謎の殺し屋が次々と屍を重ねていくが...
 うう~ん。これがアカデミー賞なのか。何で?って感じですねえ。キモい殺し屋が、ガンガン問答無用に人を殺しまくってるだけ、な内容だったような?何か深遠なメッセージとかあったのでしょうか?ただ単に、私がそれを解せずにいるだけ?とんでもない話が、淡々と荒涼としたムードの中で描かれているのは、確かに独特な味わいですが...ひでーなあ、とか、何なんだ、と思うだけで、感動とか感銘とかは、全然ないんですよねえ。タイトルは、善人が住める場所はない、という意味なのかな。そんなこと、わざわざ教えてくれるような映画よりも、現実逃避でもいいから愛と夢のある映画が観たいよなあ。
 映画通にしか、この映画の素晴らしさは伝わらないのかな。私はやっぱ、万人向けの分かりやすい面白さの映画が好きです。でもホント、最近のアカデミー賞作品賞って、どんどん方向性が???になっていってるような。冷たく小さくなってる時代を反映してるのでしょうか。壮大で美しき佳き往年の大作のほうが好きです。
 同じコーエン兄弟監督の作品でも、とんでもなさが笑える「ファーゴ」のほうが、話がよく出来ていて面白かったような。
     
 評判通り、ハビエル・バルデムが強烈!見た目だけで掴みはOK!おかっぱ頭、キモすぎます。あんなの向こうから歩いてきたら、速攻で逃げるけどなあ。彼と遭遇する人々、特に驚いたりビビったりしないのが不思議。今まで例のなかった殺しの武器も、変で怖いです。ジェイソン並に不死身で、どこまでも執拗に追ってくる姿も、鬼気迫るといった感じではなく、のっそり音もなく淡々と現れるのが、すんごく不気味です。
 スペイン人男優初のオスカー受賞となったハビエル・バルデム。演じる役が限定されそうな特濃顔なのに、いつもバラエティに富んだ役を見事に、それでいて彼にしか出せない濃い味わいで演じていて、ほんと素晴らしい俳優ですよね。来日した素の彼も、ノリがよく紳士的な男性だったので、好感度もアップ。老けて見えるけど、まだ30代ってのが驚き。織田ゆうぢより年下!
 追われる男役のジョシュ・ブローリンは、ニック・ノルティ似?保安官役は、BOSSの人ことトミー・リー・ジョーンズ。すっかり爺さんになったなあ。
   
 実物は温厚でダンディな紳士ハビちゃん。とってもグゥ~!
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キューティブロンドの罠!“犯されて...”

2008-03-13 | 北米映画 00~07
 最近、仕事関係で検事さんと郵便局の局長さんとお話させていただいたのですが...
 お二人とも、え!?と驚かされるほど、若い!ぶっちゃけ、私より年下...偉いなあ、若いのに。と感嘆してると、検事さんは掃除のオバチャンに、局長さんはベテランの女性局員に、からかわれたり小言いわれたりして、可愛い若造な面も見せてくれて、ちょっと安心しました。

 「完全犯罪」
 若い女をレイプして監禁した友人を、主人公は助けようとする。しかしそれは、仕掛けられた罠だった...
 ネタバレしないよう、気をつけて感想を書こうと思うけど、まあそんな大層な内容でもないか。ぶっちゃけ、日本の2時間ドラマ系のB級サスペンスです。邦題は、かなり詐欺かも。どこが完全犯罪?!と観たら誰でも首を傾げるのでは。
 主人公を含め、出てくる連中がみんなバカというか、セコい。主人公が追い詰められて金が必要になるのも、おまえがバカだからじゃん!で全然同情できないし。そんな情けない男に献身的なヒロインも、典型的だめんず女でトホホ。罠を仕掛ける理由もお粗末だし、仕掛ける方法もレイプだなんて浅知恵かつエゲツない。騙されるほうも、アホすぎる。職業が大学教授だなんて、信じられん!こんな教授のいる大学、絶対イヤだ!
 いちおう、もうひとつ仕掛けられた罠もあって、ホントならドンデン返しに驚愕!なんだろうけど、はぁ?って感じが否めません。こっちの罠も、バカバカしいというか。みみっちいんですよねえ、全体的に。騙し騙されのゲームは、やっぱ動機&やり方にスマートさや巧妙さがないとねえ。
 主人公を演じているアレッサンドロ・ニヴォラが、結構イケメン!最近、濃ゆい男前ばかり見てるので、こーいう薄口あっさり風味の男前は、何だかコッテリ料理を食った後に飲む水みたいです。でも脱いだら胸毛ボーボーで吃驚&がっかり。
 ニヴォラくんの恋人役は、まだハリウッドの女帝になる前の、キューティブロンドことリース・ウィザースプーン。男をたらしこむ役をするには、そっち系の魅力が欠如してるような気がしますが、彼女ってホント賢そうですよね。なので、ダメ男に尽くす役なんて、似合わないなあ。でも、ほいほい男の言いなりな受身女ではなく、弱気になる男を叱咤したり、泣き言いっさいなしな勝気さ気丈さは、相変わらず不屈の強い女って感じです。
 罠にハメられるバカ教授役は、「ノーカントリー」や「アメリカン・ギャングスター」など、最近活躍のジョシュ・ブローリン。ちょっとフィリップ・シーモア・ホフマン似?ダイアン・レインの現夫と知り吃驚。新ターミネーター役をするらしいと知り、さらに吃驚!
            
 薄口イケメンのアレサンドロ・ニヴォラ。彼、「ジュラシックパーク3」にも出てたらしいけど、ぜんぜん覚えてないや。あれって、恐竜がワラワラ出てきて人間を追いかける騒がしいだけの映画、としか記憶にないので、ニヴォラくんに限らず誰が出演してたかなんて???ですが...
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昼下がりの情痴!

2008-02-05 | 北米映画 00~07
 最近、なぜか今頃になって東方神起にハマってます♪
 日本デビューしたばかりの頃は、そんなに興味なかったのですが、スカパーで彼らのPV特集を観て、こいつら可愛いやんと萌え萌え
 イマドキの若者風でも、どこか素朴な清潔感があるところが、やっぱ韓流風味ですよね。日本の某事務所のアイドルグループの、不潔で貧相なホストみたいな男の寄せ集めじゃないところに好感。
 “Rising Sun”という曲のPVの彼ら、すごいですよねえ。よくこんなに体を動かせるよなあ、CG加工?!疑ってしまうほど、激しいダンス。みんな背が高くてガタイがいいので、子供が踊ってるみたいなジャ○ーズのパフォーマンスとは、迫力が違うんだよなあ。ビリーズブートキャンプよろしく、Rising Sunに合わせてストレッチしてたら、ゴキっ痛っ!こ、腰が...
 キムタコとウォンビンを足して二で割って素朴にした感じのチャンミンくんと、櫻井くんとカン・ドンウォンを混ぜてチョイブサカワイイ感じにしたユチョンちゃんが、特にお気にです♪

 「リトル・チルドレン」
 主婦のサラは、自分と同じように満たされない毎日送っている主夫のブラッドと惹かれ合い、肉体関係を持つ。一方、子供への性犯罪で服役していた男ロニーが、釈放されて町に戻ってくるが...
 ありきたりな倦怠感に満ちた日常を営みながら、モソモソ・コソコソと虫がはうように、不道徳かつ病的な側面を見せる登場人物たちが、何だか不気味かつ笑えます。決して、私にもあるある大辞典!な姿ではないので共感はできないけど、こんな人々もいるかもしれないなあ、というリアリティが。
 主婦付き合い、不倫、性犯罪、銃の事件、パラサイト息子etc.と、一見平穏な暮らしの中にあちこち埋められている、まるで地雷のようなドメスティックな悩みや問題が浮き彫りにされていて、こいつらバカだな!とか、何やってんのぉ?と、決して他人事として嗤えないものがあります。
 仲良しを装っても、軽蔑を隠してたり、私のほうが魅力があると証明したがったり、主婦間に漂う女のイヤらしさとか。夫がいかがわしいエロサイトにハマって、仕事中も家でも女物のパンティを被ってシコシコとか。変質者への攻撃で自分の鬱憤を晴らしたりとか。描かれている平凡な人間の持つ卑小さや弱さが、滑稽かつ辛らつで、笑えます。ヘンに深刻なノリじゃないのが、返って痛烈な皮肉を感じさせます。ラストに向けて、かったるい日常が、どんどんヘヴィな非日常になってゆく展開が、ダークな昼メロって感じで面白いです。ちょっと過多だけど、ナレーションも奥深いです。
 
 デスパレートな人妻サラ役でアカデミー主演女優賞にノミネートされたケイト・ウィンスレットの、決してジメジメしてない明るい?倦怠と渇望演技に驚嘆させられます。ウィンスレットさん、若い頃(って、今も十分若いんだけど)より美しくなってますよね。まだ30代前半なのに、あの爛熟ぎみな豊満さ&おっかさんな貫禄ときたら。見事な脱ぎっぷりも、相変わらずアッパレ。日本の同世代の女優など、足元にも及ばない女優魂と存在感です。
 ウィンスレットさん以上に脱ぎまくってるのが、ブラッド役のパトリック・ウィルソン。優しそうな顔して、ムチムチな肉体美がエロいです。薄口な顔同様、薄い毛髪が気になるけど、ちょっとウィリアム・ハートとキップ・パルディーを足して二で割った感じの男前です。「オペラ座の怪人」が有名な彼ですが、ワタシ的にはTVドラマ「エンジェルス・イン・アメリカ」でのゲイ役&すっぽんぽんが、今も忘れがたい。「フルモンティ」の舞台版にも出てたらしいし、マシュー・マコちゃん以上の脱ぎ男かもしれません。マコは上は脱ぎまくっても、ケツは見せないもんね。
          
 おーい、奥さんっ!真昼間から、地下のボイラー室でズコバコやりまくる二人に、甘いロマンスの香りなど微塵もありません。まさに飢えた♂&♀!
 変質者ロニー役でオスカーの助演男優賞候補になった、ジャッキー・アール・ヘイリー。元子役だとか?スゴい役でカムバックですね。ほんと、キモい!んだけど、どうしようもない性癖を抱える悲しみにも満ちていて、痛々しくもある。彼がプールに入ると、ギャー!!とみんな逃げるシーンが、笑える半面、残酷でもある。デートした相手の前でシコシコ始める姿は、滑稽を通り越して悲劇的です。
 サラの娘とブラッドの息子が、めちゃんこ可愛い!
 ブラッドの妻が、夫とサラの仲をピーンと直感、二人が足を絡めてやしないかと、テーブルの下をのぞくシーンも、何か笑えた。ジェニファー・コネリーが、美人で聡明だけど、養ってあげてる!感をナニゲに出して夫を窮屈にさせる妻を好演。彼女とウィンスレットさん、きっと楽屋では...
コネリー『ケイたん、新作でレオと再共演してるんですってね。「タイタニック」の時と比べて、どうなの?』
ウィンスレット『このドラ焼き、おいしいわあ♪モグモグ。え?レオ?別人みたいに大人になってますよ。ビックリです、はい。そういえばコネリー姐さんも、「ブラッド・ダイヤモンド」で彼と共演されてましたね。おせんべいも♪バリバリ』
コネリー『(声をひそめて)レオって...だよね?』
ウィンスレット『そのケーキ、食べないんですか?もらっちゃお♪ムシャムシャ。レオ?ふふ。間違いなく...ですね、はい。あ、やっとピザが来た♪』
コネリー『あんた、さっきから食ってばっかじゃん!』
 な~んて会話、この映画の主婦みたいに弾ましてる姿、想像しちゃいました。
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最終兵器彼氏 Act 3

2007-12-18 | 北米映画 00~07
 今日、歯科医院で親知らずを抜いてもらいました。
 歯医者さんといえば、地震より雷より親父より、はるかに恐怖を抱かせる存在。死んでも行きたくない地獄の一丁目...だったけど、最近は医療の発達に伴ってか、怖くも痛くもなくなってるのが嬉しい&安心♪
 さっさとイヤらしい歯を除去してもらい、すっきり♪でも、いまだに出血が止まらなくて...口内は真っ赤、充満する血の味、油断すると唇の端ににじみ出る血。まるで私、若いイケメンの生き血を吸ったばかりの吸血鬼...

 「ボーン・アルティメイタム」
 やっとmy dear マット・デーモンasジェイソン・ボーンと再会できました♪
 CIAの追跡、暗殺者の魔手を振り切りながら、失われた記憶を取り戻そうとするジェイソン・ボーンの壮絶な死闘!
 ああ~マット、超カッチョ良かった~イカツいゴリラっぽさ、イモイモしい素朴感、そして超人的な強さと不屈の精神!ジェイソン・ボーンは、my 抱かれたいヒーローNo.1です!
 敵をバッタバッタ返り討ちする、ボーンの勇姿に心が痺れます。強い!強すぎる!まさに人間必殺マシーン!最終兵器彼氏!ただ腕っ節が強いだけでなく、敵の攻撃や監視を予期・察知し、彼らに先んじる明敏さも驚異的。頭も超いいのがボーンの魅力。
 私がボーン大好きなのは、クールでニヒルなのに、全然カッコつけてないところ。無骨で、常に必死。これがもし、甘い台詞やジョーク、粋なファッションとスマートなアクションでキメる色男ヒーローだったら、私はまったく惹かれないでしょう。 
 喪失した記憶を取り戻すための闘いの旅でもある物語。某サッカー選手のような、いいご身分なヌルい“自分探し”の旅とは違い、悲壮感いっぱいで応援せずにはいられません。
 カッコいいヒーロー役とは、およそ縁のないルックスのマットだからこそ、ジェイソン・ボーンにドンピシャとハマったんだろうなあ。
     
 どこにでもいそうな目立たないフツーの男が、実は凄腕のスパイって設定がリアルで面白いし、事実、そうじゃないと極秘の諜報活動や暗殺なんかできないですよね。美男や美女のスパイって、説得力ないし。
 別に特殊な能力をもたなくても、じゅうぶん私には男前に見えるマット。もっさりして鈍重そうな彼が見せる、鮮やかな格闘シーンが好き!いかにもカッコよく見せるのを意図した、華麗で奇をてらったアクションとは違う、まさに肉弾!って感じの生々しい迫力に、興奮させられます。銃とかをあまり使わない、おのれの肉体こそ武器!なマットにまた、私の心もボコボコにされちゃいました
     
 ワールドワイドなボーンの死闘旅行も楽しい。ロシア→パリ→ロンドン→マドリッド→タンジール→ニューヨークと、兼高かおる女史も真っ青。世界各国を瞬間移動してるフットワークの軽さもスゴい。朴訥アメリカンなボーンが異邦人になってしまう、ヨーロッパとモロッコの情緒も出色です。
 各国各地で怒涛の闘いを繰り広げるボーン。絶対死なない!負けない!と分かってても、やっぱ手に汗握らせる工夫された演出も見事。ロンドンでの携帯電話の使い方が秀逸。ロンドンでの狙撃やタンジールでのバイク暴走&爆弾など、悪者同様ボーンも一般市民の身の危険をあまり顧みないところが、かなり怖いけど。あと、携帯電話とかバイクの鍵を、標的とすれ違いさまにサッと...スリとしても食っていけそうな腕前です。
 目まぐるしい展開の速さと、ドキュメンタリーみたいなブレた映像が、緊迫感を高めています。人間関係とか恋愛とか人情とかを排除した、無駄な贅肉のないストーリーも小気味良い。最近は、体脂肪のように余計な要素が多いメタボリックなアクション映画が多いので、その削ぎ落とし方に感服。シリーズ中、ベストの出来かも?
 でもホント、マットのジェイソン・ボーンみたいな漢(おとこ)を堪能すると、もう顔やファッション、ムードだけのスカしたヘナチョコ男なんか、見るに耐えなくなっちゃいます。男には、やっぱ命を燃やすタフネス&ハードネスがなきゃ!“HERO”とは、チャラい軟派男のキムタコではなく、マットのような漢に相応しい称号よ!
 マットとの再会同様、この映画の楽しみだったのが、my ドイツ愛人ダニエル・ブリュール
     
 ぎゃぼかなり早い段階でダニブリュ登場♪パリに住む、ボーンの亡き恋人マリーの兄...兄!?弟じゃないの!?妹の運命を知って、取り乱すこともなく淡々と受け入れるダニブリュ、彼もボーンの死闘に巻き込まれるのかな、と思ったら、あらら?!たったこれだけ!出番、短すぎ!まあ、そのカッコ可愛い姿を、ハリウッド映画の中で見られただけも嬉しいが。別の映画をパリで撮影中、マリーの兄役のオーディションを何の気なしに受けたら合格したって経緯なのかしらん?
 ガエル・ガルシア・ベルナルが出演するかも!というニュースに、ファンは驚喜させられましたが(結局実現せず、がっかり)。いったい何の役をオファーされたのでしょうか。殺し屋の一人かしらん?
 ジェイソン・ボーンって、ブス専なのかなあ?マリー役のフランカ・ポテンテは、ドイツのヒラリー・スワンクだし。ボーンを助けるCIA職員ニッキー役のジュリア・スタイルズも、金髪の阿部サダヲって感じだし。
 CIAの悪人役にデヴィッド・ストラザーン、人間凶器ボーンを創った死神博士役に英国の名優アルバート・フィニーを配するなど、脇役のキャスティングも花より実をとっています。
 ニヤリとさせてくれるラストシーンや、ボーン役を葬りたくないというマットご自身のコメントなど、続編も期待できます。マットがインディ・ジョーンズみたいな爺にならないうちに頼む!理想としては...幼い頃に生き別れ、今は悪の枢軸国に洗脳されたテロリストの弟と再会、悲しく凄絶な激闘!みたいなのがいいな♪弟役は、もちろんマーク・ウォールバーグです。
    
 強靭なゴリゴリしさ、そして知性と清潔感。まさにmy 理想の男マット大西さん軟弱で薄汚くて頭が悪い男どもに勉強を教える、もしくは鉄拳くらわせて!
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あみん

2007-11-15 | 北米映画 00~07
 たまに図書館に行ったら、休館日だったり。布団を干そうと思って休日に早起きしたら、雨だったり。長患いで入院してた親戚のお見舞い、そろそろ行かなきゃと思ったら、my motherに『何ようるんね。こないだ亡くなったわいね』と言われたり。タイミングの合った行動ができない最近です...

 「ラストキング・オブ・スコットランド」
 スコットランド人青年医師の目を通して描かれる、ウガンダの独裁者アミンのカリスマと狂気!
 力強く自信満々なキャラで人心掌握、普段は陽気でフレンドリーな気のいいオッサン、でも実は...なアミンが、魅力的かつ怖い!さっきまで気さくで楽しそうだったのに、次の瞬間は別人のように獰猛で狂気じみた顔になるので、ほんと一緒にいる者同様、観てるほうもヒヤヒヤドキドキさせられます。コロコロ変わるアミンの気分しだいで、天国か地獄だもんね。まさに、薄氷の上を歩くような緊張感なしでは生きられない人々の姿が、哀れ。
 はじめは楽園みたいなウガンダが、徐々に暗黒部分をあらわにしてゆく過程と、アミンの二面性とが重なる展開も、巧みで面白いです。
 それにしても青年医師、ウガンダをナメすぎ!ちょっと気に入られたからといって、アミンをオトモダチ視、政治にまで口出ししたり、挙句はアミンの妻にまで手を出したり。いい気になったツケで痛い目に遭う姿、ちっとも同情できません。
          
 アカデミー主演男優賞を受賞しただけあって、黒い鶴瓶ことフォレスト・ウィッテカーの激演が強烈です。強引でワガママなところが、見た目同様ジャイアンみたいで憎めない面と、逆らう奴や疑わしい奴は皆殺し!な恐怖の独裁者な面。火と水の両極端な性質のアミンを演じるウィッテカー、迫力満点で怖いです。ヌオ~っとした威圧感ある巨体。目つきとか、ほとんどイっちゃってるし。主役は、どちらかといえば青年医師のほうなんだけど、出てないシーンでも存在を感じさせるウィッテカーが、もう完全に映画を支配してます。オスフクリーンでは温厚で優しそうなウィッテカー、役者ですね!
 青年医師役のジェームズ・マカヴォイ。先に観たmy sister M子は、可愛い!と気に入ったみたいですが、私は...うう~ん、典型的なイギリス優男だよなあ。ケツ丸出しでエッチシーンとかも頑張ってたけど、ぜんぜん萌えません。でも、若さゆえの甘さ浅薄さ、白人ゆえの傲慢さを、うまく出していました。キーラ・ナイトレイ共演の新作「つぐない」の演技も高く評価されてるし、要注目の新進俳優みたいですね。
 現地の白人医師の妻、どっかで見たことあるなあと思ったら、Xファイルのスカリー捜査官ことジリアン・アンダーソンでした。彼女にも色目を使う主人公、ホントどーしようもない若造だな!
 主人公の青年医師が、お気楽なノリでアフリカに来て、想定外の散々な目に遭う、といった内容は、何だか一種の警鐘みたいに思えました。安易で軽薄で自己満足的な自分探しとか博愛精神とかは、現地の人たちを都合よく利用し見下すことになる、そのツケを命で払わされても、それは自己責任...ラスト、アミンが青年医師に語りかける言葉を、危険をかえりみず用もないのに紛争地域に入ろうとする若者たちに聞いてほしいかも...
 アミンといえば、待つわ、じゃなくて、「食人大統領アミン」なんて映画、あったよなあ。人食いはウソらしいけど(イギリスの捏造!と、映画の中でアミンが激怒してた)それほど暴虐非道だったってことなんでしょう。
 
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