まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

神の島

2022-01-11 | 旅行、トレッキング
 遅ればせながら、あけましておめでとうございます!お正月ももう遠い昔のことのよう、皆さまもつつがなく普段通りの生活を送られていることでしょうか。コロナがまた跋扈し始めて、不安や苛立ちは今年も続きそうですが、心が腐らないよう楽しいこと、やりたいことは諦めずに追求したいですね!
 お正月休みは例年、家に引きこもってる私ですが、今年は世の平安を神さまに祈願すべく、宮島の厳島神社に参拝しました!そのついでに、弥山でトレッキングも楽しみました!

 朝早く、宮島口からフェリーで宮島へと渡ります。船上から宮島のシンボル、海の鳥居が見えるはずなのですが、あれ?ない?!消えた?!探してるうちに宮島に到着。久々の宮島、10年ぶりぐらいでしょうか。いつもは年中観光客でゴッタ返してる宮島ですが、コロナの影響もあってか休日でも閑散としてました。静かな宮島が新鮮、かつ寂しい。厳島神社にお参りした後、弥山を登ります。あ。そうそう。海の鳥居は、現在修復中でした。

 弥山に登るのは初めて。ほとんどの観光客はロープウェイで山頂に向かうのですが、弥山はトレッキングでも人気。私も老体にムチを打って、歩いて山頂を目指します。最近トレッキング(といっても、ハイキングレベルですが)に目覚めた私。人生初のアウトドアな趣味!もともとトコトコ見知らぬ土地を歩くのが好きで、海外旅行もそれが楽しみで行ってたようなもの。初心者向けの山でのトレッキングは、無茶や無理はしなくていい程度のそこそこなしんどさが気持ちいい。登頂した時の達成感とか、ふだん味わえない爽快感も得られます。何より、独りでできるのが私に合ってます。サークルに入っておおぜいと登るのも楽しそうですが、登山の間に気をつかうことを考えただけでドっと疲れが。ほんと、骨の髄までぼっち体質な私です(^^♪

 その日は晴天に恵まれ、冬らしからぬ陽気。登山には幾つかコースがあって、私は今回もみじ谷コースを選びました。秋はさぞや美しいことだろう、でも冬の幽寂と森閑とした風情もまた心に沁みます。そんな風景の中、マイペースに山道を進みます人っ子ひとりいない、延々と続くほとんど無音の世界は、怖いほど神秘的。確かに神さまがみそなわすことを信じられるような、清澄で厳かな静けさです。マイナスイオンな清涼な空気で森林浴、確かに心身の浄化作用がありそう。もみじ谷コースはほとんど石段で、けっこうキツかった。でも小一時間ほどで弥山の本堂に到着、そして山頂にゴール!グリコ!

 穏やかに晴れた、のどかな冬の瀬戸内海を見おろしながら、ちょっと早めの昼食。心地よい疲労感まじりの達成感と満足感。そんな一年になるといいな。自己満足ですが、それでいいんです。帰りは違うコースでゆっくり下山しました。大元公園に到着すると、あまり見かけなかった鹿が群で草を食んだり水を飲んだりしていました。宮島といえば、やはり鹿さん。ベンチに座って水筒をリュックから取り出そうとすると、今まで知らんぷりしてた鹿さんたちが、いっせいにハっと私に注目。わらわらと寄ってきました。何か食べ物をもらえると思ったのでしょう。神の御使とは思えぬほど、意地汚い連中です。

 近い!近すぎる!密です!ゾンビのように私に群がる鹿さんたち、可愛いんだけど怖い!私を食わんばかりな必死さです。私が食べ物を持ってないと気づいたのか、しばらくするとス~っと散り散りに引いていきました。

 お昼過ぎの宮島は、いつの間にか観光客でにぎわってました。朝早くだったから人が少なかったのかな。なら、宮島は朝がおすすめ。お土産屋が並ぶ通りを歩く。宮島に来たら必ず食べるのが、揚げもみじ。カリっと甘くて美味しいんよ~。

 桟橋に戻ってフェリーに乗って、日が暮れる前にはもう帰宅してました。参拝とトレッキングで、気持ちいい年の始めになりました。今年こそ生きててよかった、生きていたいと思える年になりますように!皆さまにとっても、楽しく幸せな一年になりますように!今年もよろしくお願いいたします(^^♪
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ミャンマー祈りの旅⑨ 涅槃で待つ

2018-09-07 | 旅行、トレッキング
 ついに今さら感ハンパない最終回!
 絵葉書のことでウダウダしたやりとりをしてた私と受付くんの間に、西洋人の青年が突然割って入ってきました。何だその対応は?みたいなことを、受付くんに言ってる青年。オロオロする私に、彼は僕が代わりに絵葉書を出してあげると提案してきました。思わぬ事態に戸惑いながらも、え、ほんまでっか?助かります、おおきに、とオロオロしながら切手代を彼に渡す私。まあ、騙しとられても大した金額じゃないしね。さっさと自室に戻りたかったけど、いちおう礼儀としてちょっとだけ彼と会話。彼はドイツ人で、ちょっとフランスのマクロン大統領似のイケメンでした。異国での親切は、本当に心に沁みます。後日、絵葉書は無事に日本に到着。ダンケ!

 ↑ミャンマーのパトカーと消防車
 翌朝、手配していたタクシーに乗って空港へ。可愛いホテルオーナー&受付くんに見送られて、ホテルを後にしました。タクシーの運ちゃんは、これまたおしゃべり好きの人懐っこいおじさんで、私が日本のどこから来たかだけでなく、私の職業まで知ってる!な、なぜ?!恐怖に固まる私。でもしだいに、彼がチャイティーヨーに行く日の朝に利用した、バスセンターまでのタクシーの運ちゃんと同一人物であることが判明。ぜんぜん気づかんかった。びっくらこいたわ~。話しているうちに、何と彼、私より年下だったことも判明!おじさんなんて言って、すんません💦ワイルドスピードで空港に到着すると、see you ! と気持ちよくお別れ。

 いよいよミャンマーともお別れ。おおむねミャンマーの人たちは親切で愛想が良かったのですが、最後の最後になって、出国審査での職員のおばはんが、めちゃくちゃ失礼な態度で腹立ったわ~。不愉快な思いはやはり、避けて通れない海外旅行です。出国ゲートの売店のお土産が、ぼったくり過ぎる高値で驚き。余ったミャンマーチャットを使い果たしたいので、カフェに入ってカフェラテを注文し、のんびりと時間潰し。
 午前10時45分に、搭乗した飛行機は無事ミャンマーから飛び立ちました。私の隣は空席でラッキー!でも、周囲を中国人団体観光客に囲まれてしまい、その騒々しさに頭痛が…中国人さん、なぜそんなに傍若無人なのですか?ここはあなたたちの部屋じゃないんよ。

 午後16時頃、クアラルンプールに到着。23時40分までの待ち時間、また街に出ようかと思ったけど、もう身も心もくたびれ果てていたため、もう空港内でじっとしてることにしました。マレーシアの貨幣リンギットも残ってたので、空港内にあるカフェ、オールドタウンホワイトコーヒーで使い果たすことに。
 マレーシアのスタバ、みたいなカフェ。定番らしいホワイトコーヒーを買って(注文してお金を払って、番号札をもらって呼びだしを待つ形式)、時間はたっぷりあるし、席についてゆっくり旅行記でも書くことに。ホワイトコーヒーとはいうものの白くはなく、フツーの甘めのコーヒー牛乳でした。のんびりしていると、いつしか夜のとばりがおりて、ガラス張りの空港も明るい彩光を失っていました。コーヒー一杯で長時間粘るのは申し訳ないので、レモンジュースとマレーシア料理のラクサを注文しました。ラクサはマレーシア版ラーメン?美味しかったです。

 さあ、そろそろ搭乗時間も近くなった、と思って念のため出発の掲示板をチェックすると、ん?23時40分関西空港行きが、大幅の遅延?って、ええええ?!??!!朝の4時40分に変更!?う、うそやろ!?8時間も待って、またさらに待てと言うのか?!そんな殺生な~にわかには信じがたい事態に、気が遠くなってその場にへたりこみそうになる。最悪…ああ、どうしよう。もうカフェで時間つぶしも限界。朝までどうすりゃいいの。ていうか、何でそんなに遅れるのよ?!日本で何かあったのかと不安に。もう思考回路も麻痺するほど疲れ果てていたので、出発ゲート前の椅子で寝ようと重い足を引きずって歩いてると、通りかかったインフォメーションに置いてあったものに目がとまる。有料の休憩ルームのチラシ。どんなのか、とりあえずそこまで行ってみる。

 受付にいた女性はとても感じが良く、可哀想な私に同情して親切に接してくれました。5時間コースが120リンギット。ちょっと高いが、椅子で野宿はやっぱ抵抗がある。ので、利用することにしました。部屋は狭いがこぎれい。やっと寝転がれたのに、疲れすぎて眠れん!眠り込んで寝坊してまう恐怖も手伝って、結局一睡もせず、読書などして過ごしました。3時過ぎに部屋を後にして出発ゲート前へ。ゲート前では、たくさんの日本人が椅子で寝ていました。4時40分、やっとのことで関空行きの飛行機に乗ることができました。ガラガラ空席が目立ち、冷蔵庫の中にいるような寒さ。凍え死にそうでしたが、これで日本へ帰れるという安堵が勝って、すぐに爆睡。気が付くと、間もなく関空到着との知らせでした。
 とまあ、いろいろありましたが今回も生還できました。今にして思うと、なんでミャンマー?と、自分でも不思議になりますビルマのどこかに、私を待ってる人はいませんでした。仏縁のような出来事も出会いもなかったけど、特異で楽しい体験となりました。そしてあらためて思った。日本に生まれてよかった、と。もしまたどこかに行けるのなら、なるべく行き当たりばったりはせずに、計画的に行動したいです。まったく参考にならない、チンタラ自己満足旅日記にお目汚しいただき、ကျေးဇူးတင်ပါတယ်
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ミャンマー祈りの旅⑧ 後生だから

2018-01-14 | 旅行、トレッキング
 この日は、ヤンゴンを気ままにフラフラ&あちこち歩き回る予定。朝食をとりに食堂に行くと、アルバイト?みたいな少年がめんどくさそうに、トーストとコーヒーを出してくれました。少年も床に座って、黙々と麺をすすってました。

 ホテルを出て、ブラブラと朝の街を散策。街中が朝市みたいで、ごったがえす人込みをかき分け歩く感じです。敬虔な仏教国だけあって、いたるところにお坊さんが。朝早くから、托鉢の僧侶が一列に並んで歩いています。小学生ぐらいの可愛い小坊主さんたちもよく見かけました。

 数分ほどで、ヤンゴン中央駅に到着。外見は新しく美しいのですが、一歩足を踏み入れると、発展途上国の雰囲気でいっぱい。暗くて足元注意。環状線に乗るため、右端から入って階段を昇り、6・7のホームにある売り場で切符を買います。目的地であるYeguという駅までは200K、運賃は冷房ある・なしで違うみたいです。電車は日本のJRのお古で、ボロボロだけど何か懐かしい風情が。

 外国に来たら、やっぱ世界の車窓からしなきゃね♪ミャンマーのローカル鉄道は、いったいどんな感じじゃろ?と、いそいそと乗り込んだのはいいが、なかなか発車しないので不安に。ポツポツ乗客がいるので、いつかは動くんだろうけど…いつになったら動くのかしらん?と不安になりましたが、やがてゴトゴト発進して安堵。のんびりしたスピードで、これまたのんびりした風景の中を、オンボロ電車は走ります。何でも清潔で秩序正しく、セカセカとせわしない日本とは時間の流れも空気も違うことを感じながら、ミャンマーの生活や人々を窓から眺めました。

 30分ほどで、Yegu駅に到着。ここには、地元の人向けのショピングセンター、ガンダマーホールセールがあります。現地の人々のリアルな姿を垣間見るには、外国人がほとんど来ない、けど外国人が行かないほうがいい系のヤバさもない、フツーのローカルショッピングセンターがいちばん。駅を出ると、集落みたいな場所を抜けて、10分ぐらい歩くとドーンとガンダマーホールセンターが出現。広いけど中はシンプルな変哲もないショッピングセンターです。

 1階にあるアクセサリー店で品物を見てると、美人の店員さんが上手な日本語で話しかけてきます。なぜ私が日本人だと?彼女いわく、日本人は一目瞭然なんだそうです。可愛いTシャツとスーチーさんのカレンダーを買ってしまいました。店内をブラついて、ミャンマーなスナックやコーヒーをお土産用に大人買い。めちゃくちゃ買ったけど、トータルで10000K未満。1000円にもならんかったわ。

 外に出て、ちょっと早いランチ。ガンダマーホールセールのそばに人がたくさん入ってるお店があったので、そこに決めました。ミャンマー料理店?店員のおじさんが親切に丁寧に説明してくれ、おすすめの肉料理をオーダー。何だか得体の知れない肉でしたが、美味しかったです。ちょっと辛くて硬かったけど。食べてると、次から次へと得体の知れない野菜とかデザートが運ばれてきて、ええ~?!と不安になって料理が喉に通らなくなりました。料金は10400Kで、予算オーバーな贅沢ランチになってしまいました。

 再びYEGU駅に戻り、ヤンゴンへと戻る列車に乗ります。向こう側のホームへは、階段を使わなくてもええよ!こっから線路またいで行き!と、おばちゃんたちが教えてくれました。平然と当たり前のように、電車が走っていても線路上を歩いたり侵入したりしてるミャンマー人。伊代ちゃんも京都じゃなくミャンマーだったら、問題にならなかったのにねって、話題が古いですね(笑)。

 帰りは冷房のない100Kの車両を選びました。これがまた、壮絶な未知なる体験になりました。ギュウギュウ詰めの車内、ドアは全開!で、座って車外に足を出してる人もいる!降車乗車も、かなり適当で乱暴で危ない~!絶対に日本では見られない光景。得体の知れない臭いや得体の知れない荷物など、目に耳に鼻にカオスな時間を身を縮めながら過ごしました。

 ヤンゴン駅に着くと、近くにある観光客向けのお土産市場、ホーヂョーアウンサンマーケットに。ガンダマーホールセンターと違い、ここには西洋人がたくさんいました。日用品や貴金属を売る店が、所せましにひしめいています。のんびりと冷やかしながら歩いてると、10歳ぐらいの女の子が近づいてきて、流暢な日本語で話しかけてきました。その少女カメ子(仮名)は、フレンドリーで可愛いので、つい相手にしたのがマズかった。地球の歩き方にも、日本語でしつこくつきまとってくる客引きがいるから要注意!と書いてあったのに。

 カメ子、ガキのくせになかなかのヤリ手で、しつこい上に大阪弁でおもろいトークするので、小心で世慣れぬ私はすっかり手玉にとられてしまい、カメ子とグルと思しき店に連れて行かれ、強引なセールス攻めに遭ってしまいました。なかなかサイフのヒモを緩めない私を攻略するために、カメ子の兄も加勢に。15歳ぐらいの、なかなかイケメン。チャキチャキしてて、ちょっとフテブテしいカメ子と違い、おっとり優しそうな彼には驚くべきことにユースケという日本名があり、妹以上に日本語が上手で、やっぱ大阪弁。マーケット内にある日本人経営の貴金属店で働いていて(“ユースケ”は、日本人の社長が付けたニックネームだとか)、将来は日本に留学するのが目標とか言ってました。おしゃべりは楽しかったけど、執拗なセールスには辟易。特にカメ子はヤバかった。あまりにも執拗なので、怖くなってミャンマーの絵葉書セットを買ってしまいました。でも、それ以上は!ありがとバイバイ!と、逃げるようにユースケ&カメ子兄妹とお別れしました。鬱陶しかったけど、ミャンマーの子どものたくましさには感服。皆さまも、ボーヂョーアウンサンマーケットに行かれた時は、大阪弁のユースケ&カメ子にご注意を!それにしても。ボッタクリガイドのヨースケといい、強引セールスのユースケ&カメ子兄妹といい、愛想はいいのに写真撮影は断固拒否なんですよ。怪しいですよね~。ちなみにカメ子に買わされた絵葉書セットは、トイレに飾ってあります。絵じたいは、すごくキレイで気に入ってます。

 マーケットではミャンマーなTシャツを数枚、日本人が経営しているお土産店で石鹸やクッキーを購入しました。タナカ石鹸は名物みたいで、美肌効果があるとか。お土産にちょうどよかったです。私も日本に帰ってさっそく使ってみました。いい匂いがするフツーの石鹸でした。美肌効果は、残念ながら特になかったですマーケットを出ると、疲れたのでカフェに入って冷たいカフェオレで喉を潤し休憩。その後、タクシーを拾って、インヤー湖に行ってみました。夕暮れが近づく静かで落ち着いた湖畔は、ゴミゴミと騒々しいヤンゴンとは別の空間のようでした。帰りに乗ったタクシーの運ちゃんは、千葉真一と真田広之の大ファンで、真田さんが今は日本で活動していないことを教えると、めっちゃビックリしてました。

 ヤンゴンに戻ると、有名な雑貨店ポメロに行ってみることに。なかなか見つからず、万歩計があったらスゴい数値が出そうなほど歩きました。日が暮れると、ヤンゴンの街ってほんと暗いんですよ!足元も悪いし、目が悪い人にはかなり危険!ウロウロ彷徨ってるうちに、やっと店発見!有名なレストラン、モンスーンの隣のビルの2階にありまました。すごく分かりにくい場所にあります。昼間に行くことをおすすめします。

 疲れ果てた様子で入ってきた汗だくの私に、美人の店員さんが冷たい水の入ったグラスを持ってきてくれました。何て親切!お水は、まさに甘露ようでございました。こじんまりした店内、商品もそんなにたくさんはないのですが、どれもこれも可愛い!雑貨好きにはたまらん空間でした。全部ほしい!と、時間を忘れて物色しました。特に動物の張り子が超可愛い!キリンとゾウとフクロウを購入。値段は値切り系の屋台に比べたら割高ですが、でも日本に比べればやっぱ安いです。店員さんの親切に対して申し訳ないほど、経済的な買い物になってしまいました。
 屋台で美味しそうなタコ焼きを買って、宿に戻りました。あ、絵葉書を日本に出すの忘れた!西洋人の客が何人かいたフロントに下りて、切手売ってますか?とあの可愛いけど何か頼りないボーイさんに訊くと、ないと笑顔で即答されました。じゃあ、近くのコンビニみたいな店で売ってますでしょうか?と訊くと、さあ?と困惑顔。私も困惑してると、私たちの問答を聞いていたらしい西洋人の青年が…
 to be continued
 次回はいよいよ(やっと?)最終回!
 
 

 
 
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ミャンマー祈りの旅⑦ 金魂!

2017-10-29 | 旅行、トレッキング
 消えたパスポート。明日は日本大使館じゃ~。もうどうにでもなれ!と投げやりな気持ちになってベッドに倒れ込んだ瞬間、ハタと思い出す。そーいやパスポート、この宿に着いてすぐにフロントに預けんかったっけ?!はっと身を起こすと部屋を飛び出し、転がるように階下のフロントへ。怪訝そうに微笑みかけるボーイさんに、パスポート預けてませんでしたっけ?と切迫した声で尋ねてみると、はい、ありますよ、とあっさりパスポートを私に差し出すではないか。ああ良かった!と大安堵し、何度もボーイさんにお礼を言って部屋に戻りました。でも、だんだん落ち着いて冷静になって考えてみると、何で私がチャイティーヨーへ行くと知った時点で、パスポートを返してくれなかったのだろう?いやいや、それ以前に、海外でホテルに滞在する際に、パスポートって預けるもんだったっけ?疑問と不安がグルグルしましたが、とりあえずパスポートは手元に戻った。もう二度と離さないから、と思わずパスポートを抱きしめる私なのでした。
 翌早朝5時。バスターミナルに行くためのタクシーが、宿まで迎えに来てるはず。身支度してロビーに下りると、真っ暗な中ソファであのボーイさんが寝てた!ビツクリ!ボーイさんは私に気づくとおもむろに起きて、行ってらっしゃいと笑顔で挨拶。宿の前に出ると、ちょうど一台のタクシーがやってきました。運ちゃんはこれまた愛想のいいおじさん。まだ夜が明けきれぬ車道を、かなりのスピードでタクシーは走行。運ちゃんはカタコトの英語で、イスラム国やスーチーさんの話を機嫌よくしておりました。
 ヤンゴンのダウンタウンからかなり離れ、タクシーはやがて真っ暗な広い木立の中へ。あまりの暗さ、ひと気のなさに、何ここ怖い…と口に出した私に、運ちゃんはココはミャンマーの軍用地ダヨ!とにこやかに返答。暗い木立を抜けると、やがてバスターミナルに到着。たくさんの人やバス、タクシーで朝早くから混雑した空気。運ちゃんは、私が乗るバスまで連れていってくれました。バスはまだ誰も乗客がおらず、私が一番乗り。出発までちょっと時間があったので、にぎやかなターミナルを軽く散策。出発前の慌ただしく活気に満ちた光景。まだ年端のゆかぬ少年たちが、バスの窓拭きをしてたり。いい匂いを漂わせる屋台を発見し、座ってミャンマーの国民食であるモヒンガーを注文。一杯500Kの安さ。さっぱり風味のあったかい素麺?みたいな感じ。美味しかったです。

 6時過ぎに再びバスに乗ると、何人か他の乗客も乗ってました。私の前の席に座った女性が、いきなり紙袋にゲーゲー嘔吐。まさかもうバス酔い?!まだ動いてもないのに。6時半になると、ようやくバスが発車。バスの中は冷房ガンガンで寒い!上着もってきて正解でした。
 ヤンゴン中心地を離れ、バスは一路チャイティーヨーの玄関口であるキンプン・ベース・キャンプへと向かいます。バスの中では、ミャンマーの歌謡曲?が延々と大音量で流れてました。のどかな田園風景が続いたかと思うと、人や車が行き交うにぎやかな場所になったりと、窓外の風景も日本では見られない異国情緒いっぱい。バスが停まると、品物が入った笠を頭上に掲げた売り子さんたちが、すかさず近寄ってきたり。

 11時頃、バスはキンプンに到着。ここですぐに帰りのバスチケットを買いました。そしてまたすぐに、チャイティーヨー行きのトラックに乗り換え。このトラックこそ、ミャンマー旅行のハイライトのひとつ。いろんなミャンマー旅行記を読んで、心くすぐられずにはいられませんでした。
 トラックが、これまた味わい深くて。屋根がなく、荷台にギュウギュウ詰めに座らされた乗客は、まるで家畜な気分に。映画でよく見る、強制収容所に連行されるシーンに近い、とでも言いましょうか。でも乗客たちはみんなワクワクと明るく浮かれていて、楽しい雰囲気。見たところ、ミャンマー人がほとんどだったような。

 トラックは、信じられないような猛スピードで、ゴーっと山道を上って行きます。急カーブでもスピード緩めず、お、落ちる!なスリル。小さい子どももお年寄りも乗客はキャッキャと大喜び。山道は凸凹でアップダウンが激しく、まさにジェットコースタートラック!スピード違反?乗員オーバー?そんなの関係ねぇ!(死語)なワイルドさ。でも、これも日本では決して味わえない異国ならではの楽しみ。私もスリルを満喫しました。ジェットコースターが苦手な人、車酔いする人は、かなりキツいかも…
 30分ほどして、トラックは山頂に到着。チャイティーヨー、通称ゴールデンロック、はミャンマーでも1、2を争う人気観光地。ミャンマー人にとっては、生涯に一度は巡礼すべきとされている聖地なんだとか。

 トラックを降りて、屋台や土産物店が並ぶ道をてくてく歩き続けると、階段にたどり着きました。ここで靴を脱ぎ、裸足で進まねばなりません。階段を昇ると、外国人は関所?みたいな部屋に入り、入場料を払って通行証みたいなものをもらいます。ゴールデンロックがある場所まで、真っ白な大理石みたいな地面。太陽の光を受けて、まるで鉄板状態。あ、熱っ!あちち!足の裏が焦げそうな熱さを我慢しながら歩くと、いよいよ目前にゴールデンロックが現れました。

 ああ、何て大きな金タマ…もちろん卑猥さなど微塵もなく、神々しく光り輝いております。落ちそうで落ちないその不思議な姿に、神秘の力を感じます。聞けば、岩の上にある小さな仏塔に、仏陀の髪の毛が収められているとか。

 このゴールデンロック、女人禁制!女性は近くに行って触れないのです。警備員が厳重に金タマを守っています。男性は金粉をもらって、金タマに擦りつけて御利益を授かることができます。田島ヨーコ先生とかなら激怒しそうな時代錯誤、男尊女卑なしきたりですが、私は別に何とも思いません。むしろ、古式ゆかしい伝統として守り続けてほしい。相撲の土俵とか神の島とか、何でもかんでも女も女も!と騒ぎ立ててズカズカ入り込もうとするのが、正しい男女同権とは思えないので…
 閑話休題。陽光にきらめくゴールデンロックを心ゆくまで礼拝。広場では参拝客が、木陰でのんびりと憩っています。にぎやかな舞踊のショーとかもやってました。面白いグッズや衣服が売っているお土産店もたくさんありました。私も美味しそうなアイスクリーム(300K)を買って、木陰でひと休み。
 キンプンに戻るため、トラック乗り場に戻ると、男女が大声で大げんかをしてるではありませんが。何を言ってるのかはもちろん分かりませんが、ものすごい形相で罵り合ってる。今にも刃傷沙汰になりそうな不穏さ。おじさんのほうは、奥さんと子どもと一緒。おばさんのほうは、小さな男の子連れ。かなり長い間、しつこく言い争ってました。概して穏やかでにこやかなミャンマー人も、やっぱ仏心を失うこともあるのですね。
 再びジェットコースタートラックでキンプンに戻り、バスの発車まで時間があったので、お土産店が並ぶ通りをブラブラ。狭い道を、大型バスが無理やり入ってきて、ありえない方法で方向転換!店にぶつかる~!のに、ギリでセーフ。すげ~。

 バスが来るまで、近くの食堂で入って待つことに。ミャンマービールを注文して、乾いた喉を潤します。目の前のテーブルでは、店員の男の子がテーブルに足をのっけて煙草吸いながらTVを観てます。これも日本ではありえない光景ですね。目の前をハエがブンブン、てのも日本ではなかなか体験できなません。
 ヤンゴンに戻るバスの中では、爆睡!途中、バスがトイレ休憩?で停車。そのまま寝てようと思ったら、運転手が降りて何か食べてきたら!と降車を半強制。仕方ないので、食堂内のトイレへ。き、汚な!すぎて使用せず。食堂では、若い男の子の店員が超親切で、お腹減ってませんか?何か飲み物もってきましょうか?と優しく尋ねてきます。注文したミルクティは、甘くて美味しかったです。私が日本人だと知ると、アリガト!と笑顔。
 19時過ぎに、バスはヤンゴンに到着。客引きのタクシー運ちゃんが、すわ!と群がってきます。15000Kふっかけてくる運ちゃんに、9000Kまで値引きさせて、交渉成立。この運ちゃんもめっちゃフレンドリーなおじさんで、安全なミネラルウォーターの宣伝や、日本やアウンサンスーチーさんの話をしてました。ダウンタウンでタクシーを降りると、ミネラルウォーターのペットボトルをくれました。
 夕食は、にぎやかなバーベキューストリートにある、日本人がオーナーだと地球の歩き方に書いてあったコーサンというお店に入りました。ここの店員も若い男の子で、結構イケメンでしたが、日本語どころか英語も全然ダメで困った。メニューにあった美味しそうな料理を注文。牛肉のチャーハン?美味しかったけど、量が多く臭みが強かった。
 宿へ戻る途中にあったユニクロみたいな服屋さんに入って、寝間着用に安いけど可愛いミャンマーっぽい柄のTシャツを2枚買って、宿に戻ってシャワーを浴びて、ベッドに転がって日誌ノートを広げたりしてるうちにウトウト、いつしか眠りについていたのでした。
 to be continued


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ミャンマー祈りの旅⑥ 金色の極楽浄土

2017-10-15 | 旅行、トレッキング
 暮れなずむヤンゴン、大通りの雑踏を縫うように歩き、ヤンゴンのランドマークであるサクラタワーに到着。
 サクラタワーは、日系企業が多く入居しているオフィスビル。エレベーターで20階にあるティリピサヤ・スカイビストロへ。雑駁な街の空気とは違う、静かで涼しい落ち着いたムードの店内。お客さんも西洋人がほとんどでした。ヤンゴンの中心地が一望できる窓際に座り、ほっと一息つきます。店員さんも感じがよく丁寧。アイスラテを飲みながらぼんやりしていると、いつの間にか夜のとばりが窓外に落ちていました。ちょっと小高い場所で黄金色に輝くシュエダゴォン・パヤーが見えます。夜景の美しさをもうちょっと眺めていたくて、ミャンマービールを注文してしまいました。ビールはそんなに好きじゃない私ですが、ミャンマービールはさっぱりしていて美味しかった!メニューは、ストリートの屋台とかに比べれば高いかもしれませんが、日本のカフェよりは各段に安い。静かだし清潔だし景色はきれいだし、ちょっとひと休みするにはうってつけの場所ではないでしょうか。

 サクラタワーを出ると、人込みはさらに激しくっていました。流されるように歩いてると、ルビーマートという庶民的なローカルスーパーマーケットにたどり着き、入ってみました。外国人らしき人はまったくおらず、どうやら現地の人だけ。危険が伴わなければ、外国人向けではない場所や店で、その国のリアルを垣間見るのも旅の一興。日本でもドラッグストアが好きな私なので、店内にあふれるミャンマーの薬や化粧品に興味しんしん。パッケージが可愛くてミャンマーっぽいので石鹸と、ついでに風邪薬も買ってみました。海外の薬なんで怖くて飲めない~。けど記念に。帰国してすぐ風邪を引き、ルル3錠がなくなってたので、恐る恐る購入したミャンマーの風邪薬を服用してみました。よく効きました 

 ルビーマートの前でタクシーを拾って、ヤンゴン最大の観光地であるシュエダゴォン・パヤーへ向かいました。タクシー代は2500Kでした。良心的?ぼったくり?でも運ちゃんはいい人でした。料金交渉はめんどくさいけど、ヤンゴンのタクシー運ちゃんはみんな人なつっこくて感じがよいひとばかりでした。約10分ほどで、ちょっと郊外にあるシュエダゴォン・パヤーに到着。一般的な入口とされている南参道口から、104段ある階段を上がって(エレベーターもあるらしい)いきます。夜だったせいか、入口はひっそりとひと気は少ない。昼間だと、参道の両側はお店が出ていて賑やかなんだとか。ここでも当然裸足にならねばならず、靴預かり場所があるけど私は持参した袋に入れて入場しました。係り員に8000K払うと、チケットとシールをくれます。境内では検札があるらしいので、シールは胸とかに張っておきます。

 ↑美しい尼さん。観光客にカメラを向けられても、にこやかにポーズ。モデル顔負けの撮られ慣れっぷりでした
 ミャンマー最大の聖地と言われているシュエダゴォン・パヤー。宵闇に光り輝く黄金の塔。神々しく神秘的で、おお~と思わず見とれてしまいます。たくさんの人たちが、静かに穏やかに、または真剣に祈りをささげています。境内にはいろんなスポットがあって、それぞれに興味深い伝説やエピソードがあります。のんびり歩いてると、人の善さそうなおじさんが声をかけてきました。優しい口調と解かりやすい英語のせいで、ついついスルーできずに会話を弾ませてしまう私。よかったら、案内しましょうか?と切り出してきたおじさんに、キター!と警戒信号。ヨースケで懲りてたのでノーサンキューしようと思ったのですが、ガイド料が安かったことと、ぼったくりに対する怒りをくすぶらせていたせいもあって、今度こそ猛抗議、大騒ぎしてやる!と変な奮起をしてしまい、商談成立

 ヨースケも親切でしたが、おじさんも超紳士で懇切丁寧。解かりやすい英語で、境内のスポットをあますことなく案内してくれて、それぞれ詳しく面白く説明してくれます。祈りの作法とかもちゃんと教えてくれて、これだけは独りではどうしようもなかったので、ありがたや~と心底思いました。楽しかったし、勉強になりました。ガイド料に関する不快なトラブルもなし。気持ちよくお別れしました。光輝く貴い仏塔を見上げて、これも仏縁、私がイヤな思いをしても相手が満足ならそれでいいじゃないか、日本に戻ってもそういう風に思えたら、という清らかな感情に心洗われました。

 元来た参道を下りて、再びタクシーを拾ってダウンタウンへ戻りました。ダウンタウンは毎夜のようにお祭り騒ぎで、ここは中国?と錯覚してしまうほどにチャイナなカオス。屋台で売られている食べ物がどれも興味深く、一個350Kの丸い形のコンニャク?羊羹?みたいなお菓子や、一個1000Kのウリみたいなフルーツを買ってしまいました。

 宿の近くには、バーベキューストリートと呼ばれる、ビアホールや串焼き店が立ち並ぶ通りがあって、すごい盛況。ここには西洋人もたくさんいました。私はすっかり人酔いしてしまい、どこの店にも屋台にも立ち寄る気力も勇気も失せてたので、コンビニでサンドイッチとミャンマービールを買って、宿に戻りました。フロントではあの少年みたいなベルボーイくんが、慎ましい笑顔で私を出迎えてくれました。翌日のチャイティーヨーへ向かうバスチケットの手配も、夜遅くにもかかわらず親切にやってくれました。部屋に戻って、サンドイッチとフルーツとコンニャクお菓子の夕食。どれも不味くて、ほとんど食べられずミャンマービールでほっと一息。チャイティーヨーではパスポートが要るので、用意しとかなきゃ♪って、あれ?あれ?キャリーバックにもボストンバッグにも、パスポートがない!!え!いったいどーいうこと!?ほっと一息は束の間、パスポート探しで私は狂乱、室内にすべての荷物をぶちまけても、パスポートは出てこず。これって、チャイティーヨーに行けないどころか、日本に帰れんってこと?!明日は日本大使館?!イヤー!!!
 to be continued
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ミャンマー祈りの旅⑤ 穢土厭離の午後

2017-08-27 | 旅行、トレッキング
 ヨースケが絶対の自信をもって断言した、ヤンゴンで最も面白い場所、美しい風景とは?ヤンゴンの波止場から約20分ほどで、船は目的地に到着。いったいどこ?不安に心揺れながらも、笑顔のヨースケに手をとられて船をおり上陸しました。当時は知らなかったのですが、正確には島ではなく、船を使わないと行けないダラというヤンゴンで最貧の地域でした。周りを見回しても、ポツンと廃屋があったり、貧しい身なりの人たちが歩いてたり、特にこれといって何もない寂しい風景。私の不安もお構いなしに、ヨースケはバイクで観光案内する!と、私の返答を待たずにさっさと知り合いっぽい二人組の少年に声をかけ、彼らのバイクでレッツゴー!なノリ。ええ~…と私は気が乗らなかったのですが、もう断れない流れになってしまい、ええい、ままよ!と日本では絶対ありえない危険を犯すことに。真っ黒で無表情な少年二人はそれぞれのバイクの後ろにヨースケと私を乗せて出発したのでした。

 付き合ってた男の原チャリ以来でしょうか、男の後ろに座ってバイクに乗るのは。当然、あの頃のような甘~い気持ちにはなれません。かなり乱暴な運転、でも気軽に少年にしがみつくわけにもいかず、とにかく振り落とされぬよう必死。目に映るのは、やはり忙しく乱暴に行きかうバイクや、廃屋のような建物、のんびり歩いてたり店番をしてたりする人々。ヤンゴンにはたくさんいた西洋人の姿も皆無。中国人や韓国人、インド人さえも見当たらない。
 日本の夏ほど暑くはないのですが、陽射しは痛いほど強く、肌を気にする日本人にはかなり過酷。ああ日焼け止め塗り直したい~と気をもんでたら、バイクが雑貨屋さんの前で停車。店で煙草を買ったヨースケは、私を椅子に座らせるとおもむろに何かを顔に塗り始めました。そう、ミャンマーといえばのタナカです。得体の知れぬものを肌に、しかも顔に塗るなんて。かなり不安でしたが、ベタベタ感がなく意外とサラっとした塗り心地。はっきりと何かを塗っている真っ白さが、返って厚化粧より潔さが。優しくタナカを塗ってくれるヨースケが、もしタイプのイケメンだったら、さぞやドキドキだったことでしょう。タナカは店のお爺さんからのサービスで無料でした。

 やがてバイクは、とんでもない場所へと私を連行したのでした。TVでよく見る、アフリカの貧民街みたいな集落。粗末な身なりをした、中には原始人みたいな風貌の人たちが、不意に現れた異国人の私を無関心そうに見てる。まさに弥生時代の掘っ立て小屋みたいな家が密集し、その暗さ不潔さといったら筆舌に尽くしがたいほど。異臭もキツい。汚い豚小屋のすぐそばで、生まれたばかりっぽい赤ちゃんが寝てる。野犬がうようよウロウロしてる。足元も悪く、え?!何これ?!な異物も転がってたり。

 ど、どこが美しい、面白い場所だよ!と、ニコニコと住民に声かけてるヨースケに面罵したくなりましたが、私など1日たりとも生活できそうにない、信じられないような不衛生で劣悪な環境で暮らしている人々は、私が覚えた数少ないミャンマー語のひとつである『ミンガラバー(こんにちは)』と声をかけると、恥かしそうに微笑みミンガラバーと返事をしてくれる。子どもたちは人なつっこく、私が突っ立てると近づいてきたり。外国人への警戒心とか反感めいた雰囲気はなく、シャイだけどフレンドリーなところはヤンゴン中心部の人たちと同じ。可愛らしい子どもたちを見てると、私がどれだけ恵まれた幸せな生活をしているかが骨の髄まで思い知らされ、日々の不平不満を反省せずにはいられませんでした。

 学校もなく仕事もなく、その日ぐらしだという人々の様子を暗澹とした気持ちで観察してる私に、『善いことをしませんか?ドネーションしませんか?』とヨースケが私に提案。ここの人たちのために、お米を買ってほしいとのこと。ははあ、これが目的かと苦笑しながら得心。でも、生であのような極貧を目の当たりにすると、いくら冷血人間の私でも何かしてあげたいと思わずにはいられません。再びバイクに乗せられ、お米を売ってる店に連れていかれる。ものすごくデカい米俵を買わされました。65000K(約6500円)の出費。まあ、これでちょっとでも人助けになるのなら…

 再び集落に戻り、ヨースケとバイク少年たちがお米を小分けにして住民にふるまいます。私からの寄付、とヨースケが住民たちに伝えると、ふーんみたいな無関心そうな反応でしたこれぐらいで涙を流して喜ぶと思うなよ、上から目線な哀れみで気持ちよくなるなよ、と言われたみたいでした。よく見ると、大人たちはアイスクリームを食べてます。どこで売ってたんだろ?ていうか、冷蔵庫なんかどこにもなさそうだったけど。

 お米を配り終えた後、バイクで小さな寺院に立ち寄りました。ミャンマーの寺院では、どこでも靴を抜いて裸足にならないといけないので、神経質な人にはちょっとしんどいかも。遊んでいた中学生ぐらいの男の子たちが笑顔で話しかけてきますが、英語はまったく通じずヨースケの通訳でおしゃべり。タイからの観光客である家族連れもいたりしました。寺院の中には年若い僧侶たちが暮らす建物があって、半裸で行水してたり。ヨースケも小さい頃、数年間ここで修行したことがあるらしく、なかなか厳しく辛い日々だったと話してくれました。ミャンマーの貧しい家の男の子は、学校ではなくお寺で読み書きや最低限の教育を受けるらしいです。

 夕方に近づいてきて、ツアーも終了。ここでお会計。思ってたより請求されて、ぼったくりに近い不当さだったけど、ここで争ったら絶対ヤンゴンには帰れなくなる、へたすりゃ豚のエサにされちまう危険性があったので、逆らわず支払います。帰りは大きなフェリーに乗りました。元は日本の会社の船で、何と日本人は無料!ヤンゴンには10分ぐらいで到着。

 まだ何かついてこようとするヨースケに、ありがと!さよなら!ときっぱりと笑顔で通達して、逃げるように私は暮れなずむヤンゴンの雑踏の中にまぎれたのでした。大した額ではないとはいえぼったくられたのは悔しかったけど、無事だったし貴重な経験もできたので、まあヨシとしよう。後日調べたところ、ダラはミャンマー屈指の危険地帯で、観光客への非道いぼったくりが問題になってるとか。身の危険は感じませんでしたが、用心がかなり必要な場所であることは確かです。ダラに行かれる予定のある方は、くれぐれもご注意あそばして!

 さあ、気を取り直してヤンゴンの街を歩こう♪ちょっと涼しくなった夕方、スーレーパヤーの前は相変わらずスゴい人・人・人!バスや車の運転も乱暴で、めっちゃカオスです。現地人にまぎれて、私も恐々と道路を横断。お腹はそんなにすいてないけど、疲れたし喉が渇いたので、どこかに座って冷たいものを飲みたい。大通りのスーレーパゴタ通りをヤンゴン駅のほうへと真っすぐ歩いて、その高さでひときわ目立つビル、サクラタワーへと向かいました。
 to be continued
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ミャンマー祈りの旅④ 危険な一期一会

2017-07-16 | 旅行、トレッキング
 『コンニチハ』
 スーレーパヤーの前を歩いていると、日本語で声をかけられました。いつの間にか、すっと私の隣でミャンマー人の男が歩を並べてるではありませんか。見たところ40歳ぐらいのおじさん?イケメンじゃなくて、ちょっぴり残念来た来た、と内心ウンザリしながら、ハイハイ、コンニチハ、サヨウナラ、と適当にあしらってさっさとやり過ごそうとする私。でも敵もさるもの、なれなれしくはないけどピッタリくっついて離れず、カタコトの日本語で一生懸命話しかけてきます。郵便局を私が探していると知ると、連れて行ってあげマスヨ!と私が断る間も与えずレッツラゴーなノリ。え~めんどくさいことになった…と、ため息な私。人込みにまぎれて上手くまいちゃえと機会を狙いながら、ニコニコおしゃべりなミャンマー男に歩きながら適当に相槌を打ちます。
 このミャンマー男、身長は私より低く貧相な風貌で、ヘンなところに連れ込まれなければ私でも腕力で勝てそうな感じ。でも、ニコニコ優しく明るい人柄っぽくて、バカな日本人を騙くらかそうと目論んでるようには全然見えません。警戒心は保ったまま、やはり異国での心細さも手伝って、だんだんミャンマー男をムゲにできなくなっていくのでした。彼、ちょっと俳優の斎藤洋介に似てたので、仮名はヨースケにしておきます。
 カタコトの日本語よりもカタコトの英語のほうが意思疎通しやすいと気づいて、いつの間にか会話はカタコト英語にシフト。普段は工事現場で働いてるけど今日は休み、休みは観光客の観光案内をして小遣い稼ぎ、というヨースケ。いくらぐらいのギャラなの?と訊くと、びっくりするほど安い値段。じゃあ、ちょっとだけ案内お願いしようかな、と軽く雇ってしまいました。ヨースケは大喜び。ちょっと不用心だったかも?でも、たまにはこういう現地の人と親しむのも悪くないかも、と不安と冒険心。

 スーレーパヤーからちょっと歩いて、海に近いストランド通りにある中央郵便局に到着。ミャンマーはかつてイギリスの植民地。その名残があちこちに見受けられます。この郵便局もそのひとつ。立派な建物です。中に入って、受付前で絵葉書と切手を買います。ヨースケがミャンマー語でささっとやってくれたので、何のトラブルもなし。家族と友だちへ、無事届くかナ?(ちなみに、実家へは私が日本に戻って1週間後、M子宅へは10日後に到着。同日に同じ国、同じ県に出したのに、この時差はいったい?!ていうか、着くまで時間かかりすぎ

 郵便局の近くには、ミャンマー最高級のホテルであるザ・ストランド・ヤンゴンが。ミャンマーを訪れたセレブは、必ずここに滞在するとか。中に入ってイギリス式ハイティーとかしたかったけど、ヨースケがいたのでスルー
 ちょうどお昼時だったので、屋台で食べることに。独りだと勇気がいるけど、現地人が一緒なので心強い。ここでもヨースケがオーダーしてくれたり、食べ方や食べ物の説明をしてくれたりで助かりました。

 ほうれん草みたいな野菜の煮つけとか、あっさり味の角煮みたいなお肉とか、なかなか美味しかったし、超安かったです。ヨースケと二人分で500円ぐらい。お店のおばさんもいい人でした。ちなみにヨースケ、何と23歳だった!てっきり私より年上かと思い込んでた!付き合ってる彼女は16歳とか言ってました。
 昼食を食べ終えると、ガイド代を払ってアリガトバイバイ、しようとしたら、おもしろい場所に連れて行ってあげマスヨ!とヨースケ。用心深い私の心に、危険信号が灯る。が、なぜかミャンマーではそれよりも冒険心のほうが勝ってしまった。ミャンマーという国の雰囲気が全然危険を感じさせず、ミャンマー人もみんな優しいからか、私の心もつい緩んでしまったのでしょうか。じゃあ、お願いしよっかな、と契約続行。
 ちょっと移動するとのことで、バスに乗ることに。巨大な菩提樹の下にあるバス停で待ってると、日本ではありえない状態で走ってるバスが目に入る。開けっ放しの窓からドアから今にも落ちそうなほど、乗客があふれんばかりに詰め込まれてるバス。こんなん無理~!とヨースケに訴えると、じゃあタクシーで、と。

 タクシーに乗って5分ほどで、埠頭に到着。どこに連行されるのだろう?!と、不安に襲われる私をニコニコとヨースケが船着き場へと導きます。ボロい筏みたいな渡り船に、たくさんの人々が乗り込んでいます。漁でもやらされるのかしらん?と恐々と不安定に揺れるボロ船に、ヨースケに手をとられて乗る私。若いお兄さんが操縦する船は、結構スピードもあり大きく揺れたりして、いつ転覆してもおかしくなさそうなスリル。こんな海にドボンしたくないわ~な海水の汚さから逸らした目は、近づいてくる島に当てられます。そんなに暑くはないけど陽射しが強く、それを気にする私にヨースケが、船長が持ってた日傘を借りて優しく私にさしてくれます。ヨースケはとても優しく気配りのある人で、これがイケメンだったらさぞやドキドキだろうな~と、苦笑いを禁じ得ない私なのでした。

 たくさんの人を乗せたボロい渡り船が、島と本土を往復しています。どういう島なんだろう?好奇心と不安に胸をざわつかせていると、約20分ほどで島に到着。後で調べて分かったのですが、ダラというヤンゴンで最貧困の居住区でした。ここで私、いい意味でも悪い意味でも絶対に日本では味わえないような、ものすごく貴重な体験をしました…
 to be continuned
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ミャンマー祈りの旅③ 拈華微笑の国

2017-04-16 | 旅行、トレッキング
 早朝ホテルをチェックアウトし、再びKLエクスプレスに乗ってクアラルンプール空港へ。結構早めに来たのに、荷物預かりも出国審査も長蛇の列!まさかまさかの超ギリギリ搭乗に、寿命が縮まりました。もっと余裕のある旅がしたい。自分の要領の悪さがつくづく嫌になります。
 乗った航空機の翼が、びっくりするほど年季が入ったボロボロさで、離陸後にガタガタ飛行機が揺れるたびに、すごい不安に。クアラルンプールからミャンマーのヤンゴンまで、約3時間ほどのフライト。現地時間午前10時頃、ついにヤンゴンに到着!
 ヤンゴン国際空港は、コンパクトでこぎれいな空港。到着ゲートを出ると、ダウンタウンまでのタクシーを手配してもらうべく、タクシーカウンターに。そこにいた何人かの職員さんたちが、にこやかに私に微笑みかけてくれます。どこへ行っても冷たくあしらわれてしまう私なので、優しい笑顔は本当に嬉しい。しかし。受付の若いお兄さんは愛想よく、今日はもう終わりました♪と。え?!と耳を疑う私。終わったって、まだ昼前ですよ?!早くも脱力しかけましたが、仕方ない、自分でタクシーを捕まえるべく、空港の外へ出ます。日差しのまぶしい明るさ、マレーシアとは違うカラっとした暑さが、まさに乾季の真っただ中という感じ。タクシーの運ちゃんたちは、私に気づくとワラワラと寄ってきます。中にはコンニチハ!など日本語を口にする運ちゃんも。怖気づきながら、いくらでダウンタウンに行ってくれますかと交渉を始める私。このタクシー交渉が、ミャンマー滞在中もっとも重要かつめんどくさい必要事に。12000K(チャット 1K≒0.1円)!と答える運ちゃんたち。え!8000Kが相場と聞いてたけど!とオズオズ不平を言うと、それはない!12000K!と運ちゃん軍団がいっせいに反論。じゃあ他のタクシー探すわ~と逃げようとすると、分かった!10000Kでいいヨ!と、おじさん運ちゃんが半ば強引に私をタクシーまで連行。値切れた!頑張れば8000Kまで落とせたかもしれませんが…値段交渉なんて普段やらないから、ほんとめんどくさいわ~。
 タクシーの運ちゃんは、とってもフレンドリーなおじさん。お互いカタコトの英語で、日本やミャンマーことを話したり、ここがヤンゴン大学だヨ~インヤー湖だヨ~とか、軽く車内観光案内もしてくれました。

 それにしても。話には聞いてたけど、聞きしに勝るヤンゴンの交通事情。ビュンビュン飛ばしまくって、運転も荒っぽい。交通違反など存在しないも同然。タクシーの運ちゃんも、華麗な?ドライビングテクニックで、ひえ~な車線変更、猛スピード。車だけでなく、歩行者の怖いもの知らずさも驚異でした。信号も横断歩道もないに等しく、うわっこんなところ渡る?!危ないよー!どうかしてる!と悲鳴を何度上げそうになったことか。アイルランドのダブリン、マレーシアのブキッビタンもカオスでしたが、ヤンゴンのワイルドさはその比ではありません。でも、お互いに上手によけ合ってる車と歩行者の、鮮やかすぎる調和は見事の一言でした。事故とかしょっちゅうでしょ?と訊くと、全然ないよ!と運ちゃん。その言葉通り、私がヤンゴンに滞在中は一度もそれらしき場面には遭遇しませんでした。交通ルールが厳しい日本では、毎日のように事故現場を見てるのにね~…。

 ↑ホテルがあった裏通り…
 20分ほどで、タクシーはヤンゴン中心街に滑りこみます。目の前には、黄金に輝くスーレーパヤーが。たくさんの赤い提灯がぶら下がっているチャイナタウン近くに、私が予約したホテルはありました。まさに裏通りといった趣の、ちょっと怪しげな環境にある、こじんまりしたB&Bです。ホテルの中から若いイケメンが出てきて、私をお出迎え。慎ましげな笑顔が好ましい少年。ホテルのボーイさんかと思ったら、何とホテルの経営者だった!どう見ても10代なんだけど?!25歳だという彼は、上手な日本語を喋ってさらに私を驚かせます。日本人観光客が増えたので、独学で日本語を学んでるんだそうです。偉い!助手みたいな男の子も、なかなかのイケメンでした。ミャンマー、ひょっとしたら想定外のイケメン天国?!

 ↑ちょっと広いこぎれいな独房、みたいなシングルルーム
 案内された部屋は、TVも窓もない、でも広くて清潔な部屋でした。ちょっと休んで、さっそく街ブラ。ヤンゴン中心地でも、交通ルール無視な車と通行人との危険な調和に驚かされます。バスとかありえないほどギューギューづめで、開いたままのドアから乗客がはみ出てる!日本では絶対に見られない光景です。いろんな人種が混在してる国らしく、同じ国民とは思えないほど、顔も衣装も多種多様。共通点は、みんな色が黒いこと?ほとんどの女性(老若問わず)が、頬っぺたに真っ白なクリームを塗ってます。タナカという日焼け止めです。ミャンマーでしか見られない習慣?若い女性は、みんな美人で可愛い!でも男性は、うう~ん?イケメンそんなにいないじゃん…ホテルの二人が、例外だったのかしらん。たまに満島ひかりの弟とか、勝村政信とかココリコ遠藤に似た男がいたりしましたが。男性も女性も小柄で痩身。デカい、デブ、は少なかったような気がします。

 ゴチャゴチャした猥雑な雰囲気、光景が、まさに発展途上国。いろんな物を売ってる屋台も目に楽しい。でも、野菜とか果物とかに、ブンブンと蝿がそれを振り払おうともせず、平然と放置し売ってるのもカルチャーショックでした。屋台の人や、すれ違う人の多くが、私と目が合うとシャイな感じで微笑んでくれる。外人=冷たい、という定説が私の中では成り立っているのですが、ミャンマーは嬉しい例外でした。さすが仏さまの国ですね。つっけんどんにされたり、無視されたり、という海外旅行ではお馴染みになってるイヤな思いは、ミャンマーではほとんどありませんでした。優しいミャンマーの人々ですが、ちょっとのんびりしすぎて、怠け者でもある?熱心に商売するよりも、のんきにおしゃべりしてたり昼寝してる人のほうが多いんですよ。たくさんの子どもが売り子してたり、ウロウロしてたのも気になった。学校、行ってないのでしょうか。

 さてさて。空は気持ちよく晴れ渡り、ちょっと不衛生ながらも活気に満ちた街ヤンゴン。絶好の街ブラ日和。スーレーパヤーの前にある市民の憩いの場、マハバンドゥーラ公園に入り、そびえたつ白い独立記念碑を見上げながら、とりあえず海外旅行恒例の絵葉書でも出そうかな、郵便局はどこだっけと地球の歩き方を開こうとした私に、ミャンマー滞在中もっとも忘れられない出来事が、早くも起きようとしていたのでした…
『コンニチハ』
 スーレーパヤーの前で、突然日本語で私に話しかけてきたのは…
 to be continued…
 
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ミャンマー祈りの旅② とんだクアラルンプール

2017-02-19 | 旅行、トレッキング
 မဂၤလာပါရွင္!
 早朝、大阪駅に到着!そして、さっそくトラブル発生!早っ!!ウォークマンがない!去年アイルランドから生還した時にやらかした、デジカメ紛失に続く大ドヂ!もうあかん~!と、幸先の悪さに旅心も萎えそうになりましたが、ここで挫けてはいけない!バスを降りたのは10分ほど前、すぐにバス会社に携帯で連絡。バスがまだ倉庫に戻ってないので、折り返し連絡をくれるとのこと。どうか発見されますように!と祈りつつ、関空行きの電車に乗ります。
 関空に着いてすぐ、バス会社から電話が。ウォークマン、見つかったとのこと。よっしゃ!と思わず快哉。実家に着払いで郵送してもらうことに。旅のお供に音楽がないのは寂しいけど、それ以上に安堵と元気を得ました。御仏は試練もくれるけど、救ってもくださるのね。ミャンマーに着いたら、さっそくお礼を述べなくては。
 海外旅行といえば、両替。今ではミャンマーにもATMがそこかしこにあると聞いてたけど、いちおう米ドルを少しだけ持ってくことに。その前に、ATMでお金おろします。ここでまたやらかし!引き出したお金、取るの忘れた!次のおばちゃんが呼び止めてくれて、大焦り!私、大丈夫?!こんなんで私、ミャンマー行けるのか?!
 お昼前に、何とかかんとか搭乗。初めてのマレーシア航空。スッチーさんたちは、小池百合子先生も真っ青な厚化粧だけど美人ぞろい。スチュワードさんたちは、なぜかおじさんばかりでした。席はまた窓際で、前回のエミレーツみたいな悪夢(こちら)アゲインだけは勘弁検便!とビビってたら、周囲は空席が目立ち、私の隣席も無人!ラッキー♪これで安心して気兼ねなくトイレに行けるし、ヒマ潰しに買ったBL漫画も堂々と読める
 息苦しさと気兼ねは感じずにすみましたが、今回も出たー!!某ニーハオ大国の人々!私の前後席は某ニーハオ大国のファミリーが陣取っていて、特にガキ、じゃない、お子様たちが大騒ぎでした自由すぎるわ~…最近、幼稚園や保育所が建つのを反対する地域が問題になってますが、ちょっとだけ理解できてしまう状況なのでした…
 日本から飛んでイスタンブール~♪じゃない、クアラルンプール♪約7時間のフライト。夕方にマレーシアのクアラルンプールに到着。このクアラルンプール空港で後日、世間を騒がせた事件が発生することに。そう、正男暗殺事件です。TVのニュースで正男が殺られた現場が映ると、あ!あそこ何か見覚えある!と身を乗り出す私。まさかあそこで、正男が死んじゃうとはね~…合掌…

 閑話休題。到着時、クアラルンプールの気温は30℃!2月とはいえ、常夏の亜熱帯。真冬の日本から来た私は、セーターなんか着ちゃってます。飛行機を出た瞬間。むうっと生温かい空気が。すぐにシャツ一枚になって入国審査に。
 入国審査、長蛇の列!なかなか順番が来ない~。1時間以上もかかって、やっとマレーシアに入国できました。マレーシアはイスラム教の国だけあって、ベールを被った女性などTVでしか見たことがない衣装が目に楽しい。空港からクアランプールの中心街までは、バスやタクシーでも行けますが、KLIAエクスプレスという電車を利用するのが一般的みたいです。このKLIAエクスプレスについてネットで調べてみたら、片道55RM(リンギット 1リンギット≒25.6円)である通常運賃の半額でターミナル駅であるKLセントラルに行ける裏技が。こーいうのに弱い私は、さっそく挑戦♪で・も。上手くいかなくて返って損する結果にあああ~小賢しいマネ、するんじゃなかった~
 KLセントラルまでノンストップのKLIAエクスプレスは、きれいで静かな電車でした。30分ほどで、KLセントラルに到着。明朝早い飛行機なので、駅前のホテルを予約しました。駅と繋がってるNUセントラルというショッピングモールを抜けて通りに出て、歩いてたらたどり着くだろうとテキトーにブラブラしてたら、ホントにホテル発見。何の変哲もない、こじんまりとこぎれいなビジネスホテルです。受付のお姉さんは、美人だけど愛想のアの字もありませんでした。ああ、ここは日本じゃない、外国…と、こういう時に痛感しますね~…
 疲れ果ててたし、すっかり夜のとばりが降りてしまってたけど、せっかくなので繁華街に行ってみることに。モノレールに乗って、ブキッビンタンというクアラルンプールでいちばん賑やかなエリアに向かいます。夜になっても歩いてるとうっすら汗をかく暑さ。モノレールでブキッビタンまでは2.50RMということで、自販機に5RM札を入れました。切符ではなく、コイン状の青いトークンが出てきました。でも、あれれ?おつりが50セントのコイン一枚だけ。どーいうこと?自販機を蹴ろうと思ったけど、小額なのでま・いっか、と気にせずホームへ。
 ブキッビンタンは、東京でいうと新宿?たくさんの人たちで賑わってました。いつの間にか降り始めた雨。足元の悪さにビツクリ!あちらこちらに泥水たまりがあり、ブロックやコンクリートが転がっていて、気をつけないと絶対転んでケガします。信号や横断歩道など、あってなきのごとし。殺人的な車の運転の荒さ、お構いなしにそれをかいくぐる命知らずな人々。後日、ミャンマーでも驚かされましたが、マレーシアの交通事情も相当ヤバいです。 人の流れに身をまかせるように歩いてると、パビリオンというブキッビンタンのランドマーク的なショッピングセンターまで来ました。ここもスゴい人!イスラム系の人に混じって、西洋人もたくさんいました。パビリオンから空中遊歩道を歩いて、有名なツインタワーがあるKLCCというエリアへ。遊歩道は結構長く、ひと気もなくてちょっと怖かったです。

 かなり歩いて、やっとKLCCのツインタワー前に出られました。なるほど、夜空にそびえる高い二つ並んだビルは、なかなか壮観です。今は亡きニューヨークのツインタワーを思い出し戦慄。もうすっかり遅くなっていたし、もうウロウロせずにホテルに戻ることにしました。
 KLセントラルに戻る時にも自販機に5RMを入れたのですが、今度はちゃんとおつり2.50RMが返ってきました。よく分かりません。ホテル近くまで戻ると、そーいや何も食べてなかったなと気づく。そんなに腹は減ってなかったのですが、目の前にオープンテラス式のインド料理店らしきレストランがあるではないか。遅い時間でも結構お客さんがいたので、フラっと入ってみます。ショーケースの中の料理を指さして注文する形式らしい。よく見ると、あんまし美味しそうじゃない…こんな時間に、得体の知れないもの食べたくない…でも突っ立てる私にショーケース係りのおじさんが、怒ったように早く注文しろと催促。怖くなって、テキトーにコレ!と指さしてしまいました。空いている席につきますが、テーブルには先に使った人がこぼしたものとか残ってました。運ばれてきた料理は、チキン&ビーフカレー?ライスは冷めていてパサパサ、肉からはヘンな臭いがして、正直ゲロマズで半分も食べられませんでした(泣)。もう寝よう!とホテルに戻り、シャワーを浴びてさっさとベッドにもぐりこんだのでした。明日はいよいよミャンマーだ!
 to be continued
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ミャンマー祈りの旅① 欣求へのプレリュード

2017-02-12 | 旅行、トレッキング
 မဂၤလာပါရွင္!
 ああ~ビルマのどこかに~私を待ってる人がいる~♪
 ついに!憧れの国ミャンマーへの旅が始まりました!
 なぜにミャンマー?と、誰もが口を揃えて私に尋ねます。私にも分かりません何かスピリチュアルなものが私の心に忍び込んで、ミャンマーへ行くよう駆り立てるようになった、としか答えようがないのです。もしかして、これは仏さまのお導き?仏教徒でもないのに?ここは不思議な運命の力に逆らわず、答えを探しにミャンマーを訪ねるしかないじゃないですか!

 しかしながら。行動力も決断力もない私なので、いざ旅立ちまで時間がかかってしまいました。なかなかまとまった休みも取れなかったし、激化するテロの横行を危険視する周囲の心配も振り捨てられなかったし…そんな中、老父が大動脈瘤の手術をすることに。これが私の背中を突き飛ばしました。ミャンマーは御仏のみそなわす聖なる祈りの国。病気平癒を祈願する旅に出るのだ!父親の回復を祈るために海外旅行なんて、親不孝?親孝行?ドラマでキムタクが大動脈瘤をチョチョイのチョイと治してたのを見たのも後押ししてくれました不思議な力で私を呼ぶミャンマーに、レッツラGO

 それにしても。こんなにも心惹かれているにもかかわらず、ミャンマーについては無知に等しい私。ミャンマーといえば、ほとんどの日本人もそうだと思いますが、アウンサンスーチーさんぐらいしか思い浮かびません。スーチー女史、昔から憧れの女性なんですよね~。アメリカのヒラリーさんもドイツのメルケル首相も女傑ですが、見た目は野暮ったいおばはん。そこへいくとスーチーさんは、70歳を超えた今でも怜悧で美しい。ひょっとしたら、スーチーさんに会えるかもしれないという淡い願い、いや、アホすぎる妄想にも胸がふくらみます。

 いつもの海外旅行と違って、ミャンマーに入国するにはVISAが必要です。VISAがなきゃ入れない国へ行く、というのも何だか特別感を覚えます。初めてのVISA取得、昔は大使館で手続きをしなければならなかったらしいけど、今ではネットで簡単にゲットできます。ミャンマー大使館のHPでオンライン手続き、支払もカードでサクサクと楽々。$55はちょっとお高い気もしますが…
 VISAも入手し、いつものように必要最低限の荷物をまとめて、身軽に旅する準備もOK♪あとは土壇場になってインフルとか交通事故とか災難が降りかからぬよう、細心の注意・用心を払いながら出発の日を待ちます。

 ミャンマーを舞台にした映画、水島上等兵の「ビルマの竪琴」と、リュック・ベッソン監督のスーチーさん物語「The Lady」も鑑賞。生粋のミャンマー映画やドラマも観たかったけど、日本で可能なのかしらん?ミャンマーに関してもっと知りたいと思ってたさなか、フキンさんが素晴らしすぎる情報をくださいました。BSの旅番組で、ミャンマーが!行くつもりの場所ばかり紹介されていて、本当に助かりました!フキンさん、あらためてကျေးဇူးတပႄါတပၭ!
 さあ、次回からミャンマー旅行記はじまりはじまり!長々しい前ふり前立腺、じゃない、すみません♪果たして私は、神秘の国ミャンマーで何か、誰かと出会えたのでしょうか。いつも通り、チンタラした何の参考にもならない駄文になると思いますが、お目汚しいただけたらマンモスうれぴーのりぴーです
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