まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

公爵さまと中出しNG婚

2021-02-19 | 欧米のドラマ
 Netflixの人気ドラマ「ブリジャートン家」を観ました~(^^♪全8話。
 19世紀初頭のイギリス。名門ブリジャートン家の長女ダフネは、ふさわしい結婚相手と出会うべく華やかな社交活動に勤しんでいた。そんな中、ダフネの前に裕福な独身の公爵サイモンが現れ…
 イギリスの時代劇が大好きなのですが、このドラマ、かなり従来のものとは毛色が違ってます。いちおう19世紀初頭、摂政時代のイギリスを舞台にしてるみたいなのですが、ほとんどパラレルワールド。史実にとらわれない自由な設定になっていて驚かされます。時代考証を重要視する、意識高い正統派時代劇ファンが観たら、かなり困惑したりバカらしく思えたりするかもしれません。黒人やアジア系など有色人種の王族や貴族が、当たり前のようにいるのです。非イギリス的なのは、人種うんぬんスルー設定だけではなく、ストーリーの進み方とかキャラの言動とか、かなりアメリカのドラマっぽいところ。「高慢と偏見」を「ゴシップガール」風にアレンジ、とても言いましょうか。華やかで軽やかだけど、優雅とか高貴といった感じはないです。

 アメドラっぽいので、まどろっこしさとかかったるさといった、途中リタイアさせる要因が見事なまでになく、次から次へと面白おかしく事態が動くスピーディな展開、ワケアリで個性的な登場人物たち、ロマンティックでシャレオツ(死語?)な会話や恋の駆け引き、華やかでリッチな衣装や貴族生活、そして大胆すぎるラブシーンetc.退屈させない製作者の手腕、出演者の魅力にはただ感服。とにかく面白いのですが、イギリスの時代劇らしさがないのはやはり、イギリス好きにはちょっと残念でもありました。衣装とか、女性は淡く優しいカラフルさでカワイイ、男性はスタイリッシュで目に楽しいけど、実際にはあんな服は着てなかったはず。とにかくイギリスをモデルにした仮想世界、と割り切って観る必要があるドラマです。こんなこと当時のイギリスでありえない!なんて間違い探しや粗探しは、野暮な時間の無駄です。

 それにしても。婚活のために新しいドレスの仕立てやパーティーに明け暮れる貴族たち、まさに命がけな必死さなのが滑稽なのですが、庶民からしたらひたすらバカらしく、もっと有意義なことに時間をお金をかけたらいいのに、なんてイラっともしました。働かずしてあんな生活ができるなんて、ほんと羨ましい、けど無為すぎてもったいない。同じイギリス時代劇でも、血で血を洗う権力争いものは大好きですが、恋愛や結婚のことしか頭にないような話は何だかな~です。こんなことに王族や貴族が血道をあげてる一方で、庶民は塗炭の苦しみにあえいでいる、そんな格差社会の厳しさなどもスルーされています。人種の分け隔てはなくなってたのに、身分差は不変なのです。

 アメドラ、ハーレクイン小説なドラマなので、登場人物のキャラや人生の描写には深い掘り下げなどはないのですが、みんな個性的でチャーミングでした。ヒロインのダフネも、高慢と偏見の女たちほど鼻につかず、優しくて聡明で気高く、それでいてしたたかな策士でもあるところに好感。あんなに賢い彼女なのに、セックスについては無知だったのが不思議。当時の貴族の子女ってみんなあんなだったの?ダフネと恋に落ちる公爵さまのサイモンも、いかにもロマンス小説好きの妄想が生んだ理想の男なのですが、しょーもないことでウジウジしてるのでイラっとしました。

 私がいちばん好きなのは、ダフネの妹エロイーズです。婚活とかバカらしい、男に頼らす自立して生きたい!と願う彼女の言動は、かなり今日的で共感。女たちはみんな男たちに盲従せず、男社会の理不尽さにも耐え忍ばず、声高に自己主張もするところも時代劇っぽくないです。そういったフェミニズムや有色人種への扱いなど、時代に配慮というか忖度した作りになってるのが印象的です。
 出演者はみんな誰?な人たちばかりで有名スター皆無なのですが、すごく魅力的でフレッシュでした。ダフネ&サイモン役のフィービー・ディネヴァーとレジ・ジーン・ペイジが美男美女!どんなツーショットも絵になるカップルでした。フィービーはすごく清楚で柔らかい優しい可愛さだけど、女子女子した媚びやブリッコさは全然なく、凛と颯爽としてるところに好感。彼女も新鮮でしたが、レジは結構センセーショナル!
 
 黒人のイケメン、男前俳優はあまたいますが、ここまでのハイレベルな美男は稀。ぶっちゃけ、私が知ってる黒人俳優の中では、ルックスだけだと最強かも。スタイル完璧すぎ、でもお人形的なものではなく、野性的で生々しい♂のフェロモンも濃厚。これでもか!と色気をまき散らし、必要以上に脱ぎまくってます。神々しいまでの肉体美です。このドラマ最大の見どころは、二人の熱く濃密なラブシーン。結ばれた後は、タガが外れたかのように盛り狂って所かまわずヤリまくり濡れ場なんてもう死語になってるポリコレ時代に、ここまでやるとは!と感嘆感激。特にレジの脱ぎっぷりはお見事。惜しげもなく美尻を出して激動させてますし。大胆だけどイヤらしさはないです。スカっとした運動みたいです。ある事情で子どもを作りたくないサイモンが、絶頂と同時に慌てて外出しするのが、悲壮なはずなのに何か笑えたわ。

 ダフネの兄、ブリジャートン家の嫡男アンソニー役のジョナサン・ヘイリーも、なかなか男前でした。次男と三男はブサイクではないけど、もうちょっとイケメンにしてほしかったかも。3兄弟の恋愛話はかなり陳腐で余計。次男が仲良くなる画家が男色家、という設定も全然活かされてなかったし。女性と人種だけでなく、LGBTにも忖度、ていうか、腐受け狙いなBLエピソードやシーンがほしかった。ダフネを見初めるプロシアの王子さまがカッコカワいかった。サイモンや3兄弟は衣装とっかえひっかえだったのに、王子さまだけいつもどこでも同じ格好なのが可哀想で笑えた。

 エロイーズと親友のペネロピが、見た目もキャラも味があって、二人の友情もいい感じに描かれていました。上流社会の人々を翻弄する謎のゴシップ記者レディ・ホイッスルダウンの声が、名女優のジュリー・アンドリュース!ホイッスルダウンの正体が最終回に明かされるのですが、そんなに意外でもなかったような。
 続編の製作が決定したみたいで、喜ばしいかぎり。楽しみですね(^^♪今度はどんなイケメンが登場することでしょうかレジとフィービーは映画界でも活躍してほしいものです。
 
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ある夜の出来心

2020-12-08 | 欧米のドラマ
 2016年のテレビミニシリーズ「ザ・ナイト・オブ」を観ました~。全8話。
 ニューヨークで家族と暮らすパキスタン系アメリカ人の大学生ナズは、夜の街で出会った若い女性アンドレアと一夜を共にするが、目覚めると彼女の惨殺死体を発見し逃走してしまう。逮捕されたナズの弁護を引き受けたストーンは、独自に事件の調査を開始するが…
 シーズン2とか3とか、やたらと長いテレビシリーズは苦手なのですが、8話ぐらいで完結するミニシリーズは好きです。ミニシリーズは長さがコンパクトなだけでなく、ハイクオリティなドラマが多いような気がします。ダラダラと引っ張らずに、ギュっと凝縮した作りになってるからでしょうか。このドラマも、評判通りの質の高さでした。チャラチャラした軽薄なドラマや、毒にも薬にもならないポリコレドラマばかりな日本では絶対に製作できない、ヘヴィでダークな社会派ドラマです。

 複雑で不可解な司法制度と裁判の進め方、不当な扱いを受けるマイノリティの絶望と荒廃、暴力と悪意に満ちた都会の底辺社会、無秩序な刑務所etc.アメリカの闇と病巣が、静かに冷ややかに描かれています。人間や社会そのまんまのような、いつも陰鬱なニューヨークの天気と空は、観てるほうも気が滅入ります。常に用心してないと人生がおびやかされる危険に満ちた街。そんな場所で生きてると、心も荒んだり病んだりしますよ。このドラマに出てくる人々も、みんな暗い鬱屈を抱えていて思いやりが希薄で、諦めや不信感でがんじがらめになってます。特に黒人たちがみんな、見た目もキャラも極悪、凶悪、卑劣。最近の映画やドラマの中の黒人は、いろんな配慮や忖度もあってか、魅力的で高徳な人物が多いのですが、このドラマでは黒人、怖い!と久々に思った。差別偏見につながる!と怒られなかったのでしょうか。

 誰が犯人なのか?よりも、逆境の中での主人公ナズの成長に重点が置かれています。成長といっても悪い形で、というのが怖くて面白かった。ひとの善い、優しく内気なフツーの青年が殺人容疑者になったことで、絶望や怒り、悲しみや不信感にまみれて無垢な心を奪われ、過酷な環境で生き抜くために強靭になる心身の変貌が驚異的でした。ナズを演じてるのは、近年躍進が著しいパキスタン系イギリス人俳優のリズ・アーメッド。エミー賞受賞も納得の素晴らしい演技でした。

 全然オーバーな熱演などしておらず、どちらかといえば台詞も動きも少ない、感情的に激するシーンもほとんどない、とても静かな演技なのですが、哀れな冤罪被害者がしだいに、ん?何かおかしい…うっすら放ち始める怖いヤバい雰囲気。何を考えてるのかわからない、近くにいるのに遠くにいるような表情。とにかく静かにミステリアスなのです。軟弱そうな青年からコワモテ野郎への変貌もインパクト強烈。そして何より、軟硬どっちの時もすごい美男子!大きな美しい瞳!極小顔!やっぱちょっとピエール・ニネに似てると思った。わりと小柄なのも親近感を抱かせる可愛いさ。

 それにしても。ナズって、魔性の男。彼に関わる人々は、ことごとく悲運、不幸に見舞われるんですよ。ナズには悪意や害意など微塵もないのに。明菜のTANGO NOIRじゃないけど、生きてるだけであなた罪な男~♪刑務所のボス囚人も、そういうナズの得体の知れない魔性に魅せられて、彼を寵愛したのでしょうか。人間って、何かのきっかけで別人になってしまう、いや、もともと覚醒してないだけの秘密の本性が誰にでもあるのでしょうか。刑務所でのナズは、ジャック・オディアール監督の「預言者」の主人公を彷彿とさせます。恐ろしいボスがナズだけには優しく親身で、それがちょっと不器用でホロ苦い片想いっぽいところに、腐はかすかなBLを感知します。

 ストーン弁護士役は、コーエン兄弟監督作品の常連だったジョン・タトゥーロ。クセの強いキャラを、ひょうひょうと好演。ストーンの孤独な日常と皮膚病が、悲痛かつ滑稽だった。アンドレアが遺した猫とのエピソードが、なかなか微笑ましかったです。殺人の真犯人よりも、猫がどうなるかが気になって。強さと引き換えに真人間には戻れなくなったナズのこれからの人生はいったい…という重苦しい余韻を残しながらも、猫のおかげでホっとできたラストも秀逸でした。

 ↑ 聴覚障害のドラマーを演じた新作「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」での熱演も高く評価され、オスカー候補も噂されてるリズ・アーメッド。ノミネートされますように!
 
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神聖イケメン大帝♡

2020-11-29 | 欧米のドラマ
 NOW MY抱かれたい男No.1かもしれないドイツイケメン、ヤニス・ニーヴナー主演のTVミニシリーズ時代劇「最後の騎士マクシミリアン 権力と愛の物語」を観ることができました~全6話。
 15世紀の神聖ローマ帝国。皇太子マクシミリアンは、強国フランスの脅威に対して無能な父帝に反発し、鬱屈した日々を送っていた。そんな中フランス王ルイ11世は、父を亡くしたブルゴーニュ公国の公女マリーにも圧力をかけ、自分の息子との結婚をマリーに強いる。マリーはまだ見ぬ婚約者であるマクシミリアンに救いを求めるが…
 このドラマ、ヤニヴ目当てに画像や動画などネットで目にするたびに観たさが募り、ついに辛抱たまらなくなりDVDを買ってしまいました。WAKUWAKUさせてよヤニヴ念願かなって出会えた時代劇のヤニヴはどうだったかというと…

 あいやー!ヤニヴ、めっちゃイケメン!カッコいい!可愛い!凛々しい!雄々しい!爽やか!ワイルド!そしてセクシー!若い男の魅力にあふれていて、年老いたおっさんであるわしの目にはただもう眩くて、胸が苦しくなるほどでしたわいな。いや~若い男って、本当にいいもんですね(水野晴朗調)!!

 ただ若いだけじゃ、もちろんダメですよ。とにかくこのドラマのヤニヴみたいな演技、日本の同世代のイケメン俳優や某事務所タレントには絶対に無理です。少年のような清々しさながら、それ以上に“♂”なんですよ。爽やかなイケメンですが、キレイキレイなスマート優男ではないヤニヴ。長身だけどがっちり骨太な体格はいかにもドイツ男らしく、歩き方とか挙措も猛々しいのが素敵。そしてヤニヴったら、TVドラマ仕事とは思えぬほどガンガン脱いでるんですよ。

 いいカラダ引き締まった筋肉質ボディだけど、不自然にバキバキではなく程よくムチっとしてるところが、まさにわし好み爽やかで涼しげなので、イヤらしいほどのエロさはありません。結婚前の恋人と、結婚後にマリーと、なかなか大胆なラブシーンあり。お尻どころかアソコも丸出し!生まれたままの姿で女たちを激しく甘く抱くヤニヴ、まさに眼福です。荒々しい腰の動きと優しいキスのギャップが素敵でした。マリーとの初夜、寝室の前にいる家臣たちに全裸で人払いを命じるシーンが好き。おちりがプリンとしてて可愛いんですよ!って、もうすっかりエロおやぢ目線

 キラキラスウィートなキング&プリンスではなく、誇り高く勇猛な戦士風なヤニヴがとにかくカッコいいです。甲冑姿が特にチョベリグ(死語)。貫禄とかカリスマとかをまだ備える前の、未熟さゆえに失敗したり傷ついたり、がむしゃらに満身創痍になって戦いながら成長していく青年、としてマクシミリアンを演じたヤニヴの全身全霊な熱演を、小手先な小賢しさが鼻につく自称演技派や、CMレベルのイケメン俳優&某事務所タレントに飽き足らない人にぜひ見てほしい!

 窮鳥のようだったマリーのもとに困難を乗り越えて馳せ参じるマクシミリアンは、まさに白馬の王子さま。救いの騎士、そして将来の夫が、ブサイクや年寄りではなく若くて爽やかで精悍なイケメン青年だなんて、おとぎ話のようなファンタジー。万難を排して結ばれるマクシミリアンとマリーの運命は、まさに事実は小説よりも奇なりなスケールとロマン。初邂逅シーンは、初めて逢ったのにやっとめぐり逢えた、みたいな感じでした。
 マリー役は、「LOL 愛のファンタジー」でソフィー・マルソーの娘役を演じてたフランスの若手女優、クリスタ・テレ。美人ではないけど優しそうで聡明そう、でも気丈で剛毅な、いい女な姫君をクールに優雅に好演してました。彼女も入浴シーンやラブシーンで、ヤニヴに負けず劣らずな大胆全裸に。脱ぎっぷりがよすぎるところが、欧州男優女優のいいところですね。マクシミリアンはドイツ語、マリーはフランス語を話すのですが、お互い何の支障もなく意思疎通できてるのが不思議でした。

 フランス王ルイ11世役の俳優が、まさかダスティン・ホフマン?かと思ったら、え!?ジャン・ユーグ・アングラードだった!ビツクリ!かつてはフランス映画界きっての色男だった彼も、すっかり爺さんになっちゃってる!穏やかでもの静かだけど、陰湿な策謀や残虐な拷問が好きな変態キング、キモい役だけどそうは見えないところが、さすが元二枚目。

 神聖ローマ帝国の皇帝一族や貴族たちの衣装や城は、きらびやかさや華やかさとは無縁の荒涼とした野性的な趣で、地方の豪族って感じです。ブルゴーニュ公国のほうは優雅で洗練された文化的な美しさだけど、かなり地味。フランスは大国なのに暗くて陰惨で魔物の世界みたいだった。オーストリアのハプスブルグ家に関してはほぼ無知だったので、ドラマ鑑賞の前後にちょっと調べたり、世界史の勉強になりました。大好きなイギリス王室時代劇の、どの時代とカブってるのかな?フランスやオーストリアの王室時代劇も、もっと観たくなりました。

 ↑ ヤニヴの最新作、TVドラマシリーズの“Munich”は、名優ジェレミー・アイアンズ主演のナチスものみたいです。ヤニヴ、また美男ナチス軍人役?Netflix作なので、そのうち観られるはず!楽しみ!
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イギリスにも事故物件!霊感イケメンの事件簿

2020-09-17 | 欧米のドラマ
 イギリスのTVドラマシリーズ「ベッドラム」を観ました~。全6話。
 精神病院を退院したジェドは、叔父のウォーレンとその娘ケイトが運営する高級フラット、ベッドラムへとやって来る。恐ろしい噂がまつわる元精神病院のベッドラムで、奇怪な出来事が次々と起こり始め…
 テオ・ジェームズ主演のTVドラマ、ようやく観ることができました(^^♪MY抱かれたい男ベストテンには確実に入るテオ、10年ぐらい前の作品なので、当時26、7歳ぐらい?若い可愛い!まだお肌もツルっとしてます。

 セクシーフェロモン濃厚、ワイルドでシャープな男くさい風貌なのですが、母性本能をくすぐるスウィートさもあるところが彼の魅力。見た目といい役柄といい、ちょっと故ポール・ウォーカーとカブります。声も似てるし。ポールは爽やかなアメリカ西海岸風、テオはちょっと陰鬱なイギリス風、の違いがありますが。このドラマでも、幽霊が出ようが殺人鬼が出ようが、まったく怯まず鋭い眼光で猪突猛進するテオに惚れ惚れ!同時に、傷ついた少年のような淋しげな風情、表情に胸キュン。甘えたい強さと甘えてほしい愛しさ、いい男って大抵このふたつを備えてますよね~。

 ぜんぜん強そうに見えない、チャラチャラした若い日本のタレントの何ちゃってアクションと違い、見るからに屈強そうなテオの俊敏で激しい動きが美しい。おっさん俳優がいくら頑張っても、年寄りの冷や水みたいな痛々しさしか感じません。テオみたいな若い逞しい俳優にしか出せない美しさです。アクションだけでなく、テオのセクシー眼福シーンも見ものです。

 入浴シーンやラブシーンだけでなく、やたらと上半身裸でキッチンをウロウロしたり、必要以上に脱ぐテオ。着衣だとほっそりしてるけど、脱いだらスゴい筋肉質美裸体。まさに理想的な細マッチョです。裸もですが、テオは唇がエロい!

 テオのファンは必見ですが、ホラーファン、オカルトファンもそこそこ楽しめるのでは。いま話題の邦画「事故物件」のイギリス版です。いわくつきの元精神病院を改築した高級フラット、次々と起こる怪事件。フツーなら住まないけど、みんな何が起きても平然と暮らしてる強心臓。事故物件なので、やっぱ家賃が安かったのかな。無職やニート、若い軍人とか、金持ちは誰一人住んでなかったし。私も住みたい霊感ないし、安けりゃ喜んで住むわ。ベッドラム、すごく素敵なフラットで、貴族の館みたいな玄関とか、美しい庭とか、古風かつラグジュアリーでした。

 この世に未練や恨みを残した死霊が、住人に憑りついて悪さをし、ジェドが彼らの望みを探って叶えて解決、というのが基本的な話。昔なつかしの松本洋子先生の漫画みたいで面白かったです。お化けより、精神病院で横行してた虐待やロボトミー手術、殺人のほうがヤバいホラーでした。
 テラスハウスみたいな若者のルームシェアも楽しそうでしたが、私みたいなぼっち気質人間にはしんどいかも。ケイト役の女優はちょっとカトリーヌ・ドヌーヴをギスギスした感じにした美人。同居人の青年ライアンが、もうちょっとイケメンだったらよかったのに。宮川大輔似で、女にモテるゲイ役にはちょっと。イギリスの若者のファッションもなかなかオシャレで参考になりました。

 でもこのドラマ、すごい尻切れトンボな最終回で唖然。いろんな謎が解明されないまま終わっちゃいます。シーズン2もあるのですが、キャストも話もまったく別物になってしまってるし。こんな中断プレイみたいなドラマ、ありえない!

 ↑ 出演作が多いわりには話題作にはあまり恵まれてないテオです。ジェイン・オースティン原作のTVシリーズ“Sanditon”は、彼には珍しい時代劇。観たい!
 
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サッカー&ジェントルマン

2020-06-17 | 欧米のドラマ
 Netflixのイギリスドラマ「ザ・イングリッシュゲーム」を観ました。全6話。
 19世紀末のイギリス。労働階級の青年ファーガスは才能を見込まれ、親友のジミーとともにダーウェンのチームに移籍するが、プロ選手が認められていない中、報酬を条件にやってきた彼らをチームメイトたちは白眼視する。一方、上流社会のチームを率いる銀行家のキネアードは、社会と同様にサッカーの運営やルールにもある格差に疑問を抱き始めていたが…
 大人気だったドラマ「ダウントン・アビー」と同じ制作チームの作品だとか。ダウントンアビーもゲーム・オブ・スローンズ同様、いまだに観られずにいるシリーズのひとつ。どんなに面白そうでも、長いドラマは苦手なんですよね~。その点このドラマは、6話で完結というコンパクトさ。集中力と持続力のない私でも何とか完観できる長さです。

 19世紀にイギリスでサッカー(イギリスではフットボール)がどのようにして庶民も親しめるスポーツに発展したのか、どのようにして現在のような形に組織化されルールが制定されたのかが、イギリス映画&ドラマではおなじみ(お約束?)の上流階級と労働階級との格差を通して描かれていました。サッカーファンではない私でも、当時の今とは異なる驚きのサッカー事情はとても興味深かったです。当時はまだ上流社会の紳士たちが運営を牛耳ってて、プレーで金を稼ぐプロ選手は認められておらず、まるでラグビーのような荒々しく危険な行為もプレー中OKだったんですね~。

 サッカーの話も階級の格差の話も面白かったのですが、何だろう、あっさり薄口というか、いい人たちのいい話って感じで、誰が観ても差し支えのないポリコレなドラマだったのが、ちょっと物足りませんでした。悪人がまったく出てこない話って、やっぱ味気ないです。イギリスの上流社会ものって、優雅さの下に隠された冷徹で底意地の悪い欺瞞や偽善が魅力だと思うんですよね~。イギリスの上流社会ならではのスノッブさを楽しみたかったのに。

 プロのスポーツについていろいろ考えさせられました。お金で他のチームに移籍するファーガスが、カープから金満球団へ鞍替えする選手たちとカブって複雑な気持ちに。ファーガスにとって、サッカーは趣味でも娯楽でもなく、貧しい生活から脱し家族を養うための生活の手段。上流社会の紳士たちが唱える清く正しい精神論なんかクソくらえ。それはすごく理解できる。カープを捨てた選手たちも、きっとファーガスと同じなのでしょう。でもね~。ファーガスを信じてチャンスを与えたオーナーや、不平等さに目をつぶって彼を受け入れたチームメイトや、地元の新しいスターとして応援したファンにとっては、それはないんじゃない?!な悲しい裏切りですよ。スポーツは非情なビジネスでもある、そのことをあらためて思い知りました。

 キネアード役で、若手バイプレイヤーなエドワード・ホルクロフトが、ついに主演!威風堂々とした体躯と優しそうな雰囲気が素敵!19世紀のフォーマルなスーツとタキシードがすごく似合う!英国俳優はやっぱそうでなきゃね。サッカーのユニフォーム姿も爽やかでカッコよかった。誇り高いけど思慮深く思いやりにあふれている理想の紳士を好演していました。すごい美男ではないけど、ふとした瞬間にハっと魅入ってしまうほど美しく見える顔。ちょっと顔デカですが(奥さん役の女優の2倍ぐらいあるように見えた)威厳と知性を備えた風格ある人物の役は、小顔俳優よりもデカ顔俳優のほうが合ってます。誰かに似てるよな~と前から思ってたのですが、あ!元カープのエルドレッドだ!エルドレッド、カープの外国人選手屈指のイケメンでしたよね~。

 ファーガス役のケヴィン・ガスリーも、よく見えると可愛いイケメン。大柄なエドワードと並ぶと子どもみたいに小柄に見えるところも可愛かったです。ファーガスのチームメイトでデモを扇動する若者役のサム・キーリーもなかなかイケメンでした。キネアードの上流社会チームには美男もイケメンもいなかったのが残念。

 イギリス映画&ドラマファンにはたまらない、美しく優雅な衣装や屋敷、庭園などもたっぷり堪能できます。私は食事シーンがすごく好きなんですよね~。でもいつもあんな風にきちんと正装して礼儀正しく食事は、憧れるけど庶民の私にはキツいかも。労働階級側の生活描写も丁寧。私もパブで楽しく飲んでみたいです。

 ↑ 主演だってイケるいい男&いい役者!最新作の“Corvidae”は、これまた注目の英国イケメン、ジャック・ロウデン共演作!早く観たい!
 
 
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きっと蜂起

2020-02-26 | 欧米のドラマ
 イギリスのTVミニシリーズ「ガンパウダー」を観ました~(^^♪全3話。
 17世紀のイギリス。エリザベス1世の死後、政治の実権を握るロバート・セシルはジェームズ1世を王座に就け、カトリック教徒への弾圧を強化する。敬虔なカトリック教徒であるロバート・ケイツビーは、仲間と共にジェームズ1世の暗殺を企てるが…
 英国時代劇、大好物です。イギリスで毎年、人形を燃やして祝う行事がありますが、その由来となった有名なガイ・フォークス事件の顛末を描いたドラマです。当時の王ジェームズ1世は、「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」のヒロイン、メアリー・スチュアートの息子なんですね~。エリザベス1世といい、母親が処刑されても子どもは生き延びて王座に就く、という血塗られた数奇の運命が英国王室の面白さです。

 そのジェームズ1世によるカトリック教徒への峻烈で凄惨な弾圧に屈せず、蜂起して王や政治家たちを斃そうとするケイツビーたちですが…蜂起というよりテロ?確かにあの弾圧は非道すぎて許しがたいのですが、ケイツビーたちのやろうとしてたことって、やられたらやり返す!的な報復みたいだった。巨大権力にダメージを与え、自分たちの都合のいい世界に変えようとしているケイツビーたちの復讐心や妄執は、日本でサリンを撒いた某邪教や、アメリカで同時多発テロを起こした某組織とカブりました。自分たちの信仰や志のために無関係な人、無辜な人の犠牲も厭わないという自爆的な考え方には、理解も共感もできません。ケイツビーたちの計画も、血気に逸りすぎで稚拙かつ無謀。あれでよく成功すると信じたよな~。

 王室の権力争いを描いたイギリス時代劇といえば、お約束の処刑&拷問シーン。このドラマのそれは、今まで私が見た中で最もゲロゲロ(死語)な残虐さで、ヘタなホラーなんかよりよっぽど怖いです。こんなのほんまにTVで流したの?!と、にわかには信じがたいほどに。斧で斬首や火あぶりは言わずもがな、首を吊って苦しめた後、生きたまま手足を順番に切っていったり内臓をえぐり出したり、鉄の塊で圧死させたり。バラエティーに富み過ぎな地獄絵図は見ていて気分が悪くなりました。まるで人気アーティストのライヴ会場のように、公開処刑に盛り上がる庶民たちの血に飢えた野蛮さも怖すぎる。気の弱い人にはオススメできないドラマです。同じ時代劇でも、おんな子ども、高齢者、みんな観ても大丈夫なNHKの大河ドラマとは大違いです。

 メインキャストには、今後ブレイクが期待できるイギリスの新進イケメン俳優たちが。まず、主人公ロバート・ケイツビー役のキット・ハリントンいや~彼ってほんとカッコカワいいですね~。ワイルドな童顔が可愛く、つぶらな瞳が悲しげで美しい。小柄だけどかなり鍛えてるマッチョで、体格も歩き方もイカツいのが男らしくて素敵。このドラマのプロデューサーも兼ねていたので、演技にも気合が入ってました。ケガの手当てシーンでちょっとだけサービス脱ぎしてます。どんな役でも下品さや庶民臭がしないキット、さすが良家(金持ち、セレブとは違う)出身。ここがハリウッドのスターと違うところです。
  
 キットはカッコカワいかったけど、ケイツビーの意固地で偏狭なキャラは好きになれませんでした。今回も不幸で悲運な男役でしたが、ハッピーで明るいキットってそういえば見たことないわ。不幸が似合うイケメンって大好きだけど、たまにはコメディにも出てほしいな。珍しく子どもがいる役でしたが、あんな大きな息子がいるキットに違和感。年の離れた兄弟にしか見えんかった。怒りや恨みにとらわれて息子を愛せず、つい冷たく当たってしまい悩むキットも切なく可愛かったです。

 ケイツビーの同志トマス・ウィンター役で、「ロンドン・スパイ」や「キングスマン」シリーズのエドワード・ホルクロフトが出演してます。今まで観た作品の中ではいちばんイケメンで出番も多い彼でした。見せ場は特になかったが。そろそろ主演作も観たい俳優です。ガイ・フォークス役は、アンドリュー・ヘイ監督作「WEEKEND」でゲイ役を演じたトム・カラン。ミステリアスな野獣って感じで目を惹きます。仲間の青年貴族役のダニエル・ウェストも気になるイケメン。ジェームス1世の男妾役のヒュー・アレクサンダーは、ちょっとエディ・レッドメイン似。英国若手俳優、まさにライバルだらけの群雄割拠ですね~。誰が一足先に抜きんでるか楽しみ。
 政治の実権を握るロバート・セシル役は、シャーロックの兄役で知られるマーク・ゲイティス。彼も「ロンドン・スパイ」に出てましたね~。冷酷で狡猾な悪人ではなく、穏やかに冷静に権謀をめぐらせる真面目な政治家って感じでした。カリスマなカトリック神父役のピーター・ミュランも、シブくて人間味のある好演。ケイツビーのいとこ役のリヴ・タイラーが、ほぼ紅一点のキャラ。久しぶりに見たけど、ずいぶんおばさんになったな~。キットよりデカい!男みたいだった。キットとロマンスな役じゃなくて安堵。
 華美ではないシンプルで趣ある衣装、撮影に使う本物の城や館も英国時代劇の魅力。郊外のロケ地も美しく、ますますイギリスに行きたくなりました。

 ↑ キット~日本では「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」が近日公開。マーベル映画最新作「ジ・エターナルズ」ではリチャード・マッデンと再共演!楽しみすぎる!




 
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ある日森の中イケメンに出逢った

2019-12-12 | 欧米のドラマ
 イギリスBBCのドラマ「チャタレイ夫人の恋人」を観ました~。
 20世紀初頭のイギリス。大富豪の貴族クリフォードと結婚したコニーだったが、クリフォードは戦場で負傷し下半身不随となってしまう。性的に満たされぬ日々を余儀なくされたコニーは、新しい森番のメラーズに強く惹かれるようになるが…

 D・H・ロレンスの原作小説は、何度も映像化された不朽の問題作。私のお目当ては言うまでもなく。メラーズ役のリチャード・マッデンリチャマ、やっぱ男前~そんなに前の作品ではないけど、何となく若い、ていうか、少年っぽさが残ってる感じのリチャマでした。ワイルドな風貌、ぶっきら棒で寡黙なリチャマ、すごく男らしいのですが、同時にすごく傷つきやすそうなナイーブさもあって、母性本能をくすぐります。リチャマといえば、不幸顔、不幸オーラ。階級社会の中で受ける理不尽で不公平、屈辱的な扱いに、怒りと悲しみをくすぶらせながら諦めきってる風情や、コニーへのあふれる恋慕や欲情でウルウル潤んでる瞳には、もうキュン死寸前になってしまいました。不幸や悲運が似合いすぎるリチャマ、もう明るくて幸せな彼は想像もできません。

 セクシーフェロモンもリチャマの魅力ですが、彼ってエロくはないんですよね~。イギリスのイケメン俳優のほとんどがそうですが、脱いでも色白で柔和な裸はあまり眼福ではない。まあ、いかにも鍛えました!な不自然なまでにバキバキ筋肉よりマシ。体毛が濃ゆいリチャマですが、胸毛が苦手な私もリチャマだったらチクチク痛くても無問題!

 日本では卑猥小説と見なされ発禁となった経緯とか、シルビア・クリステル主演作とかの影響で、禁断のエロ小説というイメージを持っていましたが、この作品はBBCのTVドラマということもあって、甘く美しい文芸ドラマに仕上がってました。濡れ場とは言い難い、とてもソフトなラブシーン。貴族の奥様が身分卑しい下男との情事に溺れる、という背徳感は希薄。身分差を超えて愛し合う男女のロマンスドラマになってました。ロレンスの小説は不倫の性愛と同時に、イギリスの階級社会のシビアな実態を描くことを意図してたと思いますが、このドラマではどちらもかなり薄口。コニーにはあまり葛藤とか苦悩、罪悪感がなく、すごくサバサバと明るく軽やか。ほとんどためらうことなく偽善に満ちた貴族生活を捨てるなど、現代女性に通じる自由さと強さ。
 
 メラーズも階級差への怨嗟や劣等感で、もっと屈折してたり刺々しいはずの男なのですが、かなり素直で純真になってたのが可愛かったけれど、ちょっと物足りなくもあった。身分差という枷があまり活かされてなかったような気がします。後継ぎが欲しいのでコニーに男をすすめたりするクリフォードの不道徳さ、退廃が貴族らしかったです。内心ではメラーズや使用人など虫けら同然に思ってるのに、表面的には常に優しく紳士的で慇懃なクリフォードの態度も、いかにも英国貴族。同じ格差社会でも、乱暴で下卑た韓国とはやはり違います。百年の恋も醒めるようなことをコニーに言ったりしたりするクリフォードですが、みじめすぎる寝取られ亭主っぷりには同情を禁じ得ませんでした。

 コニー役のホリデイ・グレンジャーは、ふっくらと健康的なピチピチギャルみたいで、可愛いけど貴婦人って感じは全然なし。クリフォード役のジェームズ・ノートンは、イケメンではないけど優しそうで親しみやすい顔。電気ショック療法シーンの感電演技が悲惨だけど笑えた。複雑な役を好演、熱演していました。クリフォードがコニーにあてがおうとする貴族の青年役で、「キングスマン」シリーズや「ロンドン・スパイ」などのエドワード・ホルクロフトがチョコっと出てました。メインキャラがみんな若い役者たちだったので、不倫とか背徳とかといったドロドロしい話にそぐわぬ爽やかで清々しい作風になってました。
 コニーとメラーズが情事を重ねる森が美しい!さわさわと森の木々の声のような風、静かで優しい雨etc.私もあんなところで暮らしたり情交してみたいものです。壮麗かつ気品あふれるチャタレイ夫妻の邸宅も素晴らしかった。夫妻のファッションも、韓国の成金とは真逆な優雅さ、趣味の良さです。

 ↑ ゲーム・オブ・スローンズ、観たいけど…ずっと悩んでます

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フレンチな緊急取調室!

2019-09-23 | 欧米のドラマ
 ネットフリックスのオリジナルドラマ「クリミナル」は、イギリス編、フランス編、ドイツ編、スペイン編とヨーロッパ各国で製作されたインターナショナルな企画ドラマ。好きなスターが出てるフランス編を観ました~。全3話、1話完結という超コンパクトさが私にピッタリ。
 第一話:テロに巻きこまれた女性は、実は現場におらず被害者給付金を騙し取っていたのではないか?第二話:建設中のビルで起きた転落は事故ではなく、建設会社の女性幹部による殺人ではないか?第三話:路上で殴り殺されたゲイの男性。容疑者の男は同性愛者を嫌悪する差別主義者なのか?
 事件捜査ものは和製も洋ものも食傷気味で、よほどな新しい切り口か、好きなスターが出てるかじゃないと、最近は観なくなってしまってる私。このドラマは後者だったので観ました(^^♪第二話に大女優ナタリー・バイが、第三話にはジェレミー・レニエが容疑者役で出演してます。

 ナタリーおばさまもすっかりおばあさんになりましたが、さすがフランス女優というか、ばばあ臭は全然しません。年下の男と恋愛してるバリバリの現役女役も不自然ではないところがスゴいです。見た目はシックでフェミニンだけど、内面は男よりも強く毅然とした豪胆なところが、いかにもフランス女性です。ラスト、悲しい真実を突きつけられ、泣き崩れるようなことはしないけど、苦悩から一気に老婆になってしまったかのような表情が印象的でした。

 ジェレミーもすっかりおじさんになりましたが、レオナルド・ディカプリオとかと同じで、少年っぽさも残ってる可愛いおじさん。雰囲気や体つきが男らしいところが好き。同性愛差別主義なゲス野郎かと思いきや。意外な正体が悲しかったです。世界でいちばんLGBTの人々が生きやすい国だと思われてるフランスも、実のところはまだまだ彼らにとってはイバラ状態なんですね。

 「変態村」や「レミング」のローラン・リュカが、すっかり枯れたシブい熟年になってて驚きました。登場人物は5人の取調官と容疑者だけ、ほぼ取調室だけでドラマは展開する舞台劇のような内容。劇的な展開はありませんが、容疑者との激しい攻防、取調官同士の軋轢など、緊張感があって退屈しません。それにしても、尋問が挑発的すぎ攻撃的すぎ。すごい失礼で無礼なんですよ。もし容疑者が事件に無関係だったら、後で訴えられそう。チームを指揮する若い女警部が、メンバーから嫌われすぎて可哀想だった。そんなにヤな女じゃなかったけどなあ。若い女、美人、有能なエリート、ということが男からも女からもやっかみや敵愾心を受けちゃうんでしょうね。テロや労働問題、同性愛差別など、事件に重く暗い社会問題を絡めていたのも、いかにも面白おかしく作ったフィクションっぽさのないリアリティをドラマにもたらしていました。 

 ↑ ジェレミーの新作は、イザベル・ユペールの息子役を演じた“Frankie”が楽しみ(^^♪
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守ってあげたい

2019-09-11 | 欧米のドラマ
 イギリスのTVドラマ「ボディガード 守るべきもの」を観ました~。全6話。
 アフガニスタンでの過酷な任務で心身に深い傷を負い、PTSDに苦しんでいる元軍人の警察官バッドは、列車での自爆テロを未然に防いだ功績により法務大臣ジュリア・モンタギューの警護に抜擢される。野心的なジュリアの政治姿勢に反感を抱きながらも、暗殺の危機に瀕する彼女を守り抜くバッドだったが…
 BBCのドラマは映画に比べても遜色なし、いや、ヘタな映画よりクオリティが高いです。全6話というのも、ダラダラと長々しいシリーズものが苦手な私にピッタリ。緊張感とリアリティがあり、余計なエピソードもキャラも極力排除してギュっと濃縮されてたので、集中力に欠ける私も一気に観ることができました。そうできたのはドラマの面白さもですが、主演のリチャード・マッデンによるところも大きかったです(^^♪♪

 「ロケットマン」でエルトン・ジョンを骨抜きにし食いものにする色男マネージャーを演じたリチャード・マッデン略してリチャマに、myイケメンレーダーはビビビと激しく反応。他の出演作も観ねば!と奮い立ったのですが、いちばん有名&人気の「ゲーム・オブ・スローンズ」は、とてもじゃないが長すぎて私には無理でもこのドラマは6話とコンパクトで、しかもBBCドラマ史上最高視聴率を記録し、主演のリチャマがゴールデングローブ賞ドラマ部門の主演男優賞を受賞と、まるで特典だらけのお買い得商品みたい。観ない理由がない!

 リチャマ、ロケットマンの胡散臭いダンディ色男とは役も見た目も別人。硬派で精悍な闘う男リチャマも超カッコよかったです短髪だといっそう男らしく、そして若々しい。ビシっとしたスーツ姿、警護中の姿勢の美しさに惚れ惚れ。そんなに大柄ではないけど、ガッシリと屈強そうな体格、シャープで俊敏な動きやストイックな雰囲気が、命がけの任務を遂行する男の役にピッタリ。

 いい男だけどカッコつけたヒーロー然としたところは全然なくて、心に傷と闇を抱えた男の暗さや虚無もデリケートに演じていて、役者としての力量も遺憾なく発揮していました。寡黙で無表情なんだけど、すごい悲しそうな顔、せつない目をするので、可愛く見えるんですよ。こんな男に守られたい、そして守ってあげたい、と強さと弱さで女心をグワシと鷲掴みなリチャマです。

 ジュリアとの年の差、身分違いのロマンスも、なかなかの大人テイスト。ラブシーンも美しくてセクシーでした。情事の後ベッドから出るシーンで披露する、リチャマのすっぽんぽんも見どころです。それにしても。二人が美熟女、イケメンだから発展した恋なんだろうな~。辻本清美大臣、ジャイアンツの田口警護官みたいな組み合わせだったら、抱きたい抱かれたいにはならないでしょうし。

 テロをめぐって内務省、警察、保安部が三つ巴の主導権争いと対立、そしてそれぞれの内部での権力争いが複雑に絡み、出し抜こうとしたり足を引っ張ったりの暗躍も面白かったです。それにしても。お偉いさんたち、権力と保身のためには国民の命や幸福なんてどーでもいいのね。いつどこでテロや暗殺が起きても不思議ではないロンドン、住んでみたいけど危険すぎるのでやっぱやめといたほうがいいかもね

 今の風潮に合わせての意図的な配慮でしょうか。女性と有色人種が地位の高い有能な役を担っていました。法務大臣のジュリアを筆頭に、バッドの上司、捜査を指揮する警察のトップ、バッドに協力する刑事、冒頭のテロ対策チーム長もスナイパーも、みんな女性でした。逆に、ジュリアと対立する首相や政治家、ジュリアの地位を狙う副官、その手先となる官僚、保安部長とその実行部隊、犯罪組織のボスなど、悪い連中はみんな悪そうな白人男性だった。

 策謀や陰謀に奔走するお偉いさんたちではなく、ザコだと思ってたキャラがラストに重大な関与、意外な正体を現すどんでん返しも秀逸でした。中途半端にハートウォーミング、たまにコミカル、なんて生ぬるさは一切なし。内容も演技もシリアスでハードなドラマでした。冷酷で醜い政治の世界、宗教と人種の社会問題、大人のロマンス、リアルなハードボイルド。どれも日本のドラマでは味わえません。同じボディガードドラマでも、ちょっと前にあったキムタク版とは大違い!だいたいキムタクみたいなチビで貧相なおじさんが要人警護なんてありえんし。実際にTVに映る、政治家の警護や犯人連行してる警察官って、みんなゴツくて勇猛そうでカッコいいもんね。

 危険すぎるけど、やっぱロンドンには憧れます。英国映画ファンにはおなじみのロンドンの風景も、ステイタスの高い人々が客のハイソなレストランも、庶民的なパブやカフェも、ロンドンまた行きたいな~と思わせてくれました。シーズン1、とあったから、まだ続くのかな?楽しみだけど、あれで終わりでも良いのではとも。私がバッドなら、もう警察辞めるわ!命がいくつあっても足りん!

 ↑ いい男!リチャード・マッデンパトリス・ルコント監督の「暮れ逢い」や、TVシリーズの「チャタレイ夫人の恋人」など、旧作もチェキってみよっと(^^♪



コメント (2)
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The Romanoffs ①~④

2019-05-19 | 欧米のドラマ
 amazonのドラマ「ロマノフ家の末裔 それぞれの人生」第1話から4話まで観ました~。全8話。長々しい連ドラは苦手ですが、これは1話完結のオムニバスだったので、集中力と持続力がない私でも観ることができました~(^^♪
 ロシア革命で処刑された皇帝ニコライ2世一家を描く大河ドラマかと思ってたのですが、ぜんぜん違ってました。ロマノフ家の子孫だと信じてる人々を通して、現代的な人間関係や社会問題を炙りだす悲喜劇、ブラックコメディ調のドラマでした。
 第1話「ヴァイオレット・アワー」
 パリで暮らすアメリカ人のグレッグは、ロマノフ家の末裔だと称している金持ちの伯母マヌシュカの気難しさに辟易しながらも、彼女の遺産相続人になるために機嫌をとっていた。そんな中、新しい家政婦として派遣された若く美しいイスラム系の女性アジャルに、アヌシュカは難色を示すが…
 パリの意地悪ばあさんなアヌシュカの、イヤミや毒舌、あてこすりが笑えた。イスラム人はみんなテロリスト、女は多産で男はみんな複数の妻がいると本気で信じてる差別偏見が、トランプさんを支持してるアメリカ人とカブって皮肉な笑い。フツーの人なら速攻で辞めるか殴るかだけど、何を言われてもクールにスルーし、自分のペースでテキパキ仕事をこなすアジャルの忍耐強さ、賢さが素敵でした。二人の女性が、世代も人種も階級も超えて親密になってゆく姿が、ユーモア&ペーソスでもって描かれていました。

 アヌシュカがアジャルに遺産を遺さぬようにするため、アジャルを誘惑するグレッグが最低なゲス男なんだけど、ラストの痛快で優しいドンデン返しのおかげで後味は良かったです。
 アヌシュカ役はスイス出身のベテラン女優マルト・ケラー。デヴィ夫人をクール&エレガントにした感じの美老女。シャキっとした姿勢の良さ、ほっそりしたスタイルの良さ、趣味の高いファッションで、老いさらばえ感ゼロでした。グレッグは美男子という設定だったので、ブサイクじゃないけど地味なアーロン・エッカートはミスキャストだったのでは。アーミー・ハマーとかならピッタリな役。でも、素朴でおおらかなアメリカ人らしい風貌は、返ってパリの街ではカッコよく見えました。アジャル役のイネス・メラブが、すごい美人で可愛かった。パリの街並みも、観光プロモーションフィルムみたいに美しく撮られていました。

 第2話「空しい望み」
 陪審員に選ばれたマイケルは、美しい人妻ミシェルに心を奪われ、彼女に近づくためわざと裁判を長引かせる。マイケルの妻シェリーは、仕方なく独りでロマノフ家の末裔クルーズツアーに参加するが…
 中年ハゲおやじの下心丸だしな浮かれた言動が不快!ミシェルへの執着もほとんどストーカーでキモかった。陪審員裁判って、あんな風に簡単に一人のメンバーの身勝手な都合で左右されちゃうのもありえるんだよな~と、日本の裁判員制度について考えさせられました。悲劇で喜劇な結末が皮肉でした。ゴージャスなクルーズ船に感嘆。私もあんなリッチな船旅がしてみたい。船内の催し物が、楽しいけどバカバカしくもあって、これもすごい皮肉だった。

 第3話「栄華の果てに」
 ロマノフ家の最期を描くドラマの撮影に参加するため、アメリカ人女優のオリヴィアはオーストリアの田舎にやって来る。元女優のフランス人監督ジャクリーンやスタッフの、どこか不可解な態度に戸惑うオリヴィアだったが…
 イザベル・ユペールが大暴れ!ヤバいイカレ女を毒々しくエキセントリックかつ、のんしゃらんとスットボケ怪演。しらじらしい表面的すぎる親切や物分かりのよさで油断させといて、いきなり別人のように意地悪で冷酷な鬼女の正体を現す二重人格なユペりんが笑えた。俳優たちへのモラハラパワハラ演出シーンとか、レストランでの怨霊にとり憑かれた?イタコ演技とか、楽しそうでノリノリ。正気なのかコワレてるのか判らない言動は、オリヴィアだけでなく視聴者をも惑わします。小柄で華奢だけど、ものすごい存在感。アメリカのテレビ俳優が、同じ土俵に立って互角に渡り合える相手ではありません。

 テレビドラマの撮影風景が、興味深く描かれていました。役者さんもスタッフさんも大変そう!オリヴィアやジャクリーンに起きる怪奇現象?霊体験?は本物?それとも幻覚妄想?オカルト?ニューロティックもの?と思わせて、実は…なオチと皮肉な結末も楽しいです。
 第4話「秘密の重さ」
 ニューヨークの裕福な人妻ジュリアは、娘のエラの出産を間近にし悩んでいた。エラの実父は夫ではなく、元恋人の作家ダニエルだという秘密を、長年ジュリアは抱えていたが…
 ジュリアを筆頭に、みんなギスギス刺々しくて不愉快でした。アメリカ人を含め西洋人って、他人に対して無神経で意地悪なところが、東洋人よりも露骨ですよね~。ジュリアの、夫や娘の舅姑、お医者さんに対するものの言い方とか、カフェでのジュリアをバカにしたような若者たちの態度とか、イヤな人たちだな~と思った。ジュリアの思いやりのない、自分本位な生き方と性格に不快になるだけの話でした。ニューヨークの街並みや高級デパートなどは目に楽しかったです。
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