まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

英米ロイヤルBL♡

2023-08-15 | 北米映画22~
 「赤と白とロイヤルブルー」
 互いに悪感情を抱き合っているアメリカ大統領の息子アレックスとイギリスの王子ヘンリーは、ヘンリーの兄の結婚式でトラブルを起こしてしまう。国際問題に発展しそうな事態を収拾するため、アレックスとヘンリーは二人が友好関係であると世界にアピールすることを強いられるが…
 人気BL小説、待望の映画化!私も小説を読みながら、アレックスはティモシー・シャラメ、ヘンリーはハリス・ディキンソンとかよさげ?なんて、理想妄想キャストを脳内で楽しんでいました。実際に起用されたテイラー・ザハール・ペレスとニコラス・ガリツィンは私のイメージとはちょっと違うんだけど、見た目といい演技といい、おおむね原作ファンもイイネ!できるカップルだったのではないでしょうか。

 アレックス役のテイラー・ザハール・ペレスは、この作品で初めて知りました。藤木直人+シルベスター・スタローンみたいな顔?私がイメージしてたアレックスよりも男くさくて大人っぽかったけど、明るくてオチャメで、ちょっとチャラいけど実は聡明、バイタリティにあふれ行動的な褐色のラテンボーイ、というアレックスのキャラに合った容貌ではあります。長身で手足長っ!スタイル抜群!脱いだらすごい肉体美で、脱ぎっぷりもあっけらかんと健康的。引き締まった美尻もサービス見せ。

 ヘンリー役のニコラス・ガリツィンは、佳作「ぼくたちのチーム」や実写版「シンデレラ」などで、知る人ぞ知る存在のイギリス若手イケメン。高貴とか優雅とかいった感じはあまりしなかったけど(そもそも実際の英国ロイヤルファミリーにもそんなものない)、クールで清潔感がある美丈夫っぷりが素敵でした。私がイメージしてたヘンリーより、かなりゴツくて屈強そうでしたが、そんな逞しい見た目とギャップのある、内省的でデリケートな表情や仕草が可愛かったです。

 アレックスもヘンリーも、見た目といいキャラといいすごく男らしくて、キャマっぽさとかゲイゲイしさが全然なかったのもよかった。二人のラブシーンも、スウィート&ロマンティックでした。男同士のラブシーンが、もうかつてのように見ていて気まずくなるものではなく、作り手も観る側ももうフツーの男女のそれと同じ感覚なのも、時代だな~と思います。あくまでラブコメなので、ラブシーンもライトな腐女子向け。私にはちょっと物足りなかっかも。設定にも展開にも現実味はまったくありませんが、リッチで愉快なファンタジーとして楽しむ映画であって、ありえねー!とツッコミ入れたりするのは野暮というものです。

 同性愛も、アレックスのほうはほとんど問題ナシで、大統領であるママも反対どころか当然のように応援するなど、こっちがびっくりするほど寛大。ヘンリーのほうは王室の伝統が…なんてウジウジ悩んでたけど、バッシングどころか大喜びで後押しするイギリス国民に、王さまも黙るしかなくなったり。「モーリス」とかの時代に比べると、ほんと劇的な変化と進化ですよね。でもゲイの恋愛ものには試練や悲劇を求めてしまう私なので、アレックス&ヘンリーにはもうちょっと困難や苦闘があってほしかったかも。

 この映画を観ながら、雲上のやんごとなき方々についていろいろ考えさせられました。もし我が国の皇室で、同じようなことが起こったら?まあ大問題になって大騒ぎになるでしょうけど、私はもし悠仁さまの相手がアレックスみたいな男性だったら、素敵だなと思うし応援するでしょう。相手の性別よりも、出自と人柄のほうが重要ですよ。アレックスのママもヘンリーのパパも、もし息子がK室Kみたいな男と付き合ったら、強硬に断固として反対するでしょうし、国民も怒り狂うでしょう。英国王室にしたって、あのメーガンですよ。どこの馬の骨とも知れぬ胡乱なK室Kとメーガンに比べたら、アレックスとか非の打ちどころのない最高の結婚相手じゃん!
 ホワイトハウスとバッキンガム宮殿の生活、別荘での休日など、リッチなハイソサイエティライフも目に楽しかったです。アメリカとイギリスを頻繁に行き来するアレックスとヘンリー、その気軽さに驚かされます。世知辛い下級国民からすると夢のような世界でしたが、二人の飛行機での往復やパーティー、とっかえひっかえな衣装、警護するSPなど、すべて国民の税金でまかなわれてるんだよな~。そう考えると、あらためてK室夫妻への不快感や憤りがふつふつと。
コメント (9)
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危険運転の男たち ファイナル序章

2023-06-18 | 北米映画22~
 「ワイルド・スピード ファイヤーブースト」
 妻レティ、息子リトルBと静かに暮らしていたドムの前に、瀕死の重傷を負ったサイファーが現れる。サイファーを襲撃したのは、リオでドムたちが倒した麻薬王レイエスの息子ダンテだった。復讐に燃えるダンテの罠により、ドムたちはローマにおびき寄せられるが…
 待望のシリーズ最新作、やっと観に行けました(^^♪第1作からもう22年!ここまでご長寿シリーズになるとは。はじめはロサンゼルスの車泥棒の話だったのに、どんどん話がスケールアップしていって、今やドム一味、いや、ファミリーは世界を危機から救う国際的スパイ部隊になっちゃってますし。もしドムファミリーがほんとにいたら、人々を苦しめるロシアや北朝鮮の独裁者もやっつけることができるのにね。話だけでなく、アクションやバトルシーンもグレードアップ、ていうか、ハチャメチャメチャクチャ化して、それこそがこのシリーズ最大の魅力に。ツッコミ上等!なパワフルすぎる強引さ、ありえなさが今回も痛快でした。意識高い系の映画ファンからはソッポを向かれる類の映画でしょうけど、私は大好きです。シリーズものは苦手で、どんな人気映画、大ヒット映画シリーズでも大抵1作目しか観ない私が、こんなに長い間飽きもせず楽しく付き合ってる唯一のシリーズもの。そんな長期に渡って愛されてきたワイスピシリーズも、ついに最終章に突入。ホッとするような、寂しいような複雑な気持ち。今回がファイナルではなく、2(3になるという噂も)部作で引っ張るという商魂逞しさもアッパレ。

 今回はシリーズ第5作である「ワイルド・スピード MEGA MAX」と深い因縁がある設定になっていました。MEGA MAXはシリーズの中でもとりわけインパクトがあった、荒唐無稽なハチャメチャ化の狼煙をあげたと言える作品。リオの街を巨大金庫が破壊するラストは、映画史上屈指のトンデモさでした。後にブライアンを差し置いてドムとW主役的な存在となるホブスの初登場作としても重要な作品です。冒頭のMEGA MAXの回想シーン、な、懐かしい!何よりも驚喜だったのは、ブライアンの登場!在りし日のポール・ウォーカーに涙。ブライアンは生きている設定なのに、今回も現在パートではまったく姿を現さないのが、当然とはいえすごい不自然。それもまたワイスピらしい強引さのひとつです。

 最新作も手を変え品を変えなハチャメチャメチャクチャシーン満載、大真面目にふざけてるのがワイスピの魅力なんですよね~。ゴロゴロ転がる火の玉爆弾に破壊されるローマの街。事件後の死者なしというニュース報道、ありえんわ~!リオもロンドンもだったけど、車も家も店も破壊されてしまう一般市民が可哀想!ドムたちを追う秘密組織の基地、そこで負傷したレティとサイファーに施される治療が、ほとんど近未来SFで笑えた。

 アクションやストーリーだけでなく、キャラの整合性のなさや無理やり感ももう気にならない、おかしいだろ!なツッコミさえもワイスピのお楽しみに。死んだはずの人が生きてた、な反則も何でもアリな世界観の中では無問題。ハンに続いて、今回も驚きの黄泉がえり?!ラストの南極で潜水艦に乗ってたのは、あの人ですよね?!さらにあの重要人物も電撃復活!中盤にジェイソン・ステイサムasデッカードも登場して参戦したし、前回ドムと壮大な兄弟げんかを繰り広げた弟ジェイコブも、今回は頼もしい味方に。天敵サイファーまでもが協力関係になるし、戦った後は仲間になるという少年ジャンプ方式も相変わらずです。復活キャラといえば。デッカードの弟オーウェンも、「ワイルド・スピード ICE BREAK」でチョコっとだけカムバックしたけど、その後どうなったの?彼も次回あたり本格参戦してくれそうな予感と期待。

 サイファー役のシャーリーズ・セロン、デッカードママ役のヘレン・ミレンも続投、新キャラでブリー・ラーソンやリタ・モレノが登場。リトル・ノーバディ役のスコット・イーストウッドの再登場も嬉しかったけど、登場シーンはちょっとだけ、スターのオーラもまったくなくて、パパほどの大物にはとてもなれそうにないと思ってしまいました。アクアマンことジェイソン・モモアがダンテ役。何だかジョーカー+アラジンのジーニーみたいな珍妙さで、悪人というよりき〇がい。鬼滅の宇随も真っ青な派手に行くぜ!っぷりで愉快豪快、いちばん美味しい役でした。
 それにしても。ちょこっとMEGA MAXを観直してみたのですが、ドミニクを筆頭にファミリーがみんな若い!ドムなんて今はもう大きいレーズンみたいなお爺さん顔、レティとハンの老化もちょっと汚くて、若い頃と同じファッションやアクションが痛々しい。物語のトンデモ設定や展開、シーンよりも、加齢した俳優たちの風貌と演技のほうが強引かも。
 
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どうぶつ銀河伝説!

2023-06-04 | 北米映画22~
 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」
 アベンジャーズとしてサノスを倒したガーディアンズだったが、愛するガモーラを失ったピーターは失意から立ち直れずにいた。そんな中、全宇宙を作り変えようと企む敵が現れ、ロケットが瀕死に陥る。ロケットを救うため、ピーターたちは敵地に乗り込むが…
 長期に渡ってのシリーズ大量生産に、もうオナカイッパイ!なアベンジャーズ映画、このGOGもついに完結。これをもって私も、マーベル卒業となりそうです。マーベル作品の中でも特にコメディ色が強くて濃厚なこのGOGですが、この最終章は1と2に比べると切ないテイストになってました。冷血人間の私がウルっとなってしまったり。GOGのメンバーの一人、ロケットがほぼ主役になっていて、彼の壮絶な過去が衝撃的かつ感動的でした。

 恐怖の動物実験!アライグマやカワウソなど可愛いアニマルたちが、ナチスドイツの人体実験も真っ青な実験材料に。その非道さ残忍さに戦慄!子どもが見たらトラウマになるのでは。動物愛護団体から猛抗議がきそうな描写と内容でした。私、子どもや動物が可哀想な目に遭う映画やドラマって苦手なんですよね~。いたいけな存在を痛めつけての感動狙い、ちょっとあざといなと眉をひそめてしまった。まだ幼く無垢だったロケットが、檻の中で同じ境遇の動物たち(実験で奇形にされてるキモカワイさがインパクトあり)と絆を深め、みんなで自由を夢見る姿が微笑ましくも悲痛。夢と希望を打ち砕く悲劇は、予定調和だけど胸がふさがりました。

 ロケットなど動物たちの動きや表情が、いったいどうやってるんだろうと驚嘆するハイクオリティなCG技術。ハリウッド映画ってやっぱスゴわ~。CGもだけど、奇想天外でユニークな宇宙のセットや小道具、宇宙人の容貌や衣装など、お金のかけ具合もハリウッドならではで圧巻です。内容はともあれ、視覚的の楽しさは最終回でも衰えていませんでした。

 前回の内容を全然覚えてなかったのでえ?どういうこと?これ誰?なことが多かったです。今回の敵も味方も、こんな人たち前に出てたっけ?と首かしげ。それはそうと。「アベンジャーズ エンドゲーム」のラストで、マイティソーがGOGの宇宙船に乗り込んでなかったけ?ソーとピーター=クリス・ヘムズワーズとクリス・プラット、Wクリスのイケメンツーショットがすごい好きで、新章ではソー&ピーターがタッグを組むのかな?と豪華なコンビ誕生の期待にワクワクしたのですが、あれれ?ソー、一瞬も出てこなかったソー、どこ行っちゃったの?

 ピーター・クイル役のクリス・プラットが、相変わらずカッコいい~いかにもアメリカンな陽気でおちゃめなところ、大柄でゴツいタフガイな風貌が大好き。さすがにクリプラも、シリーズ1や2に比べると老けましたね~。前作から映画では時間がそんなに経ってないはずなのに、クリプラご本人にははっきりと年月の経過が出てました。

 1・2では体を絞ってたけど、今回は宇宙服がキツそうだった1・2ではあった着替えで脱ぎサービスシーンもなし。マッチョなクリプラも好きだけど、もともとのイケてるぽっちゃり俳優なクリプラも好きなので、みっともなく中年太りしてるのではない程度のクリプラなら、キレイカワイイだけの若いイケメン俳優なんかよりはるかに魅力的です。いい男だし、ちょっとシブくもなってきてるので、本格的な恋愛ものやドラマにも出てほしいんだけど、新作はスーパーマリオの声優とかカンフーコメディまあ、それでも楽しみ(^^♪

↑ 大ヒット中の「スーパーマリオ」ではマリオの声を担当したクリプラ。こんなイケてるマリオに愛されるピーチ姫になりたい(^^♪
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マルチバースの女!

2023-04-19 | 北米映画22~
 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
 コインランドリーを経営するエヴリンは、優しいが甲斐性のない夫や反抗的な娘、そして店の経営難などで心身ともに疲れきっていた。そんな中、税務署で別の宇宙から来た夫により並行世界に連れて行かれたエヴリンは、世界を救うための闘いに身を投じることになり…
 本年度のアカデミー賞で最多7部門受賞した話題作を、ようやく観ることができました!賞レースで怒涛のエブエブ旋風を巻き起こしましたが、およそアカデミー賞らしからぬ作品として映画ファンからは賛否両論。私のような高齢者には、かなりキツそうな内容。観に行くのを躊躇してしまいましたが、やはりスルーはできず劇場へ。どうだったかというと…全然わけがわからん!ついていけず、予想以上に置いてけぼりを食らいましたが、面白かったです!確かに、これがアカデミー賞!?な作品ではありました。こんなハチャメチャでブッ飛んでる珍作怪作がオスカー受賞とか、時代も変わったな~。でも、お高くとまった優等生映画より好きかも。

 マルチバースとか仮想空間とか、若い子には人気のイマドキ設定は、まったくもってワケワカメ。最近そういう映画が多いですよね~。もう無理に理解しようとはせず、疾風怒濤な独創的すぎるシーンや展開を楽しみました。今まで見たことがないような斬新さ、破天荒さでした。とにかく目も頭も痛くなりそうなほど、ド派手なゴチャゴチャ、目まぐるしさで、疲れることこの上ありません。気力体力がない人は要注意。気分が悪くなるかもしれません。

 私がこの映画で好きなのは、お上品な映画ファンなら眉をひそめるような悪ノリと下ネタでしょうか。度が過ぎてるので、真面目な人には耐えがたいかも。私はオゲレツ、おふざけが嫌いじゃないので、けっこう笑えました。敵の男たちがパワーアップのため、異物を〇ナルにブっ込みエヴリンに襲い掛かってくるのが、く、くだらねぇ~!けど不覚にも笑ってしまった。マルチバースの異世界風景やセット、衣装も奇天烈で目に楽しかったです。

 作品賞や監督賞を受賞した以上に、主演助演の3部門で受賞したことがサプライズ、快挙かも。演技賞で3部門受賞って、アカデミー賞の長い歴史の中でも「欲望という名の電車」と「ネットワーク」ぐらい?アジア人初の主演女優賞獲得となったミシェル・ヨーの、体を張った熱闘七変化演技が圧巻でした。この映画の主人公は当初男性で、ジャッキー・チェンが想定されていたとか。元子役のキー・ホイ・クアンの助演男優賞受賞も、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」や「グーニーズ」」をリアルタイムで観た世代には胸アツ。キー・ホイの好演は心から讃えたいけど、個人的にはあの亭主役はトニー・レオンに演じてほしかったかも。「大逆転」や「ワンダとダイヤと優しい奴ら」などの名コメディエンヌ、ジェイミー・リー・カーティスの助演女優賞受賞が、私にとって最大の驚喜。中年太りしたイケズなおばはんを、楽しそうに怪演してるジェイミーおばさまです。エヴリンの娘役、大坂なおみを可愛くしたようなステファニー・スーも、なかなかのチャーミングな怪演でした。
 世界を救うマルチバース対戦というより、生活に疲れて追い詰められたエヴリンの、混乱し崩壊しかけたメンタル世界、みたいに私には思えました。移民、家族愛、フェミニズム、LGBTなど、最近のトレンドもぬかりなく組み込まれていたのが、見事にあざといです。


 
 
 
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熟年天国 バリでの揉め事

2022-12-26 | 北米映画22~
 「チケット・トゥ・パラダイス」
 犬猿の仲である元夫婦のデヴィッドとジョージアは、一人娘のリリーから旅先のバリで出会った現地の青年と結婚するという知らせを受け、急遽バリへと向かう。二人は協力して結婚を阻止しようと試みるが…
 ハリウッドの大物スター、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツがW主演したラブコメ。二人は共演作が多いみたいですが、一本も観たことない二人の出演作を観たのもすごい久々。別に嫌いでも苦手でもない二人ですが、出てる映画は必ず観る!なスターではないかも。わし的には(世間的にも?)ひと昔前の人気スターって感じの二人ですが、まだまだ現役!若いもんには負けん!なノリ。そのお達者ぶりにはリリーだけでなく、観客も呆れたり辟易したりしちゃいます。南の島でドタバタと大騒ぎ、はしゃぎまくってる姿は、ちょっとイタくて苦笑い。すごく楽しそうなんだけど、観客以上に大スター二人が楽しんでるような、お金払ってセレブの遊んでる様子を見せられてるような、庶民感覚とはあまりにも乖離したお気楽ゴージャスさは、あまり愉快なものではなかったです。

 でもでも、そのお気楽ゴージャスさこそ、この映画の意図したもの、見どころなんですよね。小難しいことはいっさい抜き、肩の力を抜いて気軽に楽しむ、という点ではパーフェクトかもしれない映画です。映画やドラマのリッチな世界や人々を見て、昔のように楽しく現実逃避できなくなってる私って、やっぱ心が荒んでるのかもしれません。バカバカしくてノーテンキなコメディも、前は大好きだったのに。この映画、若い頃ならきっと楽しめたかもしれない。と思いつつ、今の若い子たちがこの映画を観て、果たして高く評価できるだろうか。何このおっさんとおばさん、ウザ、と冷笑するだけかも大スター二人の演技と存在だけでなく、内容も新鮮さとか衝撃とかは微塵もなく、どこかで見たことがあるような、思った通りの展開になる予定調和の凡庸さのせいで、映画は安物を派手な包装紙で包んでるような出来となってます。
 
 デヴィッドとジョージアが、ぜんぜん娘の結婚の邪魔をしてないんですよ。指輪を隠すという幼稚なことするぐらい。妨害という目的はどこへ行ったのか、ほとんどバリでの休暇を満喫してるだけ。周囲がドン引きするほどのぶっ飛んだ暴走でウェディングクラッシュすれば、毒にも薬にもならんコメディにならなかったでしょうに。まあ、娘の相手が文句のつけようのない好青年でしたしね~。あれで反対し通したら、ただの狭量な人種差別主義者になってしまってたでしょうし、そんな風に思われてしまうような役を大スターの二人が引き受けるわけがありません。それにしても。私が親なら、反対どころか諸手を挙げて祝福しますよ。ろくでもない日本人と結婚されるほうが、よっぽど嫌です。熟年両親よりも、娘のリリーが鼻についたわ。すっかりバリの住民気どりで。バリ人ってみんなあんなにオープンマインドなの?

 久々に見たジョージ・クルーニーもジュリア・ロバーツも、すっかりおじさんおばさんになってたけど、さすがハリウッドで長年トップを張っただけあって、スターのオーラと華やかさは今でも強力ですね。まだまだ現役な男女役でも違和感なし。ジュリロバの高価そうだけど悪趣味なファッションが、いかにもアメリカの金持ち女って感じでした。リリーの恋人のバリ青年が、大谷翔平+満島ひかりの弟、みたいな顔でした。
 ジョージアの年下の彼氏役は、「ミセス・ハリス、パリへ行く」で会ったばかりのリュカ・ブラヴォーでした。

 フランス人パイロット役のリュカ、やっぱイケメンですね!フツーなら気どった美男子なキャラになるところですが、リュカは明るくて爽やかでフランス男っぽくないんですよね~。フランス人が恋人という設定があまり活かされてなかったような気もしたけど、お人よしでちょっとアホなリュカのコミカル演技はすごく可愛かったです。フランス男は熟女好きとは言うけど、ジュリロバみたいな性格キツそうなアメリカ女と付き合うのは、かなり勇気が要りそう。ジュリロバって怒ったらめちゃくちゃ怖そうなので、リュカは撮影中さぞや緊張したことでしょう。
 常夏のバリ島のトロピカルな風景、美味しそうな食べ物など、まさにこの世の楽園でした。あの温かそうな澄んだ青い海で泳いでみたい!バリにも行ってみたいな~。

 ↑ 新作の“The Honeymoon”も英語でのコメディ。フランス語で演技するリュカ主演のシリアスなフランス映画も観たい!
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湿地姫

2022-12-04 | 北米映画22~
 「ザリガニの鳴くところ」
 1969年。ノースカロライナ州にある湿地で、金持ちの青年チェイスの死体が発見される。湿地で暮らす若い娘カイヤが容疑者として逮捕されるが…
 ミステリ、サスペンス、というより女性の生きづらさや自由に生きるための闘い、女性の強さと弱さを描いたフェミニズム映画、みたいでした。生き方や価値観がその他大勢と違うと、危険視されたり除け者にされたり排除されたりする社会の偏狭さには、この映画のカイヤほど非道い目に遭ったりはしないものの、私も日々感じています。社会の押し付けてくる常識や通念に従わず、いかなる圧力にも屈しないカイヤの生きざまに感嘆しつつも、自分さえよければいいの?もうちょっと柔軟性や協調性があってもいいのでは?とも思ってしまったが。あんな小さい女の子がジャングルみたいな湿地で独りで生活している、周りがさせている、というほったらかしネグレクト状態にも驚き。

 女性の生きづらさ、女性の苦悩や苦闘の元凶は男!ここがほとんどの女性と私との違いなのですが男なんかと深く関わると、ほんとろくなことにならないですよね~。カイヤは特殊な状況にいるようで実は、ろくでもない男に引っかかってバカを見るという、世間にはごまんといるダメ女なんですよ。気をつけて!うっかり男に心も体も許すとこういうことになる!と、女性にとっては警告のようなカイヤの災難っぷりでした。カイヤと恋愛関係になる若者二人、テイトとチェイスがそれぞれクソ野郎で、ほんと最低最悪なんですよ。男なんかほんとめんどくさい!怖い!と心底思わせる愚かな男女の修羅場でした。殺人事件にまで発展する痴情のもつれとか、ほんと関係ない人たちにとっては迷惑な話。

 カイヤがね~。男好きとまでは言わないけど、イケメンが近づいてくると簡単に受け入れてしまうユルさが、ちょっといかがなものかと。世捨て人のつもりでもナンダカンダで孤高を貫けない、人恋しい孤独が男に付け入るスキを与えてしまった。寂しい、愛されたい、そういう気持ちが強い女性はだめんずホイホイになりやすいんですねこの映画のだめんず、テイトとチェイスはどちらも真剣にカイヤのことを愛してはいたようですが、カイヤへの仕打ちがクズでゲスすぎる。消息を絶って音信不通、自然消滅を狙う男。支配欲が強く激したら暴力、あげくはストーカー化する男。どっちもカイヤを心身ともに痛めつけながらも、愛してるんだよ~!と情けなく執着してくる姿が気持ち悪かった。カイヤの彼らへの優しさ、そしてラストに判明する冷酷さは、一般的な女性の理解を超えたもの。それはやはり、特殊な環境が育んだものなのでしょうか。

 ↑ 映画のプロデューサーは、大物女優リース・ウィザースプーンさん
 カイヤ役のデイジー・エドガー・ジョーンズは、なかなかの美人。アリシア・ヴィキャンデルをしっとりエキゾティックにした感じ?ワイルドライフなのに肌も髪もいつもきれいテイト役のテイラー・ジョン・スミス、チェイス役のハリス・ディキンソンがなかなかイケメン、かつ印象的な熱演・怪演でした。テイラーはいかにもアメリカの明るく健康的で誠実そうな青年って感じの風貌。ちょっとアゴのあたりをゴツくした松下洸平、みたいに見えました。ハリスは顔は薄いけど役は濃ゆい。脱いだらスゴいマッチョな肉体美。

 舞台となる野生の湿地が、この映画の主役と言っていいほど。まるで異世界のようでした。カイヤの自然を活かした自給自足生活も興味深かったです。でも、あんな生活は実際には不可能なはず。いつも小ぎれいでおしゃれなコテージみたいな家とか、怖い動物も気持ち悪い虫も出てこないとか、ありえなさすぎる。そういう現実的なことは排除された、ファンタジーのような世界観もこの映画の特色でしょうか。
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瞳からLOVEビーム

2022-11-25 | 北米映画22~
 「エターナルズ」
 7000年にもわたり邪悪な捕食生命体ディヴィアンツから人類を守り、その発展を支えてきたエターナルズ。ディヴィアンツ殲滅後は解散し、人間界に溶け込んでいたエターナルズだったが、ディヴィアンツ復活を機に再結集することになり…
 アメコミ映画大好きだったのですが、じゃんじゃか大量生産されてるのを観続けてたら、さすがにしんどくなってきたアベンジャーズシリーズがとりあえず終わってホっと一息と思ったら、今度はこのエターナルズが始まった。よくもまあ、次から次へと。マーベルスタジオの豊富なネタと商魂逞しさには驚嘆するばかりです。もうアメコミはキツいなと思いつつ、結局は乗せられて観てしまう私。でも、今後はかなり観るアメコミは厳選されそう。アメコミ映画でマイベストかもしれない「ブラックパンサー」も、続編はあまり観たいと思えなくて。チャドウィック・ボーズマン不在のブラパンとか、わし的にはありえないんです。そう、私にとってアメコミ映画は内容ではなく、完全に出演してるスターが目当てマーベルのアメコミ映画はキャストが超豪華、しかも好きな俳優がいっぱい出てるので、ナンダカンダ言いつつ観てしまうんです。このエターナルズも、観ないのは無理!な面々が。その筆頭が、エターナルズ最強の戦士イカリス役のリチャード・マッデン


 あいや~!リチャマ!大好き!めっちゃカッコええ~もう最近のメイクバッチリ系の軟派で軟弱で軽薄なキレイカワイイ男子とかにはウンザリしてるので、すべてにおいて雄♂!なリチャマの男らしさ、男のフェロモンにクラっときちゃいます。屈強で超有能だけどそれをひけらかすことなく、武骨で不器用な役が似合うリチャマの、昔かたぎで古風な感じが素敵。硬派だけど紳士で、いつもどこか悲しそうな憂愁も、リチャマの魅力です。


 リチャマ、アメコミ映画でもその男前ぶりを遺憾なく発揮してます。コメディ要素も濃ゆいマーベル映画なので、エターナルズのメンバーもコミカル言動をするのですが、リチャマasイカリスだけはシリアス。リチャマの魅力である暗い愁い、薄幸オーラはイカリスのクソ真面目で融通がきかないキャラにぴったりなのですが、せっかくなのでコミカル演技もしてほしかったかも。メンバーたちのコミカルなやりとりに微笑んでるリチャマは素敵でしたが。でもほんとリチャマって、明るい未来や幸せな人生とは無縁な不幸顔。たまにはライトでハッピーな役も演じてほしいと思いつつ、傷つけられ痛めつけられて怒りに燃え悲しみに沈むリチャマが好きなので、今後も悲運や不幸のどん底に落ちてほしいです(映画やドラマで、です

 不幸と同時に不屈さもリチャマの魅力。エターナルズのリーダーとして、先頭に立って戦う姿が勇猛で頼もしい!空を自在に飛び、目からビームを発射して敵をガンガン倒す勇姿がカッコいい!ふわ~っと静かに空から降りてくるところも好き。
 イケメンその2は、リチャマとは人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で共演したキット・ハリントン。彼は人間役で戦うシーンもなく、出番も少ないのですが、ちょっとおじさんっぽくなってて、それはそれでまた可愛いキットでした。

 何か怪しげな匂わせ発言をするキット、続編への伏線なのでしょうか。パート2では本格的にメインキャラ化?盟友リチャマとはちょっとだけしか絡みがなく、GOTファンにはガッカリかも。
 イケメンその3は、こないだ「僕の巡査」で会ったばかりのハリー・スタイルズ。サノスの弟でスペース冒険家のエロス役で、最後に華麗なる、まさにアイドルな登場とキャラ。


 何だかほんとにアイドルのコント、コスプレみたいだったハリーですが、可愛かったです。単なるゲスト出演?それとも彼も続編で活躍予定?
 エターナルズの面々はアベンジャーズに比べると、アンジェリーナ・ジョリー以外は地味でスターの格はかなり下。ジョリ子さんは魔女みたいな顔、メンヘラすぎるキャラで、敵より怖かった。実質ヒロインがジェンマ・チェンとか、安いな~。たまに大久保佳代子に似て見えたジェンマ、この映画ではリチャマ&キットに愛されて、実生活ではドミニク・クーパーが彼氏とか、羨ましいにもほどがある。

 日本でも人気の韓流スター、マ・ドンソクが武器や特殊能力ではなく、彼といえばの鉄拳で敵をブチのめしてたのが微笑ましかったです。英語もお上手。バリー・コーガンは顔が強烈。でもこれまで見た中ではいちばん気持ち悪くなかったです。黒人、ゲイ、ろうあ者までメンバーにいて、多様性への配慮?ちょっと強引で、必要性が感じられなかった。インドへの持ち上げを感じたのは私だけ?ちょっと前は中国でしたが、最近はインド資本もハリウッドに流れてるのかしらん?「ノマドランド」とはまるで違うジャンルだけど、荒涼としながらも美しく壮大な自然の描写の多用は、クロエ・ジャオ監督の持ち味でしょうか。

 ↑ イギリスのイケメン、やっぱいいですね~

 
 
 
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AIをください

2022-11-20 | 北米映画22~
 「アフター・ヤン」
 人型AIロボットが普及している近未来の世界。茶葉の店を営むジェイクは妻と養女のミカ、ロボットのヤンと幸せに暮らしていた。そんな中、ヤンが故障し動かなくなり…
 気鋭の映像作家、コゴナダ監督の作品。ストーリーといい空気感といい、何とも不思議な映画でした。でもワケワカメな難解映画ではなくて、そこはかとない哀しさに静かに優しく包まれるような感覚は、あまり味わったことがないので新鮮でもありました。SFな設定もユニーク。いったいいつの時代なのか、どこの国の話しなのかは、いっさい明確にされてません。白人の父、黒人の母、アジア人の娘、血のつながりもなく人種も違う家族の形態が、いずれ普通になるかもしれない未来の世界を予感させました。クローン人間や、ヤンのような家庭用AIロボットの売買や使用も、近い将来当たり前になりそうですね。便利だけど、人間はどんどん心身ともに怠け者になって退化しそうで怖い。

 人間のような自我を持ったロボットといえば、鉄腕アトムや「エクス・マキナ」などを思い出しました。私も癒し用のイケメンロボットが欲しい!でも酷使してすぐ壊しそう維持や修理が結構大変そうだったので、壊れたら粗大ゴミ扱いでほったらかしにもしそう。そういうのが近未来では社会問題になりそうですねヤンはあんな優しい一家にもらわれてラッキーでした。ヤンとの思い出が優しさにあふれていたので、家族それぞれのヤンがいなくなってしまったことへの喪失感も切なく深い。でももしヤンが人間で本当の家族だったら、もっと悲痛で生々しい話になったことでしょう。人間と同じ姿と心があっても、人間に愛され人間を愛しても、しょせんロボット…起動しなくなってからのヤンの運命が悲しい。

 ユニークな作品ですが、すごく静かでゆったりした雰囲気で、刺激的なシーンや展開が全然ないので、観る人によってはかなり緩慢で退屈に感じるかもしれません。かくゆう私も、ちょっと睡魔に襲われてしまいましたお話よりも、近未来の生活やファッションに心惹かれました。一家の家や服装がアジアンテイスト(台湾とベトナムをミックスしたような)で、インテリアとか食器とかおしゃれだな~と思いました。家具とか雑貨が好きな人は楽しめる映画かも。今の我々の生活と特に変わらない風景の中に、さりげなく近未来SFなアイテムやシーンが挿入されてたのも面白かったです。
 パパ役のコリン・ファレルが、すごくチャーミングでした!



 コリン、ほんといい役者になりましたね~。風貌も演技も、やんちゃ坊主が落ち着いた大人の男に成熟した感じ。可愛かったコリンもすっかりおじさんになりましたが、俳優としての魅力は年齢を重ねながら増していってます。最近のコリンは役によってデップリしたりほっそりしたり体型を変化させてますが、この作品では後者。痩せたらやっぱイケメン!見た目はワイルドだけど、声も雰囲気もすごく優しく、そして悲しそう。いつもどこか悲しげなコリンにキュンときます。優しいパパ役、夫役にはもったいないほどの色気もコリンの魅力。ちょっとサービス脱ぎあり。いいカラダオンライン家族ダンスコンテストでの、コリンのキレッキレのダンスに感嘆!コリン、下積み時代はダンサーもやってたとか。道理で巧いわけですね。ヤン役のジャスティン・H・ミンは、坂口健太郎を地味にしたような顔で、まあまあイケメンでした。

 ↑コリンがついにオスカー候補に?期待ふくらむマーティン・マクドナー監督との新作「イニシェリン島の精霊」の新春日本公開が待ち遠しい!
 
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2022-10-07 | 北米映画22~
 カープの新監督に、新井貴浩氏!!
 とのニュースには驚かされました!広島生まれの広島育ち、カープ入団の経緯や活躍、阪神への移籍で起こったブーイングの嵐、カープへの電撃復帰そして25年ぶりのリーグ優勝など、新井さんほどカープファンの愛憎を一身に浴びたドラマティックな選手はいません。その新井さんが、ついに監督就任。いつかは、とは思ってたけど想定外の早さ。つい最近引退したばかりな感じがするし、コーチ経験もなくいきなり監督って大丈夫なん?と心配になってしまうけど、あの輝かしい3連覇が遠い夢のようになってしまった今のカープに暗澹となってるファンのとっては、明るい驚喜のニュースです。あの明るいキャラで鬱々とした空気を払拭してほしいですね。新井さんが監督になったからって、いきなり今のカープが強くなったり、ましてや優勝なんて高望みはしませんが、持っている男な新井さんのことだから、ひょっとしたらひょっとして?な希望は抱くことにします。新井さんの二人の兄貴、金本氏&黒田氏もブレーンとして新監督を支えてほしいのお。新井さん頑張って!


 「フォトグラフ」
 記者のマイケルは、取材で知った女性写真家クリスティーナに興味を抱く。クリスティーナはすでにガンで他界しており、2通の手紙を疎遠だった娘のメイに残していた。マイケルとメイはクリスティーナの人生をたどるうちに、互いに強く惹かれ合うようになるが…
 久々に何のてらいもない、オーソドックスな恋愛ものを観た感じです。最近は面白ければ何でもアリな、特異すぎる設定や刺激の強い内容の映画ばかりで、そうじゃないと満足できなくなってるきらいが無きにしも非ず。こういうほんのり甘めの大人のロマンス、私はかなり好きです。マイケルとメイの恋愛と、クリスティーナの半生を交互で描く構成なのですが、どちらもこれといった特別なストーリーではなく、よくあるありきたりな内容。ドラマティックじゃないハーレイクイン小説みたいでした。
 
 話は平凡なのですが、ニューヨークのモダンかつアンニュイな雰囲気とか、流れてくるR&Bやジャズのムーディさが、心地よく洗練された大人の魅力。ちょっとそういうのを狙いすぎで気どってる、と鼻につく人もいるかも。
 メイとマイケルのロマンスも、酸いも甘いも嚙み分けた熟年の分別臭いものでもなく、衝動的で情熱的な若者の青臭いものでもなく、どっちも部分もあるところが30代の恋愛って感じ。二人とも穏健な慎重派なので、恋もスウィートだけどどこか低温気味。優しすぎて傷つけられることのほうが多いタイプなので、相手に言いたいことをぶつけたり要求したりができない、そういうところがもどかしい、かつ共感。二人とも都会的な独身貴族で、仕事にも容姿にも恵まれている男女だったのも映画的でした。すごくお似合いな美男美女の黒人カップルで、どんなシーンも絵になる二人でした。

 マイケル役は、「ユダ&ブラックメシア」でオスカーにノミネートされたラキース・スタンフィールド。イケメン、というより可愛い顔。童顔でほっそりしてるので、すごく若く見えます。まあ実際にもまだ30歳ぐらいなので、若く見えて当たり前なんだけど。優しそうなところも恋愛映画に向いてると思います。メイ役のイッサ・レイも美人。彼女の都会の働く黒人美女ならではのファッションも素敵でした。女戦士役も似合いそうなほど、大柄で頑強そうな体つき。殴る蹴るのケンカしたらラキース負けそう。メイとマイケル、姉弟に見えて仕方なかった。調べたらやっぱラキースのほうが年下でした。

 マイケルの後輩役で、私が今いちばん好きな黒人俳優であるケルヴィン・ハリソン・ジュニアも出演してます。ケルヴィンくん、やっぱイケメン~登場シーンは少ない、いてもいなくてもいいようなチョイ役でしたが、その華のあるイケメンぶりで目立つことこの上なし。ラキースとの仲良しシーンに萌え~。二人ともイケメンなので、一緒だと画面が華やぎます。

 ラキースよりもさらに若いケルヴィン、見た目といいファッションといい、ほとんど高校生みたいだった。意外と背が低い?ラキースと結構な身長差があって驚きました。メイの友人に年いくつよ?と訊かれるのも納得の少年っぽさがキュートでした。

 ↑ ラキースは「ナイブズ・アウト」続編には出演してないようで残念。ケルヴィンの新作は時代劇で、波乱の人生を歩んだ音楽家役。久々の堂々の主演!楽しみ!
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ブラピの弾丸列車

2022-09-11 | 北米映画22~
 「ブレット・トレイン」
 仕事復帰した闇の仕事人レディバグは、東京から京都へ向かう新幹線に乗車し指令通りブリーフケースを盗むが、それは殺し屋たちが入り乱れて繰り広げられる死闘の引き金となり…
 日本の人気作家、伊坂幸太郎の小説がハリウッドで映画化。伊坂センセイの小説って読んだことない💦日本でもよく映画化ドラマ化されてるけど、ほとんど観たことない、あまり観たいと思わせてくれない💦まあこれは、マグロやメロンがあまり好きじゃないのと同じような感じでしょうかこの作品も邦画だったら、おそらく観なかったでしょう。主演がブラッド・ピット、CMとかで目にする予告編が何だかハチャメチャ系おバカ映画っぽかったので、このハリウッド版はすごく楽しみにしてました。先日やっと観に行くことができました。予想、期待してた以上のおバカ映画でした

 これ、ほんとに伊坂センセイの作品が原作なのですか?伊坂センセイがこんなハチャメチャおバカ小説書いてるなんて知らなかったです。どちらかというと、クエンティン・タランティーノ監督テイストだったような。舞台は日本、日本のカルチャーや国民性を奇妙に描きながら、血みどろの死闘が繰り広げられる、という過激で滑稽な内容と演出、会話劇など、タラの「キル・ビル」を彷彿とさせました。タラちゃんほどのヲタクなこだわりや日本文化への愛情は感じられませんでしたが、ぶっとびハチャメチャ度はタラに負けてませんでした。

 とにかくツッコミどころ満載すぎて、コメディというよりほとんど岡田あーみん先生のギャク漫画みたいになってました。ありえねぇ~!なシーンや設定だらけで、ちょっとふざけすぎ、やりすぎ感も否めませんが笑えました。まず、バトルフィールドとなる新幹線が変。あんなの新幹線じゃない(笑)!ディスコみたいな車両とか、殺し合いしてるのに乗客も乗務員も誰も気づかないとか、新幹線のドアが壊れて外に放り出されてもしがみついて落ちないとか、出発した新幹線に飛びついて窓を素手で割って入るとか。いちばん笑えたのは、新幹線が早朝に京都に着いたこと。新幹線、夜行列車じゃないし(笑)。窓外の富士山や京都の風景もおかしすぎるじゃろ。ちゃんとした今の日本を描く気なんかサラサラなし。日本じゃない異世界になってました。ふざけたことは大嫌いな真面目な方には向かない映画です。あと、ヴァイオレンスシーンも結構エグいグロいので、そういうのが苦手な方は観ないほうがいいかも。

 レディバグ役のブラッド・ピットが、すごい可愛かった!こんなにおバカなブラピ、初めて見たわ。ハリウッド屈指の大スターであるブラピの、脱力しつつも体を思いっきり張った演技、顔芸に感嘆。日本の大スター、キムタクには絶対できない捨て身かつ余裕のパフォーマンスでした。ダサいおやじ呼ばわり、じじい扱いされたり、老眼鏡?なしでは字が読めなかったり。スゴ腕のわりにはすごいドジでおひとよし、日本が誇る高機能トイレに感動したりウォッシュレットの水が顔にぶっかかったり、毒蛇に噛まれて大騒ぎしたり、とにかくブラピが愛おしくなる映画でした。自虐に近いおじさんぶりでしたが、でもやっぱカッコいいです。老けかたが自然というか。雰囲気が若々しい。あの帽子や服装など、一般人のおじさんだとホームレスっぽくなってしまうけど、ブラピだとおしゃれ。同年齢のトム・クルーズも今でもカッコよくて若々しいけど、ちょっと非人間的というか妖怪っぽいところがあるトムより、ナチュラルおじさんのブラピのほうが理想的なイケオジです。

 殺し屋コンビ、レモン&タンジェリンもいい味だしてました。タンジェリン役のアーロン・テイラー・ジョンソンがイケメン!アーロン、どんどんいい男、そしていい役者になってきてますね~。スタイリッシュなスーツの着こなし、スタイルのよさ、そして英国訛りが素敵!血の気が多く凶暴だけど、相棒とのやりとりや殺し合いの後レディバグと仲良くなるところが可愛く、アーロンもコミカルに大暴れしてました。

 真田広之が重要な役で出演してます。もう孫がいる役!だけど、すごくカッコよかったです。真田さんの侍のような静かなる重厚さが、唯一この映画では日本らしかったです。彼だけ大真面目に演じてたのは、返って滑稽でもありましたが。ラストはほとんど主役な活躍で嬉しかったです。今まで出演したハリウッド映画の中では、いちばんいい役だったのでは。真田さんの息子役の俳優もなかなか男前でした。ゲイ?の乗客役の俳優、ラストに登場する大物女優など、ブラピ人脈のゲストスターが豪華でした。

 ↑プロモーションで各国を精力的にまわってたブラピ、ちょっとヘンなテンションで可愛いけど心配になった
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