まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

上級国民大炎上!

2021-08-15 | 韓国映画
 イケメンオリンピック 5位 韓国
 「ザ・タワー 超高層ビル大火災」
 ソウルにそびえ立つ超高層ビル“タワースカイ”で、クリスマスパーティのさなかに火災が発生。出動した消防隊員たちは、地獄と化したビル内で生存者たちを救出しようとするが…
 韓流版タワーリング・インフェルノ。この世にはいろんな災害がありますが、火事で焼け死ぬことほど恐ろしい災いはありません。ホテルニュージャパンの映像は、今でもトラウマです。この映画でも、これでもか!と地獄絵図が繰り広げられ、ホラーには不感症な私でもこういう恐怖にはただもう戦慄。特に怖かったのは、ぎゅうぎゅう詰めのエレベーターに閉じ込められ、そこに火が迫ってきて逃げられずじわじわ火あぶりになるシーンエレベーターが猛スピードで急降下、もヒエー!です。私、絶対高層マンションには住めません。
 火災も怖いけど、この映画でも描かれていた韓国人のモラルと品性の低さにもゾっとしました。金持ちや政治家を先に助けるという救助の優先順位とか、金持ちや政治家が人前で平然と貧しい人たちや消防隊員をバカにしたり罵倒したり。日本もたいがい、上級国民が得するようになってる不公平で理不尽な社会構造になってるし、上から目線で人もなげな言動で国民の神経を逆なでする政治家や芸能人もいますが、さすがに韓国ほど露骨ではない。ナッツ姫とか女大統領を操っていたおばはん一味とか、あのソウォル号事故とか、信じられないような連中がいたり事件が起こる国なので、この映画で見せつけられる韓国人の民度の低さは本物、それはあらためて心胆を寒からしめるものでした。

 日本の上級国民だって、私利私欲にかられたり権力を振りかざしたりしてやりたい放題なんだろうけど、さすがにアベもアソウもニカイもモリも、この映画みたいなことはしないでしょう。この映画でタワーのオーナーが、防衛大臣に命令して悪天候なのにパーティーの余興のために軍のヘリを出動させ人工雪を降らせるのですが、そんなことアベ一味がもし自衛隊にやらせたら、事故が起きなくても大問題になります。火事前火事後の上級国民の非道な暴挙のせいで、これも韓流といえばの家族や友人、仲間とのお涙ちょうだい感動エピソードも吹っ飛んでしまいました。それにしても。あの生き地獄の中にあって、愛する人はまだしも他人まで助け守ることなんか、私にはできん。劇中の自分だけ助かろうとして真っ先に死ぬキャラが、私とカブってしまいました
 タワーリングインフェルノはオールスターキャストでしたが、この作品も韓流ファンにはおなじみの大物俳優や人気スターが出演しています。消防隊長役は、韓国映画界屈指の名優ソル・ギョング。

 寡黙でクールで勇敢なヒーローって、クセの強い役が多いギョングおじさんには珍しい?いつもより若くカッコよく見えました。たまにやっぱ大杉連に似て見えた。消防署長役はアン・ソンギ、タワーのオーナー役はチャ・インピョ。ベテラン俳優たちが出番はそんなにないけど顔を見せてます。事実上の主役であるセキュリティ部チーフのキム・サンギョンは、ポン・ジュノ監督の傑作「殺人の追憶」の刑事役の人ですね。仲間由紀恵の夫そっくり?みんな背が高くて風采が上がってるところが、さすが韓流男優。ヒロインであるフードモールのマネージャー役は、「愛の不時着」で人気を博したソン・イェジン。優しそうで可愛いですね。
 私が最も注目し楽しみにしてたのは有名スターではなく、新米消防士役のト・ジハンです(^^♪

 いまNHK BSで放送してるドラマ「花郎」で、私がいちばん気になるキャラがエリート意識が強くイケズなパンリュ。ちょっと濃い目の端正な顔立ちが、ブサメン禁止のイケメンパラダイスな花郎の中でも、ひときわ私の目を惹くのです。そのパンリュを演じてるのが、ト・ジハンくん。この映画では、パンリュと真逆な真面目で爽やかな初々しい好青年役。制服姿の凛々しく清々しいこと!先輩たちのイタズラどっきりに引っかかり、素っ裸で出動するジハンくん。

 キュートなお尻はもちろん、目を凝らすとキワどいところも見えたような(袋の部分)。パンリュは決して見せないだろうおバカな姿や潔い脱ぎっぷりに拍手。火事になってからは、勇敢で有能なカッコいい男に変身します。それにしてもあのどっきり。笑えたけど、あれ実際にやったらパワハラモラハラになりそう。
 
 ↑ いま注目のイケメン、ト・ジハンくん。早く全裸濡れ場、もしくはBL映画!を期待せずにはいられません
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僕が愛した兄さん

2021-07-27 | 韓国映画
 「SEOBOK ソボク」
 余命いくばくもない元情報局エージェントのギホンは、人類初のクローン人間であるソボクの護衛の任につく。命がけで自分を守るギホンに、ソボクはいつしか心を許すようになるが…
 コン・ユとパク・ボゴム、人気イケメン俳優のW主演作ということで、韓流ファン、そして腐女子に関心と期待を抱かせていた作品。ようやく日本公開!わしもワクワクしながら観に行きました。いい意味で、期待を裏切る怪作でした。イケメン二人の萌え萌えな、がっつりブロマンスな内容かと思い込んでいたんです。ブロマンス映画には間違いないのですが、それ以上に惨劇のサイキックホラーの要素が強かった。ソボクが怖すぎる。ソボクを怒らせないで!血の雨が降る!普段はおとなしい悲しげなソボクが、ギボンや自分に仇なす奴らに超能力で恐怖のお仕置き、制裁をくだすシーンの数々が、かなり過激で凄惨。ラストなんかもうカオスな地獄絵図だった。悪人どもが容赦なく皆殺しにされてゆく終盤は、恐怖のカタルシスでした。怒りをコントロールできなくなるソボクは、ちょっと「キャリー」とか「炎の少女チャーリー」を思い出させました。

 血まみれ血みどろなホラー、派手な銃撃戦やカーアクション、スパイサスペンス、近未来的SFと、ちょっと詰め込み過ぎ感も否めない盛沢山な映画でした。最も期待されていたのは恐らく、イケメン二人のブロマンス。それも狙いすぎなあざとさはなく、かつツボはちゃんと突いてる微笑ましさと切なさでした。ギボンとソボクの、ぎこちなくも少しずつ距離を縮めていくやりとり、極限状態で強まり緊密になる関係が、友情以上BL未満な優しさともどかしさ。手を掴んで引き止めたり引っ張っていったり、じっと見つめ合ったりするのは、やっぱ男同士だと友情や義兄弟の絆を逸脱していて、腐心をときめかせます。もうそこでキスしちゃえよ!好きだと抱きしめちゃえよ!なんて、じれったくなりましたわしも可愛いイケメンにヒョン(兄さん)と呼ばせたい!素敵な男前をヒョンと呼びたい~!

 ギボンとソボク、どっちも背負ってる十字架が重くて暗くて、二人とも何のために生まれてきたんだろう、と彼らの宿業に暗澹となってしまいますが、不幸な男たちとは思えませんでした。だって、二人は出会うためにこの世に生まれたんだから!自分の命よりも大切な人と出会え、その人を守り救えるなんて、何て崇高なことでしょう。ラスト、ギボンとソボクが選んだ決着は悲劇的でしたが、まさに互いへの強い深い愛ゆえの選択でした。冷血人間の私も、ちょっとウルッとしました。悲しさよりも、その尊さ美しさに感動して。たとえ過酷で短い人生でも、誰かのために生きる、そして誰かのために死ねるなんて、ほとんどの人間には味わえない幸せです。

 ギボン役のコン・ユは、役作りで激痩せ。梅干しみたいに萎んだやつれ顔、細い身体つきが痛々しく、かつ役者魂を感じませました。ただでさえスタイル抜群のコンたんが、痩せるとさらに顔の小ささと手足の長さが顕著に。若い頃はラブコメで人気を博したコンたんですが、最近はシリアス路線で俳優として一皮剥けるための仕事を選んでるみたいですね。でも彼の顔って、いい意味ですごくアホみたいだから、やっぱコメディが似合うんですよね~。ソボクに振り回されて困惑したりイラっとしたりするシーンでの、ちょっとコミカルな演技が往年のコンたんを思い出させました。シリアスもいいけど、たまにはまたコメディにも出てほしいです。

 ソボク役のパク・ボゴムは、飾り気のないシンプルな風貌だけど、一般人とは明らかに違うオーラが。それがミステリアスで神秘的で、ソボクのキャラに合ってました。日本の某事務所タレントやイケメンなだけ俳優だと、間違いなくあざといまでに可愛く演じるだろうソボクを、ボゴムくんはかなり抑えて演じていたのが秀逸でした。童顔ですが、子どもと思われたり子ども扱いされるのには違和感。声が低く背が高くて結構がっちりしてるので、じゅうぶん大人に見えます。着替えシーンでの見えそで見せない裸にイラっ。サービス脱ぎしないなんて、韓流男優にあるまじき怠慢!

 コン・ユもパク・ボゴムも、顔は日本人っぽいところが親しみやすい。逆に、ギホンの元上司とか研究所のパトロンである大金持ちの爺とか、悪人はみんな典型的な朝鮮系顔。元上司がちょっと元大阪府知事の橋下氏似?憎々しい、イヤ~な顔してます。演技が巧い、とも言えますが。それにしても。科学や医学の発達って、もう素晴らしさよりも恐怖を覚えます。ソボクみたいなのを生み出すなんて、神をも恐れぬ自然への冒涜ですよ。病気は怖いけど、死なないのも怖いです。本当に不死を望んでる人なんているのかなあ。

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城主さまは美男

2021-07-23 | 韓国映画
 「安市城 グレート・バトル」
 唐の皇帝太宗が率いる大軍により、侵略の危機に瀕していた7世紀半ばの高句麗。王軍に従わない武将ヤン・マンチュンの暗殺命令を受けたサムルは、マンチュンの治める安市城に入り彼に近づくことに成功するが…
 ナム・ジュヒョク出演作ということで鑑賞。ジュヒョクくんの映画デビュー作でもあります。サムル役のジュヒョクくん、可愛い!「ハベクの新婦」でもカッコかわいかったけど、時代劇でもその透明感、清潔感はハンパなかったです。女の子みたい、いや、女の子より可愛い。中途半端な女優では太刀打ちできない可愛さです。けど女みたいな美男とかキャマっぽいイケメンとかとは全然違って、男の子な雰囲気、キャラなのがチョア。最近の人気韓流男子、例えばBTSとか、みんなメイク感、整形感が強くて薄気味悪い人が多いのだけど、ジュヒョクくんはすごいシンプルな顔立ち。そういうところも私にとって彼を特別な韓流男子にしています。

 チビで貧相な日本の俳優やアイドルを見慣れた目には、同じ人間とは思えぬスタイル抜群な長身!時代劇でもそれがよくわかります。でも私はガッチリムッチリしたマッチョが好きなので、ジュヒョクくんは細すぎるかな。あまりにも優しく清らかな風貌なので、血みどろな戦場に似合わない。女っけがほとんどなく、ほぼ男だけの映画の中で、ムサい野郎どもに囲まれたジュヒョクくんは、まさに清楚で可憐なヒロイン!美男城主のマンチュンを敬慕の目で見つめる彼に、かなりMY BLレーダーが反応しました。いつマンチュンの夜伽に召されるのか、なんて期待しちゃいました

 可愛すぎるジュヒョクくんでしたが、せっかく激しい戦場に身を置いてたんだから、もっと満身創痍になったり血まみれになったりして大暴れしてほしかったかも。あんまし動きがないんですよ彼。見せ場は、馬を疾走させる姿ぐらいでしょうか。あんましアクションは任せてもらえなかったようです。その分、他の男優たちが鬼のように体を張って激闘してました。主人公のマンチュン役は、美しき熟年になりつつあるチョ・インソン。
 
 ワタシ的にはいまだに「バリでの出来事」のイカレ御曹司ジェミンのイメージが消えないインソン氏ですが、いい俳優になりましたね。上手に年齢を重ねて、風貌も演技も円熟してきてるというか。「露花店」とか「ザ・キング」とか守りに入らない彼の果敢な仕事ぶりを、いい歳してカッコよく見えることだけに執着する日本のおじさん俳優たちは見習うべき。思いやり深く勇猛で英邁で誇り高いカリスマなマンチュンは完璧すぎるヒーローだったのが、カッコいいんだけどちょっと物足りなかったかも。インソン氏なのでもっと欠点の多い、ヤバい面もあるキャラでも好演できたはず。それにしても彼、ほんと美男子。たまに杉村太蔵が超イケメンになった風にも見えた。私、杉村氏の顔も好きなんです(^^♪

 韓流ファンにはおなじみのメンツもたくさん出てきます。太宗役は売れっ子バイプレイヤーのパク・ソンウン。オール中国語の台詞を頑張ってましたが、韓国俳優が中国人役は不自然。極悪日本軍人役とか、韓国映画ってこういうの多いですよね。マンチュンの右腕的な武人役は、最近では「藁にもすがる獣たち」とか、インソンの「ザ・キング」にも出てたペ・ソンウ。勇敢な騎馬隊長役のオム・テグも、最近は主役級になってますね。

 切断やメッタ刺しは当たり前、鮮血や肉片が飛び散る凄惨、残虐な戦争シーンは、まさに韓国ならではのヴァイオレンス。日本の時代劇ではまず見られない激烈さです。強大な中国軍の襲撃をかわし逆襲する安市軍の、あの手この手のアイデア勝負な攻防が面白かったです。ちょっとCG感が強いシーンが多かったけど。ちなみに。安市城の戦いの頃、わが国は飛鳥時代、ちょうど大化の改新が起こった頃でしょうか。

 ↑「ジョゼと虎と魚たち」韓国版の日本公開、いったいいつになるのかしらん?
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悪魔退治の聖拳

2021-03-07 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭⑦
 「ディヴァイン・フューリー 使者」
 幼い頃に父親を事故で亡くし信仰心を失った格闘家のヨンフは、自身の右手にあらわれた奇怪な現象に悩まされる。エクソシストであるアン神父は、悪魔を祓う力が神から与えられたとヨンフに告げる。ヨンフはアン神父とともに、邪悪な悪魔崇拝集団との闘いに身を投じることになるが…

 パク・ソジュン主演のオカルト映画。オカルトといっても、名作「エクソシスト」や「オーメン」のような目を背けてしまうほどの恐怖や、おどろおどろしい禍々しさなどは全然なく、ジャンプとかで連載してる少年漫画の実写化みたいなアクションファンタジーな映画でした。ぶっちゃけ、オカルトファンが観たらトホホな内容。かくゆう私もがっかりしました。全然怖くないのが致命的です。悪霊に憑かれた者たちが、ブリッジ歩行や天井・壁歩きなど、ほとんどエクソシストのパロディで失笑。主人公が不思議な力が宿った手で戦うのも、何だか地獄先生ぬ~べ~みたいだった。悪魔崇拝集団がこれまたわけのわからない連中で、いったいどういう組織なのか、何がしたかったのか、ヨンフがなぜ悪魔を祓う能力を授けられたのか説明不足すぎなのも、薄っぺらい映画にしてしまった要因かもしれません。

 韓国はキリスト教の国なので、悪魔がテーマのオカルトが製作しやすく、かつ馴染み深いのでしょうか。「プリースト」もでしたが、エクソシストのパクリみたいになっちゃうのが惜しい。キリスト教のもつヨーロッパの洗練が、韓国に合ってないというか。韓国らしいエグさや不気味さを活かしたオカルトは、どちらかといえば非キリスト教の土着系新興宗教を扱った系統のほうに多いように思えます。でも、この映画を観た人のほとんどは、そんなのどーでもいいのです。みんなオカルトではなくパク・ソジュン目当てなんだから!

 ヨンフ役のソジュンくん、カッコよかったです。彼をカッコよく見せるためだけの映画なので、彼のファンなら満足できます。格闘家役ということで、人気を博したドラマ「梨泰院クラス」では封印していた肉体美も惜しみなく披露してます。やっぱ韓流男優は脱いでナンボですから。鍛えぬいた、でも不自然な人工的バキバキシックスパックではなく、肉厚・堅肉な筋肉が素晴らしい。キレッキレの格闘にも瞠目。韓流男優ってほんとに強そうですよね~。カラダがすごいというのもあるけど、アクションの迫力と俊敏さも並大抵ではない。あんなキック、日本の俳優には無理ですもんね。

 服を着るとスラっとスマートでスタイル抜群なモデル風に。手足が長くて顔が小さい!ほんと恵まれた肉体の持ち主なソジュンくん。まさに非一般人な風貌。ラブコメが多い彼ですが、顔はイケメンというより個性的というか、酷薄で冷酷そうな面立ちなので、悪役とか似合いそう。彼の無表情って結構怖いもん。素晴らしい肉体と個性を備えた俳優なのに、アイドルタレントにやらせてもいいような役ばかりなのが惜しい。ヨンフの死んだ父ちゃんを追慕するファザコンぶりとか、父ちゃんが夢枕に出てくるとか、梨泰院のセロイと同じ。似たような役、無難な役ばかりではなく、若いうちに役者生命を賭けるような役や演技に挑戦してほしいものです。

 アン神父役は名優アン・ソンギ。アン先生、久々に見ましたが、すっかりおじいさんになりましたね~。もう悪魔と戦う力がなくなってきてる老人の悲哀がよく出てました。孤独な者同士、父子のような情愛をはぐくむヨンフとアン神父なのですが、個人的にはもっと年齢が近い俳優同士の兄弟的ブロマンス、な設定だったらな~と腐願望。

 悪魔崇拝集団を率いる謎の青年社長役のウ・ドファンは、冷酷そうで薄気味悪い悪人顔で役に合ってました。アン神父の助手役の俳優、どっかで見たことあるな~と思ったら、ソジュンくんが友情出演した「パラサイト 半地下の家族」のチェ・ウシクだった。今度は彼が友情出演?ラストに悪魔が登場するのですが、手下をやっつけただけで終了、これから真の戦いの始まり、to be continuedな終わり方は、かなり消化不良な余韻。続編なんかないと思うし、あってもそんなに観たくないし、すっきり一件落着な結末にしてほしかったかも。

 
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デスパレートな外道ども

2021-02-28 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭⑥
 「藁にもすがる獣たち」
 事業に失敗しホテルのサウナで清掃のアルバイトをして生計を立てているジュンマンは、大金の入ったバッグをロッカーの中で発見する。やがてそれをめぐって、欲望にかられた男女が血みどろの争奪戦を繰り広げることに…
 おもろかったです!こういう非ポリコレな野蛮でゲスい映画、大好きです。韓流映画はやっぱこうでなきゃ。今の邦画ではもう望むべくもない内容と役者たちの演技を堪能。原作は日本の犯罪小説だとか。何で日本で映像化しないの。もったいない。原作は未読ですが、おそらく映画には韓国ならではの残虐さと下劣さが加味されて、パワーアップされたものになっていると思います。善人が誰一人出てこず、優しい甘い情などいっさい排除された、悪と負の濁流のような映画です。こういう映画を観るたびに、つくづく思い知ります。いい人のいい話よりも、悪い奴の悪い話のほうが断然おもしろい!と。

 とにかく出てくる連中、悪のレベルの違いはあるにせよ、どいつもこいつも外道なんですよ。金は人を狂わせるというけど、ここまで人の道を踏み外せるものなのか、と呆れるほどに鬼畜と化してます。金と保身のために、躊躇なく容赦なく邪魔者を惨殺しまくる血まみれ血みどろの地獄絵図なのですが、あまりにも必死すぎたり平然としずぎたりな外道っぷりは、どことなく滑稽で笑えるんですよ。笑いもかなり狙ってる作りになってます。ブラックバイオレンスコメディ、とでも言いましょうか。ワケアリの悪党どもが入り乱れて阿鼻叫喚、無残かつ意外な結末を迎えるという、クエンティン・タランティーノ監督が好きそうな題材。

 コメディ要素があるとはいえ、やはり韓国のバイオレンス描写はエグい。韓国のヤーさんって、ほんと怖いよ。邦画の「孤狼の血」とか、甘い甘い。イケメンや男前俳優がイキってスゴんでる邦画のヤクザとは、風貌も蛮行もヤバさの度合いが違います。この映画の街金社長とその子分とか、ヤバすぎてほぼホラー。脅す手法とか凶器とかも、身体の前にメンタルを潰すに十分な残酷さ非道さ。銃とかじゃなくて、刺身包丁とかナタ、トンカチとか、すぐには殺さず地獄の恐怖と苦痛を与えるための凶器なのが怖すぎます。韓国人はとにかくメッタ刺しとバラバラ解体が好きみたいで、この映画でも多用されてます。かなりキツいエグい残酷シーンがあるので、気の弱い人は要注意です。

 冒頭、何者かがロッカーに大金が入ったヴィトンのバッグを入れるシーンから始まるのですが、誰が入れたのか、誰の金なのかが次第に判明する展開、そして最終的に誰が金を手中に収めるのか、怒涛の修羅場の中で伏線も回収しながら結末に至る脚本も巧妙で、そういうことか、そうきたか、と膝を叩かせ最後まで飽きさせません。
 この映画の素晴らしいところは、非情で下劣な外道役を人気スターたちが演じてるところ。入国管理局の役人テヨン役のチョン・ウソンが絶妙な好演!

 最近は悪役や脇役も積極的にこなして脱2枚目に成功し、いい性格俳優に成長したウソン。この作品の彼も、若い頃の彼を知ってる韓流ファンが見たら、あのウソンがこんな役を!と目を丸くするに違いありません。女に騙されて借金を背負わされたダメ男、かつズルくてセコい小悪党なウソン、そのオドオドした卑屈な表情やアタフタした動き、必死すぎるけどトボけた味わいもあって笑える。小市民なクズ役でかつてのイケメンっぷりは見る影もない、というわけではなく、やっぱカッコいいです。長身でスマート。ヨレた服装でもだらしなく見えない。男前は何しても男前ですが、日本の男前俳優は絶対やらない役を楽しそうに演じてたウソン、その役者魂には感服するのみです。劇中、ちょっとだけ脱いでます。

 最も強烈なのは、韓国きっての名女優チョン・ドヨンの毒婦っぷり。とにかく毒々しく禍々しい!まだ生きてる女を電動ノコギリでバラバラにするなど、劇中ではNo.1のケダモノを怪演してます。人としての心など一片もない、生まれながらの悪!ヤバい瘴気を巻き散らしてるのですが、クール&コケティッシュで人を蕩かすような魅力にもふれていて、こういう邪悪な女役は女優ならやってみたい、けどなかなか挑戦しづらい役なのでは。日本の女優にはまず無理。
 
 ジュンマン役のペ・スンウは「ザ・キング」で、極道社長役のチョン・マンシクは「アシュラ」で(どっちにもチョン・ウソンが出てましたね)もインパクトありましたが、今回もかなりのものでした。人妻にそそのかされて保険金殺人に手を貸す若者役は、「詩人の恋」が好評だったチョン・ガラム。彼も劇中、ちょっとだけ脱いでます。出番は少ないながらもチョン・ドヨンに劣らぬ強烈さだったのが、「ミナリ」で韓国俳優初のオスカー候補が期待されてる売れっ子ばばあ女優ユン・ヨジョン。因業な痴呆症ばあさん、その言動もまた怖くて笑えます。
 ラストは、めぐりめぐって結局…みたいな感じになるのですが、またネコババ?!いくら金に困っているとはいえ、他人の金、しかもどう考えても胡散臭いヤバい金を。韓国の国民性や底辺社会の厳しさに戦慄せずにはいられません。
 この映画、日本の小説が元なのでぜひ日本でも映画化してほしい!イルボン版の理想妄想キャストはこうだ!
 
 ヨンヒ ・・・ 深津絵里
 テヨン ・・・ 向井理
 ジュンマン ・・・ 大森南朋
 ジュンマンの妻 ・・・ 江口のりこ 
 社長 ・・・ 六角精児
 人妻 ・・・ 本仮屋ユイカ
 その愛人 ・・・ 岡田健史
 ジュンマンの母 ・・・ 倍賞千恵子

 こんなん出ましたけどぉ~?
 チョン・ドヨンと深津絵里って何となくカブるんですよね~。クズでゲスなムカイリーが見たい。

 ↑チョン・ドヨンとチョン・ウソンは1973年生まれの同い年だって!いい役者たちですよね~
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男は狼なのよ気をつけなさい

2021-02-23 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭⑤
 「人狼」
 2029年の韓国。警察の特機隊員イムの目の前で、テロ組織セクトのメンバーである少女が自爆する。イムは少女の姉ユニに妹の遺品を届けるが、ユニは特機隊を手中に収めようとしている公安部に脅され、イムを陥れようとしていた…
 日本の有名なアニメ映画の韓国実写版。ブレードランナーみたいなSFに近い近未来アクションものかと思ってたのですが、そんなに遠い未来の話ではなく、そんなに荒唐無稽な話でもなかったように思えて意外でした。韓国ならありえる、みたいな未来の世界でした。テロやデモ、政治の不安定さなどで殺伐と混沌としてる世界が今の韓国とも十分カブって、決して非現実的ではありませんでした。ゆえに、ビジュアル的にもストーリー的にも目に珍しい楽しい近未来感が薄く、どこかで見たことがあるような、ありふれたフツーの映画な印象は否めませんでした。銃撃戦やカーアクションも、激しいのですがかなりとってつけたような感じ。ソウルタワーの展望台から窓を割って飛び降り脱出とか、大真面目にやってるのが返って滑稽で笑えた。

 終始シリアス調で展開するのですが、絶体絶命なサバイバルの緊張感もないんですよね~。激しいわりには全体的にユルいというか。特機隊も公安もテロ組織も、どこか抜けてるというか甘いというか。組織の容赦のない非道さ冷酷さ、残酷さが韓流の魅力なのに。イムとユニの淡い哀しいロマンスとか、こういう映画では話を甘くするだけで不必要だった。いかにも韓流な純愛よりも、任務のために敵を迷いなく殺戮する人狼がどのようにして人間性を失ったのかのプロセスや、人間性を取り戻す愛の描写をもっと丁寧にしてほしかったかも。
 お話はイマイチでしたが、キャストは豪華。韓流ファンにはおなじみの主演級スターが競演しています。

 主役のイム役はカン・ドンウォン。彼ももう40歳!さすがにかつての少年っぽさとかヒョロっと感はもうないのですが、おっさん感も全然ないです。年齢不詳な見た目。若い頃から私にとっては非イケメンだけど、似たような男がいない個性的な顔。韓流男優のほとんどは筋肉自慢で、やたらと脱ぐのがお約束のお家芸なのですが、カンちゃんは長身だけど非モムチャンでほとんど裸は見せない俳優。その彼が、珍しく上半身裸を披露してたので驚きました。ジムでトレーニングしてるシーンなのですが、軍人役ということで増量したのか、どっしりと骨太な肉体になってました。でも横からチラっとしか見せないところが非ファンサービス。せっかく男らしくなったし年も年なので、そろそろ漫画な映画や役は卒業してほしいものです。

 特機隊の隊長役はチョン・ウソン。最近は主演にこだわらず助演にも積極的なウソンですが、それが功を奏して脱二枚目、味のある性格俳優へと進化。任務や掟に厳しいけど情もある役を好演してましたが、ウソンじゃなくてもいい役ではあったような。やっぱ彼、何やってもカッコいいんですよね~。なのでまだカッコよさを捨てなくていいのでは、とも。主役オーラがまだ十分あるので。
 元特機隊員の公安部員ハン役のキム・ムヨルは、今や若手随一の性格俳優なのでは。どんな役もソツなくこなしてます。ワタシ的には「イルジメ」のバカお坊ちゃん役が最高なのですが、この映画では憎々しく卑劣な、どんどん狂気的になってゆくエリート役で、なかなか鬼気迫ってました。

 イムの後輩特機隊員役で、アイドルグループSHINeeのメンバーであるミンホも出演してます。シャイニーの中で私が一番好きなのがミンホ。ソロで俳優もしてる彼の演技、初めて見ました。ポニャっとした童顔が可愛く、東洋人離れしたスタイルのよさがカッコいい格闘シーンで駆使する手足の長さときたら。ハンに捕まって拷問されるシーンでのフテブテしさも男っぽくて素敵でした。押しピンを脚や胸に刺されて悶絶する表情と声がセクシーでした。少ない出番と無残な末路が、ファンとしては残念でしたが。

 ユニ役は、こないだ観た「ただ君だけ」でもヒロインだったハン・ヒョジュ。今回は翳りのあるワケアリ女役。若い頃の大塚寧々を優しそうにした感じ?イムにハニートラップを仕掛けるのですが、童話の赤ずきんちゃんと重なるキャラなので純真な乙女なアプローチなのが、いかにも韓流女優でつまんない。そういえば彼女とキム・ムヨルって「イルジメ」では兄妹役でしたね。
 主なバトルフィールドとなる迷宮のような地下道のセットと、ちょっと近未来的なソウルタワーが印象的でした。ソウルタワーやロープウェーから臨む夜景が美しかったです。ソウルタワー、登りたかった。私が韓国に行った時、工事中だったんですよ!何というタイミングの悪さ!

 
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地獄めぐり

2021-02-14 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭④
 「神と共に 罪と罰」「神と共に 因と縁」
 殉職した消防士のジャホンの前に、冥界からの使者カンニム、ヘウォンメク、ドクチュンが現れる。3人はジャホンに生まれ変わるための裁判を受けさせるため、彼を地獄へと連行する。一方、ジャホンの弟スホンも、軍務中に誤射で命を落としてしまい…
 豪華キャストが話題になったファンタジー大作2部作。最近はもう当たり前になってる、無理やり引っ張って観客に2本観させて稼ぐ方式は、正直あまり好きではないし、ファンタジーも苦手なので、通常ならスルーする系統の映画なのですが、いい男が出てるなら話は別です。韓流ファンにはおなじみのスターがキラ星のごとく出演しているのですが、好きな男優が奇抜な衣装やメイクで地獄の住人や怨霊に扮してるのが目に楽しく、そんなに好きではなかった男優の好演に感銘を受けたり、なかなか収穫の多い映画でした。キャストの中で最も好きなのは、閻魔大王役のイ・ジョンジェです。

 ジョンジェ、やっぱカッコいいですね~ザンバラ長髪も束ねた髪も、どっちも素敵。ワイルドで威風堂々とした大魔王っぷり、ハスキーだけど朗々とした声にも惚れ惚れ。威厳がありつつもどこか優しさ、情の深さも感じさせる器の大きさも、ジョンジェらしかったです。特別出演、友情出演にしては出番も見せ場も多く、重要な役でもありました。出演者の中で最も大物扱いされているのは一目瞭然だし当然。ラストに判明する正体には驚かされますが、あれ必要だったのかな~とも思った。

 次に好きなのは、スホン役のキム・ドンウク。「コーヒープリンス1号店」も今や懐かしのドラマ、可愛かったドンウクくんも月日を経て味のある個性派俳優に。「後宮の秘密」の全裸ズコバコ王さま役にはお口あんぐりでしたが、ほとんどの若い俳優にはない気概とチャレンジ精神には感嘆。この映画の彼は、彼らしいちょっとトボけてるけど抜け目のない若者役。無念の死を遂げて怨霊になるのですが、ひょうひょうと愛嬌たっぷりで可愛いです。アホ顔だけどドンウクくんもガタイがいいので、軍服がよく似合ってました。軍隊のダメ後輩への男らしい優しさも、弟キャラだった彼の成長が感じられました。

 次は、スホンのダメ後輩、要注意兵ウォン一等兵役のド・ギョンス。アイドルグループのメンバーで、ドラマ「100日の郎君様」ではツンデレなイケメン王子さまだった彼が、結構ヤバい役、演技で驚きました。要注意って、素行不良系ではなくオツム系、情緒系?キョドった言動といい目つきといい、かなりスレスレ系。アイドル俳優らしからぬメンヘラっぷりに瞠目。田舎くさいイモっぽさも可愛かったです。スホンの友人で中尉役のイ・ジュニョクもイケメン!閉鎖的で窮屈な軍隊生活こそ、私には現世の地獄に思えた。

 ジャホン役は、懐かしの大ヒット作「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョン。久々に見たけど、あまり変わってないですね。超絶お人好し役も不変。主役である冥界の使者カンニムとヘウォンメク役、ハ・ジョンウとチュ・ジフンは、見た目がタイプじゃないのですが、いい役者だなとこの映画を観て思いました。特にヘウォンメク役のチュ・ジフンは、冷酷そうな爬虫類顔とギャップのあるコミカルな演技で、いちばん目立ってました。おじいさんにビンタを2回もされるシーンのリアクションが面白すぎ。コメディ演技、巧いですね。前世での悲しい運命の戦士役との演じ分けもお見事でした。スラっとした長身にスマートな冥界服が似合っててカッコよかった。人間界で暮らしている屋敷神の役で、マ・ドンソクが第2部で登場。極悪レスラーみたいなコワモテ&マッチョだけど優しい役。彼もおじいさんにビンタされてオロオロ。おじいさん、ヨボヨボなのに最強キャラでしたね(笑)。地獄の裁判官や検察官役で、オ・ダルスやキム・ハヌル、キム・ヘスクなども顔を見せていました。

 いろんな地獄めぐりも楽しかったです。セットよりもCGで固めていたので、ちょっとチープな感じがしないでもなかったけど。地獄のイメージや生死観が日本と近しいところにも共感。第1部は ジャホン一家の不幸がかなりお涙ちょうだい。ろうあ、極貧、そして息子二人がそろって不慮の死とか、お母さんの人生が悲惨すぎる。韓国の社会底辺者の生活も、まさに地獄。いまだにこんな場所や住居があるの?!くず鉄拾いとかやってる人いるの?!と目を疑う底辺描写も韓流ならでは。コメディ要素が濃い第2部のほうが好きです。カンニムとヘウォンメクの前世での因縁が衝撃的。あんな悲劇的な関係だったのに、1000年も前のことだからまいっか、みたいなハッピーエンドがちょっとノーテンキすぎ。何だかジャンプの漫画にありそうな内容だなと思たら、ウェブ漫画が元だとか。ジャンプの漫画が好きな人はすごく楽しめると存じます。
 この映画、日本でリメイクされるとしたら、理想妄想イルボン版はこうだ!
 
 カンニム ・・・ 妻夫木聡
 ヘウォンメク ・・・ 岡田将生
 ドクチュン ・・・ 平手友梨奈
 ジャホン ・・・ 田中圭
 スホン ・・・ 仲野太賀
 ウォン一等兵 ・・・ 赤楚衛二 
 中尉 ・・・ 町田圭太
 屋敷神 ・・・ 青柳翔   
 閻魔大王 ・・・ 竹野内豊 
  
 こんなん出ましたけどお~?
 ブッキーと岡マのツーショットは、ビジュアル的にはかなり美味しいと思います。チュ・ジフン似の長谷川博己がヘウォンメクに最適だとは思うけど、もうちょっと若いほうがベターだとも思うので岡マに。閻魔大王役は井浦新でもよさげ。
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スターは落ち目が大事

2021-02-03 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭③
 「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」
 かつては2枚目俳優として人気を博したが今は落ち目なチャ・インピョは、そんな現実を受け入れずプライドと仕事への情熱はトップスタ―級で、マネージャーのアラムを振り回す毎日を送っていた。愛犬と散歩中、アクシデントに遭い泥まみれになったインピョは、仕方なく通りかかった休校中の女子高のシャワー室を利用するが…
 チャ・インピョが本人役で、よく引き受けたな~と呆れるほど自虐的な設定と演技でした。彼の出演作は「木浦は港だ」とドラマの「レディプレジデント」しか観たことがないのですが、それらの彼は確かに二枚目でカッコよかった。キザな金持ちの役が似合う俳優ですね。おっさんにはなったけど、今でも十分イケてますよ。若いだけのイケメン俳優より好きです。作品と役しだいで、シブい熟年男性の魅力を発揮できるはず。韓国には魅力的で実力ある熟年俳優、日本より多くいると思うし。この映画の中では、韓国の4大スターとしてソン・ガンホ、チェ・ミンシク、イ・ビョンホン、ソル・ギョングの名前があがっていて、やっぱその4人だよね~と納得しました。その4人と同列扱いされたがるインピョ氏ですが、心の底ではやっぱ自分は格下と知ってる感じが何だか哀れでした。そんな風に、いまだにスター気取り、スターと思い込んでるようだけど、実は自分が落ち目であることは痛感してる、でもそれを認めて諦めという楽な道を選ばず、必死になって輝きを取り戻そうとしている姿はひたすら滑稽なのですが、老いを言い訳にしてアレもできないコレもやらないな人たちは見習うべき前向きさだと思いました。

 でもそういうピュアな前向きさよりも、とことん勘違い、現実が見えない、昔の自分に執着、他のスターに嫉妬・憎悪、といった老いた男の生々しい醜悪さを嗤う内容にしたほうが、インパクト強烈で面白くなったはず。自虐的なんだけど、純真で真面目で善い人な面も強かったので、徹底的な自虐にはなってなかったのが惜しい。日本でいえばビートたけしのコマネチやシュウペイのポーズみたいに、インピョ氏は人差し指を振るのがトレードマークみたいで、それも自虐ネタになってるのですが、韓国における彼のパブリックイメージを知ってたらもっと笑えたかも、なシーンも多かったです。
 徹底的な自虐ではなかったとはいえ、よくやるな~ここまでする?という珍妙で恥ずかしい姿は、驚異的で賞賛に値します。いくら何でも、阿部寛や反町隆史とかは絶対にやらないでしょうし。とにかくコケにされまくるインピョ氏が、笑えるというよりイタいです。カッコつけてるのがイタいキムタクとは、また違ったイタさです。キムタクより全然カッコいいのに、あえて2枚目路線からの脱線を試みたインピョ氏の果敢さ、そして焦りがめでたく新境地に、とは結果的にならなかったのがイタい映画です。

 女子高のシャワー室を使用中、学校が崩落して全裸で生き埋めになってしまうインピョ氏、劇中ほとんど裸です。50過ぎてあの肉体美はスゴいわ。あの胸板の厚さ、腕の太さ、まるで北斗の拳のリアルバージョン。アラムに説得されても、絶対に救助を要請させないインピョ氏。いくらアソコ丸出しでマスコミの前で救出されたくないとはいえ、そんなこと言ってる場合じゃないだろ!頭おかしいんじゃないの?!と、笑えずイラっとするだけでした。女子高生のパンティをはいた姿もイタすぎる。愛犬と散歩中のインピョ氏に気づいて絡んでくるおばさん連中が、ありえないほど失礼で傍若無人。私がインピョ氏なら殴るわ。あんな人たちいるわけない、けど韓国にはいるかもと思ってしまう、映画やドラマでよく見る韓国人のものすごい下卑てて利己的な人柄って、決してオーバーな描写じゃないんだろうな。日本人のように人の目や心を気にしない国民性なのでしょうか。
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君の瞳にコンベ

2021-01-29 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭②
 「ただ君だけ」
 駐車場で働く元ボクサーのチョルミンは、盲目の女性ジョンファと出会い恋に落ちる。ジョンファのため再びリングに立つチョルミンだったが、ジョンファが視力を失った事故に自分が関わっていたことに気づき…
 ご存じの通り私は冷血人間なので、こういう感動の涙狙い映画を観ても涙なんて一滴も出ない…むしろ冷めたり鼻白んでしまう。まったくもって損な性質ですよね~。不幸や障害で泣かせようとするあざとさが苦手です。この映画も、韓流といえばの運命と純愛がぶっこまれており、そのありえなさはSF映画以上にファンタジー。胸キュンとか感激どころか、寒イボすぎて全身が痒くなってしまいました
 チョルミンとジョンファの出会いからして、おいおい~ですよ。ジョンファ、いい歳して人なつっこすぎ、ていうか警戒心なさすぎでしょ。知的障害もあるのかと思った。ジョンファの言動や表情がピュアすぎてイラっとしました。でもまあ、韓流ヒロインはだいたいこんなんばっかですから、免疫はできでます。俺が守ってやらねば、と男に思わせるヒロインに魅力は感じません。

 それにしても。韓流では運命のイタズラがお約束ですが、この映画のそれも強引すぎて失笑。事故のこととか、後半の施設での再会とか、奇跡的な偶然が多すぎ。こんなに乱発されたら、運命も安っぽくなります。生き別れも韓流ではおなじみですが、時代劇や終戦直後ならいざ知らず、21世紀で生き別れとかありえんだろ、と思うのは日本に住んでる日本人だから?韓国では日常茶飯事なのかな?韓国だとありえるかも、とは思えてきます。

 文句ばっか言ってますが、韓流ならではの、韓流最大の魅力はちゃんと備えてる映画ではあります。それさえあればケンチャナヨ、それがあるからどんな甘甘な映画やドラマも観ることができるんですよね~その魅力とは、もちろんイケてる韓流男優です(^^♪私、韓流にはそれしか求めてませんこの映画のソ・ジソブもお気に入り韓流男優のひとりです。ジソブ、久々に見ましたが、相変わらず独特の顔、そして雰囲気の俳優ですね~。あの無表情とヌオオオ~っとした威圧感が怖いんだけど、あの世界の悲しみを一身に背負ってるような不幸オーラが愛しい男。孤独な男が全身全霊で満身創痍で一人の女を守り愛し抜く、という役も相変わらずで若い頃から進化ねえなと呆れはしますが、そんな非現実的な役がいまだに似合うところは驚異的です。そして、ジソブといえばやはりあの肉体美♡

 オットケー!すげーカラダ!肉体自慢の韓流男優の中でも屈指の肉体美を誇るジソブですが、アラフォーでこのカラダはお見事と言うしかない。トレーニングシーンと闇リングでのファイトシーンで脱いでます。次は濡れ場で脱いでください日本のイケメン俳優やタレントも鍛えたとか言って脱いだりするけど、ジソブとかと比べると貧相なコドモの裸です。骨格からしてもう違うのかな。肉厚な筋肉が素敵です。マッチョだけど長身でスタイル抜群なのもジソブの魅力です。ジソブは短髪よりも、この映画みたいなちょっとパーマがかかったような髪型のほうが似合います。イチャイチャシーンは寒イボだけど、ジソブにおんぶされたり肉布団になってもらえたらさぞや至福だろうな、とは心底思います。
 ジョンファ役のハン・ヒョジュは、いろんな映画やドラマで見てるはずなのに、顔も名前も覚えられない韓流女優ってみんなキレイ可愛いけど、同じ顔に見えて没個性的ですよね~。長いこと韓流ファンやってますが、顔と名前が一致する韓国女優って5人ぐらいしかいません。ちなみにこの映画はチャップリンの名作「街の灯」をモチーフにしていて、日本でも吉高由里子と横浜流星主演でリメイクされました。
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キム部長はいったい、なぜ?

2021-01-24 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭①
 「KCIA 南山の部長たち」
 軍事政権下の韓国。中央情報局(KCIA)の元部長パク・ヨンガクはアメリカに亡命し、聴聞会でパク・チョンヒ大統領の腐敗を訴える。激怒したパク大統領の命令で、ヨンガクの友人でもある新部長のキム・ギュピョンは渡米し、事態を収拾するため画策するが…

 今年初の映画館鑑賞映画。そういえば去年も映画始めは「パラサイト 半地下の家族」で韓国映画でした。大好きなイ・ビョンホン主演作ということで、ウキウキで観に行きました(^^♪ああ~ビョン吉さん、やっぱチョアチョア~チョンマルいい役者、いい男!彼みたいな俳優、日本にもいればな~と毎回思ってしまいます。今回の彼が演じた役、そして演技も、日本の俳優には無理です。自分がどんだけカッコイイか、演技が上手いかをアピールするだけの俳優とは違うんですよね~。今回のビョン吉さん、カリスマな雰囲気とか男の色気とかいったいつもの魅力を消していて、権力者に絶対服従な犬のような官僚を地味に冷徹に、かつ鬱屈が内面でマグマのように煮え立ってるような、静かなる熱演を披露してます。とにかくどんな理不尽で無茶な命令や超絶パワハラ、人権無視な屈辱侮辱にも、耐えて耐えて耐えまくるビョン吉さんのロボットのような無表情、なのに伝わってくる押し殺せない切羽詰まった感情に、見てるほうも胸がザワつき苦しくなります。ビョン吉史上最も抑圧された緊張感に満ちた演技かもしれません。

 いい男な風貌やオーラは消してるビョン吉さんですが、やっぱカッコよさは隠せません。スーツやトレンチコート、軍服がパリっとビシっと一分の隙もなく、元軍人という設定に適した強靭そうな体つきなど、コスプレにしか見えない日本人俳優による軍人とは大違いです。大統領のためだけに生きてる厳しいストイックさ、あれも生半可な俳優には出せません。心が乱れた時に前髪を触る仕草、あれも細やかで複雑な心情をさりげなく表しているようで印象的でした。決してオーバーなアクションはしないけど、一挙手一投足、表情に目がクギづけになってしまいます。最初から最後まで胃痛的な抑圧演技をしてるビョン吉さんですが、警護室長に激高するシーンの取り乱す彼も強烈でした。あの低い美声だと、罵りさえ甘美に聞こえます。

 イ・ビョンホンが稀有な俳優であることだけではなく、韓国という国のヤバさも再確認できる映画になってます。韓国って、今でこそ韓流人気で馴染み深い国だけど、ちょっと前までは隣国なのに誰も知らない、興味もない謎の国でしたよね。70年代まで軍事政権だったというのも異様。今でも民主主義国家とは思えぬほど不穏で混沌としてる韓国政府ですが、この映画で描かれた軍事政権下の青瓦台は、まさに血で血を洗う伏魔殿。権力をめぐる暗闘暗躍!渦巻く野心と私利私欲!生き残りを賭けた仁義なき抗争と陰謀!ダーティ&ダークなヤクザ映画みたいな面白さでした。拷問、暗殺、拉致監禁はまさに韓国のお家芸。すぐに戦車だの戒厳令だの、物騒でアナーキーすぎる。笑いとかチャラさ、スウィーツさなど微塵もない、重苦しくシビアで骨太な内容は、梨泰院クラスとか愛の不時着とかいった系統の韓流が好きな人向けではありません。エグいゲスい系韓流がチョアな私は、とっても楽しめました。パク・ヨンガクの生殺与奪をめぐってのパリでの大統領側とキム部長側との攻防とか、キム部長の盗聴とか、ラストの血みどろ修羅場とか、なかなかスリリングかつ意外性もあって、サスペンスとしても面白かったです。

 日本にかぎらずどこの国の政治も政治家も、決してきれいじゃないとは思うけど、韓国の場合は国民性もあってか格別に下劣で卑劣。大統領や警護室長の、人前でも非理性的で暴力的、自分より下の者は人間扱いしない言動は、野蛮で下卑てて怖いです。キム部長も普段は寡黙な紳士だけど、激したら相手を虫けら呼ばわりの口汚い罵詈雑言。韓国人の気性ってほんと荒いですよね。パク・チョンヒ大統領の非道で非情な暴君ぶりときたら。悪人というより狂人みたいだった。因果応報的に非業の死を遂げる閣下でしたが、年月を経て彼の娘もまた。獄中にいる彼女の、この映画の感想を聞いてみたい。大統領がこぞって悲惨な末路を迎えてしまう韓国、その病巣は深刻です。

 シブい韓流バイプレイヤーたちも、ビョン吉さんに勝るとも劣らぬ好演、怪演。パク・チョンヒ大統領役は、「華麗なるリベンジ」でも悪辣な鬼畜だったイ・ソンミン。ああいうドス黒い迫力が出せる役者も日本にはいないですよね~。警護室長役のイ・ジュンヒも、ほんま腹立つー!早う死ね!と本気で憎悪させるほどのゲス野郎っぷりが見事でした。「哭声 コクソン」などのクァク・ドウォンがパク・ヨンガク役で、流転の売国奴をひょうひょうと悲しく演じてました。パク大統領とキム部長がちょこっと日本語で会話したり、暴露記事を載せてたのがサンデー毎日だったり、薄く日本が登場してたけど、実際のパク大統領は日本とは縁の深い人だったみたいですね。
 それにしても。実際のキム・ギュピョンは絞首刑に処せられ、新たなる軍事政権が始まったりとか、虚しすぎる現実ですね。キム部長はこの映画のように憂国ゆえに暗殺を決行したのか、それとも失脚した不満や怒りにかられての暴走だったのか。真実は本人と神さまのみぞ知る、です。

 ↑ やっぱビョン吉さんがチェゴヤ!夏に「白頭山大噴火」が日本公開!その他にも、映画ではソン・ガンホやチョン・ドヨン共演作、パク・ソジュン共演作、ユ・アイン共演作、TVドラマではナム・ジュヒョク共演作と、馬車馬のように働いてるビョン吉さん。どれも楽しみすぎるけど、延期とか感染とかイヤなニュースが伝わってきませんように…
コメント (2)
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