一昨日は成人式でしたね。私も来年に向けて、今から十二単を新調しなくては♪
冗談はサテオキ。今年は例年よりも、おとなしめだったみたいですね。ほとんど季節の風物詩になってたので、ある意味ちょっと寂しいかも。まあ、暴れられて被害を一度でも蒙れば、そんなノンキなこと言ってられないんだろうけど。若い子も、クールになったってことでしょうか。人に迷惑をかけるのはよくないけど、元気なヤンチャ魂が若者にないのも、何だか寂しいですね。若い頃に、もうちょっとバカやっとけばよかったなあと、つまんない大人になっちまった私は後悔してるので...
「渇いた太陽」
スターを夢見てハリウッドへ行った青年チャンスが、落ちぶれた元大女優アレグザンドラを伴って、故郷である南部の田舎町に戻ってくる。町を支配する政治家フィンリーに昔、彼の娘ヘヴンリーとの恋を裂かれたチャンスは、彼女を取り戻すことと、アレグザンドラを利用して成り上がることに躍起になるが...
テネシー・ウィリアムズ原作らしく、ドロドロで醜悪な人間関係が怖くて面白い。登場人物はみんな、破綻し荒廃しています。心をえぐる残酷でキツい台詞で、愛憎や欲望、虚栄や偽善欺瞞をぶつけ合い暴き合う彼らに、ほんと人間って醜い、救いようがないと暗澹となります。
夢も希望も愛もブチ壊す、エグい内容なのは相変わらずですが、同じテネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」とか「熱いトタン屋根の猫」とかみたいに、ヒステリックで狂った病的パラノイアな感じは、あまりない。悲惨だけど、悪夢が醒めたようなラストは、どちらかといえばハッピーエンドだったのも、意外でした。
スターを夢見る人は、観ないほうがいい映画かも...自分を殺して身も心も汚しきっても、夢がかなうとはかぎらない。アレグザンドラがチャンスに吐く悪罵や侮辱に含まれた、彼の夢や自信どころか人格まで破壊する、毒のような現実!言われたら自殺ものな酷さです。たぶん、チャンスと同じような状況でもがいてる役者の卵って、いっぱいいるんだろうなあ。
チャンス役のポール・ニューマンが、めっちゃカッコカワイイです!
当時37歳(より、若く見える。なので、たぶん20代後半の役だけど、違和感なし)男盛りの魅力と色気!ほとんど男娼に堕ちながらも、スターになる夢を諦めきれず、ヤク&アル中のアレグザンドラをたぶらかし、彼女の醜態をネタに脅したりと、得られないものを得ようと悪あがきする人間って、ここまで卑劣になれるのかと呆れさせるチャンスを、ニューマンがすっごくセクシーかつ可愛く演じてます。
逆境で戦うクールに屈折した男の役が多いニューマン。チャンスもかなり屈折してるけど、暗くない。こんなに明るく感情豊かなニューマン見たのは初めて、と思えるほど。すっかり歪んで汚れちまってるとは思えないほど、チャンスの夢見る瞳や笑顔は、キラキラしていてチャーミングです。
それと、やたら上半身裸になるニューマンの肉体美にもうっとり。筋肉質な鋼のナイスバディで、アレグザンドラじゃなくてもハァハァになっちゃいます。でも、美しい肉体も、女の欲情を満たす道具としてしか役立たない、扱ってもらえないところが、みじめで哀れなチャンスです。
チャンス役、今やるとしたら?年齢的ヴィジュアル的には、ポール・ウォーカーかジェームズ・フランコがいいかも(10年前なら、マシュー・マコかな)。特にフランコくん、屈折感やモゴモゴした声、肉体美など、ポール・ニューマンのチャンスと少し被るので、ぜひ挑戦してほしいな。日本なら、妻夫木聡がいいかも。エロ可愛さを活かせる絶好な役だ!来年NHK大河ドラマでやる似合わない戦国武将の役より、よっぽど適役だと思うけどなあ。
アレグザンドラ役は、名女優の故ジェラルディン・ペイジ。その醜態っぷりが、何か滑稽で笑えます。青二才のチャンスなどに脅されても、屁とも思わず彼をいいように扱うしたたかさや、もう私ダメ~!あんたしかいないの~とチャンスにすがってたのに、新作映画が絶賛されてると知ると、ウザ!あんたはただの男娼、もう用はないんだよ!とばかりにチャンスを邪険にし始める変わり身の早さとか(ベッドでウキウキと朗報を電話で聞きながら、僕をプロデュースする話どーなってんだよ!と哀訴するチャンスに、あっちいけ!と蹴りをくらわすシーン、笑!)、まさにザ・女優な因業ぶりです。
フィンリー役で、アカデミー助演男優賞を獲得したエド・ベグリー。そのアクが強くエゲツないけど豪快な演技が、強烈です。あんな政治家、絶対イヤだー!
平和な南部の田舎町と、華やかなハリウッド。明るく健康的で強くて栄えている、というイメージの裏に隠された、アメリカの病巣や暗部を暴くテネシー・ウィリアムズの作品、好きです。
冗談はサテオキ。今年は例年よりも、おとなしめだったみたいですね。ほとんど季節の風物詩になってたので、ある意味ちょっと寂しいかも。まあ、暴れられて被害を一度でも蒙れば、そんなノンキなこと言ってられないんだろうけど。若い子も、クールになったってことでしょうか。人に迷惑をかけるのはよくないけど、元気なヤンチャ魂が若者にないのも、何だか寂しいですね。若い頃に、もうちょっとバカやっとけばよかったなあと、つまんない大人になっちまった私は後悔してるので...
「渇いた太陽」
スターを夢見てハリウッドへ行った青年チャンスが、落ちぶれた元大女優アレグザンドラを伴って、故郷である南部の田舎町に戻ってくる。町を支配する政治家フィンリーに昔、彼の娘ヘヴンリーとの恋を裂かれたチャンスは、彼女を取り戻すことと、アレグザンドラを利用して成り上がることに躍起になるが...
テネシー・ウィリアムズ原作らしく、ドロドロで醜悪な人間関係が怖くて面白い。登場人物はみんな、破綻し荒廃しています。心をえぐる残酷でキツい台詞で、愛憎や欲望、虚栄や偽善欺瞞をぶつけ合い暴き合う彼らに、ほんと人間って醜い、救いようがないと暗澹となります。
夢も希望も愛もブチ壊す、エグい内容なのは相変わらずですが、同じテネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」とか「熱いトタン屋根の猫」とかみたいに、ヒステリックで狂った病的パラノイアな感じは、あまりない。悲惨だけど、悪夢が醒めたようなラストは、どちらかといえばハッピーエンドだったのも、意外でした。
スターを夢見る人は、観ないほうがいい映画かも...自分を殺して身も心も汚しきっても、夢がかなうとはかぎらない。アレグザンドラがチャンスに吐く悪罵や侮辱に含まれた、彼の夢や自信どころか人格まで破壊する、毒のような現実!言われたら自殺ものな酷さです。たぶん、チャンスと同じような状況でもがいてる役者の卵って、いっぱいいるんだろうなあ。
チャンス役のポール・ニューマンが、めっちゃカッコカワイイです!
当時37歳(より、若く見える。なので、たぶん20代後半の役だけど、違和感なし)男盛りの魅力と色気!ほとんど男娼に堕ちながらも、スターになる夢を諦めきれず、ヤク&アル中のアレグザンドラをたぶらかし、彼女の醜態をネタに脅したりと、得られないものを得ようと悪あがきする人間って、ここまで卑劣になれるのかと呆れさせるチャンスを、ニューマンがすっごくセクシーかつ可愛く演じてます。
逆境で戦うクールに屈折した男の役が多いニューマン。チャンスもかなり屈折してるけど、暗くない。こんなに明るく感情豊かなニューマン見たのは初めて、と思えるほど。すっかり歪んで汚れちまってるとは思えないほど、チャンスの夢見る瞳や笑顔は、キラキラしていてチャーミングです。
それと、やたら上半身裸になるニューマンの肉体美にもうっとり。筋肉質な鋼のナイスバディで、アレグザンドラじゃなくてもハァハァになっちゃいます。でも、美しい肉体も、女の欲情を満たす道具としてしか役立たない、扱ってもらえないところが、みじめで哀れなチャンスです。
チャンス役、今やるとしたら?年齢的ヴィジュアル的には、ポール・ウォーカーかジェームズ・フランコがいいかも(10年前なら、マシュー・マコかな)。特にフランコくん、屈折感やモゴモゴした声、肉体美など、ポール・ニューマンのチャンスと少し被るので、ぜひ挑戦してほしいな。日本なら、妻夫木聡がいいかも。エロ可愛さを活かせる絶好な役だ!来年NHK大河ドラマでやる似合わない戦国武将の役より、よっぽど適役だと思うけどなあ。
アレグザンドラ役は、名女優の故ジェラルディン・ペイジ。その醜態っぷりが、何か滑稽で笑えます。青二才のチャンスなどに脅されても、屁とも思わず彼をいいように扱うしたたかさや、もう私ダメ~!あんたしかいないの~とチャンスにすがってたのに、新作映画が絶賛されてると知ると、ウザ!あんたはただの男娼、もう用はないんだよ!とばかりにチャンスを邪険にし始める変わり身の早さとか(ベッドでウキウキと朗報を電話で聞きながら、僕をプロデュースする話どーなってんだよ!と哀訴するチャンスに、あっちいけ!と蹴りをくらわすシーン、笑!)、まさにザ・女優な因業ぶりです。
フィンリー役で、アカデミー助演男優賞を獲得したエド・ベグリー。そのアクが強くエゲツないけど豪快な演技が、強烈です。あんな政治家、絶対イヤだー!
平和な南部の田舎町と、華やかなハリウッド。明るく健康的で強くて栄えている、というイメージの裏に隠された、アメリカの病巣や暗部を暴くテネシー・ウィリアムズの作品、好きです。