アカデミー賞が発表されましたね!
作品賞 「アルゴ」
監督賞 アン・リー
主演男優賞 ダニエル・デイ・ルイス
主演女優賞 ジェニファー・ローレンス
助演男優賞 クリストフ・ヴァルツ
助演女優賞 アン・ハサウェイ
外国語映画賞 「愛、アムール」
大方の下馬評通りの結果でしょうか?アン・リー監督が、ちょっと意外だった?
主演男優賞のDDLは、史上初の3回目!すごいぞDDL!若い頃からタダ者じゃなかった彼、もう映画界では神のような存在になってしまいました。
主演女優賞は、22歳で頂点に立ったジェニファー・ローレンス。希望としては、この先何度もチャンスがある彼女よりも、「愛、アムール」のエマニュエル・リヴァが獲ってほしかったのですが。ジェニファーには、ますます調子ぶっこいた生意気娘になって快進撃を続けてほしいものです。
助演男優賞は、タラちゃん作品で2度目!のヴァルツおぢさん。助演女優賞は、大本命だったアン子がゲット。アン子さんも、ついにオスカー女優かあ。隔世…
外国語映画賞は、DDL以上に鉄板だった「愛、アムール」。ハネケ先生の次回作も、そろそろ気になります。チリ代表作に主演してたガエルっちも出席してたとか?
今年のセレモニーは、なかなか見どころ満載だったみたいで、来月のダイジェスト放送が楽しみです。
受賞作、早く観たいですね!「ジャンゴ」「世界にひとつのプレイブック」「愛、アムール」が特に待ち遠しいです。
オスカーといえば。数々の名作、そして名演技の宝庫。中でも私が好きなのが、伝説的なオスカー大女優の作品。その観る者を恐怖にさえ陥れてしまうほどの強烈な存在感と、何かに憑かれたような神がかり的な演技で、永遠に忘れられないレジェンドと化した大女優たちが好きです。最近の、単に美しい、演技が巧いだけな凡百女優に物足りなさを感じている方々にはぜひ観ていただきたい、魅惑のホラー大女優祭りだ!
特選!恐怖の大女優映画祭①
「夜への長い旅路」
ニューイングランドの港町にある別荘。吝嗇な父、麻薬中毒の母、アル中の長男、結核の次男が、それぞれ激しく責め苛み合う凄絶な愛憎の一日を描いた、劇作家ユージン・オニールの戯曲を映画化した作品。
アメリカ映画、というより世界一の名・大女優と謳われたキャサリン・ヘプバーンは、同じ苗字のオードリーのように可憐でも、他のクラッシック女優のように端麗でも妖艶な美人でもなく、どちらかといえばギスギスした感じの不美人なのですが、その圧倒的な演技力は、どんな絶世の美女も吹き飛ばしてしまうパワーと、固唾をのんで見入ってしまう磁力を備えていて、常に強烈なのです。「旅情」「去年の夏、突然に」「冬のライオン」etc.数々の名作の中での彼女は、女の内面の醜さや悲哀を、決してネチっこくは演じず、あくまでシャープに毅然と演じきっていて圧巻。アカデミー主演女優賞を4度受賞という、いまだ破られていない輝かしい記録保持者であるキャサリン・ヘプバーンは、この「夜への長い旅路」ではカンヌ映画祭女優賞を受賞しています。
平和で穏やかなムードで始まる家族物語は、しだいにじわじわ暗雲がたちこめ、雷のごとく剥き出しの感情がぶつかり合い、やがて土砂降りの修羅場になっていき唖然とさせられます。この映画の面白いところは、母親も父親もその息子たちも、平和を装いながらもどこか変で、何かある、と思わせながらも、なかなか彼らの秘密をわからせない謎めいた展開になっているところ。家族全員が心身ともに病んでいて、些細なことで必死に保っていた平和がつき崩れると、もうどうにも止まらない、とばかりに傷つけ合ってしまう姿が実に痛々しい。お互いに愛し合っているのに、あまりにも脆く弱い心は、事態をどうしようもないほどネガティヴな方向へ追いやる、その繰り返しは、見ていて滑稽でもあります。
神経過敏で情緒不安定な母親を演じるキャサリン・ヘプバーンの、こまやかでありながら迫力ある演技と存在感は、本当に怖くて驚嘆ものです。人間の心にも許容の限度があって、あまりにも悲しみや苦しみが深く大きいと、心からあふれてこぼれ落ちてしまう…狂気に蝕まれたキャサリン・ヘプバーンの独白と、それを聞く家族の静かすぎるラストシーンこそ、その瞬間ではないかと、粛然とした気持ちにかられてしまいました。他人に解答や助言を求められるうちは、まだマシなんだ、と。この世には、救いようのない悲しみや苦悩もあるのだ、と…
作品賞 「アルゴ」
監督賞 アン・リー
主演男優賞 ダニエル・デイ・ルイス
主演女優賞 ジェニファー・ローレンス
助演男優賞 クリストフ・ヴァルツ
助演女優賞 アン・ハサウェイ
外国語映画賞 「愛、アムール」
大方の下馬評通りの結果でしょうか?アン・リー監督が、ちょっと意外だった?
主演男優賞のDDLは、史上初の3回目!すごいぞDDL!若い頃からタダ者じゃなかった彼、もう映画界では神のような存在になってしまいました。
主演女優賞は、22歳で頂点に立ったジェニファー・ローレンス。希望としては、この先何度もチャンスがある彼女よりも、「愛、アムール」のエマニュエル・リヴァが獲ってほしかったのですが。ジェニファーには、ますます調子ぶっこいた生意気娘になって快進撃を続けてほしいものです。
助演男優賞は、タラちゃん作品で2度目!のヴァルツおぢさん。助演女優賞は、大本命だったアン子がゲット。アン子さんも、ついにオスカー女優かあ。隔世…
外国語映画賞は、DDL以上に鉄板だった「愛、アムール」。ハネケ先生の次回作も、そろそろ気になります。チリ代表作に主演してたガエルっちも出席してたとか?
今年のセレモニーは、なかなか見どころ満載だったみたいで、来月のダイジェスト放送が楽しみです。
受賞作、早く観たいですね!「ジャンゴ」「世界にひとつのプレイブック」「愛、アムール」が特に待ち遠しいです。
オスカーといえば。数々の名作、そして名演技の宝庫。中でも私が好きなのが、伝説的なオスカー大女優の作品。その観る者を恐怖にさえ陥れてしまうほどの強烈な存在感と、何かに憑かれたような神がかり的な演技で、永遠に忘れられないレジェンドと化した大女優たちが好きです。最近の、単に美しい、演技が巧いだけな凡百女優に物足りなさを感じている方々にはぜひ観ていただきたい、魅惑のホラー大女優祭りだ!
特選!恐怖の大女優映画祭①
「夜への長い旅路」
ニューイングランドの港町にある別荘。吝嗇な父、麻薬中毒の母、アル中の長男、結核の次男が、それぞれ激しく責め苛み合う凄絶な愛憎の一日を描いた、劇作家ユージン・オニールの戯曲を映画化した作品。
アメリカ映画、というより世界一の名・大女優と謳われたキャサリン・ヘプバーンは、同じ苗字のオードリーのように可憐でも、他のクラッシック女優のように端麗でも妖艶な美人でもなく、どちらかといえばギスギスした感じの不美人なのですが、その圧倒的な演技力は、どんな絶世の美女も吹き飛ばしてしまうパワーと、固唾をのんで見入ってしまう磁力を備えていて、常に強烈なのです。「旅情」「去年の夏、突然に」「冬のライオン」etc.数々の名作の中での彼女は、女の内面の醜さや悲哀を、決してネチっこくは演じず、あくまでシャープに毅然と演じきっていて圧巻。アカデミー主演女優賞を4度受賞という、いまだ破られていない輝かしい記録保持者であるキャサリン・ヘプバーンは、この「夜への長い旅路」ではカンヌ映画祭女優賞を受賞しています。
平和で穏やかなムードで始まる家族物語は、しだいにじわじわ暗雲がたちこめ、雷のごとく剥き出しの感情がぶつかり合い、やがて土砂降りの修羅場になっていき唖然とさせられます。この映画の面白いところは、母親も父親もその息子たちも、平和を装いながらもどこか変で、何かある、と思わせながらも、なかなか彼らの秘密をわからせない謎めいた展開になっているところ。家族全員が心身ともに病んでいて、些細なことで必死に保っていた平和がつき崩れると、もうどうにも止まらない、とばかりに傷つけ合ってしまう姿が実に痛々しい。お互いに愛し合っているのに、あまりにも脆く弱い心は、事態をどうしようもないほどネガティヴな方向へ追いやる、その繰り返しは、見ていて滑稽でもあります。
神経過敏で情緒不安定な母親を演じるキャサリン・ヘプバーンの、こまやかでありながら迫力ある演技と存在感は、本当に怖くて驚嘆ものです。人間の心にも許容の限度があって、あまりにも悲しみや苦しみが深く大きいと、心からあふれてこぼれ落ちてしまう…狂気に蝕まれたキャサリン・ヘプバーンの独白と、それを聞く家族の静かすぎるラストシーンこそ、その瞬間ではないかと、粛然とした気持ちにかられてしまいました。他人に解答や助言を求められるうちは、まだマシなんだ、と。この世には、救いようのない悲しみや苦悩もあるのだ、と…