アカデミー賞が発表されましたね!
受賞結果は…
作品賞「バードマン」
監督賞 アレサンドロ・G・イリャニトゥ
主演男優賞 エディ・レッドメイン
主演女優賞 ジュリアン・ムーア
助演男優賞 J・k・シモンズ
助演女優賞 パトリシア・アークエット
歓喜のあまり、さんまのパーデンネンと化したエディくん↑
順当?意外?映画評論家よろしく自信たっぷりに「6才のボクが、大人になるまで」を推してた斉藤工先生でしたが、残念でしたね~。斉藤くん、あの映画がよほど好きだったのでしょう。ていうか、ほかの候補作ちゃんと観てるのかな、と首をかしげてしまうほど6才贔屓でしたが。なのでまさかの大ハズレ(斉藤くん的には)に、映画の関係者以上に彼がガッカリしてそうで気の毒。私も何だか流れから、6才が獲るのかな思ってましたが。追い上げてきたバードマンが逆転に成功。サプライズというより正直、ああやっぱそうなったのか、そうだよね、と納得の結果です。個人的には、6才よりバードマンのほうが面白そうだし。NHKのドキュメンタリー番組みたいな映画より、奇抜で驚きに満ちた映画のほうが観たいし。
演技賞は、ほぼ下馬評通りでしょうか。ベテランのマイケル・キートンを抑えた、エディ・レッドメインの受賞が快挙でしたね。エディくん、とんとん拍子に頂点を極めちゃいましたね~。ついに受賞したジュリアン・ムーア、エディくんとは「美しすぎる母」で共演してましたね。オスカー受賞者となっての再会、お二人はさぞや感無量なことでしょう。
アカデミー賞が終わると、祭りのあと的な虚無感が…今年も何とかこの時期を迎えられたけど、果たして来年は…これが最後のアカデミー賞かもしれない、と諸行無常な気分に襲われます。来年のオスカーを見られないことより、来年も私の生活と内面に何の変化がないままなことのほうが、イタいし怖いです。そろそろミャンマーに旅立つ時かもしれません。
「天国の駅」
昭和30年の東京。戦争で負傷し性的不能となった夫と暮らすかよは、若い警察官の橋本に言い寄られ、深い関係となる。嫉妬深い夫の暴力に耐えかねたかよは、橋本にそそのかされ夫を毒殺してしまうが…
今なお日本映画界の大女優として、燦然と君臨している吉永小百合。驚きべきことに、彼女はmy motherより年上なんですよね~。齢70(!)となっても、あの清らかな美しさ、上品で優しい雰囲気、聡明な人柄を保っている小百合さまは、まさに完璧な女性、理想の女性、憧れの女性です。でも、女優としては…正直、つまんない女優です。瞠目するような演技とか、衝撃的な役とか、胸騒ぐような作品とかとは、ほとんど縁がない女優。ただもう、美しく汚れない永遠の聖女であってほしいと願う、熱心なサユリストのためだけに存在している女優…
しかしながら。そんなお人形のような女優である小百合さまも、かつては女優魂を燃やしていた頃がありました。80年代、30半ばの女盛りに差し掛かっていた小百合さまは、清純な優等生イメージからの脱皮を図ったのか、何と夫殺しで死刑に処せられるというヒロインを演じ、ファンを驚かせたのです。実のところ私、小百合さまのことをアレコレ言えるほど、彼女の映画はそんなに観てないのですが、この映画と、同じ80年代の「細雪」の小百合さまは本当に素晴らしく、彼女の女優としての意欲と気概を強く感じることができます。
この映画、60年代に栃木の塩原温泉で起きたホテル日本閣殺人事件が元ネタになってます。事件の主犯である小林カウの死刑は、戦後初めての女性への執行、ということでも有名な事件。ちょっと前に、「東京オリンピックと世紀の大犯罪」で再現ドラマやってましたね。色と欲にまみれた醜悪で陰惨きわまりない事件を起こした毒婦を、あの吉永小百合が演じる!あの聖女のような小百合さまが!小林カウとはまさに対極にいるような小百合さまが!とにかくこの映画の小百合さま、ゲス男クズ男どもからコレデモカ!とばかりに汚されるんですよ。そして、サユリストじゃなくてもショッキングなシーンもテンコモリ!
まず、夫がインポなので満たされないかよが、自分を慰めるシーン。吉永小百合が、自慰行為ですよ!そっと下半身に指を這わせながら、切なく漏らす吐息、恍惚の表情…何だか見てはいけないものを見てるようで、ソワソワしてしまいます。他の女優なら、大したことないシーン、むしろ中途半端だな!もっとエロくやれよ!と思うところですが、まさか吉永小百合がオナニーするなんて…セックスなんかしそうにないイメージの彼女なので、私には衝撃的でしたわ。
水戸黄門の由美かおる的な入浴シーンは、ご愛嬌なサービスシーンですが。2番目の夫に性の玩具にされるシーンは、吉永小百合頑張ってるよな~、何でここまでやる気になったんだろ?と感心するやら唖然とするやら。最後の惨劇を呼ぶ夜の寝室シーン、ドSな変態おやじである二番目の夫にネチネチかつ暴力的に、着物の下の乳をまさぐられたりク○ニされたり、バックからガンガン突かれたり、あげくは自慰行為(またかよ)強いられたり。ご無体な目に遭いまくり、いたぶられまくられる小百合さま。ヌードにこそなってませんが、際どいところまで見せてます。濡れ場だけでなく、夫を惨殺し血まみれになり、逮捕されて手錠かけられたり、13階段のぼって首吊られてブラブラ~…かつて、そして今の彼女を思えばかなり過激な姿は、後にも先にもこの映画でしか見られないのではないでしょうか。
どんなに汚されても、堕とされても、天女のごとく清らかな美しさ、気高い優しさを失ってないところが、さすが吉永小百合です。悪女でも毒婦でもなく、あくまで悲しい運命に翻弄され流されてしまったヒロイン、というのも彼女らしい。そして、まったく色気がないところも。よく考えれば、従来の彼女のイメージをしっかり守ってる映画とも言えます。それにしても。この映画、サユリストはどう受け止めてるんだろう。俺たちの小百合さまを汚しやがって!と憤慨?それとも、清らかな小百合さまが汚されて興奮?
それにしても。かよという女、究極のだめんず女ですよ。男運が悪すぎ。寄ってくる男に、まともなのが一人もいない。害虫しか引き寄せない花みたいな女。せっかく美しく優しく生まれたのに、その美質がすべて凶と出るなんて。やっぱ美しい女は、優しくないほうがオイシイ人生を歩めますよ。
かよのモデルとなった小林カウは、かよのような哀しいヒロインなんかじゃないんですよね~。悪い意味で豪快で明朗前向きな、暴走ブルドーザーみたいな毒婦。もちろん、容姿も小百合さまとは1ミリも似てません。自分を吉永小百合が演じると聞いて、地獄にいるカウはさぞや喜んだのではないでしょうか無理やり悲劇のヒロインに作り変えず、カウを忠実に小百合さまに演じさせたら、きっとすごい新境地を彼女にもたらしただろうに。映画じたいもすごく叙情的にしてるけど、実際の事件はオゲレツホラーですからね~。
かよの年下の愛人橋本役は、三浦友和。かよをたぶらかして骨までしゃぶろうとするクズ野郎を、これまた清々しい爽やかなイケメンのイメージが強かった友和さんが演じるという、かなりの意表を突いたキャスティング。小百合さま同様、彼もイメチェンを狙ってたのかな。最低男の役なんだけど、単なるセコいジゴロっぽく、そんなに卑劣な悪人に見えなかったのは、やはりまだ当時の彼は力不足だったということでしょうか。あの役に必要なエロさと黒さ、退廃の匂いに欠けてます。でもイケメン!
かよを慕い、地獄の道連れになる知的障害の男ターボ役は、西田敏行。かよのためなら殺人もじさない恐怖のピュア男を怪演してます。
この映画最強のインパクト演技は、やっぱ2番目の夫役、津川雅彦の変態っぷりですよ!エロい演技はオハコな津川氏ですが、この映画でも炸裂してます。はじめは物分りのいい愛情深い紳士だった彼が、だんだん変態の本性を見せ始める展開がスリリング!まさに口吸いなディープキス、ネチっこい愛撫、ドSで淫靡な言葉攻めetc.楽しそうなところが笑えます。小百合さまは、さぞ大変だったことでしょうでもあの夫、変態だけど愛ゆえの変態。なにも殺さなくてもいいのに、と思った。ま、あんな愛され方されちゃ、身がもたないけどね。
インポ夫役の中村嘉葎雄と、刑事役の丹波哲郎の存在感もハンパないです。ラストの死刑執行シーンで、念仏となえてる丹波先生の大霊界な姿、何かセルフパロディっぽくて笑えた。
エンディング曲「夢さぐり」も、吉永小百合が歌っています。いい曲!CD欲しいかも。
受賞結果は…
作品賞「バードマン」
監督賞 アレサンドロ・G・イリャニトゥ
主演男優賞 エディ・レッドメイン
主演女優賞 ジュリアン・ムーア
助演男優賞 J・k・シモンズ
助演女優賞 パトリシア・アークエット
歓喜のあまり、さんまのパーデンネンと化したエディくん↑
順当?意外?映画評論家よろしく自信たっぷりに「6才のボクが、大人になるまで」を推してた斉藤工先生でしたが、残念でしたね~。斉藤くん、あの映画がよほど好きだったのでしょう。ていうか、ほかの候補作ちゃんと観てるのかな、と首をかしげてしまうほど6才贔屓でしたが。なのでまさかの大ハズレ(斉藤くん的には)に、映画の関係者以上に彼がガッカリしてそうで気の毒。私も何だか流れから、6才が獲るのかな思ってましたが。追い上げてきたバードマンが逆転に成功。サプライズというより正直、ああやっぱそうなったのか、そうだよね、と納得の結果です。個人的には、6才よりバードマンのほうが面白そうだし。NHKのドキュメンタリー番組みたいな映画より、奇抜で驚きに満ちた映画のほうが観たいし。
演技賞は、ほぼ下馬評通りでしょうか。ベテランのマイケル・キートンを抑えた、エディ・レッドメインの受賞が快挙でしたね。エディくん、とんとん拍子に頂点を極めちゃいましたね~。ついに受賞したジュリアン・ムーア、エディくんとは「美しすぎる母」で共演してましたね。オスカー受賞者となっての再会、お二人はさぞや感無量なことでしょう。
アカデミー賞が終わると、祭りのあと的な虚無感が…今年も何とかこの時期を迎えられたけど、果たして来年は…これが最後のアカデミー賞かもしれない、と諸行無常な気分に襲われます。来年のオスカーを見られないことより、来年も私の生活と内面に何の変化がないままなことのほうが、イタいし怖いです。そろそろミャンマーに旅立つ時かもしれません。
「天国の駅」
昭和30年の東京。戦争で負傷し性的不能となった夫と暮らすかよは、若い警察官の橋本に言い寄られ、深い関係となる。嫉妬深い夫の暴力に耐えかねたかよは、橋本にそそのかされ夫を毒殺してしまうが…
今なお日本映画界の大女優として、燦然と君臨している吉永小百合。驚きべきことに、彼女はmy motherより年上なんですよね~。齢70(!)となっても、あの清らかな美しさ、上品で優しい雰囲気、聡明な人柄を保っている小百合さまは、まさに完璧な女性、理想の女性、憧れの女性です。でも、女優としては…正直、つまんない女優です。瞠目するような演技とか、衝撃的な役とか、胸騒ぐような作品とかとは、ほとんど縁がない女優。ただもう、美しく汚れない永遠の聖女であってほしいと願う、熱心なサユリストのためだけに存在している女優…
しかしながら。そんなお人形のような女優である小百合さまも、かつては女優魂を燃やしていた頃がありました。80年代、30半ばの女盛りに差し掛かっていた小百合さまは、清純な優等生イメージからの脱皮を図ったのか、何と夫殺しで死刑に処せられるというヒロインを演じ、ファンを驚かせたのです。実のところ私、小百合さまのことをアレコレ言えるほど、彼女の映画はそんなに観てないのですが、この映画と、同じ80年代の「細雪」の小百合さまは本当に素晴らしく、彼女の女優としての意欲と気概を強く感じることができます。
この映画、60年代に栃木の塩原温泉で起きたホテル日本閣殺人事件が元ネタになってます。事件の主犯である小林カウの死刑は、戦後初めての女性への執行、ということでも有名な事件。ちょっと前に、「東京オリンピックと世紀の大犯罪」で再現ドラマやってましたね。色と欲にまみれた醜悪で陰惨きわまりない事件を起こした毒婦を、あの吉永小百合が演じる!あの聖女のような小百合さまが!小林カウとはまさに対極にいるような小百合さまが!とにかくこの映画の小百合さま、ゲス男クズ男どもからコレデモカ!とばかりに汚されるんですよ。そして、サユリストじゃなくてもショッキングなシーンもテンコモリ!
まず、夫がインポなので満たされないかよが、自分を慰めるシーン。吉永小百合が、自慰行為ですよ!そっと下半身に指を這わせながら、切なく漏らす吐息、恍惚の表情…何だか見てはいけないものを見てるようで、ソワソワしてしまいます。他の女優なら、大したことないシーン、むしろ中途半端だな!もっとエロくやれよ!と思うところですが、まさか吉永小百合がオナニーするなんて…セックスなんかしそうにないイメージの彼女なので、私には衝撃的でしたわ。
水戸黄門の由美かおる的な入浴シーンは、ご愛嬌なサービスシーンですが。2番目の夫に性の玩具にされるシーンは、吉永小百合頑張ってるよな~、何でここまでやる気になったんだろ?と感心するやら唖然とするやら。最後の惨劇を呼ぶ夜の寝室シーン、ドSな変態おやじである二番目の夫にネチネチかつ暴力的に、着物の下の乳をまさぐられたりク○ニされたり、バックからガンガン突かれたり、あげくは自慰行為(またかよ)強いられたり。ご無体な目に遭いまくり、いたぶられまくられる小百合さま。ヌードにこそなってませんが、際どいところまで見せてます。濡れ場だけでなく、夫を惨殺し血まみれになり、逮捕されて手錠かけられたり、13階段のぼって首吊られてブラブラ~…かつて、そして今の彼女を思えばかなり過激な姿は、後にも先にもこの映画でしか見られないのではないでしょうか。
どんなに汚されても、堕とされても、天女のごとく清らかな美しさ、気高い優しさを失ってないところが、さすが吉永小百合です。悪女でも毒婦でもなく、あくまで悲しい運命に翻弄され流されてしまったヒロイン、というのも彼女らしい。そして、まったく色気がないところも。よく考えれば、従来の彼女のイメージをしっかり守ってる映画とも言えます。それにしても。この映画、サユリストはどう受け止めてるんだろう。俺たちの小百合さまを汚しやがって!と憤慨?それとも、清らかな小百合さまが汚されて興奮?
それにしても。かよという女、究極のだめんず女ですよ。男運が悪すぎ。寄ってくる男に、まともなのが一人もいない。害虫しか引き寄せない花みたいな女。せっかく美しく優しく生まれたのに、その美質がすべて凶と出るなんて。やっぱ美しい女は、優しくないほうがオイシイ人生を歩めますよ。
かよのモデルとなった小林カウは、かよのような哀しいヒロインなんかじゃないんですよね~。悪い意味で豪快で明朗前向きな、暴走ブルドーザーみたいな毒婦。もちろん、容姿も小百合さまとは1ミリも似てません。自分を吉永小百合が演じると聞いて、地獄にいるカウはさぞや喜んだのではないでしょうか無理やり悲劇のヒロインに作り変えず、カウを忠実に小百合さまに演じさせたら、きっとすごい新境地を彼女にもたらしただろうに。映画じたいもすごく叙情的にしてるけど、実際の事件はオゲレツホラーですからね~。
かよの年下の愛人橋本役は、三浦友和。かよをたぶらかして骨までしゃぶろうとするクズ野郎を、これまた清々しい爽やかなイケメンのイメージが強かった友和さんが演じるという、かなりの意表を突いたキャスティング。小百合さま同様、彼もイメチェンを狙ってたのかな。最低男の役なんだけど、単なるセコいジゴロっぽく、そんなに卑劣な悪人に見えなかったのは、やはりまだ当時の彼は力不足だったということでしょうか。あの役に必要なエロさと黒さ、退廃の匂いに欠けてます。でもイケメン!
かよを慕い、地獄の道連れになる知的障害の男ターボ役は、西田敏行。かよのためなら殺人もじさない恐怖のピュア男を怪演してます。
この映画最強のインパクト演技は、やっぱ2番目の夫役、津川雅彦の変態っぷりですよ!エロい演技はオハコな津川氏ですが、この映画でも炸裂してます。はじめは物分りのいい愛情深い紳士だった彼が、だんだん変態の本性を見せ始める展開がスリリング!まさに口吸いなディープキス、ネチっこい愛撫、ドSで淫靡な言葉攻めetc.楽しそうなところが笑えます。小百合さまは、さぞ大変だったことでしょうでもあの夫、変態だけど愛ゆえの変態。なにも殺さなくてもいいのに、と思った。ま、あんな愛され方されちゃ、身がもたないけどね。
インポ夫役の中村嘉葎雄と、刑事役の丹波哲郎の存在感もハンパないです。ラストの死刑執行シーンで、念仏となえてる丹波先生の大霊界な姿、何かセルフパロディっぽくて笑えた。
エンディング曲「夢さぐり」も、吉永小百合が歌っています。いい曲!CD欲しいかも。