梅雨明け~
あ~イヤだイヤだ~…ひまわりさんなんか、大嫌い!今年の夏も、殺人的な暑さになりそうですね。今度こそ、乗り越えられそうにないです…(毎年同じこと言ってますが)
皆さまも、どうぞ体調に気をつけて、無事に涼しい季節を迎えましょう!
ウナギ食べたいのお~。
「誘拐報道」
神戸で小学生の男子児童が誘拐される。警察との報道協定により、新聞記者たちは表立った取材ができない。そんな中、犯人の男から児童の両親に、身代金を要求する電話がかかってくるが…
70・80年代の邦画、大好きなんですよね~。懐かしいような新鮮なような、濃厚な昭和のにおいと味をこの映画でも堪能できました。昭和の陰影深く重苦しい空気感が好き。そして、今は亡き名優たちの存在感、今は大ベテランとなっている俳優たちの若かりし姿が、衝撃的かつ楽しい映画でもありました。総じてみんな、濃ゆい!そして熱い!大御所も新鋭も、みんなとにかくギラギラしてるんですよ。あのギラギラ感、今の俳優たちには全然ないのが物足りない。同じような内容の「64」も観たのですが、若手のみならずベテランでさえびっくりするほど薄さ軽さで、映画というよりTVドラマみたいだった。やっぱ昭和の邦画のほうが、観た!という満足感、満腹感を得られます。
いい役者たちが、ギラギラ&コッテリとしのぎを削っています。まず、主人公である誘拐犯役、萩原健一のギラギラっぷりが目に楽しいです。
最近すっかりお見かけしなくなったショーケンですが、当時32歳ぐらい(今の嵐の連中より年下!)の彼もまた、今のアラフォー男優にはない強烈な個性と雄♂くささ。ショーケンの野性的で粗削りな演技と雰囲気には、小賢しい演劇っぽさや、チマチマした大衆迎合的なタレント演技ばかりな今の男優にはない魅力があります。デスパレートな演技がちょっと暑苦しいけど、それもまた昭和っぽくて好きです。追いつめられた危険な手負いの狂犬でありながら、憎めない情けない悪人になりきれないダメ男でもあって母性本能をくすぐられる、といったショーケンらしい役、演技でした。彼が最高のモテ男だったことが、何となく解かる人には解かる、そんな映画でした。濡れ場ではないけど、あるシーンでケツ出しファンサービス。
誘拐犯の妻役は、これが映画デビューの小柳ルミ子。今の女優など足元にも及ばないほど美人!すごい美女なのに、貧乏、不幸な庶民の情念、哀感がまさにザ・昭和。悲しい歌謡曲を地でいくようなルミ子の昭和なヒロインっぷりでした。この映画の伊藤俊也監督は、何が何でもルミ子!と彼女の起用を熱望したのだとか。周囲の大反対を押し切って出演し、好演を披露して高く評価されたルミ子は、後年再び伊藤監督のラブコールを受けて「白蛇抄」に主演。伊藤監督がイメージするルミ子は、とことん男運がない、美貌と色香ゆえに過酷な宿命を背負う悲劇的な昭和美女、だったんですね。すごい美女に生まれても、人が善すぎたら不幸になるだけ、と映画の中のルミ子は教えてくれました。
新聞記者、警察の捜査員、被害者の両親を演じた俳優たちも、個性豊かで強烈。報道を仕切るキャップ役は、この手の大作には必ずといっていいほど顔を見せてた丹波哲郎。カラオケで「ダンシング・オールナイト」を熱唱するという珍シーンに驚喜。支社長役の三波伸介、な、懐かし~!捕まった息子とそう年が変わらない頃の橋爪功、わ、若い!大和田伸也も若くて男前で美声!当時はまだ駆け出しだったと思しき宅麻伸、どぢっ子な新米記者役で可愛いかった。警察側のボス役、平幹二郎も超ダンディでカッコよかった!刑事役の伊東四朗も、わ、若い!男優陣の中でワタシ的ベストだったのは、被害者の父親役の岡本富士太。80年代の2時間ドラマで、荻島真一と双璧の男前だった彼。めっちゃタイプなんですよね~。イケメンなだけでなく、今にもコワレそうな狂気一歩手前な演技で、ショーケンにヒケをとってなかったです。あと、チョイ役で菅原文太も出てました。
ルミ子のために撮られた映画なので、他の女優の影はかなり薄いのですが、被害者の母親役の秋吉久美子はなかなかの熱演でしたし、宅麻伸の恋人役が藤谷美和子!だったのが、レアなポケモンを発見したような感じでした。やっぱ彼女、独特かつ可愛いですね~。彼女みたいな女優も、今いないですよね。レアといえば、ショーケンを騙して借金を背負わす悪徳実業家役が中尾彬、ショーケンとカーセックスする淫乱女役が池波志乃、という夫婦共演が笑えた(夫婦一緒のシーンなはし)。特筆すべきなのは、犯人の娘役の高橋かおり。現在は性悪女役を得意とするバイプレイヤーな彼女ですが、かつては名子役として引っ張りだこだったんですよね。入浴シーンでの全裸はボカシ入りで、それが返って異様でした。規制だらけで保守的すぎる現在では考えられない幼女ヌードに、古き佳き時代の邦画をあらためて懐かしみました。
当時の庶民生活にもノスタルジア。特に重要なアイテムとして使われた公衆電話やポケベルに。犯人の実家がある丹後半島の風景が、まさに裏日本って感じの陰鬱な寒々しさでした。今でもあんな雑貨屋とかあるのかな。
それにしても。営利誘拐なんて、めんどくさくてリスクが高すぎ。成功例もほとんどないですよね~。でも、昔は頻繁に起きてたんですよね。そして、吉展ちゃん事件とか悲劇が多かった。私が幼い頃に起きた福山市の男児誘拐殺人事件とか、悲惨すぎて今でもトラウマ的に忘れられない。ほぼ死刑な誘拐殺人は被害者側だけでなく、加害者の家族にとっても地獄…どんなやむにやまれぬ事情があるにせよ、何の罪もない子どもを犠牲にしてしまう者は、万死に値します…
あ~イヤだイヤだ~…ひまわりさんなんか、大嫌い!今年の夏も、殺人的な暑さになりそうですね。今度こそ、乗り越えられそうにないです…(毎年同じこと言ってますが)
皆さまも、どうぞ体調に気をつけて、無事に涼しい季節を迎えましょう!
ウナギ食べたいのお~。
「誘拐報道」
神戸で小学生の男子児童が誘拐される。警察との報道協定により、新聞記者たちは表立った取材ができない。そんな中、犯人の男から児童の両親に、身代金を要求する電話がかかってくるが…
70・80年代の邦画、大好きなんですよね~。懐かしいような新鮮なような、濃厚な昭和のにおいと味をこの映画でも堪能できました。昭和の陰影深く重苦しい空気感が好き。そして、今は亡き名優たちの存在感、今は大ベテランとなっている俳優たちの若かりし姿が、衝撃的かつ楽しい映画でもありました。総じてみんな、濃ゆい!そして熱い!大御所も新鋭も、みんなとにかくギラギラしてるんですよ。あのギラギラ感、今の俳優たちには全然ないのが物足りない。同じような内容の「64」も観たのですが、若手のみならずベテランでさえびっくりするほど薄さ軽さで、映画というよりTVドラマみたいだった。やっぱ昭和の邦画のほうが、観た!という満足感、満腹感を得られます。
いい役者たちが、ギラギラ&コッテリとしのぎを削っています。まず、主人公である誘拐犯役、萩原健一のギラギラっぷりが目に楽しいです。
最近すっかりお見かけしなくなったショーケンですが、当時32歳ぐらい(今の嵐の連中より年下!)の彼もまた、今のアラフォー男優にはない強烈な個性と雄♂くささ。ショーケンの野性的で粗削りな演技と雰囲気には、小賢しい演劇っぽさや、チマチマした大衆迎合的なタレント演技ばかりな今の男優にはない魅力があります。デスパレートな演技がちょっと暑苦しいけど、それもまた昭和っぽくて好きです。追いつめられた危険な手負いの狂犬でありながら、憎めない情けない悪人になりきれないダメ男でもあって母性本能をくすぐられる、といったショーケンらしい役、演技でした。彼が最高のモテ男だったことが、何となく解かる人には解かる、そんな映画でした。濡れ場ではないけど、あるシーンでケツ出しファンサービス。
誘拐犯の妻役は、これが映画デビューの小柳ルミ子。今の女優など足元にも及ばないほど美人!すごい美女なのに、貧乏、不幸な庶民の情念、哀感がまさにザ・昭和。悲しい歌謡曲を地でいくようなルミ子の昭和なヒロインっぷりでした。この映画の伊藤俊也監督は、何が何でもルミ子!と彼女の起用を熱望したのだとか。周囲の大反対を押し切って出演し、好演を披露して高く評価されたルミ子は、後年再び伊藤監督のラブコールを受けて「白蛇抄」に主演。伊藤監督がイメージするルミ子は、とことん男運がない、美貌と色香ゆえに過酷な宿命を背負う悲劇的な昭和美女、だったんですね。すごい美女に生まれても、人が善すぎたら不幸になるだけ、と映画の中のルミ子は教えてくれました。
新聞記者、警察の捜査員、被害者の両親を演じた俳優たちも、個性豊かで強烈。報道を仕切るキャップ役は、この手の大作には必ずといっていいほど顔を見せてた丹波哲郎。カラオケで「ダンシング・オールナイト」を熱唱するという珍シーンに驚喜。支社長役の三波伸介、な、懐かし~!捕まった息子とそう年が変わらない頃の橋爪功、わ、若い!大和田伸也も若くて男前で美声!当時はまだ駆け出しだったと思しき宅麻伸、どぢっ子な新米記者役で可愛いかった。警察側のボス役、平幹二郎も超ダンディでカッコよかった!刑事役の伊東四朗も、わ、若い!男優陣の中でワタシ的ベストだったのは、被害者の父親役の岡本富士太。80年代の2時間ドラマで、荻島真一と双璧の男前だった彼。めっちゃタイプなんですよね~。イケメンなだけでなく、今にもコワレそうな狂気一歩手前な演技で、ショーケンにヒケをとってなかったです。あと、チョイ役で菅原文太も出てました。
ルミ子のために撮られた映画なので、他の女優の影はかなり薄いのですが、被害者の母親役の秋吉久美子はなかなかの熱演でしたし、宅麻伸の恋人役が藤谷美和子!だったのが、レアなポケモンを発見したような感じでした。やっぱ彼女、独特かつ可愛いですね~。彼女みたいな女優も、今いないですよね。レアといえば、ショーケンを騙して借金を背負わす悪徳実業家役が中尾彬、ショーケンとカーセックスする淫乱女役が池波志乃、という夫婦共演が笑えた(夫婦一緒のシーンなはし)。特筆すべきなのは、犯人の娘役の高橋かおり。現在は性悪女役を得意とするバイプレイヤーな彼女ですが、かつては名子役として引っ張りだこだったんですよね。入浴シーンでの全裸はボカシ入りで、それが返って異様でした。規制だらけで保守的すぎる現在では考えられない幼女ヌードに、古き佳き時代の邦画をあらためて懐かしみました。
当時の庶民生活にもノスタルジア。特に重要なアイテムとして使われた公衆電話やポケベルに。犯人の実家がある丹後半島の風景が、まさに裏日本って感じの陰鬱な寒々しさでした。今でもあんな雑貨屋とかあるのかな。
それにしても。営利誘拐なんて、めんどくさくてリスクが高すぎ。成功例もほとんどないですよね~。でも、昔は頻繁に起きてたんですよね。そして、吉展ちゃん事件とか悲劇が多かった。私が幼い頃に起きた福山市の男児誘拐殺人事件とか、悲惨すぎて今でもトラウマ的に忘れられない。ほぼ死刑な誘拐殺人は被害者側だけでなく、加害者の家族にとっても地獄…どんなやむにやまれぬ事情があるにせよ、何の罪もない子どもを犠牲にしてしまう者は、万死に値します…