「胸騒ぎのシチリア」
声帯の手術を受けたロックスターのマリアンは、年下の恋人ポールとシチリアのパンテッレリーア島で静かな休養生活を送っていたが、突然押しかけてきた元パートナーのハリーと、その娘ペンに翻弄され、ポールとの関係にも波風が立つが…
「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督の2015年の作品。同じくイタリアを舞台にした恋愛映画ですが、瑞々しく甘美な青春映画だった君名僕と違って、こちらは大人の恋愛、ていうか、痴情のもつれドラマです。ヒロインが今カレと元カレとの間で揺れる想い~体じゅう感じて~♪ by ZARD な話なのですが。若い男女ならどんなシチュエーションでも、何やっても何言ってもキラキラやドキドキ、切なさで胸ムズキュン♡になるところを、中年のおじさんおばさんだとすこぶる不潔で浅ましく見えてしまいます。そもそも、ヴィジュアル的にもおっさんおばさんのラブシーンは正直キツい。いくつになっても男と女、性的な悦びに生きてる実感、にはあまり憧れません。爽やかに枯れて、男でも女でもなくなるのが個人的な理想です。幸か不幸か、それに限りなく近づいてる今日この頃の私です
痴情をもつれさせるマリアンたちですが、愛とか恋とかいったものではなく、みんなどこか精神的に破綻していて、それに誰かを巻き込まずにはいられない危うさや不可解さが加速して、じわじわと破局へ向かう展開がスリリングではありました。お話よりも、イタリアの避暑地の美しさを堪能する映画かもしれません。君名僕は、インテリなブルジョアの優雅なヴァカンスでしたが、この映画はセレブの優雅で倦怠的な隠棲生活でした。何をするわけでもなく、ひねもすゆったりのんびりと、気ままに泳いだりドライヴしたり、外食したりセックスしたり…夏休みだから思いっきり楽しまなきゃ!なガツガツ感がないところに憧れるわ~。私もあんな風に、美しく気候のいい場所で優雅に金とヒマを持て余してみたいものです。
パンテッレリーア島に行ってみたい!と、この映画を観たらきっと誰もが願うことでしょう。人を明るく放埓な怠け者にしてしまう太陽の陽射し、泳いだら気持ちよさそうな海、街の情緒ある狭い裏道、情熱的で開放的なお祭り、民家での手作りチーズ、山のレストランetc.イタリア政府はグァダニーノ監督を観光大臣に任命すべきでしょう。
キャストが通好みのシブさです。マリアン役は、超個性派オスカー女優のティルダ・スウィントン。相変わらず見た目だけでインパクトあり。妖気と豪快さが彼女の魅力でしょうか。大胆すぎる熟女フルヌードや、屋外屋内問わずのファックシーンなど、お盛んだけどどこか虚無的で渇いてるといった生々しい女の業が、怖くて悲しかったです。モテモテなティルダ姐さんでしたが、彼女を抱ける男ってスゴいと思うわ。よほどの度胸がないと無理でしょう。ティルダ姐のシンプルだけど、一般人には絶対着こなせないディオールのファッションが、目に楽しかったです。
ポール役は、大好きなベルギー男優のマティアス・スーナールツ。相変わらずのゴリマッチョ!カメラマン役なのですが、どう見ても現役プロレスラーです。肉々しい全裸を彼も惜しげもなく披露してます。デカいケツがたまらん!おじさんおばさんの情痴といっても、30代のマティアスは雰囲気も肌も水を弾く若さがまだありました。キムタクBGなど一発で、いや一睨みで瞬殺してしまいそうな凄みのあるヌオオ~っとした風貌なのですが、マティアスって怖い役より優しい役のほうが似合うんですよね~。コワモテのマティアスよりも、性悪そうで意地悪そうな中居や大泉洋のほうがよっぽど怖いよ。「君と歩く世界」や「フランス組曲」など、一見ヤバそうだけど実は優しい男役がオハコのマティアス。年上の女の世話を細やかに焼いたり、彼女のヤリたい時にはいつでもOK!だったり、常に受け身で寡黙だけど男らしい、まさに理想の恋人なマティアスが素敵でした。ウザいハリーにも我慢して文句ひとつ言わないところや、ぐっと感情を抑えてる様子も、いじましくて可愛かった。怒らせたらボコボコにされそうな怖さもあるところが、やっぱマティアスでしたが。
ハリー役のレイフ・ファインズは、すっかりおっさんになりましたね~。かつては英国を代表する美男演技派俳優だった彼ですが、このハゲー!!とマリアンが怒鳴らないのが不思議なほどウザいおっさんを、ハイテンションにエキセントリックに熱演してました。マティアス以上にフルチンになってました。名優から怪優へと進化したファインズ氏です。ペン役は、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のSM娘、ダコタ・ジョンソン。おじさんおばさんを翻弄する、クールでミステリアスなペンのキャラは魅力的なのですが、地味で若さの感じられない疲労顔が、小悪魔役にそぐわず残念。もっとピチピチした美ギャル女優を起用してほしかったかも。
↑たくさん新作が待機してるマティアスですが、とりあえず近日日本公開なのはジェニファー・ローレンス主演の「レッド・スパロー」です。最近は英語圏映画の出演がほとんどなマティアスですが、フランス語を喋る彼にもまた会いたいものです
声帯の手術を受けたロックスターのマリアンは、年下の恋人ポールとシチリアのパンテッレリーア島で静かな休養生活を送っていたが、突然押しかけてきた元パートナーのハリーと、その娘ペンに翻弄され、ポールとの関係にも波風が立つが…
「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督の2015年の作品。同じくイタリアを舞台にした恋愛映画ですが、瑞々しく甘美な青春映画だった君名僕と違って、こちらは大人の恋愛、ていうか、痴情のもつれドラマです。ヒロインが今カレと元カレとの間で揺れる想い~体じゅう感じて~♪ by ZARD な話なのですが。若い男女ならどんなシチュエーションでも、何やっても何言ってもキラキラやドキドキ、切なさで胸ムズキュン♡になるところを、中年のおじさんおばさんだとすこぶる不潔で浅ましく見えてしまいます。そもそも、ヴィジュアル的にもおっさんおばさんのラブシーンは正直キツい。いくつになっても男と女、性的な悦びに生きてる実感、にはあまり憧れません。爽やかに枯れて、男でも女でもなくなるのが個人的な理想です。幸か不幸か、それに限りなく近づいてる今日この頃の私です
痴情をもつれさせるマリアンたちですが、愛とか恋とかいったものではなく、みんなどこか精神的に破綻していて、それに誰かを巻き込まずにはいられない危うさや不可解さが加速して、じわじわと破局へ向かう展開がスリリングではありました。お話よりも、イタリアの避暑地の美しさを堪能する映画かもしれません。君名僕は、インテリなブルジョアの優雅なヴァカンスでしたが、この映画はセレブの優雅で倦怠的な隠棲生活でした。何をするわけでもなく、ひねもすゆったりのんびりと、気ままに泳いだりドライヴしたり、外食したりセックスしたり…夏休みだから思いっきり楽しまなきゃ!なガツガツ感がないところに憧れるわ~。私もあんな風に、美しく気候のいい場所で優雅に金とヒマを持て余してみたいものです。
パンテッレリーア島に行ってみたい!と、この映画を観たらきっと誰もが願うことでしょう。人を明るく放埓な怠け者にしてしまう太陽の陽射し、泳いだら気持ちよさそうな海、街の情緒ある狭い裏道、情熱的で開放的なお祭り、民家での手作りチーズ、山のレストランetc.イタリア政府はグァダニーノ監督を観光大臣に任命すべきでしょう。
キャストが通好みのシブさです。マリアン役は、超個性派オスカー女優のティルダ・スウィントン。相変わらず見た目だけでインパクトあり。妖気と豪快さが彼女の魅力でしょうか。大胆すぎる熟女フルヌードや、屋外屋内問わずのファックシーンなど、お盛んだけどどこか虚無的で渇いてるといった生々しい女の業が、怖くて悲しかったです。モテモテなティルダ姐さんでしたが、彼女を抱ける男ってスゴいと思うわ。よほどの度胸がないと無理でしょう。ティルダ姐のシンプルだけど、一般人には絶対着こなせないディオールのファッションが、目に楽しかったです。
ポール役は、大好きなベルギー男優のマティアス・スーナールツ。相変わらずのゴリマッチョ!カメラマン役なのですが、どう見ても現役プロレスラーです。肉々しい全裸を彼も惜しげもなく披露してます。デカいケツがたまらん!おじさんおばさんの情痴といっても、30代のマティアスは雰囲気も肌も水を弾く若さがまだありました。キムタクBGなど一発で、いや一睨みで瞬殺してしまいそうな凄みのあるヌオオ~っとした風貌なのですが、マティアスって怖い役より優しい役のほうが似合うんですよね~。コワモテのマティアスよりも、性悪そうで意地悪そうな中居や大泉洋のほうがよっぽど怖いよ。「君と歩く世界」や「フランス組曲」など、一見ヤバそうだけど実は優しい男役がオハコのマティアス。年上の女の世話を細やかに焼いたり、彼女のヤリたい時にはいつでもOK!だったり、常に受け身で寡黙だけど男らしい、まさに理想の恋人なマティアスが素敵でした。ウザいハリーにも我慢して文句ひとつ言わないところや、ぐっと感情を抑えてる様子も、いじましくて可愛かった。怒らせたらボコボコにされそうな怖さもあるところが、やっぱマティアスでしたが。
ハリー役のレイフ・ファインズは、すっかりおっさんになりましたね~。かつては英国を代表する美男演技派俳優だった彼ですが、このハゲー!!とマリアンが怒鳴らないのが不思議なほどウザいおっさんを、ハイテンションにエキセントリックに熱演してました。マティアス以上にフルチンになってました。名優から怪優へと進化したファインズ氏です。ペン役は、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のSM娘、ダコタ・ジョンソン。おじさんおばさんを翻弄する、クールでミステリアスなペンのキャラは魅力的なのですが、地味で若さの感じられない疲労顔が、小悪魔役にそぐわず残念。もっとピチピチした美ギャル女優を起用してほしかったかも。
↑たくさん新作が待機してるマティアスですが、とりあえず近日日本公開なのはジェニファー・ローレンス主演の「レッド・スパロー」です。最近は英語圏映画の出演がほとんどなマティアスですが、フランス語を喋る彼にもまた会いたいものです