まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

アイドルと文通

2020-07-10 | 北米映画 15~21
 「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」
 母親とロンドンで暮らすアメリカ人の少年ルパートは、大好きなアメリカのスター俳優ジョン・F・ドノヴァンにファンレターを書き返事をもらう。それを機に二人のひそやかな文通が始まるが、それはやがて思いもよらぬ事態を招くことになり…
 コンスタントに新作を発表しているグザヴィエ・ドラン監督が、初めて英語で撮った作品。ドラ美の作品はいつも楽しみですが、この新作はいつも以上に待ち遠しかったです。だってだって、主演が大好きなキット・ハリントンだっちゅーの(古っ)!さすがドラ美、男優選びのセンスがええわ~。ドラ美の新作にキットが起用されたとのニュースは、激しく私を興奮させました。ドラ美とキットが仲良く一緒に仕事してる姿を想像しただけで、あらぬ妄想をかきたてられた人って結構いるのではなかろうか。かくいう私がそうです愛しのキットがどんな風にドラ美に料理されたのかしらん?WAKUWAKUしながら劇場へと急いだのでした。そういえば、キットを大きなスクリーンで見るのは初。

 キット、やっぱカッコいい、ていうか、可愛いですね~劇中劇で高校生を演じてるのですが、ぜんぜん違和感なかったです。童顔で小柄で可愛いけど中性的な美青年ではなく、ナヨナヨしたキャマっぽさとは真逆な、男くさい風貌との濃密な♂フェロモンが素敵。前から思ってたけど、キットって顔といいカラダといいゲイ受けも良さそう。今回は初のゲイ役?満を持してのゲイ役でしたが、ゲイゲイしさが全然ないところも腐やゲイの厳しいお目がねにかなっている要因ではなかろうか。

 存在自体がエロいキットなので、ちょっと裸になっただけで、ちょっと男とキスしそうになっただけで、ウホッ♡となってしまいますが、18禁レベルのエグいゲイのセックスシーンを見慣れている人にとっては、今回のキットのBL演技はかなり物足りないかもしれません。もともとドラ美は、男同士の性愛シーンを過激には撮らない人なので、まあこんなもんでしょとは思ったけど、やっぱキットのファンとしてはもうちょっと脱いで絡んでほしかった、というのが正直なところです。

 でも、キットのデリケートなコワレ演技は痛々しくも切なくて、じゅうぶんに胸がムズキュンでした。スターとしてキラキラしてる時のキット、転落して身も心もボロボロなキット、どっちも魅力的でした。彼も不幸が似合う俳優。小鹿みたいな黒目がちのつぶらな瞳が、悲しみや痛みが増せば増すほど美しく見えた。

 それにしても。ゲイであることに苦悩し、バレることを恐れてビクビクしてるジョンが哀れだったと同時に、すごいイラっともさせられました。ゲイであることがそんなに罪なの?恥ずかしいの?ひと昔前の話ならいざ知らず、今は堂々とカミングアウトして活躍してる俳優、いっぱいいるじゃないですか。ジョンにも自信をもって頑張ってほしかったです。あと、ルパート少年との文通がスキャンダルになってしまうのですが、スターと少年の文通なんて微笑ましいじゃないですか。素敵な美談にもできたはずなのに。ちなみにスターと少年との文通という設定は、ドラ美が少年の頃「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオに恋をして彼にファンレターを書いた、というエピソードが元ネタなんだそうです。ドラ美さん、いつかレオを主演に映画を撮れるといいね!

 ジョンとルパート少年のエピソードが交互に描かれる構成なのですが。二人の家族(母親)との確執にほうに重きが置かれていて、会わなくても手紙で深まっていく精神的な愛情とか不思議な絆とかのほうを、もっと掘り下げて描いてほしかったです。愛情は深いけど、我が強く不器用な者同士なので激しく衝突する母と息子、といういつものドラ美な内容でしたが、従来よりはかなり解かりやすい関係というか、ベタな感動寄りになってたような。ドラ美のあの独特なスタイリッシュなケレン味は薄まってました。音楽の使い方も毎回こだわりを感じさせるドラ美です。

 この映画、キャストがなかなか豪華です。ルパート役は「ルーム」での名演も記憶に新しいジェイコブ・トレンブレイ。美少年ではないけど、感情の起伏が激しい演技が巧いですね~。キンキン声がちょっと耳障りでしたが。ルパートの母親役はナタリー・ポートマン。ナタポーもあんな大きな息子がいる役をやる年齢になったんですね~。ジョンの母役がスーザン・サランドンで、ジョンのマネージャー役はキャシー・ベイツと、ナタポーも含め大物オスカー女優が3人も出演してます。
 
 成長したルパート青年役ベン・シュネッツァーはイケメンではないけど、味のある風貌。ちょっと福くんをカッコよくした感じ?当初ルパート青年役はニコラス・ホルトが演じる予定だったけど降板したんだとか。残念ですが、ジェイコブくんが成長してニコラスになるって無理がありすぎるので、ベンで良かったとは思う。ルパート青年をインタビューする女性記者役のタンディ・ニュートンが美人でした。

 ラスト、ルパートをバイクで迎えに来た恋人って、まさか少年ルパートをいじめていた同級生のセドリック?!成長したセドリックに見えたのは私だけ?セドリック、異常なまでにルパートに執着してたけど、あれって男の子によくある好きだからいじめてたパターン?もしそうだったら、すごいハッピーエンドでほっこりします。

 ↑ お二人さん、なかなかお似合い♡腐った目の中では、イメケンのツーショットって常にBLカップルなのですキットはマーベルの新作「ジ・エターナルズ」、ドラ美は自身主演&監督の「マティアス&マキシム」が日本公開決定!楽しみ!
コメント (2)
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