まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

社長夫人と…

2020-10-19 | フランス、ベルギー映画
 「暮れ逢い」
 第一次世界大戦直前のドイツ。鉄鋼会社に勤める青年フレデリックは、その才気を社長であるホフマン氏に認められ、彼の秘書に抜擢される。やがてフレデリックは、ホフマンの妻ロッテに恋心を抱くようになるが…
 パトリス・ルコント監督初の英語作品。社長夫人と社長秘書のプラトニックかつ情熱的なラブストーリー。セックスはしないけど心で愛し合ってたら、それもまた不倫になるのでしょうか。セックスなしだと、道ならぬ恋でもゲスくならないですね。私はインポな純愛よりも、ゲスい痴情のもつれのほうが好きなんだけどこの映画の二人、決して一線は超えない、キス、いや、手さえ握らず、想いだけが募ってくすぶって、もどかしくも切ない関係が続くのですが、韓流ドラマのインポな純愛とは何か違うんですよね~。優雅な上流階級を舞台にしてるけど、イギリスのそれともまた違う。ドイツのお話だからというより、パトリス・ルコント監督だからでしょう。

 表面的には上品で慎ましいけど、かなり変態的、エロおやじっぽくもあるのが、さすがというか、いかにもルコント監督って感じでした。まず主人公のフレデリックが、真面目な堅物に見えて実は変態。年上の人妻への、なめまわすような執拗な粘着質目線や、彼女が弾いたピアノの鍵盤をわななきながらキスしたり(まるで誰もいない放課後の教室で、好きな女子のリコーダーの吹き口をなめる男子みたいで笑えた。メイドに目撃されてるのも笑えた)。高嶺の花な社長夫人には礼儀正しく想いを秘めてるのに、同じ階級の娘は性欲のはけ口扱いし、出世したら冷たく切り捨てるフレデリックは、ゲスだけどありえないほど誠実で清廉潔白な男よりは魅力的。誰も傷つけない人畜無害な男なんて退屈ですもんね。

 社長もなかなかの変態じいさん。妻と秘書の恋に嫉妬しながらも、気づかないふりして二人を挑発したり煽ったり、ドMっぷりが笑えた。そう、シリアスなんだけど何か滑稽なところは、まさにルコント監督の真骨頂。おやじな変態テイストと皮肉な滑稽さが、毒にも薬にもならない純愛ものとは一線を画してます。でも、そんなルコント節がこの映作品ではかなり薄まっていたのが物足りなくはありました。フランス語でフランス映画、フランスのエッセンスであるエスプリたっぷり、それこそルコント監督に本領を発揮させるのでしょう。
 この映画を観たのは、言うまでもなくリチャード・マッデン目当てです(^^♪

 リチャマ!時代劇でもイケメン無精ひげなしでこざっぱりしていると、かなり若く見えて可愛い!さっぱり可愛い風貌でも、ほどよく濃ゆいところがリチャマの魅力。無味無臭イケメンが多いので、リチャマの濃ゆい♂フェロモンが美味です。貧相すぎてスーツが似合わないキムタクとかと違って、たくましい体躯のリチャマはフォーマルファッションも男らしくてカッコいい。恋心や性欲を抑えて悶々としてる表情が、エロくて可愛かったです。リチャマといえば、やはりあの不幸顔と不幸オーラ。不幸じゃないシーンでも不幸に見える。もっと不幸になればいいのに、とドSな気分にさせてくれるリチャマが素敵です。社長夫妻の息子と仲良くしてるシーンのリチャマがすごく優しそうで、息子がもうちょっと大きくて美少年だったら、さぞや…なんて腐にありがちな妄想を楽しんでしまいました

 ヒロインであるロッテ役のレベッカ・ホールは美人なんだけど、で、でかい!リチャマより背が高い!リチャマが小柄なのかな?キビキビとテキパキした感じなので、恋に揺れる人妻というより有能な女教師みたいで、彼女と一緒だどリチャマは恋人ではなく生徒に見えてしまい、ムードがロマンティックにも官能的にもならない。もっと嫋々としたたおやかな美女のほうが、ロッテ役に合ってたのでは。社長役は、今は亡きアラン・リックマン。いい人なんだけどちょっと怪しい、何か企んでる感がハンパないおじさん、という彼のオハコな役でした。都合が悪くなったり、ロッテとフレデリックが燃え上がりそうになるところで必ず発作を起こして邪魔をする、というお約束がコントみたいで笑えた。

 リチャマの新作、マーベルの「エターナルズ」も公開延期みたいでガッカリ😞
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする